日本に期限なく滞在するためには、永住者在留カードの取得が必要となります。また帰化をする時と違って、母国の国籍を失うこともありません。しかしそれだけ審査に通るのが難しいカードです。
それでは永住者在留カードの概要や申請方法、帰化との違い、またその他にも永住者在留カードに関する注意点をご紹介します。
永住者在留カードとは
永住者在留カードとはどのようなカードなのでしょうか。また帰化をするのとどう違うのでしょうか。永住在留カードに関して詳しくご説明します。
概要
在留カードとは、中期もしくは長期の間外国人が日本に滞在する時に必要となります。永住者もこのカードを常時携帯している必要があります。この在留カードを持たなくてよい外国人は以下のようになります。
・3か月以下の滞在
・短期滞在の在留資格を持っている人
・外交または公用の在留資格を持っている人
・特別永住者
永住者の他留学で日本に滞在する外国人、日本で就業する外国人などには全て在留カードが交付されているのです。在留カードにはそれぞれの就業内容や滞在期間などが記載されているのですが、永住者在留カードの場合は、滞在期間が定められていません。
入管法による永住許可とは
入管法にて永住許可の概要を定められています。詳しくは1-3をご参照ください。
在留カードと特別永住者証明書の違い
それでは永住者と特別永住者はどのように違うのでしょうか。いずれも在留期間に期限はないのですが、永住者は在留カード、特別永住者は特別永住者証明書を保持することになります。
特別永住者とは、1991年に施工された「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」に定められています。世界第二次対戦中に日本の占領していた場所で戦争中に日本の国籍を持っていた韓国人、朝鮮人、台湾人に対して戦争後に日本国籍を離脱したのですが、それらの子孫が日本へ定住するために許可されたのが特別永住者となります。
また永住者は在留カードを持ち歩く必要がりますが、特別永住者は証明書を持ち歩く必要がありません。それほど違うのです。特別永住者の資格を持つ人はかなり限られており、通常の人は取得することができません。
また上記に当てはまる外国人は、特別永住者証明書が交付されるのですがこのことに関しても出入国管理に関する特例法にて記されています。
第七条 出入国在留管理庁長官は、特別永住者に対し、特別永住者証明書を交付するものとする。
2 出入国在留管理庁長官は、第四条第一項の許可をしたときは、居住地の市町村の長を経由して、当該特別永住者に対し、特別永住者証明書を交付する。
3 出入国在留管理庁長官は、第五条第一項の許可をしたときは、入国審査官に、当該特別永住者に対し、特別永住者証明書を交付させる。
引用 出入国管理に関する特例法
永住許可に関しては、法務省が入管法上の要件として以下のように設定をしています。
素行善良要件
法令などを守る生活をしていることが必要です。納税が滞納していたり、交通違反などどしている場合も条件から外れることがあります。
独立生計要件
日本で独立して過ごしていけるだけの安定した生活をできる資産が必要です。生活保護を受けなければいけない状態であれば、永住者在留カードを取得することは難しくなります。
国益要件
日本に納税などで利益をもたらし、10年以上継続して在留していることが必要です。また10年のうちの5年間は就労資格もしくは居住資格を得て在留をしていることが必要です。この間納税義務など公的に必要な義務を全て行っていなければなりません。
現在取得している在留期間が最長の3年、もしくは5年でなければいけません。
参照 法務省
さらに日本への貢献のガイドラインとして条件を以下のように定めています。
○ 国際的に権威があると評価されている場合
○ 日本とそれぞれの国との文化交流に対して貢献をした場合
○ 日本の経済の発展の貢献をした場合
○ IoT又は再生医療等の「成長分野」の発展に寄与するプロジェク トに参加することにより、日本の貢献をした場合
○ 日本の企業に勤めたことがあり、1億円以上の投 資を行ったことがある場合
○ 日本の文化の向上に貢献のあった場合
○ 日本の教育の発展に対して貢献のあった場合
○ 研究活動をしたことにより大きな成果があったと認められた場合
○ スポーツなどで日本に大きく影響をもらたした場合は条件である在住期間が10年から5年に短縮される
参考 法務省
永住者は「出入国管理及び難民認定法」、特別永住者は「出入国管理及び難民認定法」、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱したもの等の出入国管理に関する特例法」とよばれる法令に基づいているため、根本的に該当する法律から違うのです。
永住者在留カードを取得するのと帰化との違い
