日本人でも不法就労に関係ある?不法就労助長罪とは。罰則・対象や在留カードの確認方法を解説

執筆者 1月 7, 2026在留資格コメント0件

  1. Home
  2. /
  3. 在留資格
  4. /
  5. 日本人でも不法就労に関係ある?不法就労助長罪とは。罰則・対象や在留カードの確認方法を解説

近年、日本での外国人労働者は増加傾向にあり、彼らを雇用する企業側はリスクを正しく把握することが重要となっています。特に、外国人が不法就労を起こしてしまった際に雇用する企業が罪に問われる不法就労助長罪は、多大な損失を生み出しかねない罰則です。この記事では、外国人を雇用する上でリスクとなる、不法就労助長罪について、罰則と対象、在留カードの確認方法について解説しています。

不法就労は日本人にも影響する?不法就労助長罪とは

不法就労助長罪とは、在留資格で認められていない労働をさせるなどの、不法就労を助長する行為を指す犯罪です。

昨今の日本では海外からの労働者が増加しています。外国人の雇用は働き手が格段に増える点は優秀ですが、様々な課題を解決しなければ運用が困難だといえます。特に、外国人の不法就労は最も恐れるべきリスクです。不法就労は当人だけの問題だけではなく、雇用した企業に対しても罰則が及ぶ可能性があるのです。その罰則が、不法就労助長罪となります。この記事では、不法就労と不法就労助長罪の詳しい罰則・対象、リスクを回避する方法について解説していきます。

不法就労助長罪による企業のリスク

不法就労助長罪の恐ろしい点は、雇用する企業側に多大な罰則が及ぶことです。雇用している外国人の不法就労が発覚した際、企業側が「知らない」としても在留カードの確認不足として罰則対象となってしまいます。また2025年6月から罰則が「5年以下の拘禁刑(懲役・禁錮)または500万円以下の罰金(または併科)」となり、初犯だとしても重刑が科される可能性が高くなりました。これらリスクは、外国人の在留資格と身分を証明する「在留カード」を正しく確認することで回避できます。外国人を雇用する際は十分に注意しましょう。

不法就労の罰則と3つのケース

まずは、不法就労自体について解説していきます。

不法就労の罰則について

不法就労を行った本人への罰則は、基本的に国外への強制送還と入国拒否です。入国拒否期間は始めて強制送還された場合が5年、それ以降は10年となります。他にも、初犯かつ不法就労だと摘発される前に出頭した場合は1年(出国命令)となるケースもあります。

また、強制送還を拒む場合や、より重罪とされる場合、「1年以下の懲役、または200万円以下の罰金(または併科)」の刑罰が下される可能性があります。

罰則に該当する3つのケース

不法就労に該当するケースは「不法滞在している・退去強制を命じられている外国人の労働」「就労が認められていない外国人の労働」「認められた就労外での外国人の労働」の3つが挙げられます。

1.退去強制が決まっている・不法滞在している外国人の労働

「退去強制」とは、「退去強制事由」という入管法の規則に沿って行われる行政処分です。この処分が下されると、手続きの後に海外(主に外国人の母国)へ強制送還されてしまいます。強制送還の前段階と考えると分かりやすいでしょう。退去強制が決まっている中、労働を行うと不法就労に該当します。

また、不法滞在を行っている外国人が労働した場合も、不法就労に該当します。

2.就労が認められていない外国人の労働

出入国在留管理庁から資格外活動許可が出ていない留学生は、就労することができません。卒業証書を証明に、在留資格を変更することで就労が可能となりますが、変更前に就労しようとするケースがあるのです。留学生の就労トラブルは発生しやすいので、留意しておきましょう。

また、難民認定を申請中の外国人による労働も、不法就労に該当します。

下記のURLは、出入国在留管理庁の公式サイトです。

出入国在留管理庁ホームページ

3.認められた就労外での外国人の労働

基本的に外国人労働者は、在留資格によってどの職業に就くかが決められています。例として、「教育」の在留資格では、小・中・高等学校での教師として就労が認められていますが、大学教員や予備校講師といった職業に就くことは認められていません。大学教師は「教授」、予備校講師は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格によって就労が可能となり、「教育」在留資格の範囲ではないのです。こうした、在留資格で認められていない職業で労働してしまうと、不法就労に該当してしまいます。

