日本企業にとって外国人技能実習生・研修生の採用メリットとデメリット

執筆者 5月 28, 2019ニュースコメント0件

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外国人研修生ってそもそも何?

外国人研修生って、そもそもなに?という人もいるかもしれません。それでは、「技能実習生」という言葉だと少し聞き覚えがあるのではないでしょうか?

日本では、「技能実習制度」という、開発途上国に日本の技術を確実に移転させるために日本国内の企業で研修を行い技能を習う制度があります。この技能実習制度は、民営または国公営の送り出し機関より、外国人研修生として来日し、1年以内の滞在によって研修計画に沿って研修を行います。外国人研修生が研修を終えた後、技能検定という検定に合格することで初めて「技能実習生」になれるのです。

 

また、開発途上国の送り出し機関から送り出されて来日する外国人研修生も、送り出し機関からの推薦を受けるなど、様々な要件をクリアしなければならず、外国人研修生になれる人は、相当優秀です。数々の難関を通り抜けることで初めて持てる「外国人研修生」という肩書き、外国人からすると非常に名誉なものであるかもしれませんが、少なくとも日本ではあまりいい印象ではありません。

実際に「外国人研修生」はどのようにして日本で暮らしているのか、メリットとデメリット、待遇、給与などについて詳しく調べていきたいと思います。

外国人が日本で研修することのメリット・デメリット

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まず、外国人が日本に来て働くことにどんなメリットがあるのでしょうか?

一つ目に、「日本で暮らすことができ、働いてお給料が貰える」という点があります。最近、観光地に行くと外国人が日本人よりも多くいる、ということがあります。これは、少なからず日本という国に憧れ、行ってみたいと思っている外国人が多くいるということを表していると言えます。

しかし、旅行となると、宿代や食費など、出費がかさみますが、収入を得ることはできません。そこで、外国人研修生として、数年、日本に来て働くことができ、収入を得ながら働けることは、外国人研修生になる大きなメリットかもしれません。私たちも、外国で生活することになった際、行ったこともない土地での仕事探しは、体力も使うでしょうし、何より孤独で非常に厳しいものになることは想像に難くありません。そこで、憧れの土地での仕事を紹介してもらえる制度があるのであれば、是非とも利用したいと思うはずです。

 

二つ目として、稼げる、という点があります。外国人研修生を送り出した時、日本が受け入れるといった締結を結んだ国のリストを見てみると、ベトナムやタイといった日本より物価の低い国が多く見受けられます。このことから、外国人研修生となって日本で働くことで、現地で働くよりも短い時間で多くのお金を稼ぐことができます。そうすると、贅沢をしなければ自分で暮らす分のお金に加えて、家族の暮らす母国に十分なお金を送ることができます。

 

しかし、デメリットも少なくはありません。

当然ですが、日本に来てしまうと、母国とは違い、日本語での対応をされることがほとんどです。日本で働く前に、日本語の勉強をする必要があります。日本語は世界で最も難しい言語とされるほど難易度が高い言語であるため、最低限度の日本語を学ぶといっても、非常に時間がかかり、大変であることでしょう。世界で最も使われているほど手をつけやすい英語でさえ、私たちが学ぶのには非常に長い時間を要することから、日本語を学ぶために要する時間は、計り知れません。

 

また、出稼ぎに出る場合、家族とは離れ、孤独な生活を強いられます。長期休暇のたびに帰省することのできる日本国内の距離ならそれほど孤独は感じないかもしれませんが、海外となると、帰国のみで1日以上の時間がかかるため、外国人研修生として働いている身としては、数少ない休みの日は、有効に使いたいものです。帰国をしていると、お金もかかりますし、時間もかかります。そのため、外国人研修生は孤独を強いられてしまいます。

日本人の働きかたは、諸外国から見て、働きすぎる、上手な休みかたがわからない人が多い、という印象があり、外国人研修生が来日し、日本企業で働くと、労働環境の変化に耐えられず、精神的なストレスを抱えてしまうかもしれません。それが原因でうつ病などの病気になってしまった場合、頼るあてがあまりないため、非常に大変な思いをするかもしれません。

 

また、外国人研修生として研修を終えた後、技能実習生として再度日本で働く場合、面接を終え、契約を交わした企業で働く時のみ、技能実習生として日本に滞在することを認められます。つまり、日本人が日本で働く場合と異なり、転職や退職が難しいというデメリットがあります。日本人が日本国内で働く際には、転職も自由ですし、退職をしても家族の元で再就職先を探すことができます。

 

