帰化の条件とは?法定6条件と最新の審査動向を解説

執筆者 4月 8, 2026Uncategorizedコメント0件

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帰化の条件を国籍法第5条の法定6条件と実務上の日本語能力に分けて解説。2026年1月決定の政府方針に基づく審査厳格化の動向、普通帰化と簡易帰化の違い、永住許可との比較、企業が知るべき労務手続きまで、公式情報をもとに網羅的にまとめました。

帰化とは?外国人が日本国籍を取得する制度の基本

帰化とは、外国籍の方が法務大臣の許可を得て日本国籍を取得する制度です。国籍法第4条において「外国人は、帰化によって、日本の国籍を取得することができる」と定められています。

法務大臣が帰化を許可した場合には官報に告示され、帰化はその告示の日から効力を生じます(国籍法第10条)。帰化が許可されると日本の戸籍が新たに作成され、日本人としての法的地位を得ることになります。日本のパスポートの取得、選挙権・被選挙権の行使、公務員への就任など、日本国民としてのすべての権利が付与されます。

帰化申請は、申請者の住所地を管轄する法務局または地方法務局に対して行います。本人(15歳未満のときは、父母などの法定代理人)が自ら申請先に出向き、書面によって申請することが必要です。申請から許可までの期間は一般的に1年〜1年半程度ですが、個別の事情や法務局の審査状況によって前後します。

法務省民事局の統計によると、令和6年(2024年)の帰化許可者数は8,863人で、国籍別では中国(3,122人)、韓国・朝鮮(2,283人)、ネパール(585人)の順となっています。同年の帰化申請者数は12,248人です。

出典:法務省民事局「帰化許可申請者数、帰化許可者数及び帰化不許可者数の推移」「国籍別帰化許可者数」

帰化の条件(国籍法第5条の法定6条件と日本語能力)

帰化が許可されるためには、国籍法第5条に定められた条件を満たす必要があります。法務局(東京法務局ほか各地方法務局)の公式案内では、法定の6つの条件と、日本語能力について以下のとおり説明されています。

なお、これらの条件を満たしていたとしても、必ず帰化が許可されるとは限りません。法務局の案内にも「これらは、日本に帰化するための最低限の条件を定めたもの」と記載されており、帰化の許可は法務大臣の裁量によります。

住所条件:引き続き5年以上日本に住所を有すること

国籍法第5条第1項第1号に定められた条件です。東京法務局の案内では「帰化の申請をする時まで、引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。なお、住所は、適法なものでなければなりませんので、正当な在留資格を有していなければなりません」と説明されています。

ここでいう「引き続き」とは、日本に継続して住んでいることを意味します。長期間の海外渡航があると、この継続性が途切れたと判断される場合があります。不法滞在の期間は居住期間には算入されません。

なお、2026年1月23日に決定された政府の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」では、帰化の審査について永住許可との整合性の観点から厳格化を検討する方針が示されています(詳しくは後述します)。

能力条件:18歳以上で行為能力を有すること

国籍法第5条第1項第2号に定められた条件です。東京法務局の案内では「年齢が18歳以上であって、かつ、本国の法律によっても成人の年齢に達していることが必要です」と説明されています。

2022年4月の民法改正により日本の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴い、帰化の能力条件も18歳以上となっています。

なお、未成年者であっても、簡易帰化(国籍法第6条〜第8条)の条件に該当する場合は、この能力条件が緩和されることがあります。

素行条件:素行が善良であること

国籍法第5条第1項第3号に定められた条件です。東京法務局の案内では「素行が善良であることが必要です。素行が善良であるかどうかは、犯罪歴の有無や態様、納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に考慮し、通常人を基準として、社会通念によって判断されることになります」と説明されています。

具体的には、以下のような点が審査の対象になります。

  • 犯罪歴の有無(交通違反を含む)
  • 税金(住民税・所得税など)の納付状況
  • 年金・健康保険料などの社会保険料の納付状況
  • 出入国管理及び難民認定法(入管法)その他の法令の遵守状況

交通違反については、軽微なものであっても頻度が高い場合は不利に働くことがあります。また、税金や社会保険料の未納・滞納がある場合は、素行条件を満たさないと判断される可能性があります。

