出入国在留管理庁では現在インターネットを利用したオンラインでの電子届出システムを公開しています。
電子届出システムとは、出入国在留管理庁の職員が業務として行う所属機関の届出をインターネットを利用して自宅や職場から簡易に行うことが可能になっています。
これにより、従来の窓口・郵送受付で問題視されていた待ち時間の短縮や受付時間の24時間化、申請の一括届出などができるようになりました。
多数の外国人職員を抱える雇用主などは活用すればとても便利になるシステムです。
出入国在留管理庁電子届出システムとは
出入国在留管理庁電子届出システムはWEB上でアクセスして利用者情報登録を行えば利用開始ができます。
利用料金などは発生せず無料で登録・申請などができるので出入国在留管理庁へ出頭する時間がなかなか取ることができないという人にはおすすめです。
利用者情報の登録に関しては、「みなし在留カード(旧外国人登録証明書)」の所持者はできないので注意して下さい。
雇用主(所属機関担当者)が登録する場合は、オンラインではなく地方出入国在留管理官署へ登録申請書を提出する必要があります。
登録が就労すれば、出入国在留管理庁電子届出システムにアクセス・ログインすることで各種申請の届出が行えるようになります。
出入国在留管理庁電子届出システムで対象となるもの
出入国在留管理庁電子届出システムでは全ての届出が申請できるわけではありません。また在留資格などによっては申請できる種類も変わってきますので確認しておきましょう。
1.中長期在留者自身の届出
在留者自身が届出を行う場合、自身の在留資格によって申請できるものが3つに分かれます。
【「高度専門職1号ハ」・「高度専門職2号」、「経営管理」、「技能実習」、「留学・研修」など】
・活動機関の名称・所在地が変更または消滅した場合の届出
・活動機関を転職・退職・卒業などで離脱した場合の届出
・活動機関を転職・進学などで移籍した場合の届出
・活動機関を転職後就職するなどで新規の活動期間へ移籍した場合の届出
【「高度専門職1号イ・ロ」、「高度専門職2号イ・ロ」、「研究」、「介護」、「工業・特定技能」など】
・契約機関の名称・所在地が変更または消滅した場合の届出
・契約機関との契約が終了した場合の届出
・新規の契約期間との就業契約を締結した場合の届出
・契約が終了後新規の契約をした場合の届出
【「配偶者」、「家族滞在」など】
・配偶者に関する届出(離婚・死別)
2.中長期在留者の所属機関の届出
在留資格が「留学」である人物の所属機関では、「留学の在留資格を有する中長期在留者の受入状況」に関する届出を行うことが可能です。
内容は「受け入れの開始・終了」で、300人まで一度にまとめて申請することができます。
在留資格が「留学」以外で所属機関で申請できるのも同じく「中長期在留者の受け入れ開始・終了の届出」ですが、資格の種類によって記入する用紙が違いますので注意しましょう。
届け出が必要な所属機関は、以下の通りです。届け出内容は、受入れの状況や受け入れている中長期在留者の氏名等です。
「教授」,「高度専門職」,「経営・ 管理」,「法律・会計業務」,「医療」,「研究」,「教育」,「技術・人文知 識・国際業務」,「企業内転勤」,「介護」,「興行」,「技能」又は「留学」 の在留資格を有する中長期在留者を受け入れている機関のうち,雇用対策法の 規定に基づいて外国人の雇用状況を届け出なければならない事業主を除く機関
(出典:「出入国在留管理庁電子届出システム」に関するQ&A )
また、届け出ない場合の罰則はありませんが、在留期間更新の申請時に精査が必要になる可能性があります。今後の円滑な手続きのため、受け入れた際に届け出を行うことをおすすめします。
出入国在留管理庁電子届出システムでできること
1.中期在留者が操作できること
在留者は日本国内での手続きを行う場合、所属機関が代理となることが多いのですが電子届出システムにおいては個人情報の保護、悪用の予防のために在留者が操作できることの方が圧倒的に多くなっています。
機関の所在地の変更であったり、所属機関の変更なども在留者本人が行わなければいけません。同意の上で他者に操作をしてもらったり、書類の作成を依頼することは可能ですが、申請自体は本人でなければ受理されませんので注意しましょう。
また、氏名や国籍などの身分事項に変更がある場合や在留者の居住地自体が変更する時はオンラインでの手続きはできないので地方出入国在留管理官署の窓口へ行かなければなりません。申請の期限は変更があった14日以内です。
2.所属機関が操作できること
在留者が所属している機関側がオンライン申請できるのは、その期間に受け入れ開始・終了の節目に報告申請する時のみになります。
これは多数の在留者の申込みを簡易にするためです。所属機関側は在留者の情報を勝手に変更することはできません。これは電子届出システムにおいて、申請を行っている担当者の本人確認ができないためです。
したがって、初めて申請を行うに際して、担当者は最寄りの地方出入国在留管理局の窓口に出向いての利用者情報登録が必要になります。ご注意ください。
3.操作方法のマニュアルについて
電子届出システムは出入国在留管理庁のサイトで操作マニュアルを閲覧することが可能です。操作マニュアルは中長期滞在者用と所属機関用に分かれており、それぞれ操作内容が違いますので間違って見ないようにしましょう。
また、操作マニュアルは日本語と英語でのバージョンがあるので、在留者自らが操作を行う場合も安心です。
操作マニュアルには、実際の画面の図を参照して操作方法を紹介していますのでパソコン操作が苦手な人でもわかりやすくなっています。PDFデータですので印刷して常備しておいても便利です。
