外国人採用を検討する日本企業が急増中！企業が外国人を受け入れる背景やメリットについて解説いたします。
近年日本では、少子高齢化社会による労働者不足から、企業の外国人の受け入れが積極的に行われています。また労働力不足に限らず、様々なバックグラウンドを持つ人材を集め企業の競争力を高めるダイバーシティが注目されています。
この記事では、そんな企業が外国人を受け入れるメリットや注意点、するべきことを詳しく解説します。
日本企業の外国人の受け入れの増加の背景
2019年現在の日本は、超少子高齢化社会となりました。それによって深刻化している労働力不足問題。その解決策の一つとして企業の外国人の受け入れがあり、社会的に推進されています。
2019年4月1日に入国管理法が施行され、外国人の受け入れ態勢が強化されました。2024年までには、最大34万人の外国人を受け入れる見込みです。これによって外国人に新しい「在留資格」が与えられます。これは、日本にいる外国人が労働し、生活するために必要な資格です。職業ごとに種類があり、それぞれに日本に滞在できる期限などのルールが決められています。
医者や弁護士など、今までは17種類の職業のみでしたが、改正によって24種類まで増えました。これによって、日本語で日常会話ができ、業種ごとに定めた一定の技能を満たしていると認められれば、最長5年間、働きながら滞在できるようになります。
外国人を受け入れるメリット
ダイバーシティによるイノベーションの期待
外国人は、日本人とは異なるバックグラウンドを持っていて、当然価値観も異なります。だから、彼らを受け入れることで日本人にはないアイディアが社内にもたらされ、活性化が期待できます。新しい事業を生み出す際に、議論に幅が生まれ、予想もしないようなイノベーションが生まれるかもしれません。
また、母国から日本まで来る外国人は、チャレンジ精神のあふれる方が非常に多いです。家族のためにお金をたくさん稼ぎたい、先進国である日本でビジネスを学びたいなど自分の軸を持っているので、その分のコミットが期待できます。
グローバル戦略への重要人材となる
もし自社の事業を海外に展開していく際、ターゲットとする国の文化や市場、背景などをリサーチしなければなりません。それも当事者でないので、価値観などはすべて仮説となってしまいます。もし、その該当する国の外国人が社内にいれば、当事者として重要な意見を聞くことができます、さらにリサーチのコスト削減、精度のアップが期待できます。細かい挨拶のルールや、言葉のニュアンスなどリサーチだけでは、得ることは難しい情報も多いですので、海外進出で必要があれば、一度受け入れてみるのもいいでしょう。
外国人を企業が受け入れるうえでの注意点
言語表現は具体的に行う
外国人は、あいまいな表現が苦手です。これは、日本人のように、「空気を読む」ことがうまくないからです。そのため、抽象的に「かっこよく資料を作って」「できるだけ早くやってね」と作業を依頼しても、指示を出した人の意図しない成果になる場合が多いです。そのため、「青を基調とした資料にして」「19時までに終わらせて」など、コミュニケーションでは具体的な表現を使うようにしましょう。
宗教を尊重する
日本人は比較的宗教に関して無頓着ですが、外国人は、教えや儀礼をしっかり守っている方が多いです。例えば、イスラム教では1日に数回、決まった方角に向かってお祈りを行う習慣があります。そのため、仕事中に高い頻度で外出を行うことも考えられます。このとき、礼拝時に外出する時間は勤務時間なのか休憩にあたるのか、勤務であれば金が発生するのか、しないのか、などを雇用契約書に明記しましょう。あいまいにしていてはトラブルの下になります。本人との合意の上で雇用契約を結ぶようにしましょう。また、人数が多いなら、専用の部屋を設けるなど配慮をするのもいいでしょう。
初期の採用コストがかかる
外国人は、また外国人の採用は選考段階から内定、ビザ申請、在留申請など日本人採用と仕様や準備が異なります。そのため、時間や資金のコストは多めに見積もるようにしましょう。また組織戦略などで特定の国や独自のスキルを持った外国人人材を受け入れたいのであれば、条件は難しいものになります。予算を用いて人材エージェントを使う、Wantedlyなどのダイレクトリクルーティングサービスを活用を検討してみるなど、しっかりと採用戦略を練る必要があります。
外国人の受け入れの成功例
多くの外国人の雇用が増やした企業とその取り組みをいくつかピックアップして、説明します。
日揮株式会社
日揮は言わずと知れた大手建設会社です。建設業界では東アジアなどの海外の案件が増えています。企業が、以下取り組みによって外国人の受け入れを増やしました。結果、海外の売り上げを上げることができています。
受け入れるための取り組み
・社内で部活動やサークルなどを作り、日本人となじみやすくなれるようにコミュニケーションの機会を形成する。
・会議室やトイレなど社内の案内を英語で表記し、働きやすい環境を整える。
・イスラム教徒向けのためのお祈り専用の部屋の設置する、またお祈りの際に足を洗うためのシャワールームを設置する。
富士ソフト株式会社
富士ソフトは、日本を代表する情報通信企業です。将来的なグローバル戦略の中枢を担う、国や地域と関連する人材として、多くの優秀な外国人を受け入れました。以下の取り組みよって、多くの人材確保に成功しています。
受け入れるための取り組み
・外国の政府が提供する学士卒業生の海外企業への派遣プログラムをとりいれ、従業員が英語で仕事を進められる態勢を作る。
・海外大学や日本に留学に来た留学生などをインターンシップ生として３ヶ月程度受け入れ、自社の認知度アップや採用機会を増やす。
・評価や昇進の機会を日本人社員と同等に与え、キャリアアップの夢を見させる。
株式会社IHI
総合重工メーカーのIHIでも、外資の競合会社に勝つため、海外事業強化の戦略要因としての海外人材を積極的に雇用しました。
受け入れるための取り組み
・外国人向けの会社説明会を各地で実施、先輩の外国人社員の声や働く姿を紹介し、入社後のキャリアをイメージさせる。
・内定後に4ヶ月間、現地の日本語学校で日本語研修を実施、日本で働きやすいような学習環境を構築する。
・新入社員の研修を、日本人の新卒社員と同じ環境で実施、同期として仲間意識や連帯感を作り出す。
企業が外国人を受け入れる際に必要なこと
企業が外国人を受け入れるには、所定の手続きが必要です。
外国人就労ビザの申請
外国人を雇用するためには、就労ビザ申請の支援を行う必要があります。申請から許可画下りるまでに3カ月ほどかかるので、早めに準備をしておきましょう。
詳しくは、別記事で紹介しているので、そちらも併せてご確認ください。
外国人雇用状況の届け出
全ての事業主は外国人労働者が企業に入社、もしくは退社した場合は外国人雇用状況を厚生労働大臣（ハローワーク）に提出する義務があります。これでは、当該外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認します。届出をしない、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となるので、必ず行うようにしてください。届出に必要な書類は厚生労働省のホームページよりダウンロードできます。
まとめ
企業の外国人労働者の受け入れは、特別な手続きが必要だったり、コストが高いなどのネックもあります。しかし、ダイバーシティの環境の構築や社内活性化など大きなメリットもあるので、ぜひ検討してみてください。
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