外国人の就労ビザ(在留資格)の期間を在留資格別に一覧で解説します。技術・人文知識・国際業務や特定技能などの在留期間、期間が決まる基準、更新手続きの流れ、2025年の制度改正情報、企業の管理ポイントまで網羅。在留期間の管理ミスによる不法就労リスクを防ぎたい人事・総務担当者必見の内容です。
就労ビザ(在留資格)とは?期間の基本を押さえよう
外国人を雇用するうえで必ず理解しておきたいのが、就労ビザの在留期間です。在留期間を正しく把握していなければ、知らないうちに不法就労の状態が生まれ、企業側が不法就労助長罪に問われるリスクがあります。まずは就労ビザと在留期間の基本を確認しましょう。
就労ビザと在留資格の違い
「就労ビザ」は一般的な通称であり、正式には「在留資格」と呼ばれます。「就労」という名称の在留資格は存在せず、外国人が日本で報酬を得て働くために必要な在留資格を総称して「就労ビザ」と呼んでいます。2025年1月現在、就労が認められる在留資格は19種類に分類されており、それぞれ従事できる業務内容や在留期間が異なります。
在留資格(ざいりゅうしかく)とは、外国人が日本に滞在するために必要な法的な資格のことです。在留資格ごとに日本で行える活動内容が定められており、在留資格に合致しない活動を行うと不法就労に該当します。
また、永住者・定住者・日本人の配偶者等といった「身分に基づく在留資格」を持つ外国人には就労制限がないため、就労ビザの取得は不要です。企業の担当者は、採用予定の外国人がどの在留資格を持ち、どのような就労が認められているかを正確に把握することが重要です。
在留期間とは
在留期間とは、外国人が日本に滞在することを許可された期間のことです。就労ビザを含むほとんどの在留資格には、複数の在留期間が設定されています。たとえば「技術・人文知識・国際業務」であれば「5年・3年・1年・3か月」のいずれかが付与されます。
どの期間が付与されるかは、出入国在留管理庁(入管)の審査によって決まります。申請者本人の希望通りの期間が認められるとは限らず、企業の規模や雇用契約の内容、外国人本人の在留状況などが総合的に考慮されます。在留期間が満了する前に更新手続きを行わなければ、不法滞在(オーバーステイ)となるため、期限管理は企業にとって極めて重要な業務です。
【一覧表】在留資格別・就労ビザの在留期間まとめ
ここでは、企業が外国人を雇用する際によく利用される主要な在留資格について、在留期間を一覧で整理します。
主要な就労ビザの在留期間一覧
以下は、2026年2月現在の主要な就労ビザの在留期間です。
| 在留資格 | 在留期間 | 更新制限 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 5年、3年、1年、3か月 | 更新回数の制限なし |
| 技能 | 5年、3年、1年、3か月 | 更新回数の制限なし |
| 経営・管理 | 5年、3年、1年、4か月、3か月 | 更新回数の制限なし |
| 特定技能1号 | 3年、1年、6か月、4か月 | 通算で原則5年が上限 |
| 特定技能2号 | 3年、2年、1年、6か月 | 更新回数の制限なし |
| 企業内転勤 | 5年、3年、1年、3か月 | 更新回数の制限なし |
| 介護 | 5年、3年、1年、3か月 | 更新回数の制限なし |
| 高度専門職1号 | 5年 | 一律5年 |
| 高度専門職2号 | 無期限 | 無期限 |
上記のとおり、多くの就労ビザでは最長5年の在留期間が設定されています。ただし、初回の申請で5年が付与されることは稀であり、1年からスタートするケースが一般的です。
特定技能の在留期間と通算ルール
特定技能は、国内の人手不足が深刻な産業分野で外国人材を受け入れるために創設された在留資格です。飲食料品製造業や外食業、介護、建設など16分野が対象となっています。
特定技能1号は通算で原則5年が上限とされており、この「通算」には失業中の期間や一時帰国の期間も含まれます。ただし、2025年9月30日の運用要領改正により、産休・育休や病気療養などの期間は申請により通算から除外できるようになりました(詳細は後述)。
特定技能2号は、1号よりも高度な技能を持つ外国人が対象であり、在留期間の更新回数に制限がありません。つまり、更新を続ける限り日本で長期間にわたって就労することが可能です。
高度専門職の在留期間
高度専門職は、学歴・職歴・年収などの項目をポイント制で評価し、合計70点以上の場合に認められる在留資格です。高度専門職1号の在留期間は一律5年であり、通常の就労ビザと同じ最長期間が最初から付与されます。さらに、高度専門職1号で3年以上在留した場合、高度専門職2号への変更が可能となり、2号の在留期間は無期限です。
高度専門職は入国・在留手続きの優先処理や複合的な在留活動の許可など、さまざまな優遇措置があるため、高度な技術や専門性を持つ外国人材の採用を検討する企業にとっては有力な選択肢といえます。
就労ビザの在留期間はどう決まる?審査基準と長期取得のポイント
