日本に憧れを持ち、就労ビザを取得して日本にやってくる人は増加傾向にあります。
その中で、「ずっと日本に住みたい!」と考える人も同時に増えており、永住権を取得しようと様々な準備を行う外国人が複数存在しています。
そこで、永住権を取得することが外国人にとってどのような利点があるのか、また永住権を取得しても変わらない部分とは何か、詳しく解説します。
永住権を持つ外国人は、在留資格を持つ外国人全体の3割弱!
平成31年3月に公表された、平成30年末における在留外国人の数は273万人となっており、去年に比べて17万人ほど増え、過去最高となっています。
日本の人口がおよそ1億2700万人なので、日本の人口の2%にあたる人が在留資格を得た外国人ということです。永住者の資格を持つ外国人はおよそ77万人、外国人の中では約30%という比率で、その人数は去年に比べ3%増えています。
参照:法務省
平成26年末のデータでは、永住者はおよそ68万人と4年で約9万人ほど増えていることがわかります。
国籍別で見ると、圧倒的に多いのが中国で26万人程度、次にフィリピンで13万人程度、ブラジルが11万人程度と続き、韓国は7万人です。
大きな伸びを見せたのがベトナムとネパールで、まだまだ人数に大きな開きは見られますが、将来的に上記の国々をより多くの永住者が生まれる可能性もあるでしょう。
外国人が永住権を取得する6つのメリット
なぜ外国人は日本で永住権を取得しようとするのか、そのメリットについて1つずつ解説いたします。
在留期間が無期になる
在留資格にはそれぞれ在留期間が設定されており、長いものは5年にも上ります。
つまり、一度在留許可が出れば、5年後に延長すれば問題ありません。ところが、何度更新をしても在留期間が1年のみ、という人もおり、その煩わしさから解消されたいと願う外国人は少なくないのです。
また何かしらの理由で在留期間が短縮されることもあるので、永住権を獲得し、在留期間を無期にして、在留期間の短縮がないようにしたいと思っている人も多いようです。
実際に永住権を取得するにあたり、保持しているのが最長の在留期間であることが条件として存在するため、その資格を獲得するのが最初のステップとなりそうです。納税の義務をしっかり果たすなど、日本に長くいて日本の国益に寄与してくれそうだと思わせるような活動をして、最長の在留期間を得てからの話です。
在留資格の取得条件には以下の記事でも解説しています。
日本で永住権を取得するために絶対に外せない「3つの条件」とは?
就労制限がなくなり、自由に働ける
基本的に在留資格を取得すると、在留資格の範囲内でしか就労を行うことができなかったり、就労そのものができなかったりします。
永住者にはその就労制限がありません。例えば、「工場での軽作業のアルバイトがしたい」と思っても、研究や教育の在留資格を得た人は、その作業には従事できません。
しかし、永住者にはそれが可能なのです。急場しのぎでアルバイトをしたい場合に、在留資格の範囲外のことをすれば不法就労となる中で、就労制限がないのは大きなメリットです。
例外として、日本人や永住者の配偶者等、定住者にも就労制限がありません。
日本人と同じような扱いになる
永住権を得ている外国人は、少なくとも10年以上日本に在留し続けているか、それより短くても信用に足りる人間であることは明らかです。
日本人と同等の扱いにしても差し障りはないということで、住宅ローンなども日本人と同じものを組ませてもらえます。信用度合いが日本人とほぼ同じなので、これまではハードルが高かったモノもそれが下がるので、より生活はしやすくなるはずです。
もちろん、すべて同じ扱いになるわけではなく、参政権などは与えられません。もし政治参加をしたい場合は帰化を目指すことになります。
日本国内での起業が楽にできる
日本人は保守的な人が多いこともあり、起業を目指す日本人はそれほど多くありません。しかし、外国人は起業をする文化にあるため、経営管理の在留資格を得て日本で企業を行う人が急増しています。
参照:https://continental-immigration.com/corporate/entre/#example3
しかし、経営管理ビザを得るには、会社設立から計画の立案、お金の工面など様々なことをクリアしなければならず、そのハードルは高いのが実情です。
