永住者の配偶者等の在留資格はどうすれば取得できる?

執筆者 10月 26, 2019ニュースコメント0件

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お互いに外国籍のカップルでありながら、一方が永住者の在留資格を持っていれば、もう片方の人は永住者の配偶者として在留資格が得られます。しかし、永住者の資格があれば、そのパートナーは誰でも配偶者としての資格が得られるわけではありません。資格を得るための条件や相手が日本人だった場合に比べて条件など厳しくなるのかなどをご紹介していきます。

 

在留資格を得る条件は、日本人の配偶者のそれと変わらず 

永住者の配偶者等とあるので、配偶者だけでなく永住者の子供も該当します。永住者の子供の場合は、日本で生まれてそのまま在留し続けることが1つの条件です。基本的に、その条件は日本人の配偶者等の在留資格とあまり変わりがありません。どちらも、法律上の婚姻関係や実体のある婚姻関係それぞれなければならず、生活が維持できるかどうかもお互いに問われます。配偶者が日本人か、それとも永住資格を持つ外国人かの違いだけです。

 

質問書を提出し、結婚のいきさつを説明することやスナップ写真を出さなければならないのも共通です。どちらの在留資格も就労制限がないため、いくらでも働けるというのがポイントになっています。偽装結婚のケースも多いため、どちらもそのあたりを強く警戒されているのが実情です。

 

在留資格を得る条件として何があるか

永住者の配偶者等の在留資格を得るためには複数の条件が必要です。どのような条件を満たすべきなのか、1つずつ詳しく解説してまいります。

 

法律上の婚姻成立条件を満たしている

永住者の配偶者である以上は、当然ながら婚姻関係にある、結婚していることが絶対条件となります。しかし、事実婚のような、入籍はしていないけれど実質的には婚姻関係にあるというような状況では認められません。あくまでも法律上なので、日本で正式な婚姻の手続きをしないと認めてもらえないです。

 

日本で知り合い、日本で結婚した外国籍同士のカップルが気を付けたいのは、母国でも正式な婚姻手続きをしなければならないことです。もし日本人の配偶者等の資格を得るのであれば、日本で結婚の手続きを済ませれば、その時点で成立します。ところが、お互いに外国人だった場合は配偶者の母国で婚姻証明書を発行してもらわなければなりません。要するに、配偶者の母国でも婚姻手続きをしなければならないということです。

 

国によっては同性愛を認め、婚姻手続きが行えるケースやアフリカなど重婚を認めるケースがあります。しかし、日本では現時点で同性愛の婚姻手続きは認めておらず、重婚もダメです。たとえ母国では認められていても日本で認められていない以上、法律上の条件を満たさないため、永住者の配偶者等としての在留資格は得られません。

 

真実条件をクリアしている

水際作戦を行う入管にとって一番危惧しているのは、偽装結婚を行って在留資格を得ようとする行為です。たとえ法律上は何年も婚姻関係にある夫婦であっても、実はペーパー上だけのもので、会ったこともないというのでは認められません。実体が伴う夫婦であるかどうか、そのための証明を様々な形で行ってクリアをする必要があります。入管に提出する資料の中には質問書がありますが、そこには結婚に至ったいきさつなどを尋ねる項目があります。在留資格の審査をしてもらうにあたり、夫婦2人で写っているスナップ写真が必須なのもその1つです。

参照:厚生労働省

 

具体的な資料として、例えば国際電話でのやり取り、SNSやメール、デートや結婚式での写真などが挙げられます。第三者から見てどう考えても長年関係を持つ夫婦であると思ってもらわなければ意味がありません。例えば写真が少ないと、もしかすると偽造をしたかもしれないと思われます。1つだけが決定的な物証とはならないものの、それぞれが証拠能力を支え合うような形にはできます。かなり事前の準備や対策が必要でしょう。

 

同居条件や生計・収入条件を満たしている

配偶者ビザである以上、1つ屋根の下で夫婦が暮らすことが大前提です。正確には別居状態でも在留資格は得られるケースもありますが、半年分だけしか在留許可が出ない場合、不許可に終わってしまう場合も考えられます。少しでも長く滞在するには一緒に暮らすことが重要です。入管法の届け出義務を守る事、公的義務を守る事、義務教育期間の子供がいれば、その子供が通学していること、納税義務を果たしている事などが在留期間を左右します。離婚調停中などになると6月しか付与されないので注意です。

 

