日本で留学や就職などで長期間滞在する外国人が増えています。しかし在留資格であればできることは限られており、期間も決められています。そこで外国人であっても日本国籍を取得することで、日本人扱いとなりメリットは多くあります。ここでは日本国籍を取得する方法や条件、メリットまた注意点などをご紹介致します。
日本国籍を取得するためには
日本国籍を取得するためには、以下の全ての条件を満たしている必要性があります。
条件
日本国籍を取得するためのは、以下のような条件を満たしている必要があります。この条件を満たしていないと帰化が許可されることはありません。それぞれの条件については国籍法にも以下の様に記されています。
・住宅条件
国籍法第5条に以下のように記載されています。
「引き続き五年以上日本に住所を有すること。」
日本に5年以上住んでいる必要があるのですが、この5年のうち3年は就労ビザを取得し正社員や派遣社員などで就労経験が必要となります。
・能力条件
国籍法第5条に以下のように記載されています。
「二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。」
20歳以上であり、現在の国籍がある場所で成人年齢に達している必要があります。例えばアメリカの場合は成人が21歳であるため、20歳であっても条件を満たしません。
・素行条件
国籍法第5条に以下のように記載されています。
「素行が善良であること。」
犯罪をしていたり、納税状況が良くない場合はこの素行条件を満たしているとはいえません。特に税金は知らない間に滞納になっていることもあるので、国籍を申請する間に税務署で確認するとよいでしょう。配偶者の分もかならず確認をしてください。
・生計条件
国籍法第5条に以下のように記載されています。
「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。」
給与で考えると、毎月安定して手取りで18~20万であれば要件を満たしていると考えてください。扶養家族が増えると、この目安の金額はあがります。借入があっても、滞納がなければ問題ありません。
・喪失条件
国籍法第5条に以下のように記載されています。
「国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。」
日本国籍を取得すると、今取得している国籍は失うことになります。これまでの母国に入る時はビザが必要になることもあり、外国人扱いされます。このため日本で国籍を取る場合は覚悟が必要になります。
・思想要件
国籍法第5条に以下のように記載されています。
「日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。」
引用 国籍法
子供が生まれた場合
日本国籍を取得すると、子供が生まれた時にも大きなメリットがあります。父親もしくは母親がすでに日本国籍を持っている場合は、生まれてくる子供も日本国籍の取得が可能です。特に母親が日本国籍を持っている場合は、法律上の婚姻関係になくても問題ありません。父親のみが日本国籍を持っている場合は胎児認知が必要となります。
必要書類
状況にもよりますが、国籍取得を申請する際に主に必要な書類は以下のものとなります。日本の役所でとるもの、母国でとらないといけないもの(大使館や領事館の場合もあります)また自分で作成しないといけない書類もあります。
それぞれ揃えるのは時間がかかる上に、日本語訳が必要となります。また書類に不備があると審査は通らないので十分に気を付けてください。
・帰化許可申請書(申請者の写真が必要となります。)
・親族の概要を記載した書類
・帰化の動機書
・履歴書
・生計の概要を記載した書類
・事業の概要を記載した書類
・住民票の写し
・国籍を証明する書類
・親族関係を証明する書類
・納税を証明する書類
・収入を証明する書類
・在留歴を証する書類
引用 法務省
日本国籍取得が難しいといわれる理由
日本国籍取得は一般的に難しいと言われています。世界中の国と比較をしても、国籍取得が難しい5カ国に日本は入ります。ここではなぜ日本国籍取得が難しいのかご説明します。
必要書類が多い
日本国籍を取得するためには、必要な書類が多くあります。条件などにより必要書類は異なってくるのですが、主な書類は以下のようなものがあります。書類によっては母国で取得するものがあり日本語訳をする必要があります。また履歴書や動機書など自分で作成する書類もあり、時間がかかるのです。
