外国人社員の受け入れを考えている人必見! 派遣外国人のメリット・デメリットを紹介

執筆者 5月 28, 2019ニュースコメント0件

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近年の深刻な人手不足に伴い、新たな人材確保の手段として外国人派遣が注目されています。

国内の人材では人件費がかさみ、求人にも手間がかかることから外国人派遣の導入を検討されている経営者の方も多いでしょう。

本記事では外国人派遣についてそのメリットから導入時の注意点まで詳細に解説していきます。

外国人派遣のメリット

深刻化する人手不足

日本国内における人手不足はますます深刻となる一方です。

 

日本の総人口は減少の一途をたどり、みずほ総合研究所によると、2016年から2020年までに約244万人、オリンピック後の2020年から2025年までにはさらに約255万人の人口減少が見込まれるとのことです。

 

一方、有効求人倍率は2009年の0.47倍を底打ちに年々増加しており、2014年に1.09倍、2018年12月には1.63倍と9年間でおよそ4倍まで推移しています。

 

以上のことから、労働市場における売り手優位は今後さらに強まることが予測され、企業側は人材確保のためより一層の努力と工夫が求められることになります。

人手不足による倒産

国内の実質GDP成長率は近年1%前後で推移しており、堅実な経済成長を続けています。

しかしその一方で、人材が確保できないため業務量の増加に対応できずに倒産する企業も増えています。

 

帝国データバンクによれば2018年度の人手不足倒産は153件で、前年の106件に比べて44.3%の増加でした。

働き方改革によるワークライフバランス意識の向上により、ひとりあたりの業務負担が増加すれば容易に離職へとつながり、さらに他の従業員の負担が増えて離職してしまう、というように負のスパイラルが起きているというのが現状のようです。

 

せっかくの好景気も人手不足であれば倒産につながりかねません。企業側は従業員の負担を軽減し、これ以上の人手不足を食い止めるためにも確実に人材を確保する必要があります。

 

外国人労働力という活路

前述したように国内では労働人口が減少し続け、人材の確保が難しくなっているのが現状ですが、東南アジアなどいわゆる後発国と言われている地域に目を向けると、人口増加に経済成長が追い付かず労働力が余ってしまっているという国が多く存在します。

 

これらの国の多くは余剰人口による治安の悪化や土地不足に悩んでいるため、かつて日本がブラジルなどに向けて労働力を輸出したのと同じように、国を挙げて海外移住を奨励しています。

 

また、国外で就労することで特定分野の技能習得を目指している場合もあります。

例えば、日本はインドネシア・フィリピン・ベトナムの参加国と経済連携協定(EPA)を結んでおり、その一環としてこれら三か国から介護福祉士候補者を受け入れています。

 

ではそういった後進国からの労働者のモチベーションが低いかというとそんなことはなく、多くの労働者は現地よりも高賃金が得られる先進国での就労に前向きなイメージを持っており、生活水準の向上を目指して勤勉に働く方がほとんどです。

また、近年はSNSの普及により現地の家族と簡単に連絡が取れることから、海外での就労に対する心理的ハードルは以前と比較してそれほど高くないようです。

 

そして国内の人材不足にあえぐ我々にとっては海外の人材に来てもらうことで労働力の不足を補うことが出来るというメリットがあります。

 

このように外国人労働者の受け入れは国—人材—企業それぞれにとって利点があり、近江商人ではありませんが「三方よし」の関係と言えます。

もちろんそのような関係を結ぶためには外国人労働者の方々を日本人と同等の条件で雇用し、なおかつ日本国内の文化・慣習に溶け込めるよう公私両面からサポートすることが大前提です。

 

初めての外国人雇用は派遣がおすすめ

実際に外国人労働者を雇うとなると、ほとんどの企業はノウハウの蓄積がないため二の足を踏んでしまうことが多いかと思います。

 

試しに雇ってみたものの言語の壁や習慣の違いで職場となじむことが出来ずにすぐに辞めてしまったり、疎外感から反抗的な態度をとったりなどどいったトラブルが起きてしまうことも多々あるようです。

 

また、直接雇用の際には在留資格の確認を始め様々な手続きが必要になるうえ、もし知らずに違反してしまうと多額の罰金を科されてしまう可能性があります。

 

したがって、初めて外国人労働者を雇うにあたり、受け入れ態勢や事務手続きに不安がある場合には派遣業者を利用することをお勧めします。

 

きちんとした派遣業者であれば入管法など関連法規にのっとり国内で雇用しても問題ない外国人労働者を派遣してくれるのはもちろん、語学学習やマナー講座などのバックアップ体制が整っているところも多くあります。

 

見切り発車で外国人労働者を受け入れてトラブルになることが無いよう、始めのうちは派遣会社を通じて人材を紹介してもらい、ある程度ノウハウがたまってきたら直接雇用に乗り出すというのが最も堅実なやり方かと思われます。

外国人派遣の注意点【就労条件について】

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前述したように、外国人を雇用する際には入管法をはじめ様々な法律により規制がなされています。派遣会社を通じて雇用すればそのあたりの問題はクリアしていますが、なかには悪質な派遣会社もあり、本来であれば違法就労となる外国人を派遣してくる場合もありますので、外国人が日本で就労するにあたり満たしておかなければならない条件をあらかじめ確認しておきましょう。