在留期間は出入国在留管理庁の裁量によって決定されますが、一定の判断基準があるとされています。ここでは、在留期間の長さに影響する主要な要素を解説します。
在留期間を決める4つの判断要素
在留期間の決定に影響するとされる主な要素は以下の4つです。
・受入れ企業の規模・安定性:上場企業や源泉徴収税額が1,000万円以上の企業(入管のカテゴリー1・2に該当する企業)ほど、長期の在留期間が付与されやすい傾向があります
・雇用契約の内容:無期雇用(正社員)であれば長期の在留期間が付与されやすく、有期雇用の場合は契約期間に応じた在留期間となる場合があります
・外国人本人の素行・在留状況:納税義務の履行、届出義務の遵守、犯罪歴の有無などが審査されます。届出義務とは、転職や住所変更の際に入管や市区町村に届け出る義務のことです
・学歴・職歴と業務内容の関連性:外国人の専門性と実際に従事する業務の関連性が高いほど、長期の在留期間が付与されやすくなります
5年・3年・1年の振り分けの目安
明確な公式基準は公表されていませんが、実務上の傾向として以下のような目安が知られています。
・5年:入管のカテゴリー1・2に該当する大企業で、無期雇用かつ本人の在留状況に問題がない場合に付与される可能性が高まります
・3年:カテゴリー3以上の企業で、安定した雇用実績がある場合に付与されることが多いとされています
・1年:初回申請の場合や、中小企業での雇用、転職直後の場合などに付与されやすい傾向があります
初回の就労ビザで1年が付与された場合、次回以降の更新で1年→1年→3年→5年と段階的に長期化していくケースが一般的です。3年が付与された場合は、3年→3年→5年となることが多いとされています。
在留期間の更新手続き|申請のタイミングと必要書類
就労ビザの在留期間は有限であるため、継続して日本で働くためには期間満了前に更新手続き(在留期間更新許可申請)を行う必要があります。
更新申請のスケジュール
在留期間更新許可申請は、原則として在留期間満了日の3か月前から申請が可能です(在留期間が6か月以上の場合)。在留期間が6か月未満の場合は、おおむね期間の2分の1が過ぎた段階から申請できます。
審査期間は、同じ勤務先で引き続き働いている場合は2週間〜3週間程度で許可が下りることが多いとされています。一方、転職などで勤務先が変わっている場合は、業務内容の確認が必要となるため1か月以上かかることがあります。
なお、在留期間の満了日までに審査結果が出ない場合でも、更新申請中であれば満了日から2か月間は「特例期間」として合法的に在留が認められます。ただし、この特例に頼ることなく早めに申請を行うことが重要です。
更新に必要な書類
在留期間更新許可申請に一般的に必要となる書類は以下のとおりです。
・在留期間更新許可申請書
・パスポートおよび在留カードの原本
・申請用写真(1葉)
・直近の住民税の課税証明書・納税証明書
・雇用契約書や在職証明書
・会社の登記事項証明書、決算報告書など
企業の規模(入管のカテゴリー区分)によって、提出が必要な書類の範囲が異なります。カテゴリー1・2に該当する大企業では書類の一部が省略されることがあります。
更新が不許可になるケース
在留期間の更新は必ず許可されるわけではありません。以下のような場合には不許可となるリスクがあります。
・在留資格に合致しない業務に従事していた場合(例:技術・人文知識・国際業務の在留資格で単純労働に従事していた等)
・納税義務を怠っていた場合
・届出義務に違反していた場合(転職時の届出漏れなど)
・給与が著しく低く、安定した生活が困難と判断される場合
・犯罪歴がある場合
企業としては、雇用している外国人が在留資格に合致した業務に従事しているか、納税や届出の義務を適切に履行しているかを日頃から確認しておくことが大切です。
【2026年最新】特定技能の在留期間に関する制度改正
2025年は特定技能制度に関する大きな制度改正が行われた年です。外国人を特定技能で雇用している企業、またはこれから受け入れを検討している企業は、必ず最新の運用要領を確認してください(2026年2月現在の情報に基づいて記載しています)。
通算5年ルールの柔軟化
2025年9月30日の運用要領改正により、特定技能1号の通算5年ルールに柔軟化が図られました。具体的には、以下の期間について申請により通算在留期間から除外できるようになっています。
・産前産後休業および育児休業を取得した期間
・業務上の災害(労災)による休業期間(最長3年)
・個人的な傷病による休業期間(連続1か月超、最長1年)
・新型コロナウイルス感染拡大による上陸拒否期間
ただし、これらの除外は自動的に適用されるものではなく、在留期間の更新申請時などに医師の診断書等の証明書類を提出し、入管に認められる必要があります。企業の担当者は、該当する外国人従業員がいる場合に適切な申請を支援することが求められます。
在留期間の最長3年への延長
従来、特定技能1号の1回あたりの在留期間は「1年を超えない範囲」とされていましたが、改正後は「3年を超えない範囲」で付与できるようになりました。これにより、更新の頻度が減り、企業・外国人双方の事務負担が軽減されることが期待されます。
