在留資格の更新手数料が値上げへ|2025年改定と2026年度の大幅引き上げを企業向けに解説

執筆者 4月 8, 2026Uncategorizedコメント0件

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在留資格の更新手数料の値上げについて、2025年4月施行済みの改定内容と2026年度に予定される大幅引き上げの最新動向を解説します。入管法改正案の閣議決定により法定上限が最大30倍に引き上げられる方針が示され、企業のコスト負担が大きく変わる可能性があります。企業が今から取るべき対策も紹介します。

在留資格の更新手数料はなぜ値上げされるのか

外国人を雇用する企業の人事・総務担当者にとって、在留資格の更新手数料の値上げは見過ごせないトピックです。2025年4月にはすでに手数料の改定が施行されており、さらに2026年度には大幅な引き上げが予定されています。ここでは、値上げの全体像を時系列で整理します。

2025年4月施行済みの手数料改定の内容

2025年4月1日に「出入国管理及び難民認定法施行令の一部を改正する政令」が施行され、在留資格に関する手数料が改定されました。主な変更点は以下のとおりです。

・在留資格変更許可申請手数料: 4,000円 → 6,000円(オンライン申請の場合は5,500円)

・在留期間更新許可申請手数料: 4,000円 → 6,000円(オンライン申請の場合は5,500円)

・永住許可申請手数料: 8,000円 → 10,000円(オンライン申請の場合は9,000円)

この改定は、2025年4月1日以降に受付された申請に適用されています。なお、2025年3月31日までに受付された申請については、許可が4月1日以降であっても改定前の手数料が適用されました。

今回の改定では、オンライン申請の場合に窓口申請よりも手数料が500円安く設定されるという新たな仕組みも導入されています。これは手続きのデジタル化を推進する施策の一環です。

参考: 出入国在留管理庁「在留手続等に関する手数料の改定」

https://www.moj.go.jp/isa/01_00518.html

2026年3月の入管法改正案閣議決定の概要

2026年3月10日、政府は出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)の改正案を閣議決定し、衆議院に提出しました。この改正案の柱は、在留許可に関する手数料の法定上限を大幅に引き上げることです。

現行の入管法では、手数料の上限が一律1万円と定められており、この上限は1981年の法改正以来、約45年間据え置かれてきました。今回の改正案では、この上限を以下のとおり引き上げる方針が示されています。

・在留資格の変更許可・在留期間の更新許可: 法定上限を1万円 → 10万円へ引き上げ

・永住許可: 法定上限を1万円 → 30万円へ引き上げ

政府は今国会中の成立を目指しています。あわせて、ビザ免除国・地域からの渡航者に対して入国前にオンライン審査を行う電子渡航認証制度「JESTA(Japan Electronic System for Travel Authorization)」の創設も盛り込まれており、日本の外国人受け入れ政策は大きな転換期を迎えています。

「法定上限」と「実際の納付額」の違いに注意

ここで注意すべき重要なポイントがあります。閣議決定されたのは手数料の「法定上限」の見直しであり、実際の納付額がそのまま10万円や30万円になると確定したわけではありません。

具体的な手数料額は、法改正成立後に政令で定められます。報道ベースでは、在留資格の変更・更新手数料は3万〜4万円程度、永住許可申請は10万円以上とする方向で調整が進んでいるとされています。また、申請する在留期間の長さに応じて金額を変動させる案も検討されています。

2026年4月現在、国会で審議中の段階であり、最終的な金額や施行時期は今後変わる可能性があります。企業担当者は、確定情報と検討段階の情報を区別して把握することが大切です。

在留手数料の改定内容を一覧で整理

在留手数料の変遷を正確に把握するために、時期ごとの手数料額を整理します。

2025年4月改定の手数料一覧(現行の手数料)

2025年4月1日から適用されている現行の手数料は以下のとおりです。

手続きの種類改定前窓口申請オンライン申請
在留資格変更許可4,000円6,000円5,500円
在留期間更新許可4,000円6,000円5,500円
永住許可8,000円10,000円9,000円

