出入国在留管理庁とは?入国管理局との違いは?概要と役割を徹底解説

執筆者 2月 4, 2020ニュースコメント0件

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出入国在留管理庁は2019年4月に新設された機関です。これまでは「入国管理局」として法務省の内局での管轄となっていましたが、昨今の外国人渡航者の増加、外国人労働者の受け入れ推進によって新たに作られたのです。

外国人労働者を雇用するためにはこの出入国在留管理庁の存在は切っても切り離せない位置にあります。

それでは出入国在留管理庁がどのような役割をしているのか、雇用主とはどういった関係なのか詳しく説明していきたいと思います。

出入国在留管理庁とはどんな機関なのか

出入国在留管理庁を大きな枠組みで言えば、日本国内へ出入りする人を管理するための機関です。

日本に出入りする人は全てこの出

出入国在留管理庁とはどんな機関なのか

出入国在留管理庁(しゅつにゅうこくざいりゅうかんりちょう)とは、日本における外国人の出入国管理および在留管理を一元的に担う行政機関です。一般的には「入管」や「入管庁」と呼ばれています。2026年4月現在、法務省の外局として位置づけられており、本庁は東京都千代田区霞が関の中央合同庁舎6号館に所在します。

出入国在留管理庁の基本的な役割は、人権を尊重しつつ、出入国および外国人の在留の公正な管理を図ること、難民を保護すること、そして外国人の受入れ環境整備に関する総合調整を行うことです。日本に出入りするすべての人の管理だけでなく、日本で暮らす外国人の生活支援までを幅広く所管しています。

外国人労働者を雇用する企業にとって、在留資格(ビザ)の申請や在留期間の更新など、出入国在留管理庁との関わりは避けて通れません。外国人雇用を検討している、または既に雇用している企業の人事・総務担当者の方は、この機関の役割と仕組みを正しく理解しておくことが重要です。

入国管理局との違いとは?内局から外局への格上げ

出入国在留管理庁は、2019年4月1日に設立されました。それまで外国人の出入国管理を担当していたのは「入国管理局」という法務省の内部部局(内局)でした。

内局とは、省の内部に設置された補助的な組織であり、独立した権限を持ちにくい位置づけです。一方、外局とは省の下に置かれつつも独立性の強い行政機関で、府や省と同等の地位を持ちます。

この格上げが行われた背景には、2018年12月に成立した「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」があります。外国人観光客の急増、外国人労働者の受入れ拡大に伴う業務量の飛躍的な増大、そして「特定技能」という新たな在留資格(くわしくは後述)の創設により、従来の入国管理局では対応が困難になったことが主な理由です。外局化により、約320人の入国審査官が増員され、組織内に「出入国管理部」と「在留管理支援部」という2つの部門が新設されました。

入国管理局と出入国在留管理庁の主な違いをまとめると以下のとおりです。

  • 位置づけ:入国管理局は法務省の内局(補助機関)、出入国在留管理庁は法務省の外局(独立性が高い)
  • 組織規模:外局化に伴い職員が約320人増員された
  • 業務範囲:入国管理局は出入国管理が中心だったが、出入国在留管理庁では在留管理・在留支援・受入れ環境整備までを包括的に担当
  • オンライン化:出入国在留管理庁設立後、在留申請のオンラインシステムが順次整備されている

参考:出入国在留管理庁ホームページ

https://www.moj.go.jp/isa/

出入国在留管理庁の組織体制と所在地

出入国在留管理庁は、全国各地に地方出入国在留管理局や出張所を設置し、広範な出入国管理業務をカバーしています。2026年4月現在の組織体制は以下のとおりです。

  • 地方出入国在留管理局:8局(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡)
  • 支局:7局(成田空港、羽田空港、横浜、中部空港、関西空港、神戸、那覇)
  • 出張所:全国61か所
  • 入国管理センター:2か所(東日本入国管理センター、大村入国管理センター)

地方出入国在留管理局では、在留資格の変更・更新の申請受付や、外国人在留総合インフォメーションセンターによる相談対応などを行っています。企業の人事担当者が外国人社員の在留手続きを行う際には、管轄の地方出入国在留管理局が主な窓口となります。

出入国在留管理庁の主な役割と業務内容

出入国在留管理庁は、日本と外国をつなぐ窓口として多岐にわたる業務を担当しています。ここでは、企業の人事・総務担当者が特に知っておくべき主要な業務を解説します。

1. 出入国審査(入国・出国手続き)