生計条件:自己または家族の資力で生活できること

国籍法第5条第1項第4号に定められた条件です。東京法務局の案内では「生活に困るようなことがなく、日本で暮らしていけることが必要です。この条件は生計を一つにする親族単位で判断されますので、申請者自身に収入がなくても、配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができれば、この条件を満たすことになります」と説明されています。

具体的な年収の基準額は法律上・公式案内上も明記されていませんが、生活保護を受けることなく安定した生活が維持できる水準が求められます。

重国籍防止条件:原則として元の国籍を喪失できること

国籍法第5条第1項第5号に定められた条件です。東京法務局の案内では「帰化しようとする方は、無国籍であるか、原則として帰化によってそれまでの国籍を喪失することが必要です」と説明されています。日本は重国籍(二重国籍)を原則として認めていないため、帰化に際しては元の国籍を離脱することが求められます。

ただし、本人の意思によってその国の国籍を喪失することができない場合については、この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があるとされています(国籍法第5条第2項)。

憲法遵守条件:日本国憲法を遵守すること

国籍法第5条第1項第6号に定められた条件です。東京法務局の案内では「日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような方、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような方は帰化が許可されません」と説明されています。

日本語能力:日常生活に支障のない程度の会話・読み書き

国籍法第5条の条文には独立した要件としては規定されていませんが、法務局の公式案内では法定6条件とは別に「日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話及び読み書き)を有していることが必要です」と記載されています(東京法務局・前橋地方法務局・水戸地方法務局ほか)。

帰化申請の面接では、法務局の担当者と日本語でやり取りを行い、申請動機や生活状況について質問されます。また、帰化申請書類の一部(動機書など)を自筆で作成することが求められる場合もあります。法務局の案内には「帰化手続において、必要な書類等の案内は日本語で行います」とも記載されています。

なお、具体的な日本語能力のレベル(試験の級や学年)については、法務局の公式案内には明記されていません。

帰化要件の厳格化に向けた政府の動向

「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」の概要

2026年1月23日、関係閣僚会議(外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議)において、「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」が決定されました。

この対応策の中で、帰化に関しては「帰化の審査において、永住許可の審査との整合性の観点から、原則として10年以上在留し、日本社会に融和していることが必要であるとすることなど、帰化の厳格化のための審査の在り方の検討を推進」する方針が示されています。

これは、永住許可の居住要件が原則10年以上とされていることとの整合性を確保する観点からのものです。ただし、2026年4月現在、国籍法第5条の条文そのものは改正されておらず、法律上の住所条件は「引き続き5年以上」のままです。今後の審査運用の変更については、申請先の法務局の案内に従って最新情報を確認することが重要です。

厳格化の背景:永住許可との整合性

今回の検討が進められた背景には、帰化と永住許可の間に指摘されてきた制度上の不均衡があります。

永住許可は「外国籍のまま日本に在留期間の制限なく住む権利」であるのに対し、帰化は「日本国籍を取得して日本人になる」というより踏み込んだ法的地位の変更です。にもかかわらず、永住許可の居住要件が原則10年以上であるのに対し、帰化の法定住所条件は5年以上とされており、国籍取得という重い法的地位の変更のほうが短い居住期間で認められ得るという「逆転現象」が指摘されていました。

2025年8月13日に公表された法務大臣私的勉強会の中間取りまとめ「外国人の受入れの基本的な在り方の検討のための論点整理」においても、帰化の要件が永住許可に比して緩やかであるとの指摘が盛り込まれています。

出典:法務省 出入国在留管理庁「外国人の受入れの基本的な在り方の検討のための論点整理」(2025年8月13日公表)

企業・実務担当者が今後注意すべきポイント

帰化審査の厳格化の検討が進められている中で、外国人を雇用する企業の実務担当者が押さえておくべきポイントは以下のとおりです。

  • 納税状況や社会保険料の納付状況は、従来から帰化審査の重要な確認項目です。今後は確認範囲や期間が拡大する可能性があるため、企業として適切に源泉徴収や社会保険の手続きを行っているか改めて確認してください。
  • 帰化を希望する外国人従業員がいる場合は、最新の審査動向を踏まえ、管轄の法務局に相談するよう案内することが重要です。
  • 提出を求められる書類や確認範囲は法務局ごとの案内に従う形になります。法務局の書類案内ページは定期的に更新されていますので、最新版を確認してください。

