特定技能「ビルクリーニング」とは?職種から受け入れ方法まで詳しく解説

執筆者 4月 29, 2020ニュースコメント0件

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本は現在、あらゆる業種で人手不足が深刻化されています。

 

ビルクリーニングも人手不足が深刻な産業の一つであり、2023年には9万人が不足すると予想されています。そんな中日本政府は人手不足の解決策として特定技能「ビルクリーニング」を施行しました。

 

ビルクリーニング分野の現状について

 

近年、建築物衛生法の適用対象となる特定建築物が年々増加しており、多くの人が利用する建物が増えています。

 

特定建築物は、百貨店、店舗、事務所、学校など延べ面積3000平方メートル以上(ただし小学校、中学校は8000平方メートル以上)の建物を指します。

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(2018年厚生労働省配布資料を元にdnusが作成)

 

上のグラフは、特定建築物の推移を表したグラフです。これより、特定建築物が年々像介していることが分かります。

建物が増えると、当然建物内の清掃作業の需要が増加します。ビルクリーニング業者の需要が増えると、人材確保が欠かせなくなりますが、様々な要因からビルクリーニング業の人手不足が問題となっています。

有効求人倍率

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(厚生労働省「ビルクリーニング分野について資料5」を元にdnusが作成)

 

厚生労働省によると、平成29年度のビルクリーニングに関連する職業分類における有効求人倍率は、2.95倍になっています。

 

全業種の有効求人倍率が1.54倍なので、全業種の有効求人倍率と比較しても平均を上回る結果となっています。

 

また、平成27年度の国勢調査によると、従業員のうち70.9%が女性を占め、全体の37.2%が65歳以上の高齢者であることが分かりました。

 

他業種と比べると、女性の比率が高く、積極的に高齢者を雇用していますが、女性や高齢者が他分野でも就労機会を得られるようになったため、近年ビルクリーニング分野での人手不足が加速しています。

 

日本政府は、ビルクリーニングの人手不足の解消に向けて、生産性の向上や国内人材の確保に取り組んできました。

 

そのための施策として、作業効率向上に向けた清掃機械の導入や、業務用清掃ロボットの開発・検証などを行ってきました。

 

しかし、人手不足が完全に解消されるのは難しく、このままだと建築物の衛生状態が悪化し、利用者の健康状態が悪化してしまうおそれがあります。

厚生労働省によると、ビルクリーニングにおける人手不足の見込み数は、2023年までに9万人となっています。

特定技能1号「ビルクリーニング」について

 

そもそも特定技能とは?

 

そもそも特定技能とは何でしょうか?

 

特定技能は一言で言うと、「一定の知識や経験を持った即戦力となる外国人が持つ在留資格」のことです。

 

dnusでは特定技能に関する情報をひとつひとつ分かりやすく解説しています。

 

合わせてこちらの記事をご覧下さい。

 

【253 番の記事が挿入されます】

特定技能は全部で14業種あり、特定技能1号と特定技能2号の2つに区分されます。

 

14業種ある特定技能のうち、特定技能2号に指定されている業種は現在(2020年4月20日時点)で建築業造船・船用工業の2業種です。特定技能「ビルクリーニング」は現時点ではその特定技能2号の2業種の1つに指定されていません。

特定技能「ビルクリーニング」の受入れ見込数

 

特定技能「ビルクリーニング」分野において、2023年までの受入れ見込数は最大3万7,000人とされています。

 

特定技能「ビルクリーニング」を取得した外国人を受け入れると共に、毎年約1%の生産性向上と、国内人材の確保による労働効率化(2023年までに4万人程度)、また国内人材を2023年までに約1万3,000人確保しても、なお不足すると見込まれています。

特定技能「ビルクリーニング」の対象となる業務は?

 

次に、特定技能「ビルクリーニング」で行われる業務について説明します。

 

特定技能「ビルクリーニング」の対象となる業務は、建築物内部の清掃です。

 

具体的には、多数の人が利用する建築物の内部の清掃作業を行います。

ビルクリーニングで求められる人材は?

特定技能「ビルクリーニング」の外国人材に求められるものは、建築物内部の場所や、部位、建材、汚れ等の違いに対して、作業手順に基づき、外国人労働者自らの判断で、方法、洗剤及び清掃用具を適切に選択して清掃作業を遂行できる、一定の専門性や技能を有する外国人です。

 

これらの知識や技能を持つ外国人材が、ビルクリーニング分野で働く外国人材に求められています。

 

 雇用形態は?

 

直接雇用のみ可能です。

 

派遣は認められていません。

外国人が特定技能「ビルクリーニング」を取得するには?

では特定技能1号「ビルクリーニング」を取得するにはどうすればいいのでしょうか?

