外国人が日本に在住するためには、在留カードが必要なのですが中には高学歴、また高いスキルを持った外国人がいます。それらの外国人が永住カードを取得する際に、優遇する仕組みがあるのです。それでは高度人材者の永住に対してはどのような優遇があるのでしょうか。詳しくご紹介します。
高度人材者の永住に対する優遇
外国人労働者が日本で就業をするためには、就業ビザが必要となります。就業ビザはそれぞれの種類のビザに相応する仕事内容、また滞在期間などさまざまな点で制約があります。しかし特別な知識や技術、学歴などを持っている人で日本にとって利益をもたらすと考えられる人は、高度人材者という特別な就業ビザを取得することができ、さまざまな優遇を受けることができます。
その中でも、高度人材者が永住権を取る場合と高度人材者ではない外国人が永住権を取る場合では大きな違いがあります。さまざまな点で高度人材者が優遇されていますが、それぞれ詳しくご紹介します。
日本版高度外国人材グリーンカード
日本で永住許可を得るには、原則10年以上の在留が必要です。そのため永住権をとるために、かなり高いハードルであるといえます。しかし高度人材者であれば、以下のような優遇があり高度人材に関しての内容を法務省が記載しています。
(1)日本人,永住者及び特別永住者の配偶者の場合,実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し,かつ,引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること
(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること
(3)難民の認定を受けた者の場合,認定後5年以上継続して本邦に在留していること
参考 法務省
日本在留3年以上
高度人材者は、学歴や技術など様々な分野にわけてポイントを取得して70ポイント以上あれば取得することができます。70ポイント以上あれば永住許可申請で必要条件となる在留期間が、5年から3年に短縮されました。
ア 「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
イ 3年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令
引用 法務省
以上のような条件に該当しており、高度専門職を取得するための必要条件を満たしていて70点以上を取得した場合は永住権を取得するために必要な在留期間が10年から3年へとなります。
日本在留1年以上
高度人材のビザを取得する時に、80ポイント以上の特に高度と認められるポイントを得た場合は、永住許可申請の必要条件である5年が1年に大幅短縮することができるのです。
「高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの」と記載されており、
ア 「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ 1年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令
引用 法務省
以上のような条件に該当しており、高度専門職を取得するための必要条件を満たしていて80点以上を取得した場合は永住権を取得するために必要な在留期間が10年から1年へとなります。
このように、高度人材の対象となっていれば、永住権を取得するためにも大きなメリットがあるのです。
高度人材ビザにて永住をするための要件
高度人材ビザにて永住ビザを取得するには、以下のような要件を満たしていることが必須となります。日本にとって貢献をする、また利益をもたらすことが必要になります。
素行が善良である
永住ビザを取得するということは、日本人扱いになるため法律を守ることはもちろんのことながら、社会的に避難されないような生活をする事が必要です。
独立の生計を営むに足りる資産または技能を有する
日本で生活をしていくだけの資産もしくは技能などをもち、将来的に安定した生活が見込めることが大切です。
永住が日本国の利益に合する
日本国の利益に合することが必要であるため、納税義務等公的義務を履行していることは最低条件です。生活保護が必要な状況では日本国の利益に合しているとはいえません。
高度人材永住ビザ(高度専門職2号)と永住ビザを比較
高度専門職2号は1号と違い、日本での滞在期間が無期限となります。日本での滞在期間が無期限となるのは、高度専門職2号以外では永住ビザだけです。高度専門職2号も永住ビザもいずれも日本での滞在期間が無期限となり、さらに日本での就労活動をすることができます。それではこれらはどのように違うのでしょうか。
それぞれの特徴
日本での滞在期間が無期限、若しくは日本での就労活動ができるといった特徴以外にそれぞれの特徴をご紹介します。
・高度専門職2号
