近年、世界規模でグローバル化が進み、街なかで海外観光客だけではなく外国人労働者を目にする機会も増えてきました。
また、日本国内では少子高齢化による深刻な人手不足が続いています。
その人手不足の解消としても外国人雇用に目をむける企業が増加傾向にあります。
そこで、今回の記事では外国人をアルバイト採用する際のメリットや手続き、注意点についてご紹介します。
外国人労働者を採用する利点
企業側が外国人労働者を採用するメリットは3点あります。
・人手不足解消/労働力の確保
・多言語対応が可能になる
・新発想を得ることができる
人手不足の解消、または労働力の確保
少子高齢化により、労働人口が減少し人材の確保が困難な状況において、労働力を提供してくれる外国人労働者の存在は採用側にとっては大きなメリットとなります。
特に、若年層の多くは大企業に就職してしまうため、中小企業にとって外国人労働者の存在は魅力的です。
加えて、日本で仕事を探している外国人は働く意欲や学ぶ意欲が高いので、上手く教育すればアルバイトであっても優秀な人材になることが期待できます。
多言語対応が可能になる
近年では、日本への外国人観光客や留学生などの数が伸び、その数は2020年の東京オリンピックに向けてさらに増えることが予想されます。
訪日外国人の増加に伴い、今後日本語を話せない外国人と接する機会も多くなるでしょう。
そのような状況になったとき、日本語だけはなく、英語や他の外国語を話すことができる、バイリンガルやトリリンガルの外国人労働者がいる企業では、外国人客に対してスムーズな対応をすることが可能になります。
また、外国語でのメニュー表やサービスの説明書き作成の際にも外国人労働者は役立つはずです。
新発想を得ることができる
日本とは全く異なる文化環境のもとで生活をしてきた外国人労働者は日本人労働者が思いもつかなかったアイディアを持っていることがあります。
そういった彼らのアイディアは会社に新商品・サービスの提供に貢献する場合もあります。
また、外国人ならではの視点からのアイディアにより、業務が活性化されることもあるでしょう。
特に、外国人観光客をターゲットにした企業であれば、外国人労働者のグローバルな視点での発想は企業の発展に貢献されるはずです。
採用までの流れ
外国人アルバイトの流れを紹介します。
1.求人広告などを利用して募集をかける
2.履歴書の確認や面接を行う
3.採用予定の外国人の在留資格などの確認
4.受け入れの手続きをする
上記4つのステップのうち、3番の手続きは日本人アルバイトの際にはないステップであるため注意が必要です。
もし、在留資格所有の有無を確認せずに採用し、雇用後に在留資格がないことが判明した場合、雇用側が不法労働助長罪に問われていしまいます。
この在留資格は在留カードを見ることで確認が可能です。
在留資格の確認が得られたあと、アルバイト採用をする際に被雇用者が雇用者側に提出する、住民票やマイナンバーなどの公的書類が発行されます。
こういった公的書類の発行が行われたあとは、基本的には日本人のアルバイトと同じ扱いになります。
採用側の準備
外国人アルバイトの採用が決まってから、実際に外国人が働き始めるまでの間に労働者側だけではなく採用側も準備が必要です。
その準備としては以下の2点が挙げられます。
・外国人用のマニュアル、サポート体制等を整える
・社員やスタッフへの事前連絡
外国人向けのマニュアルや研修方法などのサポート体制の整備
1つ目は外国人向けのマニュアルや研修方法などのサポート体制の整備です。
就労開始後、外国人がスムーズに労働できるようにするためには、外国人が理解できる言語でマニュアルや研修内容の説明ができるようにしておくことが大切です。
また、研修の際にも、口だけで説明をするのではなく、ジェスチャーを沢山使って話すなど、ゆっくりと確実に相手が理解できるようなスピードで説明することも必要です。
外国人向けのマニュアルの作成は時間がかかるものですが、一度作成してしまえば今後も外国人アルバイトの雇用が可能になるため、初めて外国人を採用する際にはこれらの準備をしましょう。
社員やスタッフへの事前連絡
2つ目は社員やスタッフへの事前連絡です。
外国人の採用が決まったら、その旨を社員やスタッフへ伝える必要があります。
スタッフが、外国人アルバイトの就労後も円滑に業務がこなせるようにするためにも事前連絡をしましょう。
具体的な事前連絡内容としては、
・採用された外国人労働者の基本情報(国籍、年齢、性別、就労開始日など)
・外国人の日本語運用能力
・外国人と働く上での心構え
などが挙げられます。
