日本のインターンシップには様々な種類があり、それぞれ目的や経験が異なるため、学生はこの機会にその種類を理解することが大切です。
インターンシップは、学生に実践的な経験や業界を理解する機会を提供するために実施されるものであり、企業側も学生の成長を支援するものです。学生は感謝の気持ちと自己研鑽の姿勢を持って参加することが求められます。
留学生のインターンシップとは
留学生のインターンシップとは、日本国内の教育機関に在籍する外国人留学生や、海外の大学から来日した学生が、日本企業で一定期間の就業体験を行う制度です。企業にとっては将来の外国人採用につながる貴重な機会であり、留学生にとっては日本のビジネス文化を実地で学べる場となります。
近年、人手不足が深刻化する飲食業・物流業・人材派遣業などの分野では、外国人材の活用が経営課題となっています。インターンシップは、本採用の前段階として双方の相性を確認できる有効な手段として注目されています。
インターンシップの種類(無報酬型・有報酬型)
留学生のインターンシップは、報酬の有無によって大きく2つに分けられます。
- 無報酬型:大学の教育課程の一環として実施されるもので、報酬は発生しません。企業説明会やワークショップ形式の短期プログラムが中心です。無報酬の場合、資格外活動許可は原則として不要です。
- 有報酬型:アルバイトと同様の雇用形態で、3か月以上の長期にわたって行われることが多いインターンシップです。実際の業務に携わるため、企業は現場の雰囲気や適性をより深く把握できます。有報酬の場合、留学生は資格外活動許可の取得が必要になります。
どちらの形式を採用するかは、企業の目的やインターンシップの期間、業務内容に応じて検討しましょう。
日本におけるインターンシップの現状
日本では、海外と比較するとインターンシップの期間が短い傾向にあります。1日〜1週間程度の短期プログラムが主流で、これは就職活動の延長として位置づけられることが多いためです。一方、海外の大学ではインターンシップが卒業単位に直結するため、8週間〜12週間の長期プログラムが一般的です。
こうした背景から、海外の大学に在籍する留学生を受け入れる場合は、比較的長期のプログラムを設計する必要がある点に留意しましょう。また、2025年卒以降のインターンシップルール改正により、1日以内のプログラムは「オープン・カンパニー」に分類されるなど、制度面でも変化が生じています。
留学生インターンシップを受け入れる企業側のメリット
留学生をインターンシップで受け入れることには、企業にとって複数のメリットがあります。ここでは主な4つのメリットを解説します。
優秀な外国人材の早期発見・採用ミスマッチの防止
インターンシップは、将来有望な外国人材を早い段階で発見できる貴重な機会です。実際に業務に取り組む姿を見ることで、履歴書や面接だけでは把握しにくい人柄やスキル、チームとの相性を確認できます。
また、留学生にとっても企業の雰囲気や業務内容を体感できるため、正式に採用した後の「思っていた仕事と違った」というミスマッチを事前に防ぐ効果が期待できます。特に、外国人材は入社後の在留資格変更手続きなどにコストがかかるため、採用前にミスマッチを減らすことは企業にとって大きなメリットです。
社内の国際化・ダイバーシティの推進
外国人留学生をインターンとして受け入れることで、社内に多様な文化的背景を持つ人材が加わります。異なる視点やアイデアが日常業務に持ち込まれることで、イノベーションの促進や問題解決のアプローチの幅が広がります。
外国人の顧客や取引先が増加している企業にとっては、社内の国際化を進めるきっかけにもなります。インターンシップの段階から異文化コミュニケーションの経験を積むことで、将来的にグローバル展開を目指す際の基盤づくりにもつながるでしょう。
社員の育成・異文化対応力の向上
留学生のインターンを受け入れる過程で、指導役となる社員の育成効果も期待できます。業務の説明を多言語・異文化の視点で行う必要があるため、社員自身のマネジメントスキルやコミュニケーション力が自然と鍛えられます。
また、異なる文化や価値観を持つ人材との協働経験は、社員の視野を広げ、柔軟な対応力を身につけるきっかけになります。これは、今後ますます進むグローバル化への対応力として、企業全体の競争力強化に寄与します。
留学生の語学スキル・海外ネットワークの活用