永住者在留カードを取得する場合、帰化する場合いずれも日本に期限なく滞在することができます。しかし大きく違うのが、帰化する場合は日本国籍となり母国の籍はなくなることになります。つまり完全に日本人扱いとなり、選挙権を持つこともできます。
また永住者在留カードを取得する場合は、あくまで国籍は母国のままで日本に期限なく滞在をすることができます。
永住者在留カードの取得方法
それでは永住者在留カードの取得方法や必要書類、申請するための場所をご紹介します。
必要書類
申請書と手数料の8,000円、また写真、資格外活動許可書、旅券または在留資格証明書が必要となります。もし旅券も在留資格証明書も提出ができない場合は提出できない理由書も必要です。
申請方法
在留期間が満了をする前に、もしくは出生などの30日前に申請をする必要があります。申請者は本人の他、法定代理人や取次者も申請可能です。
取次者の場合は地方出入国在留管理局長から申請取次の承認を受けているか、申請人が経営もしくは雇用されている期間の職員、また外国人の受け入れを目的とする公益法人の職員などである必要があります。
申請書は法務省のホームページからダウンロードをすることができます。いずれも日本工業規格A列4番の用紙に印刷をする事が可能です。
申請場所
上記の書類を住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に申請をします。わからないことがあれば外国人在留総合インフォメ―ションセンター(0570-013094)まで連絡をすることができます。
永住者在留カードを取得の際また取得後の注意点
永住者税流カードを取得する時も取得した後も注意点があります。それぞれご紹介します。
永住者在留カードを取得の際の注意点
永住者在留カードを取得するとき、いくつか注意点があります。それぞれ詳しくご紹介します。
・母国に戻るのにビザが必要になるケースも
出身国によっては、母国に戻る時にビザが必要になるケースもあります。
・出国の時に戻らないといけない期間が決まっている
永住者在留カードを取得したら、出国をする時に次に日本に戻ってくるまでの期間が決まっています。また母国にいる時に、活動が制限されることもあります。
・永住在留カードを申請する理由
永住許可を申請する際に、なぜ永住したいのか理由を書類にまとめる必要があります。この書類によって審査が決まることもあるので、十分に注意をして書くようにしてください。不安な方は地方入国管理官署や専門の弁護士などに相談をするとよいでしょう。
永住者在留カードを取得した後の注意点
永住者在留カードを取得したからといって安心をしていてはいけません。以下の注意点に気を付けるようにしてください。場合によっては永住の在留資格がなくなってしまうこともあります。
・再入国許可を受けていない
日本から出国する時に、再入国許可を受けていないと永住の在留資格がなくなってしまいます。
・有効期限内に再入国していない
永住権在留カードを取得したあと、日本から出国する場合は再入国するまでの有効期限があります。この有効期限を越えてしまうと、永住の在留資格がなくなってしまいます。もし再入国許可をきちんと取得している場合は有効期限は最長で5年間となります。
・更新が必要
永住者といっても在留カードには更新が必要になります。在留カードにも記載してありますが、永住者の在留カードの有効期限は7年間となります。有効期限をよく確認し、有効期限の満了日の2か月前から更新の手続きをすることができます。更新には時間がかかることもありますので、早めの手続きをおすすめします。
入国管理局へ行き、写真を撮影し申請書とパスポート、在留カードを持っていく必要があります。この更新を忘れてしまうと、永住者在留カードの資格は消滅してしまうので十分に気を付けてください。
・犯罪をした場合
日本の法律を犯して1年以上の実系判決を受けると、強制的に母国に壮観となります。場合によっては同じ罪でも執行猶予がなく日本人より重くなる可能性もあります。
永住者在留カードは、帰化のように母国の国籍を失うことなく日本に期限がなく滞在できるようになります。しかしその分申請が難しく、気を付けなければいけない点が多くなります。特に法令違反などをしていない善良な人、日本で暮らすための十分な財力がある人、そして納税などをして日本に利益をもたらす人です。
永住者在留カードまとめ
これらが揃っていれば十分に永住者在留カードの審査に通ることができます。しかし永住在留カードはあくまで在留カードであり、更新をする必要があります。更新を忘れてしまったり、再入国許可を貰わないで出国をしたりすると折角取得した永住者在留カードの資格が消滅してしまうので十分に気を付けてください。
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