インド人を採用する際のポイントや注意点を徹底解説!

執筆者 7月 29, 2019ニュースコメント0件

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近年、急速に経済発展を遂げている大国のインドにおいて、インド人が世界で活躍する姿が目立つようになりました。

また、日本企業においても、IT技術者としての受け入れやシステム開発のアウトソーシング先としてのインド企業との協力など、以前は遠い存在だったインドが、日本人にとって身近になってきていると感じられます。

この記事では、今後、日本企業でもインド人の採用・受け入れが増えることが予想されますが、その際には、日本人が把握しておくべき事項(インド人の特徴、宗教・文化・歴史、インド人採用のメリット、インド人採用の注意点)をまとめています。

インドの特徴や言語

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まず、南アジアに位置するインドは、西にパキスタン、北に中国やネパール、東にブータン、ミャンマー、バングラデシュと隣接し、南には海を挟んでスリランカやモルディブ共和国に囲まれています。

インドの首都はニューデリーで、最大の都市はムンバイです。また、インドのシリコンバレーとも呼ばれるバンガロールも、最近では日本人に身近な存在となってきています。

現在インドでは、以下のような世界的なスタートアップがたくさん生まれております。

Flipkart:インドのAmazonとも呼ばれるオンラインショッピングサイトで、現在はウォルマートに買収されました。

Paytm:インドで最大の電子決済プラットフォームであり、さまざまな支払いをスマホ上で簡単に行うことができます。

Ola:インド最大手のライドシェアプラットフォームで、Uberに対抗しています。

Zomato:世界中のレストラン情報を提供するアプリで、飲食店の評価や口コミを閲覧できます。

InMobi:モバイル広告のグローバルリーダー企業で、グーグルやフェイスブックといった巨大な企業とも競合しています。

BYJU’S:インド最大手のオンライン教育プラットフォームで、世界中で利用されています。

また、世界的に有名なIT技術者が集まる国の1つであり、タタコンサルタンシーサービスInfosysWiproなど、インドのIT産業を代表するトップ3の企業出身のエンジニアたちも、日本での活躍を見せています。

 

インドの人口は2018年において約13億3500万人、人口数世界第1位の中国に次いで世界第2位の大国になります。ちなみに、人口の増加数ですが、2015年から2018年までのたった3年間で、約6500万人増えていますし、さらに、インドの中央年齢が約27歳ですので、全体の人口約13億3500万人のうちの半数である約6億6750万人は27歳以下という現在の労働力人口減少かつ高齢化社会の日本とは真逆の国です。日本の中央年齢が45歳を超えておりますので、いかにインドに若い方が多く、国としての未来があるかがこの人口数と年齢だけみてもよくわかるかと思います。なお、国連の発表によるとこれから10年以内で中国の人口数を超え、世界一の人口数になるとも予測されています。

 

日本人の多くは、インドの出身の方を一言で「インド人」と呼んでおりますが、実はインドは多民族国家で、何百もの民族が存在する多民族国家です。インドの公用語はヒンディー語ですが、少なくとも30の異なる言語を持っているそうで、インドの中には約2000もの方言があると言われています。では、インド人はなぜ英語が使えるのかというと、19世紀中頃からイギリスの植民地として支配されていたからであり、20世紀中頃に独立をしましたが、植民地時代に英語を使う機会が今のインド人の英語力に繋がっているようで、インドでは英語は邦準公用語として扱われているようです。それ以前にはインドはポルトガルの植民地だったこともあり、植民地時代の名残を言語や文化を含めて残っているわけです。

インドの宗教・文化・歴史

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宗教は、ヒンドゥー教をイメージされる方が多いかと思いますが、多民族国家ですのでそれ以外の宗教も存在します。なにしろポルトガルやイギリスの植民地だった国ですので、自国発祥の宗教以外にも外から入ってきた宗教も入り混じっているわけです。