普通帰化と簡易帰化の違い

帰化には「普通帰化」と「簡易帰化」の2種類があります。普通帰化は国籍法第5条に基づくもので、前述の6条件をすべて満たす必要があります。一方、簡易帰化は国籍法第6条〜第8条に基づき、日本と特別な関係を有する外国人について、一部の条件が緩和されるものです。

東京法務局の案内でも「日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者等で、一定の者)については、上記の帰化の条件を一部緩和しています」と記載されています。

簡易帰化が適用されるケース(日本人の配偶者など)

簡易帰化が認められる主な対象者と、緩和される条件は以下のとおりです。

根拠条文対象者緩和される条件
国籍法第6条1号日本国民であった者の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に住所・居所を有する者住所条件(5年→3年)
国籍法第6条2号日本で生まれた者で、引き続き3年以上日本に住所・居所を有する者住所条件(5年→3年)
国籍法第7条日本人の配偶者で、引き続き3年以上日本に住所・居所を有し現に日本に住所を有する者、または婚姻の日から3年を経過し引き続き1年以上日本に住所を有する者住所条件・能力条件の緩和
国籍法第8条日本国民の子(養子を含む)で日本に住所を有する者など住所条件・能力条件・生計条件の緩和

帰化と永住許可の違い:制度比較

帰化と永住許可は、どちらも外国人が日本で長期的に生活するための制度ですが、その法的性質は大きく異なります。以下の表で主な違いを比較します。

項目帰化永住許可
国籍日本国籍を取得(元の国籍は原則喪失)外国籍のまま
法定居住要件引き続き5年以上(国籍法第5条)原則10年以上(永住許可ガイドライン)
参政権あり(選挙権・被選挙権)なし
パスポート日本のパスポートを取得母国のパスポートを使用
在留カード不要(日本人となるため)必要(7年ごとに更新)
退去強制対象外対象となり得る
就労制限なしなし
申請先法務局出入国在留管理局
日本語能力必要(法務局の案内に明記)現行ガイドラインでは要件として明記なし

帰化と永住のどちらを選ぶべきかは、個々の外国人のライフプランによって異なります。日本で選挙権を行使したい、公務員になりたいといった希望がある場合は帰化が適していますが、母国の国籍を維持しながら日本で安定して暮らしたい場合は永住許可が適しています。

永住権と帰化の違いについては、以下のビザマネメディアの記事もあわせてご覧ください。

帰化申請の流れと必要書類

帰化申請手続きの流れ

帰化申請の手続きは、東京法務局の案内に基づくと以下のステップで進みます。

ステップ1:法務局への事前相談

まず、申請者の住所地を管轄する法務局(または地方法務局)の国籍課に相談の予約を入れます。事前相談では、申請者の在留状況や家族構成などをもとに、帰化が可能かどうかの見通しや必要書類の案内を受けます。

ステップ2:必要書類の収集・作成

事前相談で案内された書類を収集・作成します。書類は日本国内で取得するもの(住民票、課税証明書など)と、本国から取り寄せるもの(出生証明書、戸籍謄本など)があり、すべての外国語書類には日本語訳を添付する必要があります。

ステップ3:法務局への申請書類の提出

書類が揃ったら法務局に申請書を提出します。提出時は事前相談の担当者への予約が必要です。書類に不備がある場合は補正を求められることがあります。

ステップ4:法務局による面接・審査

申請受理後、法務局の担当者による面接が行われます。面接では、帰化の動機、日本での生活状況、家族関係などについて質問されます。面接はすべて日本語で行われ、申請者の日本語能力もこの場で確認されます。

