ネパール人採用について詳しく知りたい方は【完全保存版】経営者・人事必見!!ネパール人採用の特徴と注意点!をご覧ください。
ネパール人を採用する上で知っておくべき、特徴・言語
昨今、日本においてもネパール人を多く見かけるようになりました。
ここ数年での動きかと思いますが、ITエンジニアだけでなく、飲食業界やファーストフード店、コンビニエンスストアなどにもネパール人の労働者を見かけることが多くなりました。また、日本語学校の生徒や四年制大学、短期大学、専門学校に通う学生さんも以前に比べて増えているように感じます。
ITエンジニアであれば在留資格の「技術・人文知識・国際業務」のステータスで雇用されますが、学生であれば在留資格の「留学」のステータスで、週28時間以内の指定勤務可能時間の範囲内でアルバイトをしながら生活の基盤を作っているケースがほとんどです。日本語学校や大学、短大を卒業後に日本での就職を希望するネパール人も多いです。では、日本企業が受け入れる上で日本人はどんなことを知っておかなければならないのでしょうか。
ネパールの国の特徴:インドと中国に挟まれた南アジアの細長い小国
ネパールは、南アジアに位置し、東西南がインドに隣接し、北が中国チベット自治区に隣接している、いわばインドと中国という大国に挟まれた東西に細長い小国です。首都はカトマンズであり、最大の都市も同じくカトマンズです。日本人にとってネパールで思い浮かぶものは、標高8,848mの世界最高峰の山であるエベレストでしょう。しかし、実際にはエベレストの山頂は中国とネパールの国境上に位置しています。世界には8,000mを超える山が14つありますが、そのうちの8つがネパールにあると言われています。また、首都のカトマンズも標高1,300mに位置し、北は山脈が広がり、南はインドに向かって平野が広がるなど、起伏に富んだ国土を持っています。
ネパールの人口・特性
ネパールの人口は2018年において約2950万人、世界の中では人口数100位以下の小さな国です。
ちなみに人口の増加数ですが、2015年から2018年までの3年間で、約100万人増えていて毎年緩やかに人口が増加しています。
注目すべきポイントはネパールの中央年齢。ネパールの中央年齢は約23歳なので、全体の人口の半分にあたる約1450万人は23歳以下の非常に若い国であるのが特徴です。日本の中央年齢は45歳を超えていますので、ネパールは人口数は少ないですが、国全体としていかに若い人が多い国かがうかがえます。
ネパールも一見すると単一民族のように思うかと思いますが、多民族国家です。
地理的にも中国とインドに挟まれていますので、中国からのチベット系民族とインドからのアーリア系民族が入り混じっていて、ネパールには100を超えるカースト・民族が存在するらしいです。
公用語はネパール語ですが、ネパールには100を超える言語が存在するらしく、ネパール語を母国語として使用しているのは全体人口数の半分以下だそうです。
とは言うものの、多くのネパール人が英語を使えます。
はっきり言って、その英語力は日本人よりも上です。その理由は、まずネパールでの学校教育にあります。ネパールの学校では、中には全ての授業を英語で行っている学校もあり、英語教育にはかなり力を入れています。なぜ英語にこれだけ力を入れているかというと、ネパールの産業は主に農業か観光産業になります。
自国で何かを生み出す体力はなく、多くのネパール人が稼ぐために出稼ぎに他の国へと行きます。そのためにも、世界の人々と仕事をするためには英語というコミュケーションツールが必要不可欠なのです。ましてや観光産業で仕事をするにしてもお相手するのは異国の方々になりますので、英語という言語が無くては稼ぐことができないのです。
カースト制度が存在していた昔は、教育を受けられないネパール人も多く全体の30%くらいしか学校に通っていなかったのですが、昨今のネパール人の若者は、両親が他国で稼いだお金を元にしっかりとした教育が受けられるようになり、学校に通えるネパール人も99%と飛躍しており、この30年くらいで国自体が変わろうとしている最中です。