不法就労助長罪の罰則と3つのケース

次に、不法就労助長罪について解説していきます。

不法就労助長罪の罰則について

不法就労助長罪の罰則は、「5年以下の拘禁刑(懲役・禁錮)または500万円以下の罰金(または併科)」となります。不法就労を行った本人よりも、重刑となるケースが多いです。

不法就労助長罪に該当する3つのケース

不法就労助長罪に該当するケースは、「不法就労に該当する外国人の雇用」「不法就労の強制」「不法就労の斡旋(あっせん)」の3つが挙げられます。これらに該当すると知らない場合でも、罰則の対象となってしまうので必ず覚えておきましょう。

1.不法就労に該当する外国人の雇用

最も気をつけるべきケースは、前述の不法就労に該当した外国人を雇用してしまうことでしょう。3つのケースの内、唯一知らない内に違反してしまうリスクがあるのです。在留カードの確認によって防げるリスクなので、決して怠らない様にしましょう。

2.不法就労の強制

不法就労を強制した場合も、罰則の対象となります。例として、資格外活動許可が下りた留学生は原則、週に28時間までしか労働することができませんが、それ以上の労働を強いると罪に問われる訳です。外国人の適正な労働範囲を理解し、必要以上に働かせないことが大切となります。

3.不法就労の斡旋(あっせん)

雇用側とは直接関係はありませんが、不法就労の斡旋を行った場合も罰則の対象となります。斡旋とは、雇用者と求職者の間に入り、雇用関係を成立させられる様取り計らう行為のことです。直接雇用関係を取り持った仲介業者だけでなく、宿の提供やパスポートを預かった人物も罪に問われます。

企業が外国人雇用を行う場合に実施すべき対策_在留カードの確認方法

ここまで、不法就労と不法就労助長罪について解説してきましたが、実際に外国人雇用を行う場合のリスクを回避する方法を知りたい方も多いでしょう。一番確実な方法は、在留カードを正しく確認することです。在留カードには在留資格や身分など、外国人が日本国内で活動するために必要な情報が記載されています。また、カードの真偽を判別する方法が存在し、ほぼ確実に不法就労は防げるのです。仮に偽物が精巧で見抜けないとしても、正しく確認を行ったと証明できれば、過失なしとして罪に問われることはないでしょう。ここでは、雇用の際に必ず行わなければならない、在留カードの確認方法について解説していきます。

在留カード確認で押さえるべきポイント

在留カードには、雇用の際に確認すべきポイントがあります。それは、「有効期限」「在留資格の種類と労働制限」「資格外活動許可」です。

・カードの有効期限を確認

まずは、カードの有効期限が切れていないかを確認します。在留カード表面下部に、有効期限が記載されているので失効していないかを判別できます。また出入国在留管理庁の公式サイトにて、在留カードの表面右上に記載されている番号を照会することによっても、失効していないかを判別できます。

在留カードの有効期限を確認できる公式サイトです。

※土日祝を除く、毎日午後6時半から午後9時半までは使用不可

出入国在留管理庁在留カード等番号失効情報照会

・在留資格の種類と労働制限の確認

在留カード表面中央部には、在留資格と労働制限についての記載があります。この2つの組み合わせによって、確認方法が変わるので注意しましょう。

労働制限は、「就労不可」「在留資格に基づく就労活動のみ可」「指定書により指定された就労活動のみ可」「就労制限なし」のいずれかが記載されています。「指定書により指定された就労活動のみ可」以外は、基本的に在留カードのみを確認すれば判断が可能です。

特筆する点として、在留資格が「特定技能」の「在留資格に基づく就労活動のみ可」、そして在留資格が「特定活動」の場合に記載される「指定書により指定された就労活動のみ可」は、法務大臣が個々に指定した活動などが記載された指定書があり、そちらを確認しましょう。

また、「就労不可」「在留資格に基づく就労活動のみ可」によって認められていない就労に関しても、後述の資格外活動許可によって就労が可能となる場合があります。

・資格外活動許可の確認

在留カード裏面下部に記載された、資格外活動許可欄も忘れずに確認しておきましょう。

記載については、

「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く。)」

「許可(「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」に該当する活動・週28時間以内)」

「許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動)」

の3つがあります。

これらが記載されていた場合、「就労不可」「在留資格に基づく就労活動のみ可」によって認められていない就労が可能となります。特に、在留資格が「留学」「研修」「短期滞在」「文化活動」「家族滞在」の場合、この資格外活動許可がないと就労できません。

