外国人介護職員を雇用するための4つの方法と、国籍別の外国人労働者数や雇用時の注意点を徹底解説!

執筆者 10月 29, 2021ニュースコメント0件

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日本では少子高齢化の影響を受け、介護業界の人手の需要は高まる一方、働きたい人が少なく、常に人手不足が続いています。

そのような人手不足を解決する担い手として、外国人を介護職員として採用する事業者が多くなってきています。また、外国人を雇用した介護事業者からは、「職場の雰囲気が変わり、前と比べて明るくなった。」「職員の一体感が醸成された。」「外国人介護職員への教育研修などを通して介護サービスの質の見直しにつながった」という声も上がってきております。

本記事では、介護業界の人材不足の現状を解説し、解決する担い手としての外国人雇用に関して詳しくご紹介していきます。

介護業界の人手不足の現状

人口減少社会少子高齢化が介護業界の人手不足を加速している大きな要因とされています。またさらに、介護業界特有の離職率の高さ労働環境の不整備が介護業界の人手不足に拍車をかけている状況です。

介護業界の人手不足の背景

人口減少社会

日本は長らく、人口減少社会と呼ばれていますが、人口減少社会とは人口が継続的に減少をし続ける社会のことを言います。

その主な要因は、出生率の低下高齢化率の上昇などによって、出生者数が死亡者数を下回るというという人口構造をもつ社会と定義することもできます。

(引用)第4節 人口減少社会の到来|内閣府

少子高齢化

2020年現在、65歳以上の人口は、約20%を超え、2030年には、28.1%を超えると想定されています。

content

(引用)総人口及び総人口に占める0~14歳、65歳以上及び75歳以上人口の割合の推移(平成元年~30年)|総務省統計局

content(引用)人口ピラミッド(平成元年及び30年)|総務省統計局

介護業界に必要な介護人材の数

2016年度に厚生労働省から出された第7期介護保険事業計画によると、2020年度末には約216万人、2025年度末には約245万人が必要とされています。

つまり、2016年度の約190万人に加え、2020年度末までに約26万人、2025年度末までに約55万人の介護人材が必要とされています。この計画を達成するためには、年間約6万人の介護人材を確保する必要があります。

content(引用)第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について(別紙1)|厚生労働省

また、この目標を達成するために、日本国主導で、①介護職員の処遇改善②多様な人材の確保・育成③離職防止・定着促進・生産性向上④介護職の魅力向上⑤外国人材の受入環境整備など総合的な介護人材確保対策に取り組むとされています。

【国籍別】医療、福祉業界に従事する外国人労働者数(上位8カ国)

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)によると、外国人労働者数のは、43,446人が医療、福祉業界に従事しており、さらに上位8カ国は、以下です。

①フィリピン      12,295人

②中国(香港等を含む) 8,329人

③ベトナム       7,349人

④インドネシア     3,650人

⑤韓国         2,382人

⑥ブラジル       1,818人

⑦ペルー        813人

⑧ネパール       813人

(引用)「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)|厚生労働省

【都道府県別】特定技能「介護」外国人労働者数

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)によると、特定技能「介護」で従事する外国人労働者の数は、406人います。

北海道  15人

青森   11人

岩手   3人

宮城   5人

秋田   0人

山形   1人

福島   0人

茨城   8人

栃木   2人

群馬   5人

埼玉   19人

千葉   26人

東京   93人

神奈川  26人

新潟   0人

富山   0人

石川   0人

福井   3人

山梨   2人

長野   4人

岐阜   19人

静岡   4人

愛知   36人

三重   0人

滋賀   1人

京都   12人

大阪   57人

兵庫   27人

奈良   5人

和歌山  0人

鳥取   0人

島根   0人

岡山   7人

広島   2人

山口   1人

徳島   0人

香川   1人

愛媛   0人

高知   0人

福岡   3人

佐賀   3人

長崎   2人

熊本   0人

大分   0人

宮崎   1人

鹿児島  1人

沖縄   3人

(引用)「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)|厚生労働省

外国人介護職員の4つの採用方法

「EPA」「在留資格介護」「技能実習」「特定技能」を用いた外国人介護職員の4つの採用方法の比較は下記写真をご確認ください。

content(出典)『外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック』|厚生労働省

EPA(経済連携協定)に基づく 外国人介護福祉士候補者の雇用

EPA(経済連携協定)とは、日本と相手国の経済活動の連携強化を図るもので、日本では現在、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国から外国人を受け入れています。

