1960年後半より、海外の現地法人などの研修の一環として実習制度が始まりました。その後1993年に技能実習制度ができあがり、本格的に海外の労働者を技能実習生として日本によぶようになりました。技能実習制度は、開発途上地域の経済発展を担う目的もあるのです。
外国人技能実習生を呼ぶための制度とは
外国人技能実習生が適正に実習を受けるためにできた法律が2017年11月1日に施工されました。外国人技能実習は1951年に出入国管理及び難民認定法を元に実施されてきたのですが、多くの問題を抱えていることから、実習生の保護を考え技能実習法令にて規程されたのです。
技能実習制度の適正化
厚生省では、これまで問題を抱えていた外国人の技能実習の適正な実施や、技能実習生を守るための法律を設定しました。概要に関しては以下の様に設定されています。
(1) 技能実習の基本理念及び関係者の責務規定を定めるとともに, 技能実習に関し基本方針を策定する。【第3条から第7条まで関係】
(2) 技能実習生ごとに作成する技能実習計画について認定制とし, 技能実習生の技能等の修得に係る評価を行うことなどの認定 の基準や認定の欠格事由のほか,報告徴収,改善命令,認定 の取消し等を規定する。【第8条から第16条まで関係】
(3) 実習実施者について,届出制とする。【第17条及び第18条関係】
(4) 監理団体について,許可制とし,許可の基準や許可の欠格事 由のほか,遵守事項,報告徴収,改善命令,許可の取消し等を 規定する。【第23条から第45条まで関係】
(5) 技能実習生に対する人権侵害行為等について,禁止規定を設 け違反に対する所要の罰則を規定するとともに,技能実習生に 対する相談や情報提供,技能実習生の転籍の連絡調整等を行 うことにより,技能実習生の保護等に関する措置を講ずる。 【第46条から第51条まで関係】
(6) 事業所管大臣等に対する協力要請等を規定するとともに, 地域ごとに関係行政機関等による地域協議会を設置する。 【第53条から第56条まで関係】
(7) 外国人技能実習機構を認可法人として新設し,【第3章関係】
・(2)の技能実習計画の認定 【第12条関係】
・(2)の実習実施者・監理団体に報告を求め,実地に検査 【第14条関係】
・(3)の実習実施者の届出の受理 【第18条関係】
・(4)の監理団体の許可に関する調査 【第24条関係】 等を行わせるほか,技能実習生に対する相談・援助等を行う。 【第87条関係】
引用 厚生労働省
技能実習制度の拡大
他の項で詳しく説明しますが、優良な実習生や受け入れ企業に対して5年以内の技能実習を可能とする第3号技能実習生の受け入れを可能とします。
政府間の取り組め
これまでは政府間の取り決めがなかったため、保証金を徴収しているなど不正を行っている送り出し機関もありました。また監督団体の義務がはっきりとしておらず実習生を保護しきれていませんでした。
新しく改定された内容には、政府間の取り決めをする他、監理団体や申告窓口などを設定することにより、より技能実習生を保護する体制をつくったのです。
外国人技能実習機構を創立
これまでなかった外国人技能実習機構を創立することで、監理団体が技能実習内容などを報告し、検査などを行います。
技能実習生の受け入れ制度
技能実習生の受け入れ制度には2種類あります。団体管理型と企業単独型なのですが、95%以上は団体管理型となっています。それではそれぞれの受け入れ方法を詳しくご紹介します。
団体管理型
非営利の監理団体(事業協同組合、商工会議所などをいいます)が技能実習生を受け入れて、実際に技能実習を行うのは傘下の企業となります。
企業単独型
企業が海外の現地法人などから職員を受け入れて技能実習を行うのですが、技能実習生の5%も満たない状況となっています。
技能実習生該当の在留資格の制度とは
技能実習生には3種類があり、それぞれを詳しくご紹介します。
技能実習1号
厚生省は技能実習1号の目標は、「技能検定基礎級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験及び学科試験への合格など」と定めています。実習期間は1年以内と決まっています。
技能実習2号
厚生省は技能実習2号の目標は、「技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験への合格」と定めています。技能実習1号で定められた目標が達成されていることが必須となります。実習期間は2年以内です。
技能実習3号
厚生省は技能実習3号の目標は、「技能検定2級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験への合格」と定めています。技能実習2号で定められた目標が達成されていることが必須となります。実習期間は2年以内です。
技能実習3号が他と大きく違うのは、優良な実習実施者への適合が必要となります。優良な実習実施者とは厚生労働者で以下の様に定めらています。
① 技能等の修得等に係る実績(70点)
・過去3年間の基礎級、3級、2級程度の 技能検定等の合格率* 等 *3級2級程度については、新制度への移行期は合格実績を勘案
② 技能実習を行わせる体制(10点)
