長期で日本に滞在する場合、持ち合わせた大金を手元に残しておくことを不安に思っていませんか?そんな不安は銀行口座の開設で解消できます。口座の開設によるメリットや注意点を分かりやすく紹介していきます。
外国人が口座開設するメリット
銀行口座は、日本の社会生活において一般的な決済手段となっており、日常生活の中での必要性が高いです。公共料金の支払いやインターネットでのショッピング、公共交通機関の定期券などの購入など、銀行口座を持つことで便利に生活することができます。
ここでは、外国人が銀行口座を開設することで得られるつ7のメリットを紹介します。
1.給料や奨学金の受け取り
日本で働くとき、お給料は現金ではなく銀行振込で支払われる場合がほとんどです。また、奨学金の受け取りを現金で行う場合は2割程度と言われており、生活をしていく上で銀行口座の開設は必須と言えます。
2.各種サービスへの引き落とし
家賃や、携帯電話料金、電気水道などの各種サービスの支払いは銀行口座を持っておくと便利です。銀行の窓口でも入金はできますが、振り込み先と同じ銀行口座を持っていれば振り込み手数料が無料もしくは安く抑えることができお得です。そのため、振り込み先と同じ銀行口座を開設していくことがオススメです。
3.預金
日常的に出し入れ可能な普通預金や、一定期間預けることのできる定期預金などがあります。現金のも持ち運びや家に置いておくことに不安を感じませんか?そんな時は銀行に預けておくと安心です。ただ、日全国の銀行の普通預金の金利は平均して0.038%程度でかなり金利は低めと言えます。
4.ATM出金
24時間いつでも引き出しができることが多く、時間帯や曜日を気にせずにいつでも利用することが可能です。
5.支払い
デビットカードを作ることのできる銀行もあります。デビットカードはクレジットカードと同様に支払い可能なカードです。決済されたお金はすぐに口座から引き落としされるので、預金以上にお金を使ってしまう心配はありません。クレジットカードによるお金の使いすぎが心配という方におすすめです。
6.通帳記帳
口座の開設で受け取ることができるのがキャッシュカードと通帳です。通帳を見ることで、口座に残っている残高の確認が可能です。
7.海外送金・国際送金
銀行口座は日本国内外の送金や外貨預金、外貨両替などの国際送金にも利用することができます。外国人の場合、日本国内で給料をもらっているにもかかわらず、母国の銀行口座に送金したいという場合や、日本国内で外貨を両替したい場合にも銀行口座が必要となります。
外国人が口座開設する時の必要なもの
銀行口座を開設する際、必要になるものは大きく4つあります。
1.本人と確認の取れる書類
在留カード、旅券、特別永住者証明書、住民票の写しなどです。
2.現在の居住地を証明できるもの
提出する住所で生活していることが証明できる書類の提出が必要です。
例:電気、水道・電話料金の請求書など
3.印鑑
捺印を求められます。外国人はサインで済ませる文化であることが多く、印鑑を持っていないこともあるので事前に確認しましょう。日本国内で作ることが可能です。シャチハタやゴム製印章は利用出来ません。
4.電話番号
番号は携帯電話でも可能です。番号の確認が取れないと開設出来ないことがあります。
いかがでしたか?銀行口座を開設する際に求められるものは銀行によって多少変わるので、調べておきましょう。
外国人が銀行口座開設できる条件は?