しかしその際には印刷した紙にIDやメールアドレス、パスワードなどをメモしないように注意してください。
操作マニュアルの最後には「エラーメッセージ一覧」が掲載されています。これは操作中に思わぬエラーメッセージが出た時に対応できるので何度入力してもエラーが出る場合はここを参照してください。
4.操作環境について
電子届出システムの利用はパソコンからでのみ利用可能です。携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などでは画面表示が崩れてしまったり、ボタンが動作しない可能性があります。
また、パソコンのブラウザは「Google Chrome バージョン72」での動作が推奨されています。提出書類用のエクセルファイルは「Microsoft Excel 2013」が動作環境ですので、ファイルが開けない、不具合が発生するという場合はバージョンの確認などをしてみてください。
サイト上の操作では、日本語以外でも、英語や中国語、韓国語、スペイン後、ポルトガル語での表示も可能です。しかし項目欄の入力時には氏名以外は日本語での入力が必要となります。
そのため、在留者の人だけで申請を行う場合は日本人で内容が理解できる人に確認してもらうのも不備を無くす方法です。
5. ID・パスワードを忘れてしまった場合
登録していたIDやパスワードを忘れてしまった場合、ログイン画面にある「認証ID・パスワード再通知」の欄から在留カードの番号などの本人情報を入力するとIDを通知してくれるというシステムになっています。
中長期在留者であればその時に新しいパスワードを設定することが可能ですが、所属機関の利用者の場合、パスワードの再設定をすることはできません。その場合は出入国在留管理局の窓口へ申し入れ、新しいパスワードに設定しなければいけません。
参考:[PDF]「入国管理局電子届出システム」でエクセルファイルにより一括 …
参考:操作マニュアル
出入国在留管理庁電子届出システムのメリットと利用条件
電子届出システム自体は2013年から開始されたシステムですが、入国管理局が出入国在留管理庁となった後も継続して運営されています。それを見ると電子届出システムは外国人雇用に関してはポピュラーな手続き方法だと言う認識がされていることがわかります。
しかし電子届出システムの存在はまだまだ周知されているとは言えず、存在は知っていてもどのようなものかわからない、メリットがよくわかっていないという人もいるのではないでしょうか?
電子届出システムの存在を知らせて在留者が活用することで、在留者・雇用主ともに働きやすい環境づくりの一部になるでしょう。
そこで電子届出システムのメリットや活用法、利用に関する注意点などをまとめました。
1.メリットと活用法
入国管理電子届出システムの一番のメリットは待ち時間の短縮です。
出入国在留管理庁や地方官署の窓口では受付時間が決められており、時間帯によっては出頭することができませんし、繁忙期に当たってしまうと待ち時間だけで数時間が潰れてしまうことがあります。
そんな時には24時間受付を行っている電子届けシステムが便利です。全ての届出が申し込めるわけではありませんが、簡単な届出であれば簡単に手続きを済ませられるのがメリットの一つです。
活用法としては、出入国在留管理庁で公開されているエクセルファイルをダウンロードしておけば、どこにいても書類の作成を行うことができますし、別の人にデータを作成してもらうという作業分担を行えます。
エクセルファイルでの作業は繰り返し入力しなければならない項目を一括で編集することができますし、手元にデータが残せるというのも大きな利点です。
2.出入国在留管理庁電子届出システムを利用できない人
電子届出システムが利用して登録できるのは、中長期在留者のみとなっています。在留期間が短期である人や、「外交・公用」が在留資格となっている人、「特定活動」が在留資格であり、阿東関係・駐日パレスチナ総代表部関係の人物は利用できません。
その他にも、特別永住者となっていたり、在留資格を盛っていない人は電子届出システムを利用することはできず、窓口でのみの受付となります。
3.虚偽申請などに対する罰則
申請内容に虚偽の内容があったり、必要な届出をしない場合は20万円以下の罰金、1年以下の懲役などの処罰が下されることがあります。
また、虚偽の申告を行った場合には、強制退去を命じられるケースもあります。
4.新しく交付された在留カードでの登録
更新などによって新たに在留カードを交付された場合、交付当日はそのカード番号での登録はできない仕様になっていますので、一日以上空けてから登録するようにしましょう。
新たに在留カードを交付される前に電子届出システムに登録していた場合は利用者登録をやり直す必要は無いのですが、届出記入情報内では新しい在留カードの内容を入力する必要があります。
また、在留の更新を受けないことで在留期限が終了してしまうとその時点で認証IDは無効になってしまうので注意しましょう。
出入国在留管理庁電子届出システムの活用まとめ
出入国在留管理庁電子届出システムは覚えておくととても便利なサイトです。在留者本人であれば自分の情報をオンライン上で確認することができますし、簡単な手続きであればすぐに申請が可能です。
また、年中無休の受付なので時間を気にすること無く申請ができるのも便利なポイントです。
今後さらに申請がしやすくなったりシステム面の改善が行われたり、さらには別の申請や操作も検討中ということなので、期待して待っておきましょう。
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