入国管理局とは何をする機関?雇用主が知っておきたい基本知識

執筆者 2月 4, 2020ニュースコメント0件

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外国人労働者を雇う上で必ず知っておかなければいけない基本が「入国管理局」です。ビザの申請をはじめ、外国人の出入国の際など多くの場面で利用する機会が増える場所の一つとなっています。

これから外国人労働者を雇う予定のある企業や現在雇用している企業の人はもう一度しっかりと確認しましょう。

 

入国管理局とは?

 

入国管理局とは、日本から外国へと出たり、逆に外国から日本へと入ったりする人を管理するための機関です。

現在は「出入国在留管理庁」と名称が変わっていますが、これはもともと法務省の内部にあった部署を入国管理局と読んでいたものが独立した外局となった形となります。

入国管理局では、出入国手続き・審査の他、難民に関する手続きや外国人が日本に住むための手続きなどを中心に管理しています。外国と日本の間で何かしらの行動を取る際には入国管理局へ届出を提出することが必要になるのです。

 

参考:入国管理局

 

 

入国管理局でできることとは

入国管理局でできることは主に出入国に関する手続きと外国人が日本で行動する内容の手続きとなります。

大きく分ければ4つになり、それぞれを詳しく解説していきたいと思います。

 

1.出入国審査

入国管理局と言えば出入国審査をしている部署だという認識を持っている人は多いと思いますが、その出入国審査自体もとても多くの項目に分かれています。

身近な例で挙げれば海外旅行に行く際には空港の入国管理局でパスポートを提出して出発し、到着した国ではその国の入国審査を受けていると思います。

日本の入国審査も同じもので、「日本国内に上陸することを許可してもらう」ことが目的です。これは法律で定められている上陸条件に適合するかを審査し、適合なしと判断された場合は上陸を拒否し、退去命令を出すことが可能になります。

出入国審査は世界中の国の保全のために定められている規定です。

 

2.在留審査

外国人が日本で労働者として滞在する際には、入国管理局で「在留資格」を認定してもらう必要があります。この認定は実際に日本に入る時、つまり空港で最終審査を行われ、その審査に通った時点で与えられることになるものです。

この在留資格は日本に来れば誰でもすぐに与えられるものではなく、雇用主は事前に雇用する外国人の「在留資格認定証明書」を発行してもらわなければいけません。この審査は最長でも数ヶ月かかることがあるので、時間に余裕を持って申請します。

もしも在留資格認定証明書を発行しないまま入国した場合は、在留審査を通過することができず、観光者として扱われてしまい日本で働くことができなくなってしまいます。

雇用主として外国人労働者を受け入れる場合はこの在留審査が重要になります。

 

3.住居の届出手続き

在留期限が3年から5年に設定されている中長期在留者の場合、国に住居地を申請する必要があり、この手続も入国管理局の管轄となります。

しかし住居地の申請自体は各市町村の役場で行うことが可能なので、入国管理局に直接申請することはありません。

同時に、永住権を得るために申請する「特別永住者証明書」の交付申請なども入国管理局での管轄になりますが、こちらは直接申請する必要があります。

 

4.その他(強制退去手続きや難民認定手続など)

入国管理局では上記以外にも、入管法という法律に基づいて在留外国人に対しての勧告なども行います。

例えば素行不良などによる強制退去に関する業務であったり、母国への受け渡し業務などが該当します。

また、難民として日本に入国する際も入国管理局の管轄となり、難民認定を受けることとなります。

 

参考:各種手続案内 | 出入国在留管理庁 – 入国管理局

 

 

入国管理局でビザを発行する際に気をつけることとは

外国人労働者の増加に伴い、入国管理局では手続きに時間を要するようになっています。

そのため、入国管理局には一度だけ行けばビザや在留資格認定証明書の申請手続きが全て終わるということはなく、場合によっては来庁したのに混雑や書類の不備などで1からやり直しになるということもありえます。

