育成就労制度の対象職種とは?16分野の業種一覧と技能実習との違いを徹底解説

執筆者 1月 15, 2026在留資格コメント0件

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育成就労制度とは

育成就労制度とは、2024年6月の入管法改正により創設された、技能実習制度に代わる新たな外国人材受け入れ制度です。2027年4月1日に施行される予定となっています。

従来の技能実習制度が「国際貢献としての人材育成」を目的としていたのに対し、育成就労制度は「人材確保と人材育成」を明確な目的として掲げています。原則3年間の就労を通じて、特定技能1号の技能水準を持つ人材を育成することを目指します。

育成就労制度の大きな特徴は、特定技能制度との連続性が確保されている点です。育成就労を修了した外国人は、試験に合格することで特定技能1号に移行でき、さらに特定技能2号へとキャリアアップする道が開かれています。

育成就労制度の対象職種(育成就労産業分野)とは

育成就労制度の対象職種は「育成就労産業分野」と呼ばれ、特定技能制度の受け入れ分野である「特定産業分野」と原則一致することが決まっています。これは、育成就労から特定技能へのスムーズな移行を実現するための制度設計です。

2025年1月現在、特定産業分野は以下の16分野で構成されています。2024年3月の閣議決定により、従来の12分野に「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野が追加されました。

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育成就労制度の対象16分野一覧

育成就労制度で受け入れが想定される16分野は以下のとおりです。

・介護

・ビルクリーニング

・工業製品製造業(旧:素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)

・建設

・造船・舶用工業

・自動車整備

・航空

・宿泊

・農業

・漁業

・飲食料品製造業

・外食業

・自動車運送業(2024年追加)

・鉄道(2024年追加)

・林業(2024年追加)

・木材産業(2024年追加)

ただし、国内での育成になじまない分野については、育成就労の対象外となる可能性があります。

技能実習制度との職種の違い

技能実習制度と育成就労制度では、対象となる職種の考え方が大きく異なります。この違いを理解することは、外国人材の採用計画を立てる上で非常に重要です。

技能実習制度の職種構成

技能実習制度では、2号移行対象職種として91職種168作業が設定されています。職種が細分化されているため、外国人が従事できる業務範囲が限定的でした。また、全90職種のうち約30%にあたる27職種47作業は、対応する特定産業分野がなく、試験免除で特定技能に移行できないという課題がありました。

育成就労制度における職種の整理

育成就労制度では、技能実習の職種を機械的に引き継ぐのではなく、特定技能の「業務区分」に基づいて対象分野を新たに設定します。従事できる業務の範囲も特定技能の業務区分と同一となり、より幅広い業務に携わることが可能になります。

この制度変更により、育成就労から特定技能への移行がスムーズになり、外国人材を長期的に雇用できる環境が整備されます。

育成就労制度の対象外となる可能性のある職種

技能実習制度では受け入れ可能だった職種でも、育成就労制度では対象外となるケースがあります。出入国在留管理庁のQ&Aによると、2025年1月現在で以下の3職種は育成就労産業分野の対象としていないことが明らかになっています。

・クリーニング職種(一般家庭用クリーニング作業)

・空港グランドハンドリング職種

・ボイラーメンテナンス職種(ボイラーメンテナンス作業)

これらの職種については、分野所管行政機関が育成就労産業分野への追加の必要性を引き続き検討することになっています。現在これらの職種で技能実習生を受け入れている企業は、今後の動向に注意が必要です。

産業分類の不一致による受け入れ不可のケース

育成就労制度では、職種だけでなく「産業分類」も合致している必要があります。例えば、スーパーマーケットのバックヤードで刺身の加工を行う場合、技能実習制度では「飲食料品製造」の職種として受け入れが可能でした。しかし、スーパーマーケットは小売業に分類されるため、育成就労制度では飲食料品製造業分野に該当せず、受け入れができない可能性があります。

同様に、自動車用プラスチック成形やゴム製品製造を主な業務とする職場でも、産業分類によっては移行できない問題が発生する可能性があります。

各分野の具体的な業務内容

育成就労制度の16分野における主な業務内容を解説します。各分野の特性を理解し、自社での活用可能性を検討してください。

介護分野

介護施設における身体介護(入浴・食事・排泄介助など)や、レクリエーションの実施、利用者の機能訓練補助などが対象業務です。2025年4月からは訪問系サービスへの従事も認められるようになりました。介護分野は特定技能2号の対象外となるため、長期就労を目指す場合は介護福祉士資格の取得が必要です。

建設分野

建設分野では、従来19区分に細分化されていた業務区分が「土木」「建築」「ライフライン設備」の3区分に再編されました。鉄筋施工、型枠施工、とび、左官、配管など幅広い建設作業が対象となります。

飲食料品製造業分野

酒類を除く食材・加工食品の製造が対象です。食材の加工、包装、検品、出荷などの業務に従事します。2024年3月の閣議決定により、総合スーパーマーケットや食料品スーパーマーケットがバックヤードで食料品製造を行う場合も対象に追加されました。

外食業分野

飲食店における接客、調理、店舗管理などの業務が対象です。特定技能2号への移行にはマネジメント経験が必要で、日本語能力試験N3以上の合格も求められます。

自動車運送業分野(2024年追加)

バス、タクシー、トラックの運転業務が対象です。5年間で最大24,500人の受け入れが見込まれており、第二種運転免許や大型免許の取得が必要となります。運転業務の性質上、高い日本語能力が求められます。

鉄道分野(2024年追加)

運輸係員(運転士・車掌・駅係員)、軌道整備、電気設備整備、車両製造、車両整備の5区分があります。運輸係員はお客様対応が重要なため、日本語能力試験N3以上が必須要件です。

育成就労制度で企業が準備すべきこと

2027年4月の制度施行に向けて、外国人材を受け入れる企業は以下の準備を進める必要があります。

自社の産業分類と対象分野の確認

まず、自社が育成就労産業分野のどの分野に該当するかを確認してください。技能実習で受け入れていた職種でも、産業分類が合致しない場合は育成就労での受け入れができない可能性があります。

監理支援機関との連携

育成就労制度では、監理団体に代わり「監理支援機関」が設置されます。監理支援機関は外部監査人の設置が義務付けられるなど、より厳格な基準が適用されます。信頼できる監理支援機関との早期の連携構築が重要です。

転籍への対応準備

育成就労制度では、一定の要件を満たせば外国人本人の意向による転籍が認められます。転籍を防ぐためには、適切な労働条件の整備や、働きやすい職場環境の構築が求められます。

在留カード管理体制の整備

育成就労制度の施行に伴い、不法就労助長罪も厳罰化されました。従来の「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」から「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科」に引き上げられています。過失であっても罰則対象となるため、在留カードの適切な管理体制を整備することが不可欠です。

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まとめ

育成就労制度は2027年4月1日に施行され、対象職種は特定技能の16分野と原則一致します。技能実習制度で受け入れ可能だった一部の職種(クリーニング、空港グランドハンドリング、ボイラーメンテナンス等)は対象外となる可能性があるため、現在これらの職種で外国人材を受け入れている企業は注意が必要です。

育成就労制度では、特定技能への移行を前提とした制度設計により、外国人材の長期的な雇用が可能になります。一方で、転籍の自由化や不法就労助長罪の厳罰化に対応するため、企業は労働環境の整備と在留資格管理の徹底が求められます。制度施行に向けて、早めの準備を進めることをおすすめします。

著者 ビザマネコラム編集部

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