留学生は母国語に加えて日本語や英語を操ることができるケースが多く、その語学スキルを社内の翻訳業務や多言語対応に活用できます。飲食業では外国人顧客への対応、物流業では海外取引先とのやり取りなど、具体的な業務での即戦力が期待できる場面もあります。
さらに、留学生が母国に持つネットワークは、将来的な海外進出や国際的なビジネスチャンスにつながる可能性も秘めています。
留学生インターンシップを受け入れる企業側のデメリット
一方で、留学生のインターンシップ受け入れにはデメリットも存在します。事前に把握しておくことで、適切な対策を講じることが可能です。
在留資格・資格外活動許可の手続き負担
留学生をインターンシップで受け入れる際には、在留資格の確認や資格外活動許可(在留資格とは、外国人が日本に滞在・活動するための法的な許可のこと)の取得状況を確認する必要があります。有報酬のインターンシップでは、留学生が資格外活動許可を取得済みかどうか、労働時間が上限を超えていないかなど、法的な確認事項が複数あります。
これらの手続きは日本人のインターン受け入れにはないプロセスであり、人事・総務担当者にとって追加の業務負担が発生します。特に、外国人を100人以上雇用する企業では、個々の在留資格の管理が煩雑になりやすい点に注意が必要です。
コミュニケーションや文化の違いへの対応コスト
留学生は異なる文化的背景を持っているため、日本人にとって当たり前のマナーや慣習が通じないことがあります。たとえば、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の習慣や、時間に対する感覚が異なる場合があるでしょう。
また、日本語力が十分でない留学生の場合、業務の説明や指示に通常よりも時間がかかることがあります。こうしたコミュニケーションコストを見込んだうえで、受け入れ体制を整えることが大切です。
受け入れ体制の整備にかかる時間と労力
留学生のインターンシップを効果的に運用するためには、業務マニュアルの多言語化や、指導担当者のアサイン、定期的なフィードバック体制の構築など、事前準備が必要です。
特に初めて外国人インターンを受け入れる企業では、社内ルールの整備や既存社員への事前説明も求められるため、準備に一定の時間と労力がかかります。
雇用期間が限定されやすい
インターンシップは教育課程の一環として行われるケースが多く、学期や休暇期間に合わせた限定的な期間での受け入れとなることが一般的です。そのため、長期的なプロジェクトに留学生を組み込むことが難しい場合があります。
また、海外の大学からのインターンシップの場合、在留資格「特定活動」の期間は1年を超えない範囲かつ修業年限の2分の1以内と定められているため、期間の制約にも留意が必要です。
留学生のインターンシップに必要な在留資格と法的手続き
留学生がインターンシップに参加する際には、在留資格の種類やインターンシップの形態に応じた法的手続きが求められます。ここでは、2025年2月現在の制度に基づいて、主なケースを解説します。
在留資格「留学」+資格外活動許可の場合
日本国内の大学や専門学校に在籍している留学生は、在留資格「留学」を保持しています。留学ビザの本来の目的は就学であるため、報酬を得るインターンシップに参加するためには、資格外活動許可を取得する必要があります。
資格外活動許可には「包括許可」と「個別許可」の2種類があります。
- 包括許可:週28時間以内(教育機関の長期休業期間中は1日8時間以内)の範囲でアルバイトやインターンシップに従事できます。風俗営業に該当する業種での就労は認められません。
- 個別許可:就職活動の一環として行うインターンシップで、週28時間を超える活動が必要な場合に取得します。対象は、卒業に必要な単位の9割以上を修得した大学4年生や、修士2年生・博士3年生などに限られます。
なお、大学の教育課程の一環として無報酬で行うインターンシップの場合は、資格外活動許可は原則不要です。
在留資格「特定活動」(告示9号)の場合
海外の大学に在籍する学生が、教育課程の一環として日本企業でインターンシップを行う場合は、在留資格「特定活動」(告示9号)を取得する必要があります。
この在留資格の主な要件は以下のとおりです。
- 学位が授与される教育課程に在籍していること(短期大学・大学院も対象)
- 入国時に18歳以上であること
- インターンシップの期間が1年を超えないこと、かつ修業年限の2分の1を超えないこと