ちゃんとした理由なく、別居をしていれば不許可になる可能性が高いです。この場合に正当な理由として挙げられるのは、永住者であるパートナーが転勤し、申請した人物は子供の通学があるため引っ越しができず、単身赴任のために別居しているケースです。また、ちょっとしたケンカで少しだけ別居をする場合も正当な理由となる場合がありますが、なぜ別居をしたのか、別居中の期間や送金の有無なども考慮されます。

 

2人で暮らすとなると、生活を維持するだけの収入や財産が求められます。永住者の職業や収入を証明する資料を提出することになるので、ウソはつけません。入管はこの年収ならセーフというものを出していませんが、少なくとも生活保護を受けざるを得ないようなレベルでは、生計を立てられるとは言えないでしょう。

 

日本人の配偶者等の審査より厳しくなる要素とは?

条件はほぼ同じで、配偶者が日本人か永住者かの違いしかありませんが、一方でその違いが審査でどのような影響をもたらすのか、解説します。

 

永住者とはいえ、どちらも外国人である

永住権を取得するまでのハードルはそれなりに高いため、永住者も日本人と同等の扱いを受けます。しかし、外国籍のままであることに代わりはなく、お互いに外国人です。日本国籍を持っていない分、一線を引かれることになり、厳しくチェックされることになります。配偶者は就労制限がない分、どんな仕事でもできます。その分、時間をかけてチェックが行われ、平成30年度の第4四半期における在留審査の日数は、申請の受理から許可までに平均81日もかかっています。これは日本人のそれと比べると15日も長いです。しかも、年々この日数が増えており、1年前に比べると20日以上増えています。

参照:在留審査処理期間(日数)

 

永住権を取得した人物の、取得までのプロセスに問題がある

日本にやってきてマジメに働き、永住権を獲得した人は手続きに問題さえなければ疑われることはありません。ただ、永住者の資格を獲得するのを目的に、日本人と結婚して配偶者の資格を得て永住者になったら早々にパートナーと別れるみたいなことになると、怪しさが出てきます。たまたまそうなっただけという見方もできますが、その場合は実体のある婚姻関係かどうかを細かくチェックされるでしょう。

 

永住者を持つ人物が過去に離婚していた場合、離婚の理由や再婚の理由、もし離婚の事実を知らせていない場合はなぜ知らせていないのかまで詳しく説明しないと、偽装結婚を疑われることもあるようです。

 

婚姻関係を証明するための資料に欠けている

メールのやり取りや写真など婚姻関係を証明する資料が不足しているのは、何かと辛いです。証明したくても証明できない以上、関係を証明できるような資料をこれから作っていくことしかできません。偽装結婚の可能性がつきまとう以上、そうではないことを証明するにはそれ相応の資料が必要です。まして、永住者が永住権を獲得するまでのプロセスで疑わしい部分があれば、同じ手を使うのではないかと入管も警戒します。日本人の配偶者にはないプロセスなので、余計に、資料の存在がクローズアップされます。

 

在留資格そのものの審査が厳しくなっている

全体を通して在留資格に関する管理の厳格化や交付率の低下などが見られます。特に入管では日本人と偽装結婚を行い、人身取引被害者も出ているということで、婚姻実体の調査を行っています。

参照:出入国在留管理庁(平成31年3月31日以前は入国管理局)におけるこれまでの主な取組

 

また平成30年度の在留資格取り消しの件数は平成29年度に比べ倍増しており、在留資格を巡る動きは流動化しています。現状、永住者の配偶者等の在留資格が取り消されるケースは増えていませんが、厳しくなったとしても不思議ではありません。

参照:平成30年の「在留資格取消件数」につい

 

永住者の配偶者まとめ

他の在留資格と比べ、就労制限がない分、取得すればとても使い勝手がいいのは明らかです。だからこそ、入管では、書類の審査や実体の調査などを入念に行い、結果的に交付までに3か月近い日数を要します。81日という数字はあくまでも平均であり、これより長いケースも見られます。また、年々交付までの日数は増え、急に短縮される可能性も低いでしょう。今まで以上に準備を重ね、婚姻関係を証明する書類をたくさん用意しなければ、偽装結婚ではないことを証明できず、寄り時間をかけることになりそうです。

 

在留資格そのものの審査が厳しくなっている他、実際に資格を得ても、婚姻関係が悪化すれば容赦なく在留期間を短くさせられる可能性が出てきます。ハードルは限りなく高いかもしれませんが、ここをクリアすれば永住権などの獲得も視野に入るでしょうから、その前段階として、準備は入念に行い、行政書士などの専門家に任せるなどして、対応していくことをおすすめします。

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著者 アドミン

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