在留カードがなくても就労できるケース

原則、在留カードがなければ就労ができません。しかし、一部例外も存在するので覚えておきましょう。

以下が、在留カードがなくても就労できるケースとなります。

・パスポートに後日在留カードを交付する旨の記載がある

・3ヶ月以下の在留期間が付与されている

・「外交」「公用」などの在留資格がある

これらは、パスポートによって判断が可能です。

偽造カードの確認方法

在留カードが偽物でないかを確認するには、4つのポイントを押さえましょう。

1.「MOJ」周囲の模様の色を確認

証明写真左隣に書かれた「MOJ」周囲の模様は、カードを上下方向に傾けることで緑からピンク色に変化します。

2.証明写真下部のホログラムを確認

証明写真下部にあるホログラムは、見る角度を変えることで白黒が反転します。

3.表面左端にある模様を確認

カード表面左端を縦断する模様は、上下方向に傾けることで緑からピンク色に変化します。

4.裏面の透かし文字を確認

カード裏面に、表面から光を当てることで「MOJMOJ…」の透かし文字が浮かび上がります。

なお確認の際、出入国在留管理庁の公式サイトにて無料でダウンロードが可能な、「在留カード等読取アプリケーション」を使用することが望ましいです。このアプリによって、在留カードのICチップ内に保存されている身分事項や顔写真などの情報を読み取ることができます。全く別人の情報が保存されていたり、そもそも読み取れなければ、ICチップの故障または偽造だと判別できるのです。不法就労のリスクを回避するには、うってつけのアプリだといえます。

下記の公式サイトで「在留カード等読取アプリケーション」がダウンロードできます。

在留カード等読取アプリケーション サポートページ | 出入国在留管理庁

外国人雇用のリスクを回避。外国人雇用管理ならビザマネ

外国人をリスクなく雇用したい方におすすめなのが、外国人労務管理システム「ビザマネ」です。「ビザマネ」は、外国人雇用の際に発生する管理工数を大幅に削減できます。雇用で最も気をつけるべき在留カードも、「在留カード等読取アプリケーション」を元に作成された専用アプリによって、偽造判定や就労可否を簡単かつ正確な確認が可能です。また、雇用が始まってから必要な、外国人雇用状況届出書の自動作成や在留カードの期限に応じた自動アラート機能など、外国人就労に寄り添った機能も搭載されています。

現在、無料トライアルを実施中です。外国人を雇用している・これから雇用したい方はぜひ一度、お問い合わせ下さい。

ビザマネ公式サイト

まとめ

この記事では、不法就労助長罪とその対策について解説してきました。根幹となる不法就労は、退去強制や不法滞在から在留資格による労働の範囲など、国によって認められていない労働によって発生してしまいます。罪を犯した外国人は、基本的に強制送還されてしまい、5年以上日本に入国することはできません。

そして不法就労が発生すると、本人の他にも雇用した企業や職を斡旋した第三者、宿の提供やパスポートの預かりを行った人物まで、不法就労助長罪の罪に問われてしまうのです。これによる罪は、「5年以下の拘禁刑(懲役・禁錮)または500万円以下の罰金(または併科)」で、初犯でも重刑に科される可能性があります。

不法就労助長罪によるリスクを回避するために、雇用する企業が実施しなければならない対策が、在留カードの正確な確認です。「有効期限」「在留資格の種類と労働制限」「資格外活動許可」の3点を抑えることで、カード自体の就労可否を判断することができます。しかし、偽造の可能性も考えられるので、出入国在留管理庁の公式アプリ「在留カード等読取アプリケーション」を利用することが望ましいです。

外国人雇用には様々なリスクを伴い、どうしてもハードルが高くなります。そのリスクさえ回避できれば、働き手を増やす上で頼もしい戦力となるでしょう。この記事を参考に、外国人雇用について、一考してみてはいかがでしょうか。

著者 ビザマネコラム編集部

0コメント

その他の興味深い記事

外国人就労管理システムとは?在留期限・資格情報を一元管理し担当者の負担を軽減する方法

外国人就労管理システムとは?在留期限・資格情報を一元管理し担当者の負担を軽減する方法

外国人労働者の受け入れが拡大する中、企業に求められるのが適正な就労資格の確認と在留期限の管理です。本記事では、建設業で特定技能者を受け入れる際に欠かせない外国人就労管理システムについて詳しく解説します 外国人就労管理システムとは...

続きを読む