通常、在留資格「特定技能」を取得するには、2つの方法があります。

1つは、技能試験である「特定技能評価試験」と日本語試験である「国際交流基金日本語基礎テスト」に合格することで在留資格「特定技能」を取得する方法です。

もう1つは、技能実習2号を修了して、無試験で在留資格「特定技能」を取得する方法です。

特定技能「ビルクリーニング」の取得方法|①「特定技能評価試験」と「日本語評価試験」に合格する

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特定技能評価試験について

 

まず、特定技能1号「ビルクリーニング」を取得する手段の1つ目として、特定技能評価試験」と「日本語評価試験」に合格する方法があります。

 

特定技能評価試験は、特定技能全14業種それぞれ異なる試験となっており、特定技能「ビルクリーニング」では厚生労働省の定める「ビルクリーニング分野特定技能1号測定試験」を受けなければいけません。

 

「ビルクリーニング分野特定技能1号測定試験」について

 

ビルクリーニング分野特定技能1号測定試験は、外国人が就労のため来日する前に、ビルクリーニング分野における技能や知識を確認・評価するための試験です。

 

ビルクリーニング分野特定技能1号測定試験は、2019年4月に在留資格「特定技能」が施行されてから、厚生労働省が選定した機関である公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施している試験です。

 

ビルクリーニング分野特定技能1号測定試験では、特定技能「ビルクリーニング」を志望する外国人が建築物内部の清掃に関する専門性や技能を持っているか確認します。

 

ビルクリーニング分野における特定技能評価試験では、実技試験で技能を測ります。

 

特定技能「ビルクリーニング」の実技試験について

 

それでは、ビルクリーニング分野における特定技能の実技試験の詳細について説明します。

 

試験科目については以下のとおりです。

 

作業①|床面の定期清掃作業

 

作業②|ガラス面の定期洗浄作業

 

作業③|洋式大便器の日常清掃作業

 

ビルクリーニング分野特定技能1号測定試験の試験科目に関する詳細は、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会の「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」をご覧ください。

 

また、特定技能「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」を取得する際に、国内で受験する場合と国外で受験する場合の2種類の受験方法があります。

 

日本国内で受験する際は、以下の条件を満たす必要があります。

・在留資格を有し、試験日において満17歳以上であること

・退去強制令書の円滑な執行に協力するとして法務大臣が告示で定める外国政府または地域の権限ある機関の発行した旅券を所持すること

日本国外で受験する際は、以下の条件を満たす必要があります。 

・試験日において満17歳以上であること

※詳細はビルクリーニング分野特定技能1号測定試験の試験科目に関する詳細は、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会の「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」をご覧ください。

 

日本語試験について

 

次にもう一つ、日本語試験として「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験のN4以上」に合格する必要があります。

 

この試験では、日常会話や生活に支障がない程度の日本語能力を外国人が有しているのか、基本的な日本語能力を試験するものです。

特定技能「ビルクリーニング」の取得方法|②技能実習2号から特定技能「ビルクリーニング」へ移行する

特定技能「ビルクリーニング」を取得する2つ目の方法として、技能実習2号を修了して無試験で在留資格「特定技能」へ移行する方法があります。

 

技能実習2号を修了した外国人は、試験を受けることなく在留資格「特定技能」へ移行することが可能です。これにより、これまで日本に滞在していた技能実習生は、特定技能を得ることで追加で最長5年日本に滞在できるため、在留期間を伸ばすことができます。

 

技能実習生に関する詳細はこちらの記事をご覧ください。

 

関連記事

【79 番の記事が挿入されます】

特定技能「ビルクリーニング」の外国人を受け入れるために

前章では、外国人労働者が特定技能「ビルクリーニング」を取得する方法について詳しく紹介しました。

 

次に、特定技能「ビルクリーニング」資格を持った外国人労働者の雇用(受入れ)を検討している企業の方が、どうすれば特定技能「ビルクリーニング」の外国人労働者を受入れることができるか説明します。

 

特定技能「ビルクリーニング」の外国人を受け入れるために、以下の点に注意する必要があります。

①「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録をうけていること

②ビルクリーニング分野特定技能協議会に入会すること

 

①「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録をうけていること 

まず、特定技能の外国人を受け入れるまでに、受け入れ先の企業は「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録をうけている必要があります。これらはそれぞれ建築物衛生法第12条の第1項第1号と、第8号に規定されています。

②ビルクリーニング分野特定技能協議会に入会すること

もう一つ、特定技能「ビルクリーニング」を取得した外国人労働者を雇う際、外国人の受け入れ事業者である特定技能所属機関は、「ビルクリーニング分野特定技能協議会」に入会しなければいけません。

ビルクリーニング分野特定技能協議会は、厚生労働省、法務省、登録支援機関、ビルクリーニング事業者及び団体、その他の関係者で構成されており、受け入れ事業者は、ビルクリーニング分野特定技能協議会に対して、必要な協力を行う必要があります。

 

ビルクリーニング分野特定技能協議会に関する詳しい情報は、「ビルクリーニング分野特定技能協議会の設置について」をご覧ください。

特定技能「ビルクリーニング」のまとめ

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この記事では、在留資格「特定技能」の14業種の中の1つ「ビルクリーニング」について詳しく紹介しました。

ビルクリーニングは、人手不足が今後も深刻化することが予想されます。しかし、技能実習生の受け入れ増加とともに、特定技能「ビルクリーニング」の外国人労働者の受け入れが増えていくことで、外国人労働者が増え、人手不足の状況が少しでもよくなればと思います。

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著者 アドミン

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