オーバーステイとは?わかりやすく解説します

執筆者 11月 15, 2019ニュースコメント0件

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オーバーステイという言葉、誰しも1度は聞いた事があるのではないでしょうか。オーバーステイとは、決められた在留期限を過ぎても、無許可で滞在をし続ける状態を指します。そもそもオーバーステイとはどんな状態にあるのか、そして、どんな形で発覚をしてしまうのか、そのあたりをまとめました。

 

オーバーステイをする外国人は減っているものの…

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平成のほぼ30年と令和、その中でオーバーステイをした外国人の人数の変遷を見ていくと、一番ピークだったのは平成5年で、なんと30万人もいました。国別ではタイが5万5000人でトップ、その次が韓国で約4万人、フィリピン、中国、マレーシアと続き、この5か国で20万人程です。

参照:【第1表】 不法残留者総数及び性別とその推移

 

これではまずいという事でオーバーステイ対策に乗り出し、平成17年には20万人にまで減らします。そして、年々減らしていき、平成22年にはついに10万人を割り込みます。この時は、韓国が約2万人で1位、その次が中国とフィリピンで、タイは全盛期の10分の1以下にまで激減します。

参照:第1表から第3表,第1図・第2図

 

そして、平成26年には6万人を切り、全盛期の5分の1にまで減少しました。ところが、2015年以降以降は再び上昇に転じています。令和元年7月1日の時点では8万人に迫っており、ここに来てベトナムが1位に躍り出ました。数年前に比べれば数倍にまで膨れ上がり、半年での伸びは20%に迫ります。

参照:【令和元年7月1日現在】公表資料

 

日本の景気が良かったため、中国人や韓国人、タイ人は出稼ぎのために日本を訪れた時代は、もう過去の事。今は中国の景気が良く、わざわざ出稼ぎに来る必要はなくなりました。その一方、2013年にはASEAN友好協力40周年を記念し、東南アジア数か国に対し、ビザの発給要件を緩和する政策を行います。もっと日本に来てもらうようにした形ですが、これが結果的にオーバーステイを誘発した可能性があると考えられます。

参照:在留外国人、過去最多の223万人 – 不法残留も増加

 

何らかの対策を行わない限りは、ベトナムやインドネシアといった東南アジアの国々を中心にオーバーステイの人数は増えていく事がデータからも明らかです。ピーク時から明らかに減っているのは事実ですが、この伸び方は決して無視でないものでしょう。

 

オーバーステイとは具体的にどんな状態か

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そもそもオーバーステイってどんな状態を指すのか、家族やお友達に説明できるでしょうか?ここでは具体的なオーバーステイの状態について解説します。

 

1.当初の在留期間を過ぎても日本に滞在する

 

日本にやってくる外国人には必ず在留期間が設定されます。例えば旅行で訪れる人は、短期滞在ビザが与えられ、最長でも90日以内です。留学生の場合は大学や日本語学校での履修期間を参考に決められ、長くても4年3か月となっています。永住者になれば無期限になるなど、在留資格ごとにその日数、年数は定められている状況です。

参照:在留資格一覧表(平成30年8月現在)

 

それぞれの在留期間が設定されていますが、もしこれを過ぎる場合には在留資格の変更や更新をしなければなりません。それをせずに、日本に居続けるとオーバーステイという扱いになります。

 

2.在留期間が1日でも過ぎればどんな人もアウトに

 

在留期限までに更新手続きを行わなければ、たとえ立派な仕事をしていようとも社会的に優れた仕事をしていようとも、オーバーステイです。1日でも過ぎればオーバーステイなので、そのタイミングで警察に摘発されれば、強制送還されても何も文句は言えません。ただ、在留特別許可という、法務大臣の裁量で在留許可を特別に与えられるシステムがあります。

 

例えばパートナーが日本人や永住者で、子供がまだ18歳未満、子供が日本語しか話せないなど、複数の状況を考慮して在留特別許可が与えられます。うっかり更新手続きを忘れていても、事情があれば考慮される可能性もないわけではありません。ただし、1日でも在留期間を過ぎていればアウトであることに変わりはなく、オーバーステイをした人物の状況次第です。

 

3.違法な手続きを経て日本に入国する

 

日本人のパートナーがいることを装う、いわゆる偽装結婚で在留資格を得るパターンやニセのパスポート、他人名義のパスポートで入国するパターンなど、違法な手続きで日本に入国した時点で、その人物はオーバーステイ、不法滞在です。身分証の偽造などで不法入国をする手口などを分析し、様々な対策を講じた事で、これらの不法入国は年々減少しています。

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オーバーステイはどのように発覚する?

