技能実習生とは、発展途上国の発展への一環として、日本の企業で技術を身に着け母国に戻ってそれらを活かすことができる国際協力としてスタートしました。2017年に監理団体や外国人技能実習機構が設立され、新制度が設立されるなど技能実習生を保護するための動きが大きくなっています。
技能実習生とは
技能実習とは日本の優れた技術を、開発途上国へ移転することにより国際協力をするための制度でした。現在では、日本企業の国際化へとつなげるため、また活性化をするためなど様々な目的があり、年々技能実習生が増えています。それでは技能実習生の概要や目的などをご紹介します。
概要
外国人が技能実習生として就業するためには、在留実習の資格を取得する必要があります。2010年までは研修生または特定活動として日本で就業していたのですが、技能実習生(1号、2号)として労働者扱いになっています。
目的
技能実習生は、発展途上国への国際協力で始まったのですが、受け入れ側である日本の企業にもメリットがいくつもあります。以下のような目的で、技能実習生を受け入れる企業も打増えています。
・若い実習生が活性化する
日本は高齢化社会が進み、少子化が深刻化しています。このため若い働き手を見つけられず、人材不足に陥っている業界も多くあります。しかし海外には、日本ほど少子化が進んでおらず、若い働き手が多くいる国もあります。
若い人達は、自分の家族の生活を良くするために仕事を探している人が多くいます。またもっと高度は技術を身に付けたいと意欲の高い人が多いのです。しかし自分の国では仕事が少ない、または平均賃金が低く海外で仕事を探している人も少なくありません。
こういった意識の高い若い働き手を迎え入れることで、企業も活性化が望めるというわけです。
国際化
日本は2020年に東京オリンピックが開催されるなど国際化が進んでいます。また企業によっては、オリンピックと直接関係があることもあるでしょう。社内の公用語が英語である企業もあるのですが、実際に国際化を進めるためには、外国人と触れる機会が必要となります。
日本人は中学校から高校まで少なくても6年間は英語を勉強しているのに、なかなか海外にでて話すことができないのは、この外国人と触れる回数が圧倒的に少ないのです。しかし日本の企業に外国人を呼ぶことで、普段から様々な分野や言葉に触れることができるのです。
また文化や言葉の違う人達に、仕事の内容を教えるということはあらためて仕事内容を見つめなおすことになり、よい勉強のきっかけとなるのです。
海外の人達は日本人よりもはっきりと意見を伝えることが多いです。それが上司であってもクライアントであっても同じです。しかし日本人はこれらのことには抵抗のある人が多いでしょう。しかしこれまでと同じことばかりをしていても国際化とはいえず、技能実習生は社内が国際化するきっかけを作ってくれるのです。
海外への足がかり
国際化社会を迎え、これから海外に展開をしていこうと考えている企業もあるでしょう。しかし何のきっかけもなくいきなり海外に支店をだしたり、海外の企業とやりとりをすることは簡単なことではありません。
そこで技能実習生をよぶことにより、技能実習生の出身国とパイプができる可能性もあります。技能実習生本人だけでなく、送り出し企業ともやりとりをし、今後も継続して受け入れをしていくと自然とよい関係を作ることができるのです。
技能実習生の受け入れの仕組みとは
それでは技能実習生をどのように呼ぶのでしょうか。まして初めて技能実習生をよぶ企業にとって、始めはわからないことだらけでしょう。ここで技能実習生の受け入れの仕組みをご紹介します。
送り出し機関や監理団体との関係
技能実習生を受け入れる企業は、団体監理型であれば直接技能実習生とやりとりをするわけではありません。海外の送り出し機関と日本の監理団体が契約をした上で、受け入れ企業と送り出し機関が紹介をする労働者と雇用契約を結びます。そのため監理団体が指導や支援をし、技能実習者との間で問題があった時も、監理団体に相談をすることができるのです。
監理団体は事業協同組合や商工会などの非営利団体であり、技能実習生を受け入れて傘下の企業で技能実習を行うと考えていただくとわかりやすいです。
技能実習の流れ
技能実習生が入国する時の在留資格は、技能実習1号ィもしくはロとなります。いきなり実習に入るのではなく、監理団体が原則2か月間講習を実施します。この時企業とは雇用関係になく、日本語や日本のルールやマナーなどを学びます。つまり実習に入る時には、ある程度日本になれた状態で入ることができるのです。
この講習は言葉やルールなどだけではなく、仕事内容に関することを講習に入れることもあります。講習が終わると雇用関係が始まり、実習がスタートします。基礎級が終わった時、通常実技試験や学科試験を行い技能実習2号へと移行されます。
