外国人が日本で銀行口座を開設する方法を徹底解説。必要書類(在留カード・パスポート等)、おすすめの銀行比較、ネットバンクの活用法、口座開設できない場合の対処法まで。留学生・技能実習生にも対応。
外国人が銀行口座を開設するメリット
日本で生活するうえで、銀行口座はあらゆる場面で必要になります。公共料金の支払い、ネットショッピング、交通機関の定期券購入など、銀行口座があるだけで日々の暮らしが格段に便利になります。
ここでは、外国人が日本で銀行口座を持つことで得られる7つのメリットを紹介します。
1. 給料や奨学金の受け取り
日本では、給与は銀行振込で支払われるのが一般的です。奨学金の受け取りについても、現金支給はごくわずかで、大半が口座振込となっています。日本で働く・学ぶうえで、銀行口座の開設はほぼ必須と考えてよいでしょう。
2. 各種サービスの引き落とし
家賃、携帯電話料金、電気・水道・ガスといった固定費は、銀行口座からの自動引き落としに設定すると払い忘れを防げます。さらに、振込先と同じ銀行の口座を持っていれば、振込手数料が無料もしくは割安になることもあるため、生活圏に合わせて口座を選ぶのがおすすめです。
3. 預金
普通預金や定期預金を活用して、安全にお金を管理できます。多額の現金を手元に持っているのは紛失や盗難のリスクがあるため、銀行に預けておくと安心です。
4. ATMでの出金
銀行口座があれば、全国各地のATMからいつでもお金を引き出すことが可能です。コンビニATMを利用すれば、24時間対応の場合も多く、急な出費にも対応できます。
5. デビットカードでの支払い
銀行口座を開設すると、デビットカードを発行できる場合があります。デビットカードはクレジットカードのように使えますが、利用と同時に口座から即時引き落とされるため、使いすぎを防ぎたい方にぴったりの決済手段です。
6. 入出金の記録管理
キャッシュカードと通帳(または通帳レスのアプリ管理)を活用すれば、いつでも残高や入出金の履歴を確認できます。お金の流れを把握しやすくなるため、家計管理にも役立ちます。
7. 海外送金・国際送金
銀行口座があれば、母国の家族への仕送りや外貨の両替など、国際送金サービスを利用できます。日本で働いて得た給与を安全・確実に母国へ送金したい方にとって、銀行口座は欠かせないインフラです。
外国人が口座開設するときの必要書類
銀行口座を開設する際に必要なものは、主に以下の4点です。銀行によって細かな違いがあるため、事前に確認しておきましょう。
1. 本人確認書類
在留カード、パスポート、特別永住者証明書、住民票の写しなどが該当します。有効期限内のものを用意してください。
2. 現住所を証明できる書類
申告した住所に実際に住んでいることを示す書類が求められます。電気・水道・ガス料金の請求書などが一般的です。なお、携帯電話の請求書は認められないケースが多いので注意しましょう。
3. 印鑑
日本の銀行手続きでは、捺印を求められることがあります。一部の銀行ではサインで対応可能ですが、銀行以外の契約でも印鑑が必要になる場面は多いため、あらかじめ作成しておくと安心です。カタカナやアルファベットでも作成でき、日本国内の印鑑店やネット注文で入手可能です。ただし、シャチハタやゴム製印鑑は使用できません。
4. 電話番号
金融機関と連絡が取れる電話番号が必要です。携帯電話の番号でも問題ありません。LINEなどのアプリ通話のみで電話番号を持っていない方は、事前にSIMカードなどを契約しておきましょう。
外国人が銀行口座を開設できる条件
外国人が日本で銀行口座(普通口座)を開設するには、主に以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 仕事や留学を目的に日本に6か月以上滞在していること
- 住民票を取得していること
この2つの条件を満たすことで、海外送金も可能な普通預金口座を開設できます。
在留期間が3か月未満(90日以内の観光ビザなど)の場合は、在留カードが発行されず住民登録もできないため、銀行口座の開設はできません。
在留期間が3か月以上6か月未満の方は、外国為替及び外国貿易法(外為法)により「非居住者」として扱われ、普通口座は開設できません。ただし、「非居住者円預金」という口座であれば開設可能です。この口座は海外送金に制限があったり、キャッシュカードが発行されなかったり、口座引き落としが利用できないなど、普通口座に比べて制約があります。