外国人が日本に入国する際、空港や港において入国審査官がパスポート(旅券)とビザ(査証)の確認を行います。パスポートとは母国政府が発行するその人物の身分を証明する旅券であり、ビザとは渡航先の国が「入国しても問題ない」と認めた証書です。

入国審査では、パスポートやビザの有効性に加え、以下の上陸条件が審査されます。

  • パスポートとビザが有効であること(期限切れや偽造でないか)
  • 申請された活動内容が事実であること(例:観光ビザで就労する予定がないか)
  • 入国目的が在留資格に該当していること
  • 滞在予定期間が規定に基づいていること
  • 入管法第5条の上陸拒否事由に該当しないこと

また、3か月を超えて日本に在留する外国人には「在留カード」が交付されます。在留カード(ざいりゅうカード)とは、中長期在留者が適法に日本に滞在していることを証明する身分証明書であり、常時携帯が義務づけられています。

出国時には、外国人が出国した記録を取るとともに、犯罪者の国外逃亡を防ぐ目的で審査が行われます。再入国許可を受けている場合は、有効期限内であれば在留資格を維持したまま再入国することが可能です。

2. 在留審査手続き

在留審査手続きは、外国人材を受け入れる企業にとって特に重要な手続きです。在留審査では、外国人が日本国内で行う活動の内容を審査し、在留資格(ざいりゅうしかく)の付与・変更・更新などを判断します。在留資格とは、外国人が日本に滞在し活動するために必要な法的な資格で、2026年4月現在、29種類が設けられています。

企業の人事担当者が関わる主な在留審査手続きは以下のとおりです。

  • 在留資格認定証明書交付申請:海外から外国人材を呼び寄せる際に必要
  • 在留資格変更許可申請:在留資格の種類を変更する際に必要(例:留学から就労ビザへの変更)
  • 在留期間更新許可申請:現在の在留資格のまま在留期間を延長する際に必要
  • 資格外活動許可申請:本来の在留資格の活動以外に従事する場合に必要
  • 就労資格証明書交付申請:転職時に新たな勤務先での就労が認められることを証明する書類の交付
  • 永住許可申請:日本に永住することの許可を求める申請
  • 再入国許可申請:一時的に出国し再入国する際の手続き

3. 退去強制・不法滞在者への対応

不法入国者や不法残留者(オーバーステイ)、資格外活動を行っている外国人などに対して、違反調査や違反審査、口頭審理などの手続きを行い、退去強制事由に該当するか否かを判断します。退去強制が決定した場合には、国外への送還手続きを執り行います。

なお、日本での生活歴や家族関係などが考慮され、法務大臣から在留を特別に許可される場合もあります。企業としては、雇用する外国人が不法就労の状態にならないよう、在留カードの確認を徹底することが重要です。

4. 難民の認定・保護

出入国在留管理庁は、人種、宗教、国籍、政治的意見などを理由に迫害を受けるおそれがある外国人からの難民認定申請を審査し、認定の可否を決定します。難民と認定された方には、「難民旅行証明書」の発行や在留資格の付与などの保護措置が講じられます。

5. 外国人の在留支援

出入国在留管理庁は、日本に在留する外国人の生活支援にも力を入れています。主な取り組みとして、「外国人生活支援ポータルサイト」での多言語による情報発信(15か国語以上対応)や、「外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)」の運営があります。

FRESCは東京に設置された施設で、東京出入国在留管理局をはじめとする4省庁8機関がワンフロアに入居し、在留資格の相談から法律トラブル、労働問題まで幅広い相談に無料で対応しています。外国人を雇用する企業にとっても、外国人従業員が抱える生活上の課題を解決するための有用な窓口です。

出入国在留管理庁が設立された背景と必要性

1. 外国人労働者の受け入れ拡大

少子高齢化が進む日本では、生産年齢人口の減少により各産業で深刻な人手不足が問題となっています。政府は外国人労働者を積極的に受け入れることで人材不足を補填し、企業のグローバル化を促進する方針を打ち出しました。訪日外国人観光客(インバウンド)の急増も相まって、外国人の出入国件数が大幅に増加したため、従来の入国管理局の体制では対応が追いつかなくなりました。

2. 特定技能制度の創設と在留管理の高度化

出入国在留管理庁の設立と同時期に創設されたのが、在留資格「特定技能」(とくていぎのう)です。特定技能とは、人手不足が深刻な特定の産業分野において、一定の技能と日本語能力を有する外国人を労働者として受け入れるための在留資格です。

