外国人労働者の不法就労・不法滞在はこうして防げ!

執筆者 7月 18, 2019ニュースコメント0件

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外国人労働者を雇う際、一番気を付けるべきであり、企業活動を揺るがしかねない問題が不法就労・不法滞在です。外国人労働者が国外追放をされるだけでなく、企業も刑事罰に問われ、ニュースで取り上げられてしまい、様々な制裁を受けることになります。そうならないために、企業側、雇用主側は何ができるのか、そのあたりをまとめました。

外国人の不法就労とは?

そもそも不法就労とはどのような状況なのか、ここでは不法就労の詳細を解説します。

1.不法滞在

日本に滞在する場合、パスポートさえあれば2週間は滞在可能で、90日となると短期滞在査証が必要になります。当然これらのものがあっても働くことはできません。本来は在留資格が必要で、その在留資格に与えられた期間内で働くことになりますが、これを無視して、与えられた期間以上滞在することを不法滞在、オーバーステイと言います。1日でも過ぎればオーバーステイとなり、国外追放となってしまいます。

2.許可を得ていない

在留資格はどこで得られるかといえば、それは入国管理局です。入国管理局で就労に必要な在留資格を得ることで堂々と働けるのですが、その許可を得ない状態で働く外国人が増えています。90日もいられるのだから自由に働けることはなく、許可がなければどんな仕事もできないので、それだけは把握しておきましょう。

3.許可の範囲を超えている

在留資格は複数あり、基本的に17の職種が指定され、その中で働くことになります。ですので、与えられた在留資格とは別の仕事がしたいからと勝手に転職などをするのはダメです。もし働くにしても在留資格変更許可、資格外活動許可が必要です。留学生などは資格外活動許可をもらった上で働いており、何事も許可が必要であることは覚えておくべきポイントです。

外国人労働者の不法就労はこうして起きる!

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刑事罰に問われ、下手をすれば企業活動が出来なくなるかもしれない、そんな状況にもかかわらず、不法就労は起きてしまいます。なぜ不法就労は発生するのか、細かく解説していきます。

1.在留資格を取得せず、短期滞在でやってくるから

先ほども説明した通り、在留資格を取得していない限りは働くことはできません。それでも外国人が日本で滞在できるのは、観光などでやってきた人にパスポートだけで2週間滞在できるようにしているからです。お金が無くなったから日雇いのバイトをしようなんて考える外国人がいて、人手が足りないからとにかく参加させた、その時点で不法労働助長罪が成立しています。後述しますが、いくらでも防げる不法就労のケースです。

2.資格外活動のルールを認識していないから

在留資格が与えられていたとしても厳格なルールで管理されています。例えば資格外活動は原則1週28時間という制限があり、留学生が所属する教育機関が長期休業中に限り、1日8時間まで延びます。このルールを全く認識していないと結果的に不法就労となってしまいます。法律違反の就労は全部不法就労の扱いを受けるので、在留資格をとっていればどんな働き方をしてもいいというわけではありません。

3.偽装結婚をしているから

在留資格には様々なものがありますが、その中には、日本人の配偶者という項目があります。パートナーが日本人であれば配偶者としての資格が与えられ、自由に働けます。この仕組みを悪用し、ブローカーの仲介で日本人と結婚した後で、在留資格を得る、いわゆる偽装結婚が行われています。表面上は日本人の配偶者なので、偽装結婚を企業側が疑うのは大変です。そのため、後になって偽装結婚が発覚するケースも珍しくありません。

そのほとんどは風俗関係の仕事なので、多くの業種の人にとってはそこまで影響があるわけではありませんが、偽装結婚をすることで職種や時間の制限なく働けるのは魅力的であり、中には危ない橋を堂々と渡る外国人もいます。しかし、企業側からすればリスクでしかないでしょう。

4.企業側が何も知らないから

中国人の不法就労者を「黒工」、ヘイゴンと呼ぶ人たちがいます。技能実習制度や留学生としてやってきた中国人が技能実習先から逃げ出したり、留学生だったもののオーバーステイしてしまったりした際に不法就労をしてでも日本で暮らす人たちを指します。この人たちは日雇いのバイトを通じて収入を得ており、同じ黒工仲間で暮らしているケースもあります。

こうした黒工は在留資格の確認などをすれば簡単にバレますが、それをしません。企業側が不法労働助長罪を知らないケース、知ってはいても仕方なくやってしまうケースも。不法就労者に依頼しなければ人手不足は解消できないと思っている人もおり、結局のところは企業側の危機意識が不足し、そうした知識が足りないことが要因です。

不法就労者を雇用した場合はどうなる?