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都内や神奈川や千葉、埼玉のベッドタウンに行くと、外国人が母国の言葉で話している光景が普通に見られます。でも、この人たちがオーバーステイかどうか、一般の人にはわかるはずもないですし、誰もそこまでは疑おうとしません。では、どんな形で発覚するのか、まとめました。

 

1.在留カードを提出した際に指摘される

 

短期滞在ビザ以外で、「正規ルート」で在留資格を得た外国籍の人物には必ず在留カードが与えられます。この在留カードには資格や期限などが書かれており、必ず携帯しなければならないと決められています。外国人が働きに出る場合にはこの在留カードを人事担当者などに提出して、オーバーステイではない事を確かめます。これを確かめないと、不法就労助長罪に問われる事態を招きかねません。下手すれば懲役刑を食らう事になり、前科モノです。そのため、オーバーステイだと発覚したら、躊躇せずオーバーステイであることを指摘するはずです。

 

入管では雇用者に対し、就労を求めた外国人がオーバーステイだと分かればすぐに通報してほしいと呼びかけています。出国命令に従えば1年間の再入国禁止を経て再び戻ってこられるため、そのように呼びかける場合もあれば、入管に通報する場合もあり、摘発までの経緯は雇用者、人事担当者の判断で変わります。

 

2.在留カードを求められ提出できない

 

在留カードを持たない人は、短期滞在の人、3か月の在留期間の人、特別永住者などがいますが、在留資格を持たない人もこの中に入ります。オーバーステイをする人物は在留カードを持てません。在留カードは携帯義務と提示義務があります。車を運転する際に免許証を携帯するのと同じで、不携帯となれば罰則です。また提出を求められ、それを拒めば、提示義務違反となり、1年以下の懲役刑に該当してしまいます。

 

提出できなかった時点で、提示義務違反でアウトになる、もしくはオーバーステイでアウトになる、いずれにしても強制送還になってもおかしくない罰則が待っています。不届き者になると、在留カードを偽造する事もありますが、立派な犯罪で、オーバーステイかどうかに関係なく強制送還の事案になるでしょう。

 

3.オーバーステイであると自ら出頭する

 

入管や警察はオーバーステイをする人物を1人でも減らそうと、情報提供を受けつつ、撲滅に向けた活動を行っています。ここで摘発されれば5年間、入国を拒否されます。ところが、自ら入管に出頭し、オーバーステイだと告白すればその事実を認められ、1年間の入国禁止で済みます。出頭した後、出国命令が出され、その後で日本から出ていきます。

 

平成29年には1万1000人程度が不法残留、オーバーステイで強制送還となっていますが、出国命令が出たのは、この中の4割程度でした。平成30年は件数が1万4000件程になりましたが、5割弱にとどまっています。ところが、令和元年の上半期時点ではすでに8000件が確認され、そのうちの半数が出国命令です。年々、出国命令の比率が上がっている形です。

参照:令和元年上半期における入管法違反事件について

 

オーバーステイとは?まとめ

 

在留期限が1日でも過ぎればオーバーステイで、摘発されてもおかしくないでしょう。ただ、タイのように1日程度なら見逃してくれたり、罰金を払ったりして出国できる国が多いので、日本の場合も、目くじらを立てて、1日過ぎた事を咎めるような話は表に出てきません。入管や警察は、オーバーステイをした人物の犯罪行為を防ぐために摘発を行っており、悪気がなくついつい忘れてしまった場合には、1日2日は事情聴取をされるにしても、出国はさせてくれる事でしょう。

 

出国命令制度は、摘発される前に入管などに出頭してくれれば、日本にすぐに戻ってこられるからとにかく日本を出なさいと促すためのものです。不法滞在者を5年で半減させる計画の1つに出国命令命令制度の実施が入っています。

参照:不法滞在者5年半減計画の実施結果について

 

事実、不法残留者は半減し、ここからさらに数年で半減させるなど、大きな成功を見せました。ただ、ここに来て、ベトナムなど東南アジア系の人たちがオーバーステイで摘発される件数が急速に増えています。留学や技能実習など正規ルートで入り込み、その後にオーバーステイに転じる事が問題視されており、今後はいかに厳格に管理を行っていくか、そのあたりが問われそうです。

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著者 アドミン

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