外国人労働者の受け入れ拡大とは?メリット・デメリットから今後の課題までを解説します

執筆者 7月 6, 2019ニュースコメント0件

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外国人労働者の受け入れ拡大の状況

2019年4月、外国人受け入れ拡大法案が施行されました。拡大法案によって、日本の外国人労働者の受け入れ体制などは、どのように変化があるのでしょうか。メリットやデメリットも含めてご紹介いたします。

外国人労働者の増加

現在日本では、どのくらいの人数の外国人労働者が就業しているのでしょうか。2017年10月末時点では、127万人です。2008年は50万人以下だったことを考えると、大幅な増加であることがわかります。以下のように日本で働く外国人労働者は年々増えています。特に2013年以降は急激に伸びていることがわかります。

参照 日本経済新聞

在留資格別に見る外国人労働者

それでは、在留資格別に、外国人労働者の割合を見てみましょう。

出典:日本経済新聞

外国人労働者の受け入れ拡大と技能実習制度

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これまで外国人が日本で働く時に、 技能実習と呼ばれる在留資格により、報酬を得ることができてきました。 また入社一年後に銀の覚える活動や、技能を修得した後にさらに技能を伸ばすための活動などにより技能実習1号や技能実習2号など細かく分かれていたのです。

一般的に研修生日本に滞在できる期間は1年間であり、その後技能検定に合格するなど要件を満たした場合は滞在を延長することができます。このため初年度の1年間と合わせて最長で3年間滞在することができるのです。

技能実習制度は大きく分けて二種類あり、受け入れ機関の法人など単独で受け入れの携帯を企業単独型、協同組合など協力することにより技能実習生を受け入れる形態を団体監理型と言います。

2010年7月に、技能実習が在留資格に加えられ 研修とされていた機関を技能実習1号、研修の期間が終わった後の特定活動をする期間を技能実習2号と分けられるようになり、研修期間以外は労働者として扱われるようになりました。

研修期間終了時に技能評価試験を受け、合格者にはより高いレベルでの実習を受けられるようになったのです。

しかしこの技能実習制度には今でも多くの問題を抱えています。研修生の時間外労働や、極端な低賃金での労働、強制帰国などをちらつかせて性暴力などに繋がる事もありました。 また労働者の中には、出稼ぎとして来日する人も多く、本来の技能習得とは違った目的となってしまっているのです。

このように技能実習の制度が変わった後も、 問題が山積みの状態です。

技能実習生2号

宿泊業が在留資格に加わり、日本旅館協会などの団体は、「技能実習2号」以降対象職種に追加を目標にしています。技能実習1号が技能研修であることに対して、技能実習2号は、主に開発途上国の外国人が、日本で技術を身に付ける取組みとなります。

技能実習2号の修了者は、特定技能1号を取得することができます。宿泊業ではまだ技能実習2号の実習生がまだいないのですが、技能実習2号を増やし、日本で外国人労働者を育てる環境を作り、人手不足解消へとつなげていく方針なのです。

このように外国人の受け入れ拡大法案で、受け入れが可能になった業種は、技能実習期間だけではなく技能を身につけ長い期間努めてほしいという思いがあるのです。

外国人労働者の受け入れ拡大によるメリット

外国人受け入れ拡大をすることによるメリットをご紹介します。

人手不足解消

介護や外食などの特に人手が足りていない産業の問題解決を目指します。日本は高齢化社会や少子化が進んでおり、若い労働力が減っているのですが、他の国では仕事を求めた若者が多い国もあるのです。

街の活性化

企業だけではなく、自治体や大学などの教育機関が積極的にグローバル人材の育成をしています。地方などで外国人労働者を迎え入れることで、積極的に外国の方と交流をとる機会ができ、グローバル人材の育成へとつながることもあります。

また観光産業やホテル産業などに外国人労働者に来てもらって、日本に来る外国人観光客のニーズを教えてもらうことにより、インバウンドとしてのメリットをもたらすこともできるのです。また言葉が通じるスタッフがいることで、海外からもお客様が来やすい環境を作ることができるのです。

外国人労働者の受け入れ拡大によるデメリット

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外国人の受け入れを拡大することは、メリットだけではありません。ここではデメリットをご紹介します。

企業にとってコストがかかる

1号特定技能外国人に対して日本語力向上や生活支援などの支援をする必要があるのですが、コストがかかることが懸念されます。登録支援機構に登録すると、代行して支援をしてくれるのですが、費用がどれくらいかかるのかよめない状況なのです。

給料や雇用保険、社会保険などの通常の日本人を雇う時にかかる費用以外にも、申告書費用や入国直前などにも必要な費用があります。

・技能実習生受け入れ法定講習時

技能実習生渡航費用 約6万円/人
申請書類作成・取次費用 1.5万円/人/回
雇い入れ前健康診断費用 1万円+税/人
160時間講習費用

(320時間の場合は2倍)