特定技能2号についても、新たに「2年」の在留期間が追加され、3年・2年・1年・6か月のいずれかが付与されるようになっています。
2号挑戦者の最長6年在留
特定技能2号の技能試験を受験する外国人については、一定の条件を満たす場合、特定技能1号として最大6年まで在留が認められるようになりました。主な条件としては、2号試験を受験し合格点の8割以上を取得していること、引き続き2号合格を目指す意思があること、受入れ企業が継続雇用と試験対策支援の体制を持っていることなどが挙げられます。
この制度により、特定技能1号の「5年の壁」が事実上緩和され、企業は長期的な人材育成計画を立てやすくなりました。ただし、対象となる分野は限定されており、すべての特定技能分野に適用されるわけではない点に注意が必要です。
在留期間の管理を怠ると?企業が負うリスク
在留期間の管理は、外国人を雇用する企業にとってコンプライアンス上の最重要項目の一つです。管理を怠った場合に企業が負うリスクを確認しておきましょう。
不法就労助長罪のリスク
在留期間が満了した外国人を引き続き就労させた場合、たとえ故意でなくても「不法就労助長罪」(入管法第73条の2)に問われる可能性があります。この罪が適用された場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。
「知らなかった」「うっかり見落としていた」という弁明は通用しないケースがあり、在留カードの確認を怠っていた等の過失がある場合にも処罰される場合があります。外国人を雇用するすべての企業にとって、在留期間の期限管理は法的義務ともいえる重要な業務です。
不法就労助長罪について、詳しくは以下のビザマネメディアの記事もあわせてご確認ください。
外国人労働者の不法就労・不法滞在はこうして防げ! – ビザマネ
行政指導・企業名公表のリスク
不法就労が発覚した場合、刑事罰だけでなく行政指導の対象となる可能性もあります。また、入管法の改正により、不法就労助長行為を行った企業については企業名が公表される制度も設けられています。企業名の公表は、社会的信用の低下や取引先との関係悪化につながりかねません。
特に、飲食・物流・人材派遣といった業界では外国人労働者の割合が高く、管理の対象人数が多いため、一つの管理ミスが重大なコンプライアンス問題に発展するリスクがあります。
在留期間の管理を効率化する方法
外国人を多数雇用する企業では、在留期間を適切に管理するための仕組みづくりが不可欠です。ここでは、管理方法とその課題を整理します。
管理台帳やExcelでの管理の限界
多くの企業では、Excelや紙の管理台帳を用いて在留期間を管理しています。少人数であればこの方法でも対応可能ですが、外国人従業員が100人を超える規模になると、以下のような課題が生じやすくなります。
・更新期限の見落としや確認漏れが発生しやすい
・複数拠点での情報共有がリアルタイムにできない
・偽造在留カードを見抜く仕組みがない
・在留カード情報の入力・更新の属人化
・監査時に確認証跡を即座に提示できない
就労管理システムの活用
こうした課題を解決する手段として、就労管理システムの導入を検討する企業が増えています。就労管理システムを導入することで、在留カードの偽造チェックや就労可否の自動判定、在留期間の更新アラート、モバイルでの書類回収、多拠点でのリアルタイム情報共有など、管理業務の効率化と正確性の向上が期待できます。
たとえば、DXHUB株式会社が提供する「ビザマネ」は、在留カードのICチップ読み取りによる偽造チェック機能や、在留期限のアラート機能、拠点別の管理ダッシュボードなどを搭載した外国人就労管理システムです。本社・店舗・派遣元の間でリアルタイムに情報を共有できるため、拠点長の負担を軽減しながら、確実な在留期間管理を実現できます。
ビザマネについて詳しくは以下のサービスサイトをご確認ください。
また、外国人就労管理システムの比較については、以下の記事で詳しく解説しています。
外国人就労管理システム比較10選:用途別の選び方と注意点を解説
まとめ
本記事では、外国人の就労ビザ(在留資格)の期間について、在留資格別の一覧から更新手続きの流れ、2025年の制度改正情報、企業の管理ポイントまで幅広く解説しました。
就労ビザの在留期間は在留資格の種類によって異なりますが、多くの場合「5年・3年・1年・3か月」のいずれかが付与され、実際にどの期間が付与されるかは企業の規模や雇用形態、外国人本人の在留状況などによって変わります。
特に注意したいのは、在留期間の管理を怠ると不法就労助長罪に問われるリスクがある点です。外国人を100人以上雇用する企業では、Excelや紙の管理台帳だけでは管理が追いつかなくなるケースが少なくありません。在留期間の期限管理を確実に行うためにも、就労管理システムの導入を含めた管理体制の見直しをおすすめします。
在留カードの基本については、以下のビザマネメディアの記事もあわせてご確認ください。