2026年度以降に見込まれる手数料の変更点

入管法改正案が成立した場合、2026年度中に政令で具体的な手数料額が定められる見通しです。報道されている検討案をまとめると、以下のようになります。

手続きの種類現行(窓口)検討案法定上限(案)
在留資格変更許可6,000円3万〜4万円程度10万円
在留期間更新許可6,000円3万〜4万円程度10万円
永住許可10,000円10万円以上30万円

※検討案の金額は報道ベースの情報であり、確定したものではありません。法改正成立後に政令で定められます。

欧米主要国との手数料比較

日本の在留手数料がこれまで低水準に抑えられていたことは、欧米主要国と比較すると明らかです。

国名手続き手数料(現地通貨)日本円換算(概算)
米国就労ビザ更新420〜470ドル約6.5万〜7.3万円
英国就労ビザ変更・更新827ポンド約16.9万円
ドイツ在留資格変更・更新93〜98ユーロ約1.5万〜1.6万円
日本(現行)在留資格変更・更新6,000円6,000円

※為替レートは2025年11月時点の概算です。

このように、日本の手数料は欧米主要国と比較して大幅に低い水準にとどまっていました。今回の値上げは、この国際的な価格差を是正する意味合いもあります。

手数料値上げの背景にある3つの理由

なぜ今、在留手数料の大幅な値上げが検討されているのでしょうか。その背景には、大きく3つの理由があります。

在留外国人の急増と行政コストの拡大

日本に在留する外国人の数は、2025年末時点で約413万人と過去最高を更新しました。在留外国人の増加に伴い、出入国在留管理庁の業務量も年々増大しています。

審査にかかる人件費、出入国管理システムの構築・維持費用、多言語対応の窓口整備など、行政コストは膨らみ続けています。しかし、手数料の上限は1981年の法改正以来、1万円のまま据え置かれてきました。物価上昇や業務量の増加に手数料が追いついていない状態が続いていたといえます。

欧米並みの「受益者負担」への転換

これまで日本の手数料は「実費相当(収入印紙代)」という考え方に基づき、比較的安価に設定されてきました。しかし、今回の見直しでは、制度維持や管理コストを含めた「受益者負担」の考え方へ大きくシフトする方針が示されています。

前述のとおり、米国や英国では在留資格関連の手数料が数万〜十数万円に設定されています。在留許可というサービスを受ける側がその維持・管理コストを負担すべきであるという考え方は、国際的には一般的なものです。

外国人政策の財源確保(JESTA導入など)

手数料引き上げによる増収分は、外国人の受け入れ環境の整備や制度の運営に充てられる方針です。具体的には以下のような分野への活用が想定されています。

・審査体制の強化(審査官の増員、システム投資など)

・多言語による相談窓口の拡充

・地域社会との共生施策の推進

・不法滞在者の摘発・強制送還にかかる費用の確保

・JESTA(電子渡航認証制度)の構築・運用

2026年1月に公表された政府の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」でも、手数料の見直しは外国人政策全体の再設計の一部として位置付けられています。

企業が受ける影響とコストシミュレーション

在留手数料の値上げは、外国人を雇用する企業にとって直接的なコスト増につながります。ここでは、具体的な影響をシミュレーションします。

更新手数料を企業が負担している場合の影響

福利厚生や採用競争力の強化を目的として、在留資格の更新手数料を企業側が負担しているケースは少なくありません。特に飲食業、物流業、人材派遣業などでは、外国人労働者の定着を図るために企業が手数料を負担する慣行が広がっています。

手数料が現在の6,000円から仮に4万円に引き上げられた場合、1人あたりの更新費用が約6.7倍に膨らみます。外国人社員の人数が多い企業ほど、この影響は大きくなります。

在留期間別の年間コストシミュレーション

更新頻度は在留期間によって異なります。在留期間が短いほど更新回数が多くなり、トータルコストが増大します。以下は、外国人社員10名を雇用している企業の年間コストシミュレーションです。