申請が遅れると認定も遅れることとなり、結果的には雇用する予定の外国人を期日に就業させることができなくなってしまい、企業側にもデメリットとなってしまうのです。

そうならないようスムーズに申請を行うため、大切なことをまとめました。

 

1.混雑を予測する

冒頭に述べた通り、現在日本中の企業が外国人の雇用を計画しており入国管理局では手続きがなかなか円滑に行えていないという現実があります。混雑しやすい時間や時期を見極めて予測することで時間を有効的に活用しましょう。

 

入国管理局では役場や銀行と同じく番号札を発行してその順番に受付を行います。受付が開始されるのは午前9時で、番号札の発行はその約30分前に始まります。そのため、確実に順番を早くしたい場合は8時30分の時点で到着し待機しておく必要があります。

 

9時に受付が開始されるからと言って9時に到着すれば、先に番号札を取っていた人の受付にかかる時間と、その間にまた増えていく待機の人たちでどんどん混雑がひどくなっていきます。その状態で番号札を取ったとしても確実に昼過ぎまでの時間は待機、もしくは申請手続きに費やさなければならないでしょう。

 

そもそも入国管理局での各種手続きは国家防衛にも関わる事案であり、犯罪の抑制も担っているので日本人が日本国内の手続きを行うよりも慎重になるのは当然です。

 

現在では東京出入国在留管理局がSNSを利用して混雑状況を発信しています。待ち人数や混雑の高さをリアルタイムで報告していますので、初めて利用する人や確実に少ない時間を狙いたいというひとはこの情報を活用しましょう。

 

2.書類の確認

案外時間を取ってしまうのは提出する書類に不備がある場合です。書類の書き方を間違うだけでなく内容自体に不備があると判断されるとまたはじめから訂正して提出し直す必要があります。そうなるとまた順番待ちからとなり大変な時間のロスに繋がります。

書類の提出を完璧にするための近道は弁護士などに依頼して作成してもらうことが一番でしょう。

また、うっかりミスとして提出すべき書類を忘れてしまったというケースです。もちろん受付窓口は取りに戻る時間は待ってくれませんので、これもまた順番待ちをしなければならず時間のロスになりますので確認はしっかりと行いましょう。

 

3.申請から発行までの期間

外国人の労働に必要な就労ビザを申請して発行してもらうまでの期間は、全て雇用主だけで行った場合10日から1ヶ月程度かかってしまいます。申請手続きなどに明るい場合は最短でも10日と考え、あまり明るくないという場合は1ヶ月程度の時間を要してしまうと考えて下さい。

実際就労ビザを申請して発行できたとしても、次は在留資格認定証明書の申請も行わなければいけないのでさらに期間は長くなってしまいます。

そのため雇用主のほとんどは入国管理局の手続きに詳しい弁護士を雇って作成・申請を代行してもらうことが一般的となっています。こうすることで各種申請にかかる時間を半分以下に短縮できます。

 

参考:手続きの流れは? 必要な申請書類は? | 高度人材 … – 入国管理局

 

入国管理局で発行される在留カードとは

1.在留カードとは?その必要性

外国人労働者を受け入れる上で基本的なものとして「在留カード」が挙げられます。在留カードとは簡単に言えば日本で働ける資格を持っていると入国管理局が証明するものです。

外国人は日本で滞在する場合自身を証明するものがなければ不法入国として扱われてしまいます。特に日本で就業する場合は必ず持っておかなければいけないのです。

 

ビザとの大きな違いは証明する場所の違いです。ビザは査証とも言い、日本に安全に入国できることを認可しているという証書となります。ビザはパスポートとともに空港の入国管理局で審査され、それに合格すると日本への入国が許可されます。

一方在留カードは入国した後に日本に滞在することを認められたという資格証明になるものです。空港で入国が許可された場合は上陸認可後に発行され、船などで上陸した際には上陸認可後に申請した住居へと在留カードが郵送されることになっています。