- インターンシップの内容が学生の専攻科目と関連性があること
企業側は、インターンシップの内容・期間・報酬などの待遇を記載した資料を準備し、在留資格認定証明書の交付申請を行います。審査では、インターンシップが安価な労働力の供給源として悪用されていないかも確認されます。
企業が確認すべき労働時間の上限(週28時間ルール)
在留資格「留学」で資格外活動許可(包括許可)を受けた留学生がインターンシップに参加する場合、労働時間は原則として週28時間以内に制限されます。この28時間はアルバイトを含むすべての就労時間の合計であり、掛け持ちをしている場合はすべての就労先の合計が28時間以内でなければなりません。
また、28時間の起算日は特定の曜日に固定されておらず、「どの連続する7日間をとっても28時間以内」であることが求められます。たとえば月曜起算で28時間以内であっても、火曜起算で28時間を超えていれば違反となります。
この上限を超えて就労させた場合、留学生本人は資格外活動違反となり退去強制の対象になるおそれがあります。また、企業側も不法就労助長罪(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金)に問われる可能性があるため、労働時間の管理は厳格に行わなければなりません。
留学生のアルバイト雇用における注意点については、以下の記事もあわせてご覧ください。
外国人留学生をアルバイト採用するときの確認点・流れを徹底解説!
留学生インターンシップ受け入れ時の注意点
留学生のインターンシップ受け入れにあたっては、法令遵守はもちろん、実務上のさまざまな注意点があります。以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
在留カードの確認と不法就労リスクの回避
留学生をインターンシップで受け入れる前に、必ず在留カードの原本を確認してください。在留カードには、氏名・国籍・在留資格・在留期間・就労の可否などが記載されています。特に確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 在留資格の種類が「留学」または「特定活動」であるか
- 在留期間の満了日が過ぎていないか
- 裏面の「資格外活動許可欄」に許可の記載があるか(有報酬の場合)
近年、高度な偽造技術で作られた偽造在留カードが出回っています。目視だけでは判別が困難なケースも増えているため、在留カードのICチップ読み取りによる偽造チェックや、出入国在留管理庁の在留カード等番号失効情報照会を活用することが推奨されます。
在留カードの確認を怠った場合、企業が不法就労助長罪に問われるリスクがあります。2025年の入管法改正により罰則が厳罰化されていることもあり、確認作業は一層重要になっています。
不法就労助長罪の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
業務内容と在留資格の整合性チェック
インターンシップで留学生に任せる業務内容は、その留学生が保持する在留資格の活動範囲内に収まっている必要があります。たとえば、在留資格「特定活動」(インターンシップ)で来日した留学生に、専攻と無関係な単純作業のみを行わせることは、在留資格の趣旨に反する可能性があります。
また、インターンシップの名目で実質的には労働力として使役している場合、入管当局から問題視されることがあります。インターンシップの内容が留学生の学びにつながるものであるかを意識してプログラムを設計することが重要です。
学業とインターンシップのバランスへの配慮
留学生のインターンシップでは、学業への影響にも配慮が必要です。インターンシップの活動時間が長すぎると、留学生の本来の目的である学業に支障をきたすおそれがあります。
学業が疎かになると、在留資格「留学」の更新が認められなくなる可能性もあるため、企業としてはインターンシップのスケジュールを柔軟に設定し、試験期間やレポート提出時期には活動を調整するなどの対応が求められます。
留学生インターンシップを成功させるためのポイント
ここまでメリット・デメリットや注意点を見てきましたが、実際にインターンシップを成功に導くためには、いくつかの実務的なポイントがあります。
受け入れ目的と業務内容の明確化