在留期間年間更新回数現行(年間)4万円の場合増加額
1年10回6万円40万円+34万円
3年約3〜4回約2万円約13万円+約11万円
5年2回1.2万円8万円+6.8万円

※10名分の概算です。実際には在留期間が社員ごとに異なるため、各社の状況に応じたシミュレーションが必要です。

このシミュレーションからわかるとおり、1年更新の在留資格を持つ社員が多い企業では、年間数十万円規模のコスト増が見込まれます。

特定技能・技術人文知識国際業務など在留資格別の注意点

在留資格の種類によって、手数料値上げの影響の大きさが異なります。

特定技能1号は、在留期間が1年・6か月・4か月のいずれかで付与されるため、更新頻度が高くなる傾向があります。特定技能1号の在留期間の上限は通算5年であり、その間に何度も更新手続きが発生します。手数料が大幅に引き上げられた場合、受入れ企業にとって大きなコスト負担となる可能性があります。

技術・人文知識・国際業務(いわゆる「技人国」)の在留資格は、1年・3年・5年のいずれかが付与されます。初回は1年が多いですが、雇用が安定している場合は更新時に3年・5年が付与されることもあります。より長期の在留期間を早期に取得することが、コスト削減のカギとなります。

在留資格ごとの在留期間の詳細については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事: 外国人の就労ビザの期間は?在留資格別の在留期間一覧と更新手続きを詳しく解説

外国人の就労ビザの期間は?在留資格別の在留期間一覧と更新手続きを詳しく解説 – ビザマネ

企業が今から取り組むべき5つの対策

手数料値上げの具体的な金額や施行時期が確定するのを待つだけでなく、今から準備を進めることが重要です。ここでは企業の人事・総務担当者が取り組むべき5つの対策を紹介します。

在留期限の一覧化と更新スケジュールの把握

まず取り組むべきは、自社で雇用している外国人社員全員の在留期限を一覧化し、年間の更新スケジュールを把握することです。これにより、手数料改定が行われた場合にどの程度のコスト増が発生するかをシミュレーションできます。

在留期限を一覧化していない企業は、制度変更があった際に対応が後手に回りやすくなります。Excelやスプレッドシートでの管理でも構いませんが、対象人数が多い場合はクラウド型の管理ツールの導入が効率的です。

より長い在留期間の取得を目指す書類準備

手数料が在留期間の長さに応じて変動する可能性があるため、できるだけ長い在留期間の許可を取得することが、中長期的なコスト削減につながります。

在留期間は出入国在留管理庁の裁量で決定されますが、一般的に以下のような要素が考慮されます。

・雇用契約の安定性(無期雇用かどうか)

・企業の経営状況・規模

・外国人本人のこれまでの在留状況

・納税や社会保険料の納付状況

更新申請の際には、出入国在留管理庁のWebサイトに掲載されている必要書類に加え、企業の安定性や雇用の継続性を示す追加書類を提出することで、より長い在留期間が認められる可能性が高まります。

オンライン申請の活用による手数料削減

2025年4月の改定では、オンライン申請の場合に窓口申請よりも手数料が500円安く設定されました。今後の大幅値上げにおいてもオンライン申請の割引が維持される可能性があります。

オンライン申請は出入国在留管理庁の「在留申請オンラインシステム」から行えます。手数料の削減だけでなく、入管窓口への移動時間や待ち時間の削減にもつながるため、積極的に活用を検討しましょう。

費用負担ルールの明確化と就業規則の見直し

在留資格の更新手数料を企業と外国人本人のどちらが負担するかは、法律上の明確な定めがありません。実務上は企業が負担しているケースが多いですが、手数料が数万円規模に引き上げられた場合、企業の負担方針を見直す必要が生じる可能性があります。

以下のような点を社内で整理しておくことが重要です。

・手数料の負担主体(全額企業負担・折半・本人負担など)