この章では、口座開設できる条件について説明していきます。
・仕事や留学を目的に日本に6か月以上滞在している
・住民票を取得している人
となっています。
これら二つの条件がそろうことで、外国への送金が可能な普通銀行口座の開設ができます。
外国人が銀行口座の開設するためには在留カード・住民票が必要です。短期滞在ビザでは在留カードや住民票の取得できません。そのため、在留期間が短い人は銀行口座の開設をすることはできません。
また、日本に在留を始めて3か月以上6か月未満の外国人が銀行口座を開設しようとすると条件が付きます。在留期間が6か月未満であっても、「非居住者」と扱われます。
しかし、外国為替及び外国貿易法外為法の定めにより、普通口座を作ることはできず、「非居住者円預金」という口座を作ることは可能ですが、海外送金の制限やキャッシュカードがない、口座引き落としができない、手数料が高いなどといった制約があります。
参考:外国為替及び外国貿易法 – e-Gov法令検索 – 電子政府の総合 …
外国人が銀行口座開設できない理由
外国人が銀行口座を開設できない理由には、以下の7つがあります。
1.滞在期間が3か月未満の場合または6ヶ月未満の場合
在留期間が3か月未満の場合、どのような理由があっても銀行口座を開設することができません。また、3か月以上6か月未満の場合は、非居住者円預金しか作成できず、普通預金口座を作成することはできません。
2.自宅または勤め先から離れている場合
店舗を構えた銀行の場合、生活圏外での開設は断られることがあります。
3.1つの銀行で複数口座を開設しようとしている場合
個人では、原則として1つの銀行で複数口座を開設することはできません。
4.申し込み内容に不備があった場合
書類提出に不備が見られたとき、開設を断られるケースがあります。銀行によって必要書類が異なる場合があるので、事前に確認するようにしましょう。
5.信用情報や金融履歴が不足している場合
外国人が日本で初めて銀行口座を開設する際、信用情報や金融履歴が日本国内にないため、信用スコアが低いと判断され、口座開設を断られる場合があります。
6.日本語でコミュニケーションが取れない場合
外国人が日本の銀行で口座開設をする際には、日本語でのコミュニケーションや日本の銀行業務のルールや慣習に対する理解が必要となります。言語の壁や文化の違いにより、手続きが難しくなり、口座開設が困難な場合があります。
7.滞在資格やビザの制限がある場合
外国人が日本で銀行口座を開設する際には、滞在資格やビザの種類によっても制限があります。一部の銀行は、特定の滞在資格やビザを持っていないと口座開設を認めない場合があります。
以前は外国人であっても口座開設の場合は、氏名、住居・生年月日についての確認のみでしたが、犯罪利益移転防止法の制定により、職業や開設目的についても確認を取ることが必須となっています。ただ、同じ銀行でも支店よって規定が少しずつ変わっているので、複数の銀行に申請してみることをお勧めします。
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外国人が銀行口座開設までの流れ
来店
必要書類を持って店舗へ向かいます。開設希望の店舗は自宅や勤め先の近くがおすすめです。
申し込み手続き
通帳は当日受け取ることが出来ます。
カードの受け取り
順次カードが届きます。申し込みから到着までは銀行やキャッシュカードの種類によって異なります。
また、開設する際の注意として、以下が挙げられます。
待ち時間
銀行や利用する日の混雑具合によりますが、全体として30分から1時間程度かかります。余裕を持って行きましょう。
外国語に対応していない支店もアリ
銀行の支店によっては必ずしも外国語対応のできる方が在籍しているとは限りません。当日は開設の目的を質問されたり、書類にサインを行ったりすることになるので、回答の準備をしておくこと推奨します。
4桁の番号
キャッシュカードの暗証番号は4桁の場合が多くなっています。あらかじめ4桁の番号を考えておくこと良いでしょう。
送金方法の確認
海外とのお金のやり取りを予定されている方は、申込時に海外からの送金の方法を確認しておきましょう
気を付けよう!外国人が銀行口座開設した後
金融サービスに関し、下記の内容は犯罪行為とされています。処罰や、国外退去 処分・入国禁止などの対象となる場合がありますので、注意してください。
地下銀行やヤミ金融
地下銀行:免許や登録をせず銀行業・資金移動業を行うこと
ヤミ金融:登録を受けずに貸金業を行うこと
マネー・ローンダリングへの関与
マネー・ローンダリング:犯罪による収益を隠して預金したり送金したりすること
預貯金口座の売買・譲渡
預貯金口座を他人に使わせること
帰国前に預貯金口座を売却する事例が多発しています。処罰されますので注意してください。
外国人が銀行口座開設!帰国するとき
在留中に銀行口座の開設をした方は帰国する前に解約する必要があります。口座を解約するとき気を付けるべきことについて記載していきます。
解約しないままに帰国すると
口座を解約しないままに10年以上、ゆうちょ銀行では5年放置すると、預金を利用できなくなることがあります。
預金ゼロでも解約にはならない
預金が0円になっても解約手続きが完了になりません。帰国する前に、銀行の窓口に足を運び、解約手続きを行ってください。
必要書類
解約のためには、通帳・キャッシュカード・在留カード・印鑑の提出が必要です。
未払いに注意