インターンシップを開始する前に、受け入れの目的を社内で明確にしておくことが大切です。「将来の正社員採用の候補者を見極めたい」「社内の国際化を推進したい」「特定プロジェクトの人手を補いたい」など、目的によって最適なプログラム設計は異なります。
また、留学生に任せる業務内容は、具体的かつ明確に定義しましょう。曖昧な業務指示は、言語や文化の違いがあるなかではとくに誤解やトラブルの原因となります。業務マニュアルをわかりやすい日本語で作成したり、図やイラストを活用したりすることも効果的です。
定期的なフィードバックとコミュニケーション体制
インターンシップ期間中は、定期的に面談やフィードバックの機会を設けましょう。留学生にとっては、日本企業での業務は初めての経験であることが多く、日本人社員が想像する以上に不安や戸惑いを感じている場合があります。
週1回程度の振り返りミーティングを設定し、業務の進捗確認だけでなく、困っていることや改善してほしい点をヒアリングすることで、留学生の安心感と業務パフォーマンスの向上につながります。成功事例をフィードバックすることで、留学生のモチベーション維持にも効果的です。
留学生の在留資格管理を効率化するなら「ビザマネ」
留学生のインターンシップ受け入れにおいて、在留カードの確認や資格外活動許可の管理、在留期限のチェックなど、法令遵守のために必要な業務は多岐にわたります。外国人を多数雇用する企業ほど、これらの管理業務が属人化したりExcel管理では追いつかなくなったりするケースが増えています。
こうした課題を解決するのが、外国人雇用管理クラウドサービス「ビザマネ」です。ビザマネは、在留カードの偽造チェックから在留期限の一元管理までを一気通貫で行えるサービスで、外国人雇用の入社から退職までの労務管理をサポートします。
ビザマネでできること
ビザマネの主な機能は以下のとおりです。
- 在留カードの偽造チェック:スマートフォンに在留カードをかざすだけで、ICチップの情報を読み取り、偽造カードかどうかを判別できます。高度な偽造技術で作られたカードも検出可能です。
- 就労可否判定:在留カードのICチップ情報と指定書の内容をもとに、その場で留学生がアルバイトやインターンシップで就労可能かどうかを弁護士監修のロジックで判定します。
- 在留カード情報の自動データ化:読み取ったICチップ情報をクラウド上に自動登録し、在留期限の管理を効率化できます。在留期限が近づくとアラート通知を受け取ることも可能です。
- CSV出力・一覧管理:登録した外国人従業員のデータをCSVで出力でき、拠点ごとの管理や本社での一括確認にも対応しています。
インターンシップ受け入れ企業にビザマネが選ばれる理由
ビザマネが多くの企業に選ばれている理由は、専門知識がなくても安心して使える点にあります。在留資格の種類や資格外活動許可の有無など、外国人雇用に不慣れな担当者でも、アプリの画面に沿って操作するだけで適切な確認が完了します。
また、偽造チェックアプリは初期費用0円から利用可能です。お持ちのスマートフォン(NFC対応端末)にアプリをインストールするだけで始められるため、店舗や拠点が多い企業でも導入しやすい設計になっています。
留学生のインターンシップ受け入れ時の在留カード確認から、採用後の在留期限管理まで、外国人雇用にまつわるコンプライアンスリスクをまとめて軽減したい企業は、ぜひビザマネの導入をご検討ください。
まとめ
留学生のインターンシップ受け入れは、優秀な外国人材の早期発見や社内の国際化推進、採用ミスマッチの防止など、企業に多くのメリットをもたらします。一方で、在留資格の確認や資格外活動許可の管理、文化の違いへの対応といったデメリット・注意点も存在します。
特に、在留資格「留学」の留学生が有報酬のインターンシップに参加する場合は、資格外活動許可の取得状況と週28時間の労働時間上限を必ず確認してください。確認を怠ると不法就労助長罪に問われるリスクがあるため、在留カードの偽造チェックや在留期限の管理を仕組み化しておくことが重要です。
留学生のインターンシップを成功させるためには、受け入れ目的の明確化、業務内容の具体化、定期的なフィードバック体制の整備がポイントです。法令遵守と留学生への適切なサポートを両立させることで、企業と留学生の双方にとって実りあるインターンシップを実現しましょう。
外国人材の定着化に必要な教育・フォローについては、以下の記事もぜひ参考にしてください。