それもあってかネパール人も日本と同じように学歴社会になっており、特に大学の修士や博士を取得したネパール人は鼻が高いようです。
私の体験談ですが、UAEのドバイに行った時に現地で働いている出稼ぎのネパール人労働者とお話ししたことがあるのですが、彼らはロジスティック(物流)のお仕事をドバイでされている方々で、英語もみなさん話すことができます。
彼らが言うには、自国には産業がないので、外の国から電化製品や車などをネパールに持ってくることができる仕事は、とても誇らしい仕事だと仰ってました。ネパールは小さな国で自国に産業が無いからこそ、他国で稼ぐというマインドが備わっているわけです。
ネパール人を採用する上で知っておくべき、宗教・文化・歴史
ネパール人の宗教
ネパールの宗教は、インドと同様にヒンドゥー教が多数派であり、全人口の約81%を占めています。また、ネパールは多民族国家であるため、さまざまな宗教が存在しています。ヒンドゥー教の他に、約9%が仏教徒であり、約4%がイスラム教徒、約3%がキラント教徒、約1%がキリスト教徒であり、それ以外にもさまざまな宗教があります。
ネパールのヒンドゥー教は、インドと同様に「牛肉を食さない」という掟があります。牛が神様の乗り物であるとされ、聖なる動物として崇められているため、牛肉の摂取や牛の殺害は禁じられています。なお、インドと同様に、ヒンドゥー教徒は水牛(バッファロー)は食べることができます。ネパールの有名な食べ物の一つである「モモ」と呼ばれる餃子には牛肉は使われませんが、水牛は使われます。
また、ネパールは中国とインドに挟まれた地理的位置にあるため、食文化においても両方の影響を受けています。カレーの他にも中華料理のようなモモや焼きそばのような料理も食されます。しかし、ネパールのカースト制度による社会的階層が高い人々は、牛肉や豚肉を食べないこともあります。さらに、ベジタリアンのネパール人も存在します。ネパールの宗教は多様性に富み、異なる宗教が共存しています。
ネパール人の文化
そして、インドのようにネパールにもカースト制度が存在します。ネパールのカースト制度では、まず最上位にあたるタガタリというのがあり、その最上位のカーストの中でもバウン(ブラーマン)、チェトリ、ネワールというカテゴリーに分かれるらしく、タガタリの職業は、ヒンドゥー教の神官、僧侶、教師、知識人などと位置付けられていて頭脳を使うお仕事や戦士や王などの武勇に関するお仕事に就き、それぞれによりお酒が飲めない、牛肉だけでなく豚肉も食さないベジタリアンなどの掟があるらしいです。
その次の階層がマトワリと呼ばれるもので、マトワリの中でも2階層に分かれるらしく、マトワリは、お酒は飲めるらしいです。職業は商人や農民に就くそうです。その次の階層がパニナチャルネと呼ばれるもので、パニナチャルネの中でも2階層に分かれ、職業は単純労働職や職人、工人などになるようです。
ただ、ネパールのカースト制度は1962年に既に廃止されており、下位層のカーストだった方も、現在は服屋さんや肉屋さんなどの商人にもなっており、ネパールのカースト制度は薄れつつあるようですが、今現在においてもカースト制度の名残はあります。例えば結婚においても基本同じカースト同士でないと許されていないらしいですし、インドのカースト制度と同じように食事は右手を使って食べる、左手は不浄の手なので食事では使わない、身分が違う者とは一緒に食事をしないという風習は依然残っています。
生まれた時から身分によって就ける職業が限られていたカースト制度が廃止になったことによって、最近の若いネパール人は、カーストと職業の関連が薄まっていますが、依然貧富の差があることは否めません。
ネパール人を採用する場合の日本企業のメリット
