訪日外国人の訪日の目的とは?行動の傾向をデータから分析します

執筆者 1月 30, 2020ニュースコメント0件

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この記事は、訪日外国人の目的別(モノ目的、コト目的)で、どのような行動の傾向があるかについて分析、考察した記事になります。

 

外国人の訪日目的とは?

 

観光庁の2019年7-9月の訪日外国人の消費者動向調査(1次速報)によると、訪日外国人旅行消費の全体の費目別の割合は以下の通りです。

参考:観光庁 訪日外国人消費動向調査 2019年7-9月期

 

買物費が最も高く33%、次いで宿泊費が30.1%、飲食費が22.1%、交通費が10.8%、娯楽等サービス費が4.0%となっており、前年2018年と比較しても割合に大きな変化はありませんでした。買物費は国ごとで大きく傾向が異なる場合があり、特に中国、ベトナムは買物費に予算を当てる傾向が強いです。

訪日外国人の目的別の傾向(モノ目的)

 

2019年7‐9月の訪日外国人の消費動向調査によりますと、訪日外国人の一人当たりの旅行支出の内、買い物代の内訳は以下の通りになります。

 

参考:観光庁 訪日外国人消費動向調査 2019年7-9月期 集計結果

 

化粧品・香水 14307円

衣類 7125円

菓子類 5481円

医薬品 4578円

靴・鞄・革製品 5475円

飲料・タバコ 3320円

電気製品 2499円

1、化粧品、香水

インバウンド消費の中で最も高い買い物代を誇る品目は化粧品になります。日本百貨店協会の発表では、2017年の化粧品免税売上高は前年2016年に比べ17.1%の増加を見せており、37か月プラス成長を維持しているとのことで、堅実な伸びを見せいているようです。

 

特に資生堂は中国人からの認知度が高く、17年度1-3月期では売上高が+13.5%、営業利益はなんと+95.4%の大幅な増収となりました。国別でみると、中国人一人当たりの買い物代の内、化粧品が構成する割合が17.6%36838円と、平均の8.6%、14308円を大きく上回ります。タイも同様に、化粧品を多く買う傾向にあります。日本の化粧品の品質が高く、価格も安いことから、中国観光客の爆買いの対象になったことが追い風となりました。

 

2、衣類

衣類は買物費の中で2番目に高く、特に香港の観光客が衣類購入に最もお金を使っています。全体平均が7125円4.3%であるのにたいし、香港訪日客は13682円8.8%も衣類に買物費を消費しています。日本の服はデザイン性、品質、価格などの点において満足度が高くなっており、買物の大きなターゲットとなっていることが分かります。

 

3、菓子類

菓子類は最も購入率の高い品目となっており、平均で72.%の訪日客が購入しています。理由としては「おいしいから」という品質の高さが購入の決め手になっているようです。特に人気の商品は、日本ならではの「抹茶系」のチョコレート菓子が人気で、商品としては「キットカット」、「ポッキー」などは訪日客にとって定番のお土産となっているようです。お菓子にお金をかける割合が高い国はタイで、9611円、6.1%の買物費をお菓子にあてるようです。価格も、例えばマレーシアでキットカットを購入しようとすると1個700円もするとのことで、日本国内で購入した方が圧倒的に安いという理由もあります。

 

4、医薬品

医薬品の購入率の平均は約4割と高いですが、特に高いのは台湾と中国で、どちらも5割を超えます。免税の影響もあり、日本国内で買うと圧倒的に安く、薬の効きも良いとのことで大変人気の商品になっています。特に中国では「神薬」としてネットで紹介された日本の医薬品12個が売れ筋となっており、「龍角散」「サロンパス」「熱さまシート」「イブクイック頭痛薬」「口内炎パッチ」「命の母」など、日本でも人気の商品です。近年訪日客の大きな訪問先となっているのが、ドラッグストアで、購入費上位を占める化粧品、菓子類、医薬品が同時に揃うため、売り上げが大きく伸びているとのことです。また、中国では土産として同じ商品を何個も買う傾向にあるため、ドラッグストアで数万円規模の買い物をすることはよくあるようです。

訪日外国人の目的別の傾向(コト目的)

訪日外国人の約3割を占める中国人も、近年は爆買いを始めとした「モノ目的」から「コト目的」にシフトしてきているようです。特に今後は2020年の東京オリンピックという大きな「コト目的」需要が増えると考えられます。ここからは、主要なコト目的をご紹介します。

 

1、日本食を食べること

外国人観光客が日本で最もしたいことは、「日本食を食べること」です。2014年にユネスコの無形文化遺産に和食が登録され、海外でも日本食レストランが急増しているという背景もありますが、やはり日本の文化を一番身近で手軽に味覚で感じることができるからではないでしょうか。

 

・和牛

・ラーメン

・寿司、刺身

・そば・うどん

・お酒

 