なお、ゆうちょ銀行など一部の銀行では、在留期間が3か月以上であれば普通口座を開設できるケースもあるため、在留期間が短い方は対応可能な銀行を事前に調べておくとよいでしょう。
外国人が銀行口座を開設できない7つの理由
口座開設を断られるケースには、以下のような理由があります。
1. 在留期間が3か月未満または6か月未満
在留期間が3か月未満の場合、理由を問わず銀行口座の開設はできません。3か月以上6か月未満の場合は非居住者円預金のみ開設可能で、普通口座は作れません。
2. 自宅・勤務先から離れた支店で申請した場合
実店舗型の銀行では、生活圏外の支店での口座開設を断られることがあります。自宅や勤務先に近い店舗を選びましょう。
3. 同一銀行で複数口座を開設しようとした場合
原則として、個人が1つの銀行で複数口座を持つことは認められていません。
4. 申込内容・書類に不備がある場合
提出書類の不備や記入ミスがあると、手続きが進みません。銀行ごとに必要書類が異なるため、事前に確認のうえ、コピーも用意しておくと安心です。
5. 信用情報や金融履歴が不足している場合
日本国内に信用情報がない外国人は、信用スコアが低いと判断され、口座開設を断られるケースがあります。
6. 日本語でのコミュニケーションが難しい場合
窓口での手続きは日本語で行われることが多く、申請書の記入や質問への回答が求められます。日本語に不安がある場合は、日本語の話せる方に同行してもらうか、多言語対応のある銀行を選ぶとよいでしょう。
7. 在留資格・ビザの種類による制限
一部の銀行では、特定の在留資格やビザの種類によっては口座開設を認めていない場合があります。
また、犯罪収益移転防止法により、口座開設時には氏名・住所・生年月日だけでなく、職業や口座開設の目的についても確認されます。同じ銀行でも支店によって対応が異なることがあるため、1つの支店で断られても別の支店や別の銀行に申請してみることをおすすめします。
外国人が銀行口座を開設するまでの流れ
ステップ1:来店
必要書類を持って、自宅や勤務先に近い支店へ向かいます。近年はオンラインで来店予約ができる銀行も増えているため、事前予約をしてから来店するとスムーズです。予約なしで突然来店した場合、受付できないことがあります。
ステップ2:申し込み手続き
窓口で書類を提出し、必要事項を記入します。開設の目的などを質問されることがあるため、回答を事前に準備しておきましょう。問題がなければ、通帳は当日受け取れる場合もありますが、外国人の口座開設は審査に時間がかかることがあり、後日郵送となるケースもあります。
ステップ3:カードの受け取り
キャッシュカードは後日、登録した住所に郵送されます。届くまでの日数は銀行やカードの種類によって異なります。
口座開設時の注意点
- 待ち時間:混雑状況にもよりますが、30分〜1時間程度かかることがあります。時間に余裕を持って来店しましょう。
- 外国語対応:すべての支店に外国語対応のスタッフがいるとは限りません。日本語に自信がない方は、通訳者や日本語の話せる知人に同行をお願いしましょう。
- 暗証番号の準備:キャッシュカードの暗証番号(4桁)を事前に考えておくとスムーズです。
- 海外送金の確認:海外送金を予定している方は、申込時に送金方法や手数料を確認しておきましょう。
口座開設後に注意すべきこと
金融サービスに関連する以下の行為は犯罪とされています。処罰の対象となるだけでなく、国外退去処分や再入国禁止の対象になる場合があるため、十分に注意してください。
地下銀行・ヤミ金融の利用
免許や登録なしに銀行業・資金移動業を行う「地下銀行」や、登録を受けずに行う「ヤミ金融」の利用は違法です。
マネー・ローンダリングへの関与
犯罪で得たお金を隠す目的で預金や送金を行うことは重大な犯罪です。
口座の売買・譲渡
自分の銀行口座(通帳・キャッシュカードを含む)を他人に売却したり、使わせたりすることは法律で禁止されています。帰国前に口座を売却する事例が多発していますが、発覚すれば処罰の対象となります。不要になった口座は、必ず正規の手続きで解約してください。
帰国時の口座解約について
日本を離れる前に、開設した銀行口座は必ず解約する必要があります。
解約しないまま帰国するとどうなる?