その点、永住者になってしまえば、何のハードルも越えることなく、日本で事業経営が行えます。資本金1円での起業が日本では行えますが、経営管理ビザではこれだと大変です。
事業資金など500万円を確保すれば経営管理ビザの条件をクリアできますが、どこでそれを工面するのかも難しい部分と言えます。永住権を得ておけば、それらで頭を悩ませる心配はなくなります。
在留資格の変更がなくなる
「就労制限がない資格がいいということであれば、日本人や永住者の配偶者になればいいのはないか」と考える人もいるでしょう。
しかし、この場合、万が一パートナーと離婚する、もしくは死別することになると、在留資格の変更をしなければなりません。パートナーの期間は就労制限がないものの、別れてしまえば就労制限が生じてしまいます。
場合によっては更新に手間取ってしまい、更新ができないまま日本を去らなければならないケースも出てきます。
もし永住権を取得していれば、万が一パートナーと別れたとしても、自らすでに永住者となっているため、変更する必要がありません。関係は冷え切って今すぐにでも別れたい、だけど、今別れれば大好きな日本にはいられなくなると悩んでいる外国人の方もいらっしゃるでしょう。永住権を取得するまでの我慢です。
配偶者などの在留資格の選択肢が広がる
今まで就労ビザを持っていた外国人が家族を母国から呼び寄せる場合、家族滞在ビザを持ってもらう必要がありました。
しかし、家族滞在ビザだと就労制限があるため、資格外活動の許可を受ける必要があります。
また、週28時間までの労働制限があり、制限を過ぎてしまえば家族滞在ビザの当人はもちろん、家族を呼び寄せた外国人にも悪影響が及ぶ可能性があります。
もし永住権を取得すれば、永住者の配偶者等に資格の変更を行わせることで就労制限なく自由に働けます。選択肢がかなり広がるので、家族を呼び寄せて一緒に働いてほしい場合などに有効です。
永住権を取得してもそれまでと変わらないことって何?
永住者になったことでかなりのメリットがある一方、永住権を得ても変わらないことがいくつかあります。ここでは永住権を得ても得なくても変わらない部分をご紹介します。
在留カードを携帯し、一定期間の中で更新し続ける
永住者も現状は外国籍のままなので、在留カードは常に持っていなければなりません。
その在留カードは常に更新が必要なカードなので、有効期間である7年が過ぎる前に更新し続けなければなりません。更新自体はさほど難しくはなく、日本人における車の免許の更新のようなものです。
とはいえ、数年に1度でも免許の更新が面倒に感じるように、在留カードの更新も同じです。うっかり忘れないように注意しましょう。
再入国許可を行う
外国人である以上は、日本から何らかの形で出る際に再入国許可が必要となります。
再入国許可をしていないと、日本を出た瞬間、せっかくの永住権が水の泡です。
永住者は再入国許可の有効期限が延びるということはなく、再入国許可なら5年、みなし再入国許可なら1年となっています。うっかり忘れるケースはさほど多くはないケースですが、気をつけなければなりません。
外国籍のままなので、退去強制になる可能性は残される
外国人なので、罪を犯して懲役刑などになれば、退去強制の可能性は出てきます。
在留特別許可が出て引き続き日本での在留が認められる可能性もありますが、その許可を得るまでに審査があるため、対策も立てずに臨めば認められないことも十分にありえます。
そこが永住権と帰化の決定的な違いでもあるため、日本で悪さを働かないようにすることが求められます。
まとめ
永住権を得ることで様々なメリットがもたらされます。自由度が一気に増すことが大きく、自由に働けたり、起業できたり、住宅ローンを組んだりと日本に長く住むための布石をどんどん打てます。
家族を母国から呼べて、自由度の高いビザを持たせられるのも永住者の権利です。
ただ何をしてもいいわけではなく、一定のルールが永住者にも課せられます。
将来的に帰化を目指すのであれば、ここで悪さを働くのはマイナスでしかありません。ほとんどの人はそのようなことを考えない人ですが、永住権を得るのもそれなりに大変である以上、自分の不注意でリリースをすることがないよう、最低限のルールを守りながら日本での生活を送らなければなりません。
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