一見するとネパールと日本との親和性が表面上では見えないように感じる日本人も多いかと思いますが、実は日本との親和性はかなりあると思います。
まず、ネパールは中国とインドという大陸に囲まれているにも関わらず、植民地になったことがない独立国なのです。外交の基本方針は非同盟中立で、インドとの関係は良好で、ネパール国籍の方はインドにビザなし・パスポートなしで行き来できますし、ネパール人がインドで就労することも可能らしいです。
ネパールが独立国である所以は歴史上にあるのですが、19世紀初頭でのネパールと当時インドを支配していたイギリスの軍とのグルカ戦争において、イギリスに破れたものの大打撃を与えたことでネパールの兵、のちにグルカ兵と呼ばれたらしいですが、イギリスにかなり恐れられていたらしいです。小国であるにも関わらず、戦いに屈しなかったという姿勢は、日本の歴史と非常にリンクしているように思えます。
また、ネパールは世界において最貧国の1つですが、ネパールへの経済援助額がイギリスに次いで日本が世界第2位であり、ネパールの方々が日本から大きな恩恵を受けていることを知っています。2015年に発生したネパール大地震においても、東日本大震災での教訓を生かして日本の国際緊急援助隊がネパールの被災者への救助に関わっており、ネパールの方から見ても日本に対する感謝の気持ちを持っていることは言うまでもありません。
さらに、ネパール人は日本の技術に対する憧れを持っています。ネパールには資源がなく、世界に売れるような技術力を持っていないため、日本ブランドの製品を輸入し、日本の技術や仕事を学びたいという意欲が強いです。ネパール人は日本企業での働きを通じて、日本の技術力を学び、自国に還元しようとする姿勢があります。
ネパール人は日本企業においても優れた人材として期待されます。ネパール人はインドとの関係も良好であり、日本企業がインド市場に進出する際には、ネパール人のビジネススキルや言語スキルを活かしてインド市場へのアプローチを支援することができます。また、ネパール人は日本との文化的な違いを理解し、異文化間のコミュニケーションを円滑に行う能力を持っています。これは、日本企業がグローバルなビジネス展開をする上で貴重な資源となります。
ネパール人の採用により、日本企業は多様性を高めることができます。異なる文化や背景を持つネパール人を採用することで、企業内の多様性が増し、異なる視点やアイデアがもたらされます。これにより、企業の創造性やイノベーション力が向上し、新しい市場への対応力も強化されるでしょう。
また、ネパール人の採用は、人材の確保や定着率の向上にもつながります。ネパールは若い人口が多く、労働力が豊富です。ネパール人は日本企業での働きを通じて、キャリアの成長やスキルの向上を目指し、長期的な雇用を望みます。そのため、定着率が高く、長期的な人材の確保につながるでしょう。
さらに、ネパール人は努力家であるとされており、日本企業の労働倫理に合った働き方を持っています。日本企業の厳しい労働環境に対しても、ネパール人は忍耐強く取り組みます。また、ネパール人は家族やコミュニティを大切にする文化を持っており、チームワークや協力を重視します。これにより、日本企業のチームや組織の一員として、円滑な協力関係を築くことができるでしょう。
さらに、ネパール人の採用は社会的な貢献やCSR活動にも繋がります。ネパールは発展途上国であり、教育や医療などの社会的な課題が存在しています。日本企業がネパール人を採用することで、ネパールの経済発展や社会的な改善に寄与することができます。これにより、企業の社会的な責任を果たしながら、ネパール人の人生や地域の発展を支援することができるでしょう。
総じて、ネパール人の採用は日本企業に多くのメリットをもたらします。ネパール人の多様性、努力家である性格、日本企業への憧れや感謝の気持ち、社会的な貢献などが、企業の成長やグローバル展開を促進するでしょう。
ネパール人を採用した後に、気をつけるポイントは?