 

なお、派遣で雇い入れた外国人について疑問点がある場合には最寄りのハローワークで「外国人雇用管理アドバイザー」に相談することをおすすめします(無料)。

在留資格

在留資格について、厚生労働省のホームページより引用します。

 

1)在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格18種類

 外交/公用/教授/芸術/宗教/報道/投資・経営/法律・会計業務/医療/研究/教育/技術/人文知識・国際業務/企業内転勤/興行/技能/技能実習/特定活動(ワーキングホリデー、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士、ポイント制等)

 

(2) 原則として就労が認められない在留資格5種類

 文化活動/短期滞在/留学/研修/家族滞在

 

(3) 就労活動に制限がない在留資格 4種類

 永住者/日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/定住者

 

引用元…「外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください。

 

まとめると、(1)か(3)で定められた在留資格でないと就労は出来ません。

ただし、(2)の「留学」「家族滞在」については地方入国管理局で資格外活動の許可を取得できれば定められた範囲内での就労が可能です。

 

滞在期間

日本での滞在を企図する外国人は、日本大使館または領事館にてビザを取得しパスポートに貼り付け、空港または入国管理局で証印を貰うことで滞在を許可されます。

 

派遣で外国人を雇う場合、ビザの取得に関しては派遣元で手続き済みなので心配する必要はありませんが、ビザには有効期間があるためその点については留意しておきましょう。

就労ビザ

将来的に外国人を直接雇用する時のために「就労ビザ」について確認しておきましょう。

 

外国人を雇用する場合、就労ビザの取得を求められることがあります。この場合、雇用主の書類手続きも必要になるので注意が必要です。

ただし、日本で働く外国人のすべてが就労ビザを取得する必要があるわけではありません。その条件を以下に示します。

 

【1】就労制限のない外国人

  ⇒永住者や定住者、日本人の配偶者等がこれに該当します。

 

【2】一定の範囲内で自由に就労できる外国人

  ⇒外国人留学生や家族滞在で「資格外活動許可」を受けた人が該当します。

 

【3】就労ビザを新たに取得する必要がある外国人

  ⇒【1】または【2】以外の外国人が就労する場合がこれに該当します。

直接雇用時の手続きについて、就労ビザの取得方法を含めて大まかな流れを以下に示します。

(1)海外から外国人を呼び寄せて採用する場合

  ①在留資格認定証明書の交付を申請

  ②同証明書を本人に送付し、続いて本人がビザを申請する

  ③ビザが発行され来日可能

 

(2)既に日本国内にいる外国人を採用する場合

  ①所持している在留資格を確認⇒業務と一致しない場合は在留資格変更許可申請を提出

  ②雇用契約書の作成・署名(日本語および被雇用者の母語にて作成)

  ③在留資格変更許可申請および契約機関に関する届け出(転職の場合)を提出

  ④ハローワークに外国人雇用状況の届出を提出

 

外国人派遣の注意点【文化や言語の壁について】

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言語

外国人を雇う場合、当然のことながら言語の壁が生じます。

もちろん来国間もない時は日本語が少々拙い方であっても、多くの人は仕事を続けていくうちに日本語をみるみる上達させていくのであまり心配する必要はありません。

しかし業務内容によっては高度な日本語技能が求められることもあり、そのような場合は「日本語能力試験」をひとつの目安にするといいでしょう。

 

日本語能力試験は習熟度別にN1~N5のレベルに分かれています。

N5はひらがな・カタカナ・簡単な漢字の読み取りと短い日常会話の聞き取りができれば習得できますが、N1では新聞の評論など論理的で抽象的な文章を読み取ることができ、なおかつ日本語ネイティブが普段話すスピードの会話を聞き取ることが求められます。

 

窓口業務などで微妙なニュアンスが要求される場合には、派遣元に日本語能力試験有資格者の紹介をお願いするのも手です。

 

宗教

日本人同士だと宗教上の対立が問題になることはほぼありませんが、外国人を雇用する場合には信仰している宗教について配慮が必要です。

世界で18億人が進行しているといわれるイスラム教を例にとると、ハラール食や礼拝室の用意など、公私両面において信仰に配慮した制度・設備の用意が必要となります。

生活習慣

雇用した外国人のなかにはゴミ出しのルールが理解できなかったり、同郷の友人たちを集めて公道でバーベキューをしたりする方もいます。

近隣住民とのトラブル防止のため、日本での公共マナーやルールについての研修を設けるようにしましょう。

外国人派遣のこれから【改正出入国管理法】

最後に、簡単ではありますが改正出入国管理法について補足しておきます。

 

2018年12月に同法案が可決され、2019年4月から施行されることになりました。

この改正により、在留資格について「特定技能」が新たに設けられ、これまで基本的に認められていなかった農業や介護などの分野について外国人労働者の受け入れが可能になりました。

 

今後も受け入れ分野は拡大すると思われるので、外国人雇用を考えている方はこれからの動向に注目する必要があります。

 

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著者 アドミン

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