 

2.在留カードの見方

在留カードには在留者の詳しいデータが記載されています。日本国内でなにかトラブルが起こった時や自分自身を証明しなければならなくなった時には提示が必要になります。

在留カードには、氏名や生年月日・国籍・現在の居住地と言った基本的なデータから在留可能期間や就労の可否などが記されています。カードには有効期限も載っており、この期間を過ぎていると在留カードは効力を失ってしまうことになります。

就労の可否の欄が「就労不可」となっている場合も、裏面にある資格外活動許可が認可されていれば日本で働くことは可能ですので、確認するときは裏表をしっかり見ましょう。同時に、資格外活動許可が認可されている場合、パスポートにもその旨を記すことが決められているので、両方が認可となっているかも確認する必要があります。

在留カードにはICチップが埋め込まれており、チップにはカードに記載している情報が全て記録されています。もし雇用しようとしている外国人の在留カードに不審な点があれば照会してもらいましょう。

 

3.在留カードの有効期限と更新

在留カードの有効期限は法律で定められており、16際以上の永住者は7年、16歳未満の永住者は16歳になる誕生日までが期限です。永住者ではない16歳以上の就労者は在留期間満了日が有効期限となります。

在留期間は在留資格によって細分化されています。

留学が在留資格の場合は最短1年から最長4年、技術系や人文知識、国際業務などは1年から5年ですがこの場合、興行・技能実習は除外されます。

日本人の配偶者などがいる場合や、配偶者が永住者の資格を持っている場合は1年から6年が在留期間となります。

今後在留期間が新設される可能性もあるので、発表をチェックしておきましょう。

 

4.気づかないうちに不法就労に?

在留カードは日本で働く外国人が内容を知っておけばいいものと認識してしまう人もいますが、不法就労を防ぐためにも在留カードの知識を持っておく必要があります。

日本で不法就労に該当するのは、「①在留資格と異なる分野の業種で働いた場合」、「②ビザや在留資格を持たずに就労する」、「③在留資格の更新を行わないまま在留を続けた場合」です。

他にも細かく制定されていますが、主に注意しておかなければいけないのはこの3つです。

雇用主が在留カード・ビザ・パスポートの確認を怠ったために不正就労が発覚するケースも増えています。

不正就労が発覚した場合、雇用主は自覚のありなし関わらず不正就労を斡旋したとして3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が処されます。

不正就労として摘発された場合、その企業は損益を被るだけでなく風評被害などにも悩まされ経営を続けることが困難になるケースも多数あります。

雇用主・労働者が安心して働く環境を作るためにも在留資格に関する知識をきちんと持っておきましょう。

 

 

参考:在留カードとは? | 出入国在留管理庁 – 入国管理局

参考:在留カードの有効期間更新申請手続 | 出入国在留 … – 入国管理局

 

入国管理局とは外国人労働者と事業主をつなげる機関

入国管理局は外国人労働者を安全に日本国内へ上陸させ、労働をさせるために管理する機関です。

これは労働者側の外国人のためだけでなく、雇用する企業のためでもあるのです。お互いが安心した状態で企業を運営することができれば、会社のグローバル化にも繋がります。

雇用した外国人が安心して働ける職場環境を作る場合、企業ではどうしてもカバーしきれない部分も出てきます。それは外国人だからと不当に安い賃金で雇うことや、差別による精神環境の悪化などが挙げられます。

そういった部分を国として保証することで、外国人が安心して日本で働く事ができているのです。

 

もちろん、全ての外国人が真面目に労働を目的として入国するわけではありません。日本に労働以外の目的で入国することもあるかもしれません。それが大きな犯罪につながることを予防するため、入国管理局では厳しい審査を設けているのです。

つまり入国管理局の審査は我々日本人が安心して日本で暮らすことにもつながっているのです。

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著者 アドミン

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