・就業規則や雇用契約書への明記

・費用負担方針の外国人社員への事前説明

採用される側にとっても、想定外の自己負担が発生すると不信感につながります。事前に費用負担のルールを明確にし、雇用契約書や就業規則に記載しておくことが望ましいです。

在留資格管理のクラウドツール活用

外国人社員の在留期限管理や更新手続きの工数は、人数が増えるほど膨大になります。手数料の値上げに伴い、更新漏れや手続きの不備によるリスクもこれまで以上に大きくなります。

在留資格管理をクラウドサービスで一元化すれば、在留期限のアラート通知、在留カードの偽造チェック、就労可否の自動判定など、煩雑な管理業務を効率化できます。

在留カードの管理方法については、以下の記事もあわせてご確認ください。

関連記事: 在留カード読み取りアプリの使い方を徹底解説|導入手順・失効照会・企業の実務ポイント

在留カード読み取りアプリの使い方を徹底解説|導入手順・失効照会・企業の実務ポイント – ビザマネ

また、在留期限の管理漏れは不法就労助長罪のリスクにも直結します。不法就労助長罪の詳細は以下の記事で解説しています。

関連記事: 日本人でも不法就労に関係ある?不法就労助長罪とは。罰則・対象や在留カードの確認方法を解説

日本人でも不法就労に関係ある?不法就労助長罪とは。罰則・対象や在留カードの確認方法を解説

手数料値上げに関するよくある質問(FAQ)

不許可の場合も手数料は発生するのか

現行の制度では、手数料が発生するのは「許可時のみ」です。申請が不許可となった場合、手数料は発生しません。このルールについて、2026年4月現在、変更の予定は公表されていません。

ただし、手数料が高額化した場合、不許可になった際の経済的・精神的なダメージは大きくなります。申請書類の質をこれまで以上に高め、一度の申請で確実に許可を得る準備が重要です。

手数料の減免制度はあるのか

今回の入管法改正案には、経済的に困難な状況にある場合や特別な理由がある場合に手数料の「減額」または「免除」ができる規定が設けられる方針です。ただし、永住許可の減免対象は、日本人や永住者の配偶者・子などに限定される見込みです。

企業が雇用する外国人社員のケースでは、減免が適用される場面は限定的であると考えられます。具体的な減免の要件は、今後の政令で定められます。

値上げ前に駆け込み申請すべきか

2025年4月の手数料改定時には、改定日(4月1日)より前に受付された申請に対しては改定前の手数料が適用されるという経過措置が設けられました。今回の大幅値上げでも同様の経過措置が取られる可能性が高いと考えられます。

更新時期が近い外国人社員については、可能な限り値上げ施行前に申請を完了させることが経済的に有利です。ただし、駆け込み申請が殺到すると窓口が混雑し、審査が長期化するリスクもあるため、早めの準備が大切です。

なお、在留期間の更新は、在留期間の満了日の3か月前から申請が可能です。更新スケジュールを前倒しで把握し、計画的に申請を進めましょう。

まとめ

在留資格の更新手数料は、2025年4月の改定に続き、2026年度にはさらなる大幅引き上げが予定されています。2026年3月の入管法改正案閣議決定により、在留資格変更・更新の法定上限が10万円、永住許可が30万円に引き上げられる方向が正式に示されました。

2026年4月現在の状況を整理すると、以下のとおりです。

・2025年4月の手数料改定はすでに施行済み(変更・更新: 6,000円、永住: 10,000円)

・2026年3月に入管法改正案が閣議決定・国会提出済み

・実際の手数料額は法改正成立後に政令で決定(報道では変更・更新3〜4万円程度の見込み)

・施行時期は2026年度中が目標

企業の人事・総務担当者は、以下の対策を今から進めておくことをおすすめします。

・在留期限の一覧化と更新スケジュールの把握

・より長い在留期間取得に向けた書類準備の強化

・オンライン申請の活用

・費用負担ルールの明確化と就業規則への反映

・在留資格管理のクラウドツール導入の検討

著者 ビザマネコラム編集部

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