・帰化許可申請書(申請者の写真が必要となります。)
・親族の概要を記載した書類
・帰化の動機書
・履歴書
・生計の概要を記載した書類
・事業の概要を記載した書類
・住民票の写し
・国籍を証明する書類
・親族関係を証明する書類
・納税を証明する書類
・収入を証明する書類
・在留歴を証する書類
引用 法務省
書類が不十分であれば、審査に通ることはありません。書類作成に自信がない場合は行政事務所などに依頼をする方法もあります。
条件が厳しい
上記に説明しているように、さまざまな要件を満たしていないと帰化の許可がおりることはありません。
特に世界と比べて厳しい条件だといえるのは居住年数の長さです。日本では5年以上日本の住所を持っている必要があるのですが、これはオーストリアの15年、スイスの10年、ドイツの8年についで長い期間となっており、アメリカと同じ期間です。
帰化申請が許可されないこともある
法務省民事局にて帰化許可申請者と許可された人数を発表しています。
| 年数 | 帰化許可申請者 | 帰化許可者数 |
| 平成26年 | 11,337 | 9,277 |
| 平成27年 | 12,442 | 9,469 |
| 平成28年 | 11,477 | 9,554 |
| 平成29年 | 11,063 | 10,315 |
| 平成30年 | 9,942 | 9,074 |
参考 法務省民事局
以上のように、毎年1,000人から2,000人の申請者が許可を得られていないことになり、だいたい申請者の10%の割合となっています。しかしこの数の中には、審査が下りるまえに取り下げをした人や許可の判断が翌年に持ち込んだ人はこの数に入っていません。
そのため実際には、この数よりも許可が下りていない状況だといえます。平成30年度は申請者が1万人をわったのですが、それでも許可が下りなかった人は900人以上と減っていません。このことからも不許可の率はあがっているといえます。
さまざまな理由が考えられるのですが、これまでは在日韓国人や中国人が帰化をするケースが多かったのですが、最近では他の国の外国人も申請をあげています。しかし他の国の人達にとって、書類を揃えるだけでも大変な作業であることがわかります。
日本国籍をとるためには、5年以上の居住があるなど条件が揃っていれば後は書類を揃えることが重要なので、どうしても特に欧米の人達にとってはこの点がネックになります。
日本国籍を取得するメリット
日本国籍を取得するということは、日本人でない人が法律上では日本人になることです。外国人が日本に長期間滞在をする場合は在留資格が必要なのですが、在留資格に記された期間や就業内容など全て守らなければいけません。
また永住ビザを取得すると、滞在期間は無限となるのですがルールを守らなかった場合など、ビザが無効になることがあります。また期間は無限であっても、就業内容はまもらなければならず、例えば仕事を辞めてしまえば永住ビザが無効になることもあります。
日本国籍を取得するためにも条件は色々とあるのですが、取得をすると日本人と同じ扱いになるのです。例えば年金の受け取りや銀行の融資などを受け取ることができたり、日本人と結婚する時でも日本人夫婦と同じように、市役所などに婚姻届を出せばいいのです。
永住ビザのように国籍が外国にある場合は、両方の国で手続きが必要であるなど手間がかかります。
しかし日本は二重国籍は認めていないので、日本国籍を取得するということはこれまでの国籍を捨てるということになります。そのため日本国籍を取得するためには覚悟が必要であり、審査をするときの面接でもこの意思を確認されるのです。
日本国籍を再取得する方法
日本国籍の再取得とは、例えば日本人の両親の子供が外国で生まれた場合出世届の時点で日本国籍を留保する手続きをしなければ、日本国籍を失うことにんります。しかし日本の住所があり、現在の国籍を失うことに納得し、届け出の時が20歳未満であれば日本国籍の再取得が可能となります。
日本国籍を取得した後の注意点
日本国籍を取得したあとも、いくつか注意点があります。よく確認をするようにしてください。
母国の国籍を失う
日本は二重国籍の取得が不可能であり、日本の国籍を取得するということは母国の国籍を失うことになります。
日本国籍の喪失
日本国籍を取得したあと、海外で生活をしていて自分の意思で外国籍を取った場合は日本の国籍を喪失することになります。一度日本の国籍を喪失すると、再び帰化申請を必要とします。