この技能実習2号は送出国のニーズがあり、公的な技能評価制度が整備されている職種である必要があります。また対象者は技能実習1号の実習が終わり、所定の技能評価試験の学科及び実技試験に合格したものです。
技能実習2号が終わった時、実技試験があり、合格者は在留資格「技能実習3号ィ、ロ」へ移行されます。技能実習2号が終わった時点で、技能実習者は一旦帰国をする流れになります。
参考 厚生労働省
技能実習計画の認定基準
技能実習を行うためには、技能実習計画を作成し、認定を受けることができるのですが、認定基準を守る必要があります。
技能実習を行わせようとする者は、技能実習生ごとに技能実習計画を作成し、認定を受けることができるとされており、当該技能実習 計画の適切性の担保のため、認定基準が設けられている。(法第9条)
引用 厚生労働省
技能実習生が行う実習内容ですが、本国にて習得が難しい技能である必要があります。また1号から3号までそれぞれ目標を設定し、学科試験や実技試験への合格を目標とします。
技能実習の内容は以下の様に厚生労働省にて定められています。関連業務や周辺業務、また必須業務の時間や講習を行う必要があるなど細かく定められているので、よく理解をしておく必要があります。
・単純な作業などで簡単に習得できるものであってはいけません。
・第2号、第3号へ移行する場合は対象業種であるかどうかの確認が必要です。
・通常利用する事業所や業務であることが必要です。
・移行対象業務にかかる時間の半分以上を必須業務として、周辺業務は3分の1以下にしなければなりません。
・団体管理型では、海外において技能実習と同じようの業務をしている必要があります。
・帰国後に、習得した技術を活かした業務につくことが予定されていることが必要です。
・第2号修了してから、第3号に移行する場合は1か月以上帰国することが必要です。
・複数の職種に就く場合は、いずれも2号移行の対象職種であることが必要です。
・技能実習生や家族が、違約金等の定めをうけていてはいけません。
・第1号の技能実習生に対して、入国後に日本語や労働関連法令などの講習を受ける必要があります。
実習を実施する期間ですが、第1号は最大1年、2,3号は最大2年と決まっています。この期間を超えると不法雇用となるので十分に気を付けてください。また技能など適正な評価をするための技能検定や技能実習評価試験が必要になります。
技能実習生の数
技能実習生の数は、実習実施者の常勤の職員の総数に対して決まります。実習実施者の常勤の職人の総数に対する技能実習生の枠は以下の様になっています。
実習実施者の常勤の職員の総数 |
技能実習生の人数 |
301人以上 |
常勤職員総数の20分の1 |
201人以上~300人 |
15人 |
101人~200人 |
10人 |
51人~100人 |
6人 |
41人~50人 |
5人 |
31人~40人 |
4人 |
30人以下 |
3人 |
引用 厚生労働省
国籍別技能実習生の数の推移
技能実習生は長年中国人が多かったのですが、ここ5年ほどでベトナム人が多くなっています。ベトナムは勤勉な国民性と、急激な経済の成長が大きな要因となっています。
引用法務省
技能実習生の問題点とは
技能実習生の受け入れには様々な問題があり、技能実習生の失踪などにつながっています。主な理由としては、受け入れ企業側の問題としては、契約内容を守っていない、過酷な就業状況を作っている、パワハラ、セクハラなどと様々な原因があります。
また賃金が安すぎて、他の仕事に就くなどの問題もあります。これらを防ぐために監理団体や外国人技能実習機構を創立し、就業状況などを常に把握するような仕組みにしています。
送り出し側も受け入れ企業側も、また監理団体もそれぞれが技能実習の概要を理解し、実習生にしっかりと理解をしてもらうことが必要になります。また問題があった時の相談先や日本で生活をしていくためのフォローなどしっかりとした体勢となっているのです。
技能実習生とはのまとめ
技能実習とは、もともと発展途上国に対す国際協力として、技能実習者に日本の技術を覚えて母国に持ち帰ってもらい、それぞれの母国の発展へとつなげるといったものでした。しかしこのシステムを理解しない受け入れ企業や技能実習者が多く、技能実習者の失踪へとつながることも多くありました。
しかし外国人技能実習機構、監理団体、送り出し機構と連係をしっかりととって、技能実習生を保護するような仕組みに現在はなっています。技能実習者が困った時に相談する場所の設置や、日本で暮らしていくためのフォローなどの体勢が充実しているのです。
また技能実習から特定技能へ移行する機会もあり、外国人にとって日本で就業できる機会が増えるのです。
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