ステップ5:法務省による最終決定

法務局での審査を経て、書類は法務省に送付されます。法務大臣が最終的な許可・不許可の決定を行います。

ステップ6:帰化届の提出

帰化が許可されると、官報に告示されます。その後、市区町村役場に帰化届を提出し、日本の戸籍が作成されます。

主な必要書類一覧

帰化申請に必要な主な書類は以下のとおりです。申請者の国籍、職業、家族構成等により必要書類は大きく異なりますので、法務局の担当者の指示に従ってください(東京法務局の案内より)。

  • 帰化許可申請書
  • 親族の概要を記載した書面
  • 履歴書(法務局所定の書式)
  • 帰化の動機書
  • 生計の概要・事業の概要
  • パスポートの写し
  • 本国の国籍証明書・出生証明書・婚姻証明書等(日本語訳付き)
  • 住民票
  • 在勤及び給与証明書、または給与明細書
  • 課税証明書・納税証明書(法務局の案内で指定される年度分)
  • 源泉徴収票
  • 年金保険料の納付証明書(ねんきん定期便等)
  • 運転記録証明書
  • 写真(5cm×5cm)

出典:東京法務局「帰化許可申請書に添付する書類」(2026年1月26日更新)

外国人を雇用する企業が帰化について知っておくべきこと

従業員が帰化した場合に必要な労務手続き

外国人従業員が帰化して日本国籍を取得した場合、企業側で必要となる主な手続きは以下のとおりです。具体的な届出方法は管轄のハローワークの案内に従ってください。

  • 外国人雇用状況届出書の提出(ハローワークへ):労働施策総合推進法第28条に基づき、外国人の雇入れ・離職の際にはハローワークへの届出が義務付けられています。従業員が帰化した場合は、「離職」による届出書として、余白に「日本国籍取得」と記載して届け出ます。届出を行わなかった場合は30万円以下の罰金の対象とされています。
  • 健康保険・厚生年金の氏名変更届:帰化に伴い氏名が変更になった場合は、マイナンバーと基礎年金番号が紐づいていない被保険者については年金事務所への届出が必要です。
  • 給与システム等の情報更新:氏名、国籍等の変更を反映させます。帰化後は在留カードの管理は不要になります。

出典:厚生労働省「外国人の雇用」、ハローワーク飯田橋「外国人雇用状況届出」案内

帰化要件の動向が企業に与える影響

帰化審査の厳格化が検討されている中、企業には間接的な影響があります。

帰化を希望する外国人従業員の在留期間がこれまで以上に長くなる可能性があり、その間の在留資格管理は継続して適切に行う必要があります。在留カードの期限管理や在留資格の更新手続きへの支援が、より長期間にわたって求められることになります。

また、従業員の帰化審査においては、企業が適切に源泉徴収や社会保険の手続きを行っているかどうかが間接的に影響します。給与からの天引きが正しく行われているか、社会保険の加入漏れがないかなど、日頃の労務管理の正確性がこれまで以上に重要です。

多数の外国人従業員の在留資格や期限を管理するには、在留カード管理をクラウドで一元化できるサービスの活用が有効です。ビザマネは、在留カードの偽造確認、就労可否判定、在留期限のアラート通知などを自動化し、企業の不法就労リスクを防止しながら管理工数を大幅に削減できます。

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まとめ

帰化は、外国人が法務大臣の許可を得て日本国籍を取得する制度です。国籍法第5条に基づく法定6条件(住所・能力・素行・生計・重国籍防止・憲法遵守)に加え、日常生活に支障のない程度の日本語能力が実務上求められます。

2026年1月には、政府の関係閣僚会議で「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」が決定され、帰化審査について永住許可との整合性の観点から厳格化が検討されています。法律上の住所条件は「引き続き5年以上」のまま変更されていませんが、審査運用が今後変わる可能性があるため、帰化を検討している方は管轄の法務局に最新の審査状況を確認することが重要です。

外国人を雇用する企業にとっては、在留資格の管理を長期にわたって適切に行い、日頃の労務管理(源泉徴収・社会保険手続き)の正確性を確保しておくことが一層大切になります。

帰化や在留資格の管理について詳しくは、以下のビザマネメディアの記事もあわせてご覧ください。

https://blog.visamane.jp/233

https://blog.visamane.jp/112/

著者 ビザマネコラム編集部

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