サービス利用の引き落とし前に銀行口座を解約しないように注意が必要です。料金が未払いのままになっていると、不払いとして信用情報機関に個人情報が記憶され、日本で各種クレジットカードや住宅ローン・携帯電話が契約できなくなります。もしも料金不払いが発覚して訴訟に発展すると、今後日入国する時にトラブルになる可能性があります。
受け入れ先企業や就学先が外国人の帰国時に、金融機関に連絡をすることスムーズです。
外国人が銀行口座開設する時、知っておきたい銀行の種類
日本で銀行口座を開設する場合、大きくネット銀行と実店舗を持つ銀行があります。本章ではそれらの違いについて紹介します。
ネット銀行
自社ATMやインターネット上で取引する銀行。
ネット銀行は実店舗を持たず通帳も発行されないため、従来の銀行と比べて費用を抑える事ができます。そのため、各種手数料が安かったり、金利も高く設定されていたりという特徴が見られます。一連の取引をすべてインターネット上で取引を行っているため、時間や場所にとらわれず、どこでも利用することが可能です。
また、定期的にボーナス金利キャンペーンを実施しているネット銀行が多く、高い金利で定期預金を作成する事ができます。さらに、オンライン上で口座開設を申し込むことができ、実店舗に行く必要がないので、言葉に不安のある外国人でも利用しやすいでしょう。
実店舗型銀行
実際に店舗を持つ銀行。日本では一般的な銀行。
実店舗型銀行の利点は、窓口で手続きすれば即日口座を開設できるところにあります。すぐに口座が必要な場合はこちらがおすすめです。また、メガバンク等では災害時などの緊急時に柔軟な対応を行っており、もしもの時のことを考えるとこちらが良いと言えます。
外国人の銀行口座開設におけるおすすめ銀行
ゆうちょ銀行
必要な書類:有効期限内の在留カード、特別永住者証明書、パスポート、印鑑
開設にかかる日数:約2週間
利用可能ATM:ゆうちょ銀行、新生銀行、セブン銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行
ATM引出手数料:ゆうちょATMでは24時間無料、
海外送金手数料:2,000円
6か月以上の在留カードがあり、必要な書類を揃えれば銀行口座を開設することができます。全国に店舗・ATMがあります。手数料は時間内無料で、海外入金・送金も可能です。
外国人が最も開設しやすい銀行と言われています。
三菱UFJ銀行
口座開設に必要な書類:有効期限内の在留カード、特別永住者証明書、運転免許証、印鑑、パスポート(健康保険証、学生証、社員証などの提示が必要な場合もあり)
開設にかかる日数:約1週間
利用できるATM:三菱UFJ銀行、セブン銀行、インターネット、ローソンATM、ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行
ATM引出手数料:利用時間内は三菱UFJ銀行、セブン銀行、インターネット、ローソンATMは無料、利用時間外は1回につき108円
※ 店舗によっては該当しないところもある
海外送金手数料:3,500~4,000円に加えて送金金額の0.05%とされており、最低2,500円程度
※自宅・学校・勤務先近くの店舗以外では口座が開設できない場合もあります。
インターネットバンキングも申し込み可能。24時間振り込みできます。実店舗とネットバンキングの両方利用可。
日本最大手。安定性も信頼度で選ぶならコチラがオススメです。
SBI新生銀行
口座開設に必要な書類:在留期間1年以上の在留カード、特別永住者証明書、交付後6か月以上の運転免許証、外国人住民の住民票の写し、公共料金・携帯電話の領収書や請求書の原本、本人連絡可能な電話番号
開設にかかる日数:約1週間
利用できるATM:新生銀行、セブン銀行、インターネット(Enet)、ローソンATM、イオン銀行、ゆうちょ銀行、三井住友信託銀行、あおぞら銀行、三菱UFJ信託銀行
ATM引出手数料:1回につき108円(新生ゴールド、プラチナカードの場合は手数料無料) 海外送金手数料:別途手続きが必要ですが、2,000円に加えて送金金額の0.1%程かかります。
オンラインで開設可能で、英語にも対応しています。オンラインで必要事項を記入後、書類を郵送すれば完了です。通帳はなく、キャッシュカード・セキュリティカード・利用ガイドが送付されます。外国人が口座開設しやすい銀行の一つです。
住信SBIネット銀行
口座開設に必要な書類:在留期間内の在留カード、特別永住者証明書(※パスポート、学生証、社員証は不可)
開設にかかる日数:約1週間
利用できるATM:セブン銀行、インターネット(Enet)、ローソンATM、イオン銀行、ゆうちょ銀行
ATM引出手数料:ランクに応じて合計で月2~15回無料(それ以降は1回につき108円)
海外送金手数料:不可
口座開設はネットのみで、書類の郵送する必要はありません。顧客度満足度上位の三井住友信託銀行とSBIホールディングスが出資で設立された銀行です。実在する店舗はなく、審査に通過するとキャッシュカードが発送されます。他銀行と比較して預金金利、他銀行への送金手数料無料回数が多めです。
※サービスや規定は銀行によって異なるので事前にご確認ください。
参照:本人確認書類について | 口座開設 | 住信SBIネット銀行
外国人の銀行口座まとめ
当ページでは外国人が銀行口座を開設する時のメリットや注意点をご紹介しました。銀行口座を開設すると日本での生活がより快適になります。
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