まず、今まで述べてきたネパールの国の情勢を鑑みた上で、ネパール人の日本で働くメリットは、お金が稼げるというところにあると思います。ネパール人の国内での平均月収が約2万円〜3万円くらいで、さらにネパール国内で農業に従事していたら年間でたったの5万円くらいにしかならないそうです。
そんなネパール人が日本で世界三大通貨である日本円を稼ぐことができたら、とんでもない稼ぎですし稼いだお金を自国に還元することができますので、まずはなんとしても日本で就労ビザをもらい、日本で稼ぎたいと思っていますので、ある意味でとても素直でピュアな印象が強いです。例えそのネパール人の方が自国でのキャリアを持っていた方だとしても、日本で働くとなると新卒採用のような真っさらな状態に近く、一から仕事を教えないといけないため、戦力になるには時間がとてもかかるかと思いますが、素直さと忠誠心は強く、その理由もあってかネパール人は世界でかなり好かれます。
ハングリー精神は持ってはいると思いますが、そこまでハングリー精神を剥き出しにしている印象ではないです。また、基本的には楽観的でオープンな方が多いので、人とのコミュニケーションは好きですし、人懐っこさを持っています。もし日本企業でネパール人を受け入れる場合は、割と新卒に近い形で教育を含めたしっかりしたマネジメントを行った方が彼らとしても日本社会に適応しやすいかと思います。それと、これは国民性になるかと思いますが、ネパール人は依存的で自己責任に対しての意識が薄い面がありますので、要注意です。日本社会がかなり他国に比べても厳格ですので、仕事を共にする際にはお互いに歩み寄って理解し合うスタンスは必要です。
日本企業から晴れて就労ビザを得て働くことができ、仕事に慣れて成果も出せるようになった暁には、日本の永住権も後々取得したいというモチベーションももちろん持っています。
ネパール人を採用する際の一般的な注意点は以下の通りです。
1.日本の労働法や労働環境についての教育を行う
ネパール人の中には日本の労働法や労働環境に慣れていない場合がありますので、入社前に日本の労働法や労働環境についての教育を行うことが重要です。特に、労働時間や休日、労働条件などの違いについて丁寧に説明し、適切な労働条件を提供するように心掛けましょう。
2.日本語の教育を充実させる
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ネパール人の中には日本語が話せない場合がありますので、入社前に日本語の教育を充実させることが大切です。日本企業での業務には日本語の理解が必要な場合が多いため、日本語のスキルを向上させるための研修やサポートを提供しましょう。
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3.文化や習慣の違いに対する理解と配慮
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ネパール人の文化や習慣は日本と異なる場合がありますので、入社前にネパールの文化や習慣についての理解を深め、異文化間のコミュニケーションに配慮するようにしましょう。例えば、ネパール人は基本的には楽観的でオープンな性格を持っていることが多いため、日本のビジネス文化に慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
4.マネジメントや教育体制の充実
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ネパール人が日本企業で働く場合、新卒に近い状態からのスタートになることが多いため、しっかりとしたマネジメントや教育体制を整えることが重要です。ネパール人の特性やスキルに合った研修やキャリア開発プログラムを提供し、日本社会に適応しやすい環境を整えましょう。
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5.自己責任の意識の向上
ネパール人は自己責任に対する意識が薄い傾向があるため、日本の厳格な労働産業環境においては、自己責任の意識を向上させるように注意が必要です。日本企業では、業務の遂行や成果の達成に対して自己責任を持つことが求められますので、ネパール人にも自己責任の重要性を理解させるための指導や指導を行いましょう。
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6.労働ビザの手続きとサポート
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ネパール人を採用する場合には、日本の労働ビザの手続きについても注意が必要です。労働ビザの取得には一定の時間と手続きが必要であり、ネパール人が日本で働くためには正確な情報や適切なサポートを提供することが重要です。
7.社内での多文化共生の推進
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ネパール人を含め、異なる文化や国籍の従業員がいる場合には、多文化共生を推進する体制を整えることが大切です。異文化間のコミュニケーションを促進し、相互理解を深めるための取り組みを行いましょう。
以上のように、ネパール人を採用する際には、日本の労働法や労働環境に関する教育、日本語の教育、文化や習慣の違いへの理解と配慮、マネジメントや教育体制の充実、自己責任の意識向上、労働ビザの手続きとサポート、社内での多文化共生の推進、健康管理のサポートなどを行うことが重要です。ネパール人の適切な雇用条件や福利厚生の提供を行い、円滑な採用と定着を促進しましょう。
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