・直近過去3年以内の技能実習指導員、生活指導員の講習受講歴 (平成31年4月1日以降、加点対象)
③ 技能実習生の待遇(10点)
・第1号実習生の賃金と最低賃金の比較
・技能実習の各段階の賃金の昇給率
④ 法令違反・問題の発生状況(5点(違反等あれば大幅減点))
・直近過去3年以内の改善命令の実績、失踪の割合
・直近過去3年以内に実習実施者に責めのある失踪の有無
⑤ 相談・支援体制(15点)
・母国語で相談できる相談員の確保
・他の機関で実習継続が困難となった実習生の受入実績 等
⑥ 地域社会との共生(10点)
・実習生に対する日本語学習の支援 ・地域社会との交流を行う機会
・日本文化を学ぶ機会の提供
引用 厚生労働省
技能実習生を受け入れられる制度の職種
技能実習生を受け入れることができる職種は定められたものでないといけません。それではどのような職種があるのかそれぞれご紹介します。
農業
農業関係は、耕種農業と畜産農業の2職種となります。
・耕種農業
施設園芸、畑作・野菜・果樹
・畜産農業
養豚、養鶏、酪農
漁業関係
漁業関係は漁船漁業と養殖業の2職種で9作業となります。
・漁船漁業
かつお一本釣り漁業、延縄漁業、いか釣り漁業、まき網漁業、曳網漁業、刺し網漁業、定置網漁業、かに・えびかご漁業
・養殖業
ホタテガイ・マガキ養殖作業
建設関係
建設関係は最も多くの職種を扱い22職種で33作業が対象となります。
・さく井
パーカッション式さく井工事作業
ロータリー式さく井工事作業
・建築板金
ダクト板金作業
内外装板金作業
・冷凍空気調和機器施工
冷凍空気調和機器施工作業
・建具製作
木製建具手加工作業
・建築大工
大工工事作業
・型枠施工
型枠工事作業
・鉄筋施工
鉄筋組立て作業
・と び
とび作業
・石材施工
石材加工作業、石張り作業
・タイル張り
タイル張り作業
・かわらぶき
からわぶき作業
・左 官
左官作業
・配 管
建築配管作業、プラント配管作業
・熱絶縁施工
保温保冷工事作業
・内装仕上げ施工
プラスチック系床仕上げ工事作業、カーペット系床仕上げ工事作業、鋼製下地工事作業、ボード仕上げ工事作業、カーテン工事作業
・サッシ施工
ビル用サッシ施工作業
・防水施工
シーリング防水工事作業
・コンクリート圧送施工
コンクリート圧送工事作業
・ウェルポイント施工
ウェルポイント工事作業
・表 装
壁装作業
・建設機械施工
押土・整地作業、積込み作業、掘削作業、締固め作業
・築 炉
築炉作業
食品製造関係
食品製造関係は9職種で14作業が対象です。
・缶詰巻締
缶詰巻締
・食鳥処理加工業
食鳥処理加工作業
・加熱性水産加工食品製造業
節類製造
加熱乾製品製造
調味加工品製造
くん製品製造
・非加熱性水産加工食品製造業
塩蔵品製造
乾製品製造
発酵食品製造
・水産練り製品製造
かまぼこ製品製造作業
・牛豚食肉処理加工業
牛豚部分肉製造作業
・ハム・ソーセージ・ベーコン製造
ハム・ソーセージ・ベ帆布製品製造ーコン製造作業
・パン製造座席シート縫製
パン製造作業
・惣菜製造業
惣菜加工作業
繊維・衣服関係
繊維・衣服関係は13職種で22作業が該当しています。
・紡績運転
前紡工程作業、精紡工程作業、巻糸工程作業、合撚糸工程作業
・織布運転
準備工程作業、製織工程作業、仕上工程作業
・染 色
糸浸染作業、織物・ニット浸染作業
・ニット製品製造
丸編みニット製造作業、靴下製造作業
・たて編ニット生地製造
たて編ニット生地製造作業
・婦人子供服製造
婦人子供既製服縫製作業
・紳士服製造
紳士既製服製造作業
・下着類製造
下着類製造作業
・寝具製作
寝具製作作業
・カーペット製造
織じゅうたん製造作業、タフテッドカーペット製造作業、ニードルパンチカーペット製造作業
・帆布製品製造
帆布製品製造作業
・布はく縫製
ワイシャツ製造作機械検査業
・座席シート縫製
自動車シート縫製作業
機械・金属関係
機械・金属関係は15職種で27作業です。
・鋳 造
非鉄金属鋳物鋳造作業
・鍛 造
ハンマ型鍛造作業、プレス型鍛造作業
・ダイカスト
ホットチャンバダイカスト作業、コールドチャンバダイカスト作業
・機械加工
旋盤作業、フライス盤作業
・金属プレス加工
金属プレス作業
・鉄 工
構造物鉄工作業
・工場板金
機械板金作業
・めっき
電気めっき作業、溶融亜鉛めっき作業
・アルミニウム陽極酸化処理
陽極酸化処理作業
・仕上げ
治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機械組立仕上げ作業
・機械検査
機械検査作業
・機械保全
機械系保全作業
・電子機器組立て
電子機器組立て作業
・電気機器組立て
回転電機組立て作業、変圧器組立て作業、配電盤・制御盤組立て作業、開閉制御器具組立て作業、回転電機巻線製作作業
・プリント配線板製造
プリント配線板設計作業、プリント配線板製造作業
その他
上記の他に印刷や家具製作などの職種が対象です。
技能実習生制度まとめ
日本は長年技能実習生を招いているのですが、より実状を把握し技能実習生を保護するために新しい制度が施工されました。また実習生から特定技能への変換が可能になることからも、よりよい職場環境が求められます。
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