2026年4月現在、特定技能の対象は介護、建設、外食業、飲食料品製造業など19分野に拡大されており、特定技能1号(在留期間は通算5年まで)と特定技能2号(在留期間の更新回数に制限なし)の2種類があります。この制度により受け入れる外国人の数が大幅に増加したため、在留管理業務がより複雑かつ高度になり、出入国在留管理庁のような司令塔的な組織が必要とされました。

特定技能制度について詳しくは、以下のビザマネメディアの記事もあわせてご覧ください。

特定技能制度の全業種(14業種)・職種を一挙解説|ビザマネメディア

3. 不正労働の防止と法令遵守の強化

外国人労働者の中には、就労ビザを持たずに働いている、正当な給与を支払われていない、労働環境が劣悪であるなど、不正な労働状態に置かれているケースが問題となっています。出入国在留管理庁は、こうした不正労働の取り締まりを強化し、悪質ブローカーの摘発や管理体制の見直しに取り組んでいます。

企業が外国人を不法に就労させた場合、入管法に基づく「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。2025年6月施行の改正入管法では、不法就労助長罪の法定刑が引き上げられており、企業にはこれまで以上にコンプライアンスの徹底が求められています。

出入国在留管理庁のオンラインサービスと利用方法

出入国在留管理庁では、利用者の利便性向上のため、在留申請のオンライン手続きを整備しています。これにより、企業の人事担当者は窓口に出向くことなく、パソコンから在留手続きを行えるようになりました。

在留申請オンラインシステムでできること

2026年4月現在、在留申請オンラインシステムで行える主な手続きは以下のとおりです。

  • 在留資格認定証明書交付申請
  • 在留資格変更許可申請
  • 在留期間更新許可申請
  • 在留資格取得許可申請
  • 再入国許可申請(資格変更・期間更新・資格取得などと同時に行う場合のみ可)
  • 資格外活動許可申請
  • 就労資格証明書交付申請

利用できるのは、外国人本人、法定代理人、親族のほか、所属機関(企業)の職員、登録支援機関の職員、弁護士、行政書士などです。企業の担当者が利用する場合は、事前に管轄の地方出入国在留管理局で利用申出を行い、認証IDを取得する必要があります。

2026年1月のシステム更改による主な改善点

2026年1月に、在留申請オンラインシステムの大規模な更改が実施されました。利用者アンケートで要望の多かった機能が改善されています。

  • 添付ファイルの容量が10MBから25MBに拡大
  • 複数ファイルの添付が可能に(従来は1ファイルのみ)
  • 申請途中の一時保存機能が追加
  • 所属機関の利用者IDの有効期間が1年から3年に延長
  • 申請後に送信内容や添付資料を確認可能に

これらの改善により、企業の在留手続き業務が大幅に効率化されています。特に多数の外国人を雇用する企業にとって、一括申請や進捗管理がしやすくなったことは大きなメリットといえるでしょう。

オンライン申請時の注意点

オンラインシステムを利用する際にはいくつか注意すべき点があります。

  • 在留期間満了日の当日にはオンライン申請はできません。窓口での申請が必要です
  • 受付日は申請データが送信された日付となります。日付をまたぐと翌日扱いになるため注意が必要です
  • 審査期間は窓口申請と同じです。オンラインだからといって審査が早くなるわけではありません
  • ファイル名は半角英数字とアンダースコアのみで構成することが推奨されます。日本語や記号を含むとエラーの原因になります

【2026年最新】出入国在留管理庁に関する制度改正・最新動向

2026年4月現在、出入国在留管理庁に関連する制度は大きな転換期を迎えています。企業の人事・総務担当者が押さえておくべき最新の制度変更を解説します。

特定在留カードの導入(2026年6月14日運用開始)

2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化した「特定在留カード」の交付が始まります。これは2024年6月に公布された改正入管法に基づく制度で、外国人の手続き負担を軽減するとともに、行政運営の効率化を図ることを目的としています。

特定在留カードの主なポイントは以下のとおりです。

  • 取得は任意であり、従来どおり在留カードとマイナンバーカードの2枚持ちも可能
  • 在留手続き(更新・変更等)の際に入管で一括して手続きが完了し、市区町村への別途届出が不要に
  • マイナ保険証やマイナ運転免許証としても利用可能
  • 券面には氏名、生年月日、在留資格、在留期間満了日などが記載され、従来の「許可の種類」「許可年