7万円/人

(宿泊費、テキスト代、法的講習等の講師費用)

講習手当

(320時間の場合は2倍)

5万円/人

(技能実習生の講習期間中の生活費)

引用 ITE事業協同組合

毎月の費用

技能実習生給与 毎月の給与(地域の最低賃金以上)
労働保険料

社会保険料

技能実習生を受入れる企業は、公的保険(労働保険・社会保険)への加入が必須です。
組合  監理費用 5万円/社/月(技能実習生3人まで)

9万円/社/月(技能実習生6人まで)

12万円/社/月(技能実習生9人まで)

※3人未満や9人超の場合はご相談下さい。

送出  管理費用 1万円/人/月

引用 ITE事業協同組合

その他の費用

育英会費用 1万5千円/人/3年(任意加入です)
査証印紙代 8千円/人(4千円×2回(2年目・3年目))
書類作成・取次費用 3万円/人

(書類作成費用1.5万円×2回(2年目・3年目))

技能検定費用 1回約2万円/人(職種により異なります)
技能実習生総合保険 11,425円(22,850円/人/3年)

(補償期間3年。技能実習生と企業で折半)

技能実習生帰国費用 5万円(帰国時の航空券代。時期により変額)

引用 ITE事業協同組合

日本人労働者を雇う時でも必要な、賃金や、社会保険料などを除いてもこれだけの金額が必要となります。

外国人労働者の受け入れ時に使える助成金

しかし外国人を採用することで、助成金が得ることができます。助成金には大きくわけて2種類あります。

中小企業緊急雇用安定助成金

中小企業を対象した助成金であり、直近3か月の生産量が、前年の同期を比べて下がってしまっている時に受け取ることができます。休業の場合は休業手当もしくは賃金相当額の80%、教育訓練の場合は1日1人あたり6,000円となります。出向の場合は、出向元の事業主が支払った賃金相当額の80%となります。

3年間で300日を限度に支給されます。

雇用調整助成金

こちらは大企業も対象となっており経済上の理由で、事業縮小をする必要がある場合に、以下のような金額を受け取ることができます。

中小企業 大企業
休業か教育訓練 賃金相当額の3分の2 2分の1
出向をした場合 上限は1人あたり1日8,025円 上限は1人あたり1日8,025円

「休業および教育訓練」1年間で最大100日分、3年間で最大150日分

出向 最長1年まで

採用後にも受け取ることができる人材開発支援助成金やキャリアアップ助成金が、外国人を採用する後に対象となる助成金です。人材開発支援助成金は非正規労働者を対象に、研修などに必要な費用の一部を受け取ることができます。

条件によっても変動しますが、必要経費の45%ほどを受け取ることができます。また非正規雇用の労働者をスキルアップなどさせて、正規雇用に促進する際に受け取れる助成金です。

基本的に定住者が対象となるのですが、外国人とであっても条件さえ満たしていれば対象となります。

不法就労につながるのではないか

現在でも不法に外国人留学生を雇用したとして、逮捕されたという内容のニュースをよく見ます。決められた時間以上に労働させたり、在留期間などをハローワークに届けていないなど様々な状況が見られます。

また外国人にとってみても、 様々な状況で日本に来ており、中には出稼ぎなどを目的に本来の目的と違っても申告していないケースもあります。 今でもこのような状況が続いている中で、今回の外国人受け入れ拡大法案は、現場流れをより加速させてしまうのではないかと懸念材料になっています。

不法就労が発覚した場合は、外国人本人だけでなく、不法就労助長罪として事業主側にも処罰が科せられます。

「・不法就労させたり,不法就労をあっせんした人「不法就労助長罪」 ⇒3年以下の懲役・300万円以下の罰金

(外国人を雇用しようとする際に,当該外国人が不法就労者であることを知らなかったとし ても,在留カードを確認していない等の過失がある場合には,処罰を免れません。)

・不法就労させたり,不法就労をあっせんした外国人事業主⇒退去強制の対象

・ハローワークへの届出をしなかったり,虚偽の届出をした人⇒30万円以下の罰金」

引用:法務省入国管理局

外国人労働者受け入れ拡大政策により今後何か変わるのか

外国人受け入れ政策は、人手が足りていない業種14種に対して、受け入れを拡大しました。少子化や高齢化社会において、労働力を確保するのが目的です。しかし現状は、特定技能の対象や受け入れ規模がはっきりとしていない内容が多く、技能実習制度に関しても多くの問題を残しており、課題は山積みとなっています。

以上のように、外国人受け入れの拡大はメリットもあれば、デメリットもあります。メリットを活かすためには、現在存在する技能実習制度などで働く外国人の働く環境を整えることが大切だといえます。今後は取り締まりが厳しくなっていくでしょう。

著者 ビザマネメディア編集部

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