しかし、外国人研修生が会社を辞める際には、転職はおろか、日本から追い出されてしまう可能性があります。仕事が嫌になってしまったからといって、日本人と比較して、簡単に辞めることができない上、母国に戻ったところで、前職が日本での研修生ということを知られると、どうして名誉があり、給料も良い外国人研修生をやめてきたのか、不審がられる可能性もあります。

以上のように、外国人研修生となると、メリットも非常に大きいですが、それと同等のデメリットも背負うことになり、それなりの覚悟が必要となります。次に、実際のところ、外国人研修生がどのように生活しているのか、詳しく見ていきましょう。

外国人研修生の実態

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実は、日本で働く外国人研修生は年々、失踪者が増加しています(https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamuratomohiko/20181106-00103150/)。この原因として考えられるものは、いくつかあります。まず、先ほどのデメリットである仕事を辞めることのできない点です。正当に仕事を辞めることのできない以上、失踪という最終手段に踏み切ってしまうのも無理はありません。

次に考えられるものとして、低賃金、長時間労働、賃金未払いなどの、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる企業が日本に多いこと。これに関しては私たち日本人も無視できない問題となっています。出稼ぎに出ている身として、賃金が払われなかったり、自分の暮らせる分の賃金すらもらえなかったり、寝る間がなくなってしまうなど、生きることができなくなってしまいます。外国人研修生の中には、出稼ぎに来ているのにも関わらず、母国の家族からの仕送りをもらって生活しているという人もいるそうです。こうなってしまうと何のために日本にきたのかわからなくなってしまって、本末転倒ですよね。

 

さらに、外国人研修生を苦しめる原因は他にもあります。母国で日本の外国人研修生になるためには、多額の資金が必要になります。まず、外国人研修生の送り出し機関に手数料として日本円にして100万円程度、支払う必要があります。

日本へ行く準備として、キャリーバッグや、飛行機、日本語学校など、様々な場所にお金を支払う必要があり、総支払い額は200万円弱になるそうです。日本人から見ても大金であるのは当然ですが、物価の低い外国であればそれはなおさらです。日本よりも賃金の低い場所で、200万円弱を貯めるのは、非常に大変であると思われます。

そこで、外国人研修生の多くは、借金をして、そのお金を支払います。何故そこまでして日本で働きたいのか、不思議に思うかもしれませんが、送り出し機関には「日本は、物価も高いし、残業もできる。このくらいの借金なんてすぐに返済できる。」と言われるので、その言葉を信じて多額の借金を背負って外国人研修生になるのです。

 

しかし、実際に日本に来てみると、長時間働いたにも関わらず、残業代は出ないことはおろか、働いた分の一部しか賃金として受け取ることができません。それに加え、寮費や食費を払ってしまうと、手元に残るお金はほぼゼロ、またはマイナスになってしまいます。

日本人からしてみると、外国人研修生のことを、外国に技術を伝える人としての認識はなく、ただ最低賃金で長時間働いてくれる安い働き手としか思っていないのではないでしょうか。しかし、いまだに賃金未払いや低賃金で働いている人も少なく無いらしく、日本でも捜査が進んでいますが、件数が多いために、依然としてこの問題は続いています。

日本も最近は景気が悪く、人件費が嵩んでしまうと辛いところがあるかもしれませんが、同じ人間として、少し相手のことを考え、しっかりとお給料は払うべきでは無いかと感じます。正当なお給料が支払われないからには、人間誰しも働く気が失せてしまいます。労働者に働く気がないと「まともに働いていないから金を払いたくない」と言った負のループにはまってしまうため、モチベーションの維持、日本の未来のために、目先の利益のみでなく、長い目線で日本を見た際のことを考えるべきであると思います。1

外国人研修生のまとめ

このように、外国人研修生になることは、デメリットとしての面が多く、実際にメリットと思われている部分はほとんど無いと言っていいでしょう。

 

しかし、外国に日本の技術を伝えていきたいのは事実なので、日本側としては、しっかりと働いてもらった上で正当な賃金を払い、日本の技術を母国へ持ち帰ってほしいものです。送り出す際の手数料も少し荷が重いと感じます。できることなら、手数料を安くし、外国人研修生の負担を軽減してあげたいものですが、外国の事情なのでどうすることもできません。

借金の利息分も考えるとあまり利率の高くないところで借金をすることが懸命です。

もしも、この記事を見た上で外国人研修生になりたいという方がいれば、できる限り送り出し機関の手数料も低く、なおかつ事前に日本の企業の下調べをすることをお勧めします。しっかりと給料を支払ってもらえるような企業で働くと、所謂「ジャパンドリーム」に近づけるのではないでしょうか。

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著者 アドミン

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