万が一、不法就労者を雇ってしまった場合、会社はどうなるのか。まず不法労働助長罪に問われる可能性があります。不法労働助長罪は3年以下の懲役、300万円以下の罰金が課せられます。雇用主側は、不法就労とは分からなかったと逃げようとしますが、雇用主側には不法就労者を避けるための義務があります。その義務を怠り、そんなことは知らないと言っても、その主張が受け入れられることはありません。

これとは別に、外国人を雇用していることをハローワークなどに届け出ない企業も30万円以下の罰金がかかり、法律違反です。ハローワークなどに必ず届け出なければならず、ウソをつくとその時点でアウト。面倒ではありますが、それだけの責任が伴います。うっかり不法就労者を雇っていた、うっかり忘れていたが絶対に通用しないことを理解しておきましょう。

不法就労を水際で防ぐ企業側の対策とは?

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ここまで不法就労が起こるメカニズムや状況、罰則について解説しましたが、不法就労者を水際で防ぐとすれば何が求められるのか、企業側の対策をまとめました。

1.在留カードを必ず原本で確認する

在留カードは在留資格が与えられた人に渡されるもので、90日以内の短期滞在の人には付与されないものです。このカードには名前や生年月日、国籍、住居地、在留資格、在留期間などが記載され、顔写真も貼られています。就労制限の有無もあり、就労できない人は就労不可と書かれています。裏面を見れば資格外活動許可があるかどうか、在留資格の変更や期間の更新がなされているかが一目瞭然です。

当然のことながら偽造できないよう、ICチップが搭載されており、調べればすぐに偽造かどうかが分かります。また在留カード番号が存在しているので、このカードが本物かどうか、そこからも判断できます。コピーでチェックすればいくらでも偽造はできるので、必ず原本の在留カードをチェックし、それがなければ契約は絶対にしないと決めておきましょう。ついつい忘れてしまった、後日持ってくるといって許される代物ではありません。

2.就労資格証明書を提示してもらう

在留資格の有無を確認する場合、在留カードである程度のことが分かりますが、一方でこの職種はこの在留資格に該当するのか判断できないケースがあり、どのような活動が認められているのか困ってしまうことも多々あります。そこでおすすめなのが就労資格証明書を提示してもらうことです。就労資格証明書は、外国人が申請することでどんな活動が行えるのか、法務大臣の名前で証明してくれるものです。

これがあれば活動の具体的な範囲が示されるので、その中で仕事が行えます。在留資格とは違う仕事をさせて不法就労と扱われることがなくなります。しかし、在留カードと同等の扱いはなされず、在留カードが求められることに変わりはありません。

3.信頼できる人材紹介会社に依頼する

なぜ不法就労が起きるかといえば、雇用主側が知らないことだらけ、注意力不足など様々な部分が考えられます。最初から在留カードの確認を行い、ちゃんとした人物かどうかを把握できるシステムがあれば不法就労者を怖がることはないでしょう。そのためには、実績がある人材紹介会社に依頼することです。このような会社は在留カードを事前に出させ、在留資格の期限を完全に把握した上で人材を紹介し、期限の更新などの手続きをあちらで行ってくれます。

人材紹介会社はプロの集まりなので、不法労働助長罪がどのような罪か、どのような悪影響があるのかが痛いほど分かっています。もし自分たちが下手な仕事をすれば雇用主に多大な影響が出ることも理解済み。だからこそ、正規のルートで入ってきたちゃんとした外国人労働者を紹介できるというわけです。

4.在留資格の期限を定期的にチェックする

原本の在留カードをきちんと見て、それで採用を決めたという人もいるでしょう。しかし、その期限がうっかり切れ、それを知らずに働かせていればれっきとしたオーバーステイ、処罰の対象です。雇用契約を結んだ時点では在留資格の期限内でも、働いている中で過ぎれば同じこと。だからこそ、在留資格がいつまで与えられているのかをチェックしなければなりません。

残り3か月だとすれば、この3か月間でいつ延長の許可を申請するのか、いつまで働くつもりなのかなど色々と判断でき、企業によっては3か月では無理と断ることもできるはずです。在留資格の期限を知り、定期的に確認することは、オーバーステイ対策だけでなく、コミュニケーションの一環にもなることでしょう。

まとめ

オーバーステイ問題はどの企業でも起こりうる問題であり、近年多くの外国人労働者が日本を訪れる以上、毎日のように発生してもおかしくない話です。これを防ぐにはとにかくチェックを重ね、絶対にオーバーステイをした人物を会社から出さないという強い姿勢が問われます。1つのうっかりミスが逮捕者を生み、致命的な打撃を与えかねないことを、雇用主、採用担当者はしっかりと認識し、オーバーステイのニュースがあれば気を引き締めるぐらいがちょうどいいです。

著者 ビザマネメディア編集部

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