口座を放置すると、一般的な銀行では10年以上、ゆうちょ銀行では5年以上経過した場合に預金を利用できなくなることがあります。
預金残高がゼロでも自動解約されない
残高が0円になっても、口座は自動的に解約されません。帰国前に必ず銀行窓口で解約手続きを行いましょう。
解約に必要な書類
通帳、キャッシュカード、在留カード、印鑑が必要です。
未払い料金に注意
公共料金やサービス利用料の引き落とし前に口座を解約してしまうと、料金が未払いのままになります。未払いが信用情報機関に記録されると、将来日本でクレジットカードや住宅ローン、携帯電話の契約ができなくなる可能性があります。最悪の場合、訴訟に発展し、再入国時にトラブルとなるおそれもあります。
受け入れ企業や学校が外国人の帰国時にサポートし、金融機関への連絡を手伝うとスムーズに手続きが進みます。
銀行の種類:ネット銀行と実店舗型銀行の違い
日本の銀行は、大きく「ネット銀行」と「実店舗型銀行」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解して、自分に合った銀行を選びましょう。
ネット銀行
ネット銀行は実店舗を持たず、すべての取引をインターネット上で行う銀行です。
- 各種手数料が安く、預金金利が高めに設定されている傾向がある
- 場所や時間を問わず利用可能
- オンラインで口座開設の申し込みが完結するため、窓口での日本語対応に不安がある方でも利用しやすい
- スマートフォンアプリでeKYC(電子本人確認)に対応している銀行もあり、書類の郵送が不要な場合もある
実店舗型銀行
実店舗型銀行は、全国に支店を構える従来型の銀行です。
- 窓口で手続きすれば、即日で口座開設できる場合がある
- 対面で相談しながら手続きできるため、手続きに不安のある方に向いている
- メガバンクは災害時などの緊急対応にも強く、安心感がある
外国人におすすめの銀行
ゆうちょ銀行
必要書類: 有効期限内の在留カード、パスポート、印鑑
開設にかかる日数: 即日〜約2週間(審査状況により異なる)
利用可能ATM: ゆうちょ銀行、セブン銀行、ローソン銀行、イオン銀行など
多言語対応: スマートフォンアプリ(ゆうちょ手続きアプリ)で日本語・英語・中国語(簡体字)・ベトナム語に対応。外国人向けコールセンターでは英語・中国語・韓国語・ベトナム語・インドネシア語・ネパール語・ミャンマー語に対応
全国の郵便局に窓口があり、地方や離島でも利用しやすいのが最大の強みです。外国人向けの多言語サポートも充実しており、他の銀行と比べて比較的スムーズに口座を開設できると評判です。外国人が最も口座を開設しやすい銀行の一つといえます。
三菱UFJ銀行
必要書類: 有効期限内の在留カード、パスポート、印鑑(場合により健康保険証・学生証・社員証の提示が必要)
開設にかかる日数: 約1週間
利用可能ATM: 三菱UFJ銀行、セブン銀行、ローソン銀行ATM、ゆうちょ銀行など
多言語対応: 英語・中国語など多言語での案内あり。スマート口座開設(アプリ)での申し込みも可能
日本最大手のメガバンクで、安定性と信頼性が高いのが特徴です。インターネットバンキングを利用すれば24時間振込が可能です。自宅・学校・勤務先近くの支店以外では口座を開設できない場合がある点に注意しましょう。
SBI新生銀行
必要書類: 在留期間1年以上の在留カード、パスポート、住民票の写し、公共料金の領収書(原本)、電話番号
開設にかかる日数: 約1週間
利用可能ATM: SBI新生銀行、セブン銀行、ローソンATM、イオン銀行、ゆうちょ銀行など
特徴: オンラインで口座開設が可能で、英語対応あり
オンラインで必要事項を入力し、書類を郵送すれば口座開設が完了します。通帳は発行されず、キャッシュカード・セキュリティカード・利用ガイドが届きます。英語対応があるため、日本語に不安のある外国人にも利用しやすい銀行です。
住信SBIネット銀行
必要書類: 有効期限内の在留カード、特別永住者証明書(パスポート・学生証・社員証は不可)
開設にかかる日数: 約1週間
利用可能ATM: セブン銀行、ローソンATM、イオン銀行、ゆうちょ銀行など
ATM引出手数料: ランクに応じて月2〜20回無料
海外送金: 不可
口座開設はすべてオンラインで完結し、書類の郵送も不要です。三井住友信託銀行とSBIホールディングスの出資で設立されたネット銀行で、他行への振込手数料の無料回数が多く、預金金利も比較的高めに設定されています。ただし、海外送金には対応していないため、母国への送金が必要な方は別の銀行と併用する必要があります。
※各銀行のサービス内容・手数料・必要書類は変更される場合があります。最新情報は各銀行の公式サイトでご確認ください。
まとめ
外国人が日本で銀行口座を開設するには、在留カードや住民票などの書類を揃え、在留期間などの条件を満たす必要があります。銀行によって対応や必要書類が異なるため、事前に複数の銀行を比較検討し、自分の生活スタイルに合った銀行を選ぶことが大切です。
口座を開設すれば、給与の受け取りから公共料金の支払い、海外送金まで、日本での生活がより快適になります。帰国時には必ず解約手続きを行い、トラブルを未然に防ぎましょう。
受け入れ企業や学校は、外国人の口座開設をサポートすることで、スムーズな生活基盤の構築を支援できます。