上記の内容を外国人の就労開始前に、トラブル防止に繋がります。
外国人を採用するときの注意点と確認点
ここでは外国人アルバイトを採用する際に注意すべき点と確認点をまとめました。
外国人アルバイトの雇用を検討している場合は、必ず募集をかける前に読みましょう。
外国人にも日本の法律が適用される
たとえ日本国籍を所有していなくても、日本でアルバイトをする外国人にも日本の法律は適用されます。
したがって、日本の法律が定める労働基準法や最低賃金法を遵守しなくてはなりません。
また、要件さえ満たしていれば保険の加入が必要です。
加えて、労働契約も締結しなければなりません。
在留資格の確認
外国人を採用する際には在留資格の確認をとらなければなりません。
しかし、巧妙に偽造された雇用証明書などを使った不正が問題となっています。
偽造された在留資格で採用してしまうと、雇用側も罪に問われる可能性があるので注意しなければなりません。
在留カードには両面にわたって項目があります。
表面には、
・氏名
・生年月日
・性別
・国籍、地域
・日本での居住地
・在留資格
・在留期間
・就労の可否
・顔写真(カードの所有者が16歳以上の場合)
など。
裏面には、
・住居地を変更した際に、変更後の新しい住所が記載される欄
・資格外労働許可内容(資格外労働許可を受けた場合のみ)
が記載されています。
採用する際には、表面の
・在留資格
・就労の可否
裏面の
・資格外労働の許可
を確認することで、採用できるかがわかります。
ただし、雇用可能かについての判断については、入国管理局などに問い合わせましょう。
また、外国人が日本でアルバイトをする際には入管法が定めている資格外労働の許可を得ている必要があります。
この許可なしにアルバイトをした場合、不法就労となってしまうため採用前に許可の確認をしなければなりません。
資格外活動許可は在留カードの裏面をみることで確認できます。
また、外国人が留学生である場合、入国管理局から資格外活動の許可を受けていなければなりません。
ハローワークへの届出提出
外国人が就労・離職した場合には、雇用対策法に基づいて労働者氏名、在留資格、在留期間などが記載された「外国人雇用状況の届け出」をハローワークへ届け出なければなりません。
これはたとえアルバイト採用であっても、必ず行わなければならない手続きです。
万一、報告を怠ったり、虚偽の報告書の提出をした場合には30万円以下の罰金が課せられるので注意しましょう。
報告書の提出期限は採用、または退職した翌月の末日です。
日本語能力の高さ
採用を決定する前に日本語運用能力を把握しておきましょう。
この日本語運用能力を把握する手段として日本語能力試験(通称N検)があります。
N検には5段階の級があり、N1が1番上の級です。
一般的にはN3が日常会話ができるレベルとなっていますので、N3以上の日本語運用能力のある外国人を採用している企業が多いです。
日本人アルバイトと外国人アルバイトの労働条件の相違点
基本的に外国人アルバイトの採用に関しては日本人と同じですが、労働条件には日本人アルバイトと外国人アルバイトの間で違いがあります。
「留学生」「家族滞在」の在留資格でアルバイトをする外国人の労働時間は残業時間も含めて1週間あたり28時間までと定められています。
アルバイトを掛け持ちいている場合はすべてのアルバイト先の労働時間が28時間以内でなければなりません。
もし28時間以上の労働時間があった場合、不法就労とみなされ、外国人アルバイトだけではなく雇用者も処罰の対象となります。
したがって、採用の際にはアルバイトの掛け持ちの有無について確認するようにしましょう。
ただし、留学生の場合、学校が長期休暇の場合のみ1日8時間働くことが可能です。
また、以下の4つの在留資格をもっている人に関しては日本人と同様に働くことができます。
・永住者
・定住者
・日本人の配偶者等
・永住者の配偶者等
したがって、採用する際には在留資格の種類についても確認しておく必要があります。
採用の際に必要な流れや手続きを確認した上で外国人アルバイトを採用しましょう
現在、少子高齢化により、深刻な労働人口不足が問題となっています。
また、グローバル化により、日本を訪れる外国人の数は増加傾向にあり、そんな外国人の雇用は人手不足を解消する手段のひとつです。
きちんとした手続きを行わなければ法を冒してしまう可能性や、文化の違いから戸惑うこともあるかもしれませんが、人材を確保するためも外国人アルバイトを積極的に採用することをおすすめします。
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