必要要件は、「看護学校・看護課程の卒業・修了または、大学・高等教育機関卒業+母国政府による介護士認定」と定められています。(※国によって異なる)

content(引用)外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック|厚生労働省

この採用方法の特徴としては、下記4点があげられます。

・母国での学習経験や資格を持つ人を雇用できる

・入国要件は、N5程度以上もしくはN3以上

・介護福祉士を取得すれば、永続的な就労が可能

・JICWELS によるマッチング支援がある

EPA(経済連携協定)を用いた採用方法は、『EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師・外国人介護福祉士候補者の雇用方法を徹底解説!』『EPAに基づきインドネシア、フィリピン、ベトナムから介護福祉士候補者を受け入る方法を徹底解説!』で詳しく紹介していますので、参考にすると良いです。

日本の介護福祉士養成校を卒業した在留資格「介護」をもつ外国人の雇用

日本の介護福祉士養成校に通う外国人留学生は、卒業して介護福祉士を取得すると、「介護」という在留資格を取得できます。

必要要件は、「養成校の入学要件日本語能力試験でN2以上に合格、もしくは日本語教育機関で6か月以上学習し日本語試験でN2相当以上と確認できる等」と定められています。(※学校によって異なる)

content(引用)外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック|厚生労働省

この採用方法の特徴としては、下記3点があげられます。

・介護福祉士の資格あり、永続的な就労が可能

・養成校の入学要件の目安はN2程度以上

・受入調整機関がないため、自主的な採用活動が必要

日本の介護福祉士養成校を卒業した在留資格「介護」を持つ外国人の雇用に関しては、『在留資格「介護」での外国人介護職員の採用方法を徹底解説!』で詳しく紹介していますので、参考にすると良いでしょう。

技能実習制度を活用した外国人(技能実習生)の雇用

外国人技能実習制度は、日本から諸外国への技能移転を目的として、外国人を日本の産業現場に一定期間

受け入れ、OJTを通じて技能や技術等を学んでもらい、母国の経済の発展に役立ててもらうための制度です。

必要要件は、「帰国後、修得した技能等を要する業務に従事する予定、介護と同種の業務に従事した経験を有する等」と定められています。

content(引用)外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック|厚生労働省

この採用方法の特徴としては、下記4点が挙げられます。

・技能実習生と雇用関係を結ぶ

・入国時はN4程度、1年後はN3程度が要件

・1~2年毎に試験があり、合格すれば最長5年の雇用

・監理団体による講習や調整の支援がある

技能実習制度を活用した外国人(技能実習生)の雇用に関しては、『介護職種として外国人技能実習生の受け入れ方法を要件から試験、夜勤の可否、試験などを完全解説!』で詳しく紹介していますので、参考にすると良いでしょう。

在留資格「特定技能1号」をもつ外国人の雇用

「特定技能1号」は、平成31年4月から始まった、就労目的で外国人材を受け入れるための在留資格です。

在留資格「特定技能1号」をもつ外国人の雇用に関して、『特定技能「介護」とは?業務内容、雇用形態、試験科目、受入方法など徹底解説!』で詳しく紹介していますので、参考にすると良いでしょう。

外国人介護職員を雇用する際の注意点

主に6つの注意点「介護施設利用者の不安を解消する」「安い労働力という認識をなくす」「宗教や文化の違いに配慮する」「日本での生活支援を含めたサポートをする」「在留管理を徹底する」「日本人介護職員との認識のすり合わせをする」を意識して、外国人介護職員として、外国人を雇用することが重要です。

介護施設利用者の不安を解消する

介護の仕事内容は、主に人を扱うサービスであり、日本語によるコミュニケーションが必要不可欠です。特に、介護施設を利用するご老人の方々が不安を招かないような仕組みづくりをすることが必要です。

介護施設を利用者に対しては、外国人を雇用する目的や意味、どのようなメリット・デメリットがあるのかを伝え、介護施設を利用者の理解を得ることが必要です。

また、外国人介護職員に対しては、必要なレベルの日本語を習得してもらいましょう。外国人介護職員にとって、特に重要な日本語能力は、「話す」「聞く」という日本語能力です。JLTP(日本語能力試験)だけでは、測りきれない指標ですので、採用の際には、注意が必要です。

安い労働力という認識をなくす

日本人の中には、「外国人 = 安い労働力」と考える人もいるようですが、外国人であっても、日本国内で就労する限り、日本人と同等以上の報酬水準を設定する必要があります。