高度専門職2号の大きな性質として、就労者に対してこの在留資格がおりているということです。つまり就労をしていないと取り消しになります。またいくら就労可能といっても何でもできるわけではありません。例えば議員となることは不可能です。
しかし高度専門職2号のメリットもあります。それは親や家事使用人の帯同が可能なのです。永住ビザでは配偶者の就労まではみとめられる のですが、親や家事使用人の帯同は認められません。他には永住ビザと同じように、再入国許可により5年間日本から離れることができます。
・永住ビザ
永住ビ
ザは高度専門職と違い就業する事に対してのビザではありません。そのため永住ビザを持っていれば、就労する必要がありません。また日本人と同じ扱いであるため、どんな仕事にでも就労をすることができます。議員として立候補することもできます。
しかしあくまで本人と配偶者に対して大きな優遇があるのですが、高度専門職2号のように親や家事使用人の帯同は認められません。このように同じ滞在が無期限である永住ビザと、高度専門職2号ですが、内容は大きく異なります。
それぞれの取得条件
高度専門職2号と永住権は上記のように大きく異なるため、取得条件も異なります。素行が善良であり、日本国の利益に合致することは同じですが、それぞれに異なる取得条件があります。
・高度専門職2号
高度専門職は1号、2号いずれも技術や学歴など多くの項目が70ポイント以上必要です。さらに高度専門職2号の活動に該当している必要があります。これに追加して、年収300万円以上で、高度専門職1号の在留資格をすでに持っていて、3年以上活動をしている必要があります。
・永住ビザ
独立の生計を営むことができ、日本国に10年以上在留している必要があります。しかし高度専門職1号をもっていればこの年数が軽減され、80ポイント以上であれば1年以上、70ポイント以上であれば3年以上となります。
つまり高度専門職1号を持っている人は高度専門職2号に資格を切り替えるのか、永住資格を取るのか選択肢が生まれるのです。
それぞれの必要書類例
必要書類も高度専門職2号と永住ビザでは異なります。
・高度専門職2号
在留資格変更許可申請書
顔写真
パスポート、在留カード
ポイント計算表(証明するための資料)
在職証明書、卒業証明書など
・永住ビザ
永住許可申請書
顔写真
自営業の場合は法人登記証明書
ポイント計算表
住民税課税納税証明書 3年分
収入を証明するため通帳の写し等の書類
住民票
永住申請の理由書
身元保証人資料
申請手数料 8,000円
上記の書類を揃えることが難しい場合は、国際行政書士などに依頼することをおすすめします。書類がしっかりと揃っていないと審査が通ることはまずありません。
高度人材から永住権を取得をするメリット
高度専門職1号を持っている人は、永住権を取ることもできますし、高度専門職2号に切り替えることも条件が揃っていればできます。
高度専門職1号を持っている人が永住権を取得する場合は、高度専門職で定められた活動以外にも日本人と同じように活動をすることができるようになります。例えば研究者が副業で他の仕事をするといったこともできるようになるのです。
また高度専門職1号では在留期間があるのですが、永住権を取得すると在留期限がなくなります。さらに家族の就労制限もなくなり、日本人と同じような生活をすることができるのです。
高度専門職であれば、対象となる就業をしていなければ、在留ビザがおりなくなることがあるのですが、永住権の場合はその心配はありません。どんな職種であれ家計に心配なければ問題ありません。この家計というのは、「日常生活において公共の負担になっておらず、その有する資産または技能等から見て将来において安定し生活が見込まれること」が必要になります。
目安として、年収が毎年300万円以上ある事が必要です。しかし扶養する人数が増えるとこの金額は増えます。
高度人材者の永住に対する優遇のまとめ
高度専門職は該当する就業内容などがポイントを満たしているかが最も重要であり、この他は特別難しい点はありません。必要書類は永住ビザの方が多くなります。しかし高度専門職2号の場合は、該当する就業内容を維持していく必要があるのです。
日本に期限なく滞在する為には、永住権を取ることが一つの方法ですが永住権は10年日本に在留する必要があるハードルの高いものです。しかし高度専門職にて実績のある場合は、1年~3年と必要在留期間が一気に短くなります。
また高度専門職2号を取得することにより、在留期間が無期限になるだけでなく、親や使用人などを呼ぶことができます。このように高度専門職を持っていると、メリットが大きくなるのです。また高度専門職の条件が揃っている人は一般的に永住ビザの取得もしやすいのです。
最後に永住申請の申請期間は半年から1年近くかかる場合もあるので、十分に時間に余裕をもってするようにしてください。
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