日本国籍を喪失すると、喪失したとわかった日から1か月以内に日本大使館や最寄りの市役所などに届け出る必要があります。
日本国籍取得に関するまとめ
日本の国籍を取得するためには、決まった条件を満たしており書類を揃える必要があります。この条件は世界と比較しても厳しい内容となっています。日本国籍を取得すると、日本人と同じ扱いになり、永住ビザでもできないような自由に就業できるなど様々なメリットがあります。
日本国籍を取得するためには
日本で留学や就職などにより長期間滞在する外国人が増えています。在留資格(いわゆるビザ)での滞在は、活動内容や期間に制限があり、更新手続きも必要です。一方、日本国籍を取得すると法律上は日本人として扱われ、在留資格の更新が不要になるなど多くのメリットがあります。
外国人が日本国籍を取得する主な方法は「帰化」です。帰化とは、外国籍の方が法務大臣の許可を得て日本国籍を取得する手続きのことです。帰化が許可されるためには、国籍法に定められた複数の条件をすべて満たす必要があります。ここでは帰化の条件や手続きについて詳しく解説します。
帰化の7つの条件
日本国籍を取得するためには、以下の7つの条件を満たしている必要があります。これらの条件を満たしていない場合、帰化が許可されることはありません。なお、帰化の許可・不許可の最終判断は法務大臣の裁量で行われるため、条件を満たしていても必ず許可されるとは限りません。
- 住所条件(国籍法第5条第1項第1号)
引き続き5年以上日本に住所を有していることが必要です。この「引き続き」とは継続して居住していることを意味し、長期の海外渡航がある場合は要件を満たさなくなる可能性があります。また、5年のうち3年以上は就労ビザ等を取得して就労経験があることが求められます。留学期間のみでは就労要件を満たさない点に注意が必要です。
- 能力条件(国籍法第5条第1項第2号)
18歳以上であり、かつ本国法によっても行為能力を有する(成人年齢に達している)ことが必要です。2022年4月1日の民法改正に伴い、日本の成人年齢が20歳から18歳に引き下げられ、帰化の能力条件も18歳以上に変更されました(2026年3月現在)。ただし、本国の成人年齢が18歳より高い国(例:シンガポールやアルゼンチンの21歳など)の場合は、本国でも成人年齢に達している必要があります。
- 素行条件(国籍法第5条第1項第3号)
素行が善良であることが求められます。具体的には、犯罪歴がないこと、税金(所得税・住民税など)や社会保険料(年金・健康保険)の滞納がないこと、交通違反が少ないことなどが審査されます。税金や年金は知らない間に滞納になっていることもあるため、申請前に税務署や年金事務所で確認しておくとよいでしょう。配偶者がいる場合は、配偶者の納税状況も確認が必要です。
- 生計条件(国籍法第5条第1項第4号)
自己または生計を一にする配偶者その他の親族の資産や技能によって生計を営むことができることが必要です。目安として、安定した収入(手取りで月額18〜20万円程度)があれば要件を満たすと考えられます。扶養家族が増えると求められる収入額も上がります。借入があっても滞納なく返済していれば問題ありません。申請者本人に収入がなくても、配偶者や同居親族の収入で生活が維持できていれば条件を満たします。
- 重国籍防止条件(国籍法第5条第1項第5号)
日本国籍を取得することにより、元の国籍を喪失することが必要です。日本は二重国籍を認めていないため、帰化すると母国の国籍は失われます。なお、本人の意思によっても国籍を喪失できない国がある場合は、例外的に帰化が許可されることもあります(国籍法第5条第2項)。
- 思想条件(国籍法第5条第1項第6号)
日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを企てたり主張したりする者、あるいはそのような団体を結成・加入したことがある者は帰化が許可されません。
- 日本語能力条件(実務上の要件)
国籍法には明記されていませんが、実務上、日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話および読み書き)が求められます。一般的な目安は小学校3年生程度の読み書き・会話力で、法務局での面談時に日本語が不十分と判断された場合は筆記テストが実施されることがあります。日本語能力試験(JLPT)のN3〜N4レベル程度が目安です。