多くのインド人の宗教はヒンドゥー教で全体の約80%。その他に、イスラム教徒に侵略され広まったイスラム教が約14%、イギリスから入ってきたキリスト教が約2%、シク教が約2%、インド発の宗教である仏教がごく僅か、ジャイナ教もごく僅か、というカオスな国です。

 

ヒンドゥー教の掟で、やってはいけないこととして思い浮かぶのは、日本人と違い「牛肉を食さない」ということだと思いますが、理由は、牛が神様の乗り物であるが故に、聖なる動物として崇められているので、牛肉を食すことや牛を殺すことは禁じられているわけです。ですので、ヒンドゥー教徒は、ベジタリアンが多いと言われてもいます。ただ宗教上の理由よりも、ミルクやバターを生み出してくれる重要な家畜としての役割としての意味合いが強く、生きていく上で牛と共存することが大事だったが故に、その文化が今でも根付いているみたいです。

 

インドに行くと、道端で牛を引いて歩いているインド人を多く見ますが、その理由がまさにこれに当たると思います。ちなみに、ヒンドゥー教は、牛肉を食さないと言われていますが、そんなこともなく牛肉は食べませんが水牛(バッファロー)は食すことができるみたいで、水牛を使った料理もあります。

 

それ以外にも、お酒は飲めない、食事は右手を使って食べる、左手は不浄の手なので食事では使わないなどの風習がありますが、身分が違う者とは一緒に食事をしないっという身分の制度が存在します。それがカースト制度と呼ばれる階級制度で、この階級制度によって就ける職業も変わってくるみたいです。

 

インドのカースト制度は、ヒンドゥー教の前身であるバラモン教から引き継がれている身分制度で、現在はヴァルナ・ジャーティ制度と言われているみたいですが、4つの身分とその身分に該当しないククリがあるようです。

 

まず、上位階層に当たるのが最上と第二位階層までで、最上で司祭に当たるバラモンは、規制を作る側だったらしく例えば、政治関連、大臣、裁判官などに就く人が多かったようです。第二位階層で王族・武士に当たるクシャトリヤは、王族、貴族、武人に就く人が多かったようです。第三位階層で一般市民に当たるヴァイシャは、商人になる人が多かったようで、最下の奴隷に当たるシュードラは、農耕、家畜の仕事を請け負い、さらにカーストの枠にも入らないアウトカーストに当たる不可触民・アチュートは、誰もが嫌がる手や足、体全体を使わないといけない仕事を強いられているようです。

この身分制度は、親から子へと引き継がれるらしく、生まれた後に身分が上がることはないそうで、ヒンドゥー教は輪廻転生(魂が何度もこの世に生まれ変わるという概念)を信じる宗教なのですが、人生で徳を積むと生まれ変わった時により高い身分で生まれ変わると信じられているようです。それにより、生まれた時から身分によって就ける職業が限られているわけです。よって、貧富の差が激しく、身分によっては職業の選択に制限があるので、稼げる仕事に就けずに生活が苦しい方もいるのが現状です。

インド人を採用するメリットは?

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技術力(エンジニアリング力)の高さ

このように、インドには宗教からなるカースト制度という身分制度によって、職業選択の不自由さが存在し、一見すると非常に厳格な国に見えるのですが、それは過去の歴史から受け継がれている話であり、現代において世界で新しくできた産業や職業に関しては、その縛りを受けることはありません。その象徴的な新しい産業こそがIT産業なのです。

 

つまり、例えカースト制度によって低い身分で生まれ、カースト制度に定められた職業でしか勤めることができなかったとしても、カースト制度のククリに入っていないITエンジニアのお仕事には従事することができ、努力次第では大きな出世を遂げることができる夢のようなお話なのです。ましてや、実力が認められれば、インドではなく他国で雇用されたり活躍することができますので、自国の通貨ではなく、USドルやユーロ、日本円などの世界三大通貨を稼ぐこともできます。

そういう面で言えば、世界で通用するIT技術者になるべく、必死に勉強して世界に稼ぎに出ることを目指すことは、大きなモチベーションになりますしハングリー精神が生まれる要因だと思われます。