日本国内で就労する限り、日本人、外国人を問わず、原則として労働関係法令の適用があります。

・労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法 等については、外国人労働者にも適用されます。また、労働基準法第3条は、労働条件面での国籍による差別を禁止しています。

・雇用保険法についても、日本国で就労する外国人の方については、原則として、国籍のいかんを問わず被保険者として取り扱うこととしています。

(引用)外国人労働者に対する労働関係法令の適用|愛媛労働局

外国人介護職員が日本人と同等の労働を行う場合には、同等の処遇をしましょう。また、留学生をアルバイトとして雇用する場合も同様です。

宗教や文化の違いに配慮する

介護業界の外国人介護職員だけに限ったことではありませんが、外国人を雇用数場合は、その外国人によって、信仰している宗教が異なり、食事の内容に制限があったり、お祈りの時間が必要な場合があります。日本人にはなじみのない文化や習慣を持っている場合もあります。それぞれの外国人介護職員の国籍や宗教、文化に対して尊重し対応してあげることがとても重要です。

日本での生活支援を含めたサポートをする

介護業界の外国人介護職員だけに限ったことではありませんが、外国人が日本で働いていくためには、生活環境を整えるための支援をすることがとても重要です。

特に、外国人は賃貸不動産を借りるための審査が厳しかったり、日本の土地に慣れていないため、家から職場までの通勤手段の確保が難しいなど、生活面で様々な困難が存在していることをまずは理解してあげましょう。

さらに、EPA(経済連携協定)に基づく 外国人介護福祉士候補者の雇用をしている多くの介護施設で行われている生活支援の内容を『EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師・外国人介護福祉士候補者の雇用方法を徹底解説!』『EPAに基づきインドネシア、フィリピン、ベトナムから介護福祉士候補者を受け入る方法を徹底解説!』で詳しく紹介していますので、参考にすると良いです。

在留管理を徹底する

在留管理は、全ての業界全ての外国人雇用事業者が配慮する必要があります。特に、在留期間の更新手続き等の支援をしてあげることはとても重要です。また、外国人介護職員に対して、在留期間更新等の手続き時に申請した内容から逸脱する就労(異なる業務や安易な施設異動等)をさせてはいけません。

『出入国在留管理庁の電子届出システムとは?徹底活用して円滑に手続きを行おう!』をご参考にご活用ください。

日本人介護職員との認識のすり合わせをする

外国人の雇用にあたり、大きな障壁となるのは、日本人介護職員との認識のすり合わせです。共に働き、教育を担う現場の日本人職員が外国人雇用の目的や概要などを十分に理解がとても重要です。実際に、いくすかの職場で、日本人職員の理解が得れず、外国人介護職員が働きづらさを嘆くケースが多々あります。事業所として、外国人を雇用するためにどのような体制や制度を整えるのか、現場の職員に丁寧に説明してから外国人介護職員の採用活動を始めることが大切です。

まとめ

・「人口減少社会」や「少子高齢化」により、介護業界の人手不足になっている。

・日本全国で43,446人の外国人が医療、福祉業界に従事している。

・特定技能「介護」で従事する外国人労働者の数は、406人。

・外国人介護職員を採用する方法は、「EPA(経済連携協定)に基づく 外国人介護福祉士候補者の雇用」「日本の介護福祉士養成校を卒業した在留資格「介護」をもつ外国人の雇用」「技能実習制度を活用した外国人(技能実習生)の雇用」「在留資格「特定技能1号」をもつ外国人の雇用」の4つ。

・外国人雇用の際の注意点は、「介護施設利用者の不安を解消する」「安い労働力という認識をなくす」「宗教や文化の違いに配慮する」「日本での生活支援を含めたサポートをする」「在留管理を徹底する」「日本人介護職員との認識のすり合わせをする」の6つ。

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『EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師・外国人介護福祉士候補者の雇用方法を徹底解説!(前半)』

『EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師・外国人介護福祉士候補者の雇用方法を徹底解説!(後半)』

『EPAに基づきインドネシア、フィリピン、ベトナムから介護福祉士候補者を受け入る方法を徹底解説!』

『EPAに基づきインドネシア、フィリピン、ベトナムから看護師候補者を受け入る方法を徹底解説!』

『特定技能「介護」とは?業務内容、雇用形態、試験科目、受入方法など徹底解説!』

『在留資格「介護」での外国人介護職員の採用方法を徹底解説!』

著者 アドミン

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