帰化の条件が緩和されるケース(簡易帰化)
日本と特別な関係を持つ外国人については、帰化の条件の一部が緩和される場合があります(国籍法第6条〜第8条)。主な緩和ケースは以下のとおりです。
・日本人の配偶者で、引き続き3年以上日本に住所を有し、現在も日本に住所がある場合(住所条件・能力条件が緩和)
・日本人の配偶者で、婚姻から3年以上が経過し、引き続き1年以上日本に住所がある場合(住所条件が緩和)
・日本人の子(養子を除く)で日本に住所がある場合(住所条件・能力条件・生計条件が緩和)
・日本で生まれた者で、引き続き3年以上日本に住所または居所がある場合(住所条件が緩和)
・元日本人で、日本に住所がある場合(住所条件・能力条件・生計条件が緩和)
・特別永住者(住所条件等が緩和)
子供が生まれた場合の国籍取得
日本国籍を取得した方に子供が生まれた場合、出生時に父または母が日本国民であれば、その子供は出生により日本国籍を取得します。母親が日本国籍を持っている場合は、法律上の婚姻関係にかかわらず子供は日本国籍を取得できます。父親のみが日本国籍を持っている場合は、婚姻関係がないときは胎児認知(子供が母親の胎内にいるときに父親が認知すること)が必要です。
また、日本人父に出生後に認知された子供については、2022年4月の民法改正以降、届出の時点で子が18歳未満であることなどの要件を満たせば、法務大臣への届出により日本国籍を取得することができます(国籍法第3条)。
帰化申請に必要な書類
帰化申請に必要な主な書類は以下のとおりです。状況によって追加書類が求められる場合があります。書類には日本語訳が必要であり、母国から取り寄せるものもあるため、準備に数か月かかることもあります。
・帰化許可申請書(申請者の写真が必要)
・親族の概要を記載した書類
・帰化の動機書(日本語で作成)
・履歴書
・生計の概要を記載した書類
・事業の概要を記載した書類(事業を行っている場合)
・住民票の写し
・国籍を証明する書類(パスポート、国籍証明書等)
・親族関係を証明する書類(出生証明書、婚姻証明書等)
・納税を証明する書類(源泉徴収票、確定申告書の控え等)
・収入を証明する書類
・在留歴を証する書類
参考:法務省「帰化許可申請に必要な書類」
書類に不備があると審査が通らないため、準備に不安がある場合は行政書士などの専門家に相談することも有効です。
帰化申請の手続きの流れ
帰化申請の一般的な手続きの流れは以下のとおりです。
・法務局への事前相談:住所地を管轄する法務局に電話で予約し、帰化の条件や必要書類について相談します。地域によっては予約が数か月先になることもあるため、早めに予約することが重要です。
・書類の収集・作成:法務局から指示された書類を準備します。母国から取り寄せる書類や日本語訳の作成などが必要で、準備期間は2〜6か月程度かかります。
・帰化申請書の提出:必要書類が揃ったら、法務局に持参して提出します。法務局の担当者が書類を確認し、問題がなければ受理されます。
・面接:申請受理後2〜3か月程度で法務局での面接が行われます。家族が面接に呼ばれる場合もあります。
・審査・許可:法務局での調査を経て、法務省に書類が送付され、最終的に法務大臣が許可・不許可を決定します。申請から許可まで通常8〜12か月程度ですが、それ以上かかることもあります。
日本国籍取得が難しいといわれる理由
日本国籍の取得は一般的に難しいと言われています。世界各国と比較しても、国籍取得の難易度が高い国のひとつに数えられます。その理由を解説します。
必要書類が多く準備に時間がかかる
帰化申請には多くの書類が必要であり、母国から取り寄せるものについては日本語訳も必要です。履歴書や動機書など自分で作成する書類もあり、準備には数か月を要することが一般的です。特に母国との連絡が困難な場合や、書類の翻訳に時間がかかる場合は、さらに長期化します。書類の不備があれば審査を通過できないため、慎重な準備が求められます。
条件が厳しい
前述のとおり、帰化には7つの条件を満たす必要があり、特に住所条件(5年以上の居住)は世界的に見ても厳しい部類に入ります。主要国の帰化に必要な居住年数を比較すると、以下のとおりです。
| 国名 | 帰化に必要な居住年数 |
| オーストリア | 15年以上 |
| スイス | 10年以上 |
| ドイツ | 8年以上 |
| 日本 | 5年以上 |
| アメリカ | 5年以上 |