 

また、ITエンジニアとして1つ目指す場所は、アメリカのシリコンバレーだと思いますが、昨今のアメリカの情勢を鑑みると、アメリカで就労ビザを得ることは容易ではありません。就労ビザを得ることが難しいのであれば、アメリカを断念して他の国に目を向けることになるわけですが、そう言った面を考えると、現在の労働力人口減少国で外国籍人財に就労ビザを供給する傾向、かつ明らかにITエンジニアが不足していて、かつ今後更なる不足が見込まれる日本は、インドの方にとってもチャンスなのではないかと思います。

 

特に日本の生活水準はインドと比べても高く何でも手に入る便利な国ですし、最近では、東京都江戸川区葛西がインディアンタウン化しており、既にインド人が住める場が日本に存在しています。IT技術者としてであれば、在留資格の「技術・人文知識・国際業務」のステータスで最高でも5年の資格を得られますので、インド人からみても日本で稼ぐというのは1つの魅力になると思います。

インド市場への進出支援

インドは世界人口2位を誇る市場であり、急速な経済発展を遂げているため、日本企業がインド市場に進出する際に、現地の人材を採用することで、市場に適した商品やサービスを提供することができます。

直近の例で言うと、国内外に約460店舗を展開する眼鏡チェーンのOWNDAYS(オンデーズ)が、インドの同業で2010年創業のLenskart(レンズカート)との経営統合を発表しました。

(参考)日本のメガネ屋「インド企業と経営統合」のなぜ | 専門店・ブランド・消費財 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

(参考)【OWNDAYS 田中修治】5000億円超の評価額のインド企業と経営統合/「成長しか知らない国インド」/“破天荒フェニックス”の海外出張密着ドキュメンタリー/英語は話せなくても海外進出できる – YouTube

インド人採用の注意点

日本企業がインドご出身の方を採用するにあたり、やはり仕事に対する文化が大きく違いますので、その点は注意が必要です。

個の集合体が集まってビジョンに向かって仕事をするスタンス 

例えば、日本と世界とでチームで仕事をする上でのスタンスが違いますので、インドご出身の方もチームで仕事をするにしても、自分のタスクは自分のタスクで、他のメンバーのタスクには基本的に介入しようとはしない傾向です。個の集合体が集まってビジョンに向かって仕事をするスタンスですので、日本人の特徴的な歩幅を全員に合わせるような協調的なスタンスではないというのが傾向値です。

 

基本ポジティブで楽観的

また、インドご出身の方は、基本ポジティブで楽観的ですので、日本の厳格的な時間を守ることや約束通りに物事を進める文化への適応には時間がかかりますし、なかなか理解してもらうのに苦労するかもしれません。一緒に仕事をする上で、期日までに何度もリマインドや確認を行うことが大事になってくると思います。

信用している人にしかフルネームを明かさない

日本文化の象徴である人を信用する文化ではありませんので、彼らがオープンに相談をしてくれるようになるためにも、彼らとの信頼関係構築は必要不可欠です。どうやら履歴書に書く名前に関しても、インドでは氏名でカースト制度の身分がわかるらしく信用している人にしかフルネームを明かさないみたいです。

おしゃべり好きが多い

さらに、これもインドの文化の1つになるかと思いますが、おしゃべり好きが多いせいか仕事中もおしゃべりが始まったりもあります。インドでは昔からティータイムが慣習としてあり、マサラティーを午後に飲む文化もありますので、こういった文化を受け入れることもお互いに信頼関係を築くための必要なことだと思います。

 

ただ、全てのインドご出身の方がこのようなケースと言うわけではなく、中には時間を正確に守れる方もいますし、宗教においても厳格に教えを守っている方もいれば、割とルーズな方もいますので、そこはやはり個人個人で差はありますし、日本に長くいらっしゃるインド人や日本の文化をよく知っているインド人であれば、既に日本文化に慣れてますので割と適応度が早いかと思います。

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著者 アドミン

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