日本の牛肉は品質が高く、特にすき焼きが人気です。ラーメンとお酒を楽しめる福岡の屋台は、屋台という独特の雰囲気も相まって人気のスポットとなっています。新鮮な魚を使った寿司、刺身は、中々海外では食べることができないため、満足度も高く人気となっています。築地などで行われているマグロの解体ショーは外国人にも人気となっています。

 

2、景勝地を観光すること

人気の観光先ですが、訪日外国人が利用する口コミサイト「トリップアドバイザー」でのランキングを参考としてご紹介します。以下、TOP10をご紹介します。

 

参考:TripAdvisorで見るインバウンドで人気の観光地ランキング TOP30

 

・京都府 伏見稲荷大社

・アキバフクロウ

・広島平和記念資料館

・広島 厳島神社

・奈良 東大寺

・京都 清水寺

・東京 新宿御苑

・京都 金閣寺

・静岡 箱根彫刻の森美術館

・和歌山県 高野山

 

このように見てみると、人気なのはやはり京都や寺といった日本文化を感じられる観光地です。一位の伏見稲荷大社は「千本鳥居」での写真撮影を目当てに多くの訪日観光客が集まります。

 

清水寺、金閣寺、奈良の東大寺も日本の修学旅行でも定番の人気スポットですが、外国人にとっても同様です。また、東京では秋葉原にあるフクロウカフェがかなり意外ですが、世界的にも珍しいようで第2位の人気スポットとなっているようです。広島も観光客が多く、平和記念資料館、厳島神社が定番となっています。「日本の四季の体感」を訪日目的として挙げている観光客が多く、その影響で季節の樹木が多くある寺社仏閣への訪問が多くなっているようです。

 

また、国内での移動手段ですが、購入率が最も多いのは新幹線で64.4%、次いでバス、タクシーがそれぞれ2割程度で、一方国内航空便は2.2%と利用する訪日客は少ないです。

 

3、日本文化を体験すること

目的として「日本の歴史・伝統文化体験」を挙げている訪日客は多く、そのような文化体験のできる以下の体験ツアーなどが人気です。

 

・着物・和服体験

・花火大会、夏祭り

・お花見

・和紙作り体験

・和太鼓体験

・陶芸体験

・歌舞伎鑑賞

着物の着付け体験は日本文化を手軽に体験ができ、写真映えもするので訪日客に人気があるようです。花火大会やお花見といった季節のイベントも、日本の四季を同時に体感でき人気となっています。

4、レジャー

訪日外国人は日本でのアクティビティよりは、のんびり過ごせるレジャーの方が人気となっています。特に欧米の訪日客は滞在時間が長い傾向にあり、日本でのんびり過ごすことが目的になっているようです。

 

・温泉

参考:外国人に人気の温泉地ランキング

温泉地で人気となっているのは、富士山を望むことができる山梨県の川口湖温泉、大分県の由布院温泉、岐阜の飛騨高山温泉などです。他にも、神奈川の強羅温泉や、兵庫の有馬温泉など、観光地として人気の京都、奈良、広島とは離れた場所が多く、目的によって訪れる地域が変わってくるということがわかります。ただ、タトゥーの問題がよく取りあげられ、外国人の文化として容認するか、風紀の問題で入店を断るかという議論がいまでも成されています。

 

・マッサージ

訪日外国人の娯楽・サービス支出の中で、意外と大きな割合を占めているのが、一人当たり平均29677円のマッサージ、医療費になります。特に中国人の平均は75468円(ただし回答数は6人と少ないです)にも達し、かなり大きな個人支出となっています。よく利用されているサービスとして、美容関連の「ホテルスパ」や「リラクゼーションサロン」などの利用が多いようです。

・長期宿泊

宿泊費用は個人支出の欧米の訪日客は滞在日数が長く、宿泊費としての消費が大きいです。ただし、宿泊先としては洋室中心のシティホテル、ビジネスホテルが多く8割程度の大きな割合を占めます。一方和室中心の旅館などの宿泊は1割程度と、我々のイメージよりもずっと低いようです。つまり、宿泊においては、日本文化の体験といった趣向は少なく、安心して休める環境として洋室中心のホテルの選択が多くなっています。

訪日外国人の目的別の傾向のまとめ

モノ目的として化粧品、衣類、菓子、医薬品を求める訪日客がアジア圏を中心として多く、特にそれらがまとめて手に入りやすいドラッグストアの需要が急増しています。

 

コト目的としては、日本食として、ラーメンやお酒を体験できる福岡の屋台などが人気、景勝地としては、京都や各地方の寺などの日本文化や四季が感じられる場所や、東京のフクロウカフェなどの珍しいスポットが人気です。

 

日本文化体験としては、着物の着付けや、花火大会、お花見などの文化体験が人気です。レジャーとしては、温泉や、中国人には美容マッサージが人気です。宿泊は和室の旅館の利用は少なく、8割が洋室中心のホテルを利用しており、慣れた環境で宿泊するケースが多いです。

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著者 アドミン

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