| フランス | 5年以上 |
| カナダ | 3年以上 |
日本の居住年数要件は5年以上ですが、後述のとおり政府は居住年数を実質的に10年以上に引き上げる方向で検討を進めており、今後さらに厳格化される見通しです。
帰化申請が許可されないこともある
法務省民事局が公表している統計によると、近年の帰化申請と許可の状況は以下のとおりです。
| 年 | 帰化許可申請者数 | 帰化許可者数 |
| 令和元年(2019年) | 10,457 | 8,453 |
| 令和2年(2020年) | 8,673 | 9,079 |
| 令和3年(2021年) | 9,562 | 8,167 |
| 令和4年(2022年) | 9,023 | 7,059 |
| 令和5年(2023年) | 9,836 | 8,800 |
| 令和6年(2024年) | ― | 8,863 |
参考:法務省民事局「帰化許可申請者数等の推移」
帰化の許可率は概ね80〜90%程度で推移していますが、毎年一定数の不許可者が出ています。なお、許可者数が申請者数を上回る年がありますが、これは審査に1年程度かかるため、前年の申請が翌年に許可されるケースがあるためです。不許可の主な理由としては、書類の不備、虚偽の申告、素行条件の不充足(税金や社会保険料の滞納、交通違反の多さなど)が挙げられます。
2024年の国籍別では、中国籍が約3,122人で最多となり、韓国・朝鮮籍を初めて上回りました。ベトナムやネパールからの帰化者も増加傾向にあり、帰化申請者の国籍構成は多様化しています。
帰化と永住権の違い
日本に長期的に滞在する外国人にとって、「帰化(日本国籍の取得)」と「永住権(永住許可)」はどちらも重要な選択肢です。しかし、この2つは法的性質が大きく異なります。
| 項目 | 帰化 | 永住権 |
| 国籍 | 日本国籍を取得 | 外国籍のまま |
| 選挙権 | あり | なし |
| パスポート | 日本のパスポート | 母国のパスポート |
| 在留カード | 不要 | 必要 |
| 居住年数要件 | 5年以上(厳格化の動きあり) | 原則10年以上 |
| 退去強制 | なし | あり得る |
| 申請先 | 法務局 | 地方出入国在留管理局 |
| 母国の国籍 | 喪失 | 維持 |
帰化は日本国籍そのものを取得する手続きであり、選挙権・被選挙権が得られ、日本のパスポートを持つことができます。一方、永住権は在留資格のひとつであり、国籍は元のままです。どちらを選択するかは、母国との関係や将来の生活設計をふまえて慎重に判断する必要があります。
帰化と永住権の違いについて、より詳しくは以下のビザマネメディアの記事もご参照ください。
「永住権」と「帰化」の違い!メリットや申請方法を詳しく解説(ビザマネメディア)
日本国籍を取得するメリット
日本国籍を取得すると、法律上は日本人と同じ扱いになります。主なメリットは以下のとおりです。
・在留資格の更新が不要になり、日本に無期限で滞在できる
・選挙権・被選挙権が得られ、政治に参加できる
・日本のパスポートを取得でき、多くの国にビザなしで渡航可能(日本のパスポートは世界トップクラスの信用度を誇ります)
・公務員への就職が可能になる
・銀行の住宅ローンなどの融資を受けやすくなる
・年金や社会保障を日本人と同じ条件で受け取れる
・日本人との結婚の際、市区町村への婚姻届の提出のみで手続きが完了する(外国籍の場合は両国での手続きが必要)
・退去強制(強制送還)の対象にならない
永住権でも日本に無期限で滞在できますが、就業内容の変更や法律違反によって永住権が取り消される可能性があります。帰化の場合はそのようなリスクがない点で、より安定した身分が得られます。
日本国籍を取得するデメリット・注意点
日本国籍の取得には多くのメリットがある一方、注意すべき点もあります。
母国の国籍を失う
日本は二重国籍を認めていないため、日本国籍を取得すると母国の国籍を失うことになります。これにより、母国に入国する際にはビザが必要になる場合があり、母国での財産権や参政権も失う可能性があります。帰化の審査においても、この点に関する意思確認が面接で行われます。
日本国籍の喪失リスク
日本国籍を取得した後であっても、自分の意思で外国籍を取得した場合には日本国籍を喪失します(国籍法第11条)。日本国籍を喪失した場合、喪失を知った日から1か月以内に市区町村役場または在外日本大使館・領事館に届出が必要です。一度喪失した日本国籍を再び取得するには、改めて帰化申請を行う必要があります。
日本国籍を再取得する方法
日本国籍の再取得が認められるケースは限られています。主に以下の場合に再取得が可能です。
・国籍留保をしなかった場合の再取得:日本人の両親の子供が海外で出生し、出生届の際に日本国籍の留保手続きをしなかった場合、出生時に遡って日本国籍を喪失します。この場合、18歳未満であること、日本に住所を有すること、現在の外国籍を失うことに同意していることなどの要件を満たせば、法務大臣への届出により日本国籍を再取得できます(国籍法第17条第1項)。
・帰化による再取得:自分の意思で外国籍を取得して日本国籍を喪失した場合は、日本に住所を有した上で、改めて帰化申請を行う必要があります。元日本人の場合は住所条件・能力条件・生計条件が緩和されますが、他の条件は通常どおり審査されます。
【2026年最新】帰化要件の厳格化の動き
2025年11月以降、政府は帰化の要件を厳格化する方向で検討を進めていることが複数の報道で明らかになっています。2026年1月には「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」が取りまとめられ、帰化要件の見直しはその重要テーマのひとつに位置づけられています。
主な検討内容は以下のとおりです(2026年3月現在)。
・居住年数の実質的な延長:現行の「5年以上」の居住要件について、永住許可と同様の「原則10年以上」に引き上げる方向で調整が進んでいます。法律(国籍法)の条文自体を改正するのではなく、審査の運用を変更する形での実施が見込まれています。
・税金・社会保険料の審査厳格化:税金や社会保険料の滞納歴をこれまで以上に重視する方針が示されています。2026年6月からは在留カードとマイナンバーカードの一体化が始まり、納付状況の正確な把握が可能になります。
・在留手続手数料の引き上げ:2025年4月1日には在留資格の変更・更新手数料が6,000円、永住許可申請手数料が10,000円にすでに改定されています。さらに2026年3月には手数料の法定上限を大幅に引き上げる入管法改正案が閣議決定されました。
なお、2026年3月現在では、国籍法の条文そのものはまだ改正されておらず、具体的な運用変更の施行時期も確定していません。ただし、今後1〜2年の間に帰化審査の実務が大きく変動する可能性が高いと見られています。帰化を検討している方は、最新の情報に注意しながら早めに専門家に相談することをおすすめします。
日本国籍取得に関するまとめ
日本国籍を取得するためには、帰化申請を行い、国籍法に定められた7つの条件を満たす必要があります。2022年4月の民法改正により能力条件の年齢が20歳から18歳に引き下げられたほか、2026年には政府が居住要件の実質的な引き上げを検討するなど、制度は変化を続けています。
日本国籍を取得すると、選挙権の取得、日本パスポートの保有、在留資格の更新が不要になるなどの大きなメリットがある一方、母国の国籍を失うというデメリットもあります。帰化と永住権のどちらを選ぶかは、個人の状況や将来設計に応じて慎重に判断することが大切です。
帰化申請は書類の準備や審査に長い期間を要するため、検討を始めた段階で早めに準備に取りかかり、必要に応じて行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。
外国人雇用の管理にはビザマネの活用がおすすめ
外国人従業員の在留資格管理は、帰化の有無にかかわらず、企業にとって重要な業務です。在留カードの期限管理や就労可否の確認を怠ると、不法就労助長罪(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方)に問われるリスクがあります。
「ビザマネ」は、外国人雇用に特有の管理業務を一元化できるクラウドサービスです。在留カードの期限が近づくと本社・事業所・従業員本人に自動でアラートが送信されるため、期限管理漏れによる不法就労リスクを防止できます。また、在留カードの偽造チェックや就労可否判定もシステム上で簡単に行えるため、人事担当者の業務負担を大幅に軽減できます。
外国人雇用の管理にお悩みの企業様は、ぜひビザマネの導入をご検討ください。
日本は二重国籍を取得することを認めておらず、日本国籍を取得すると現在の国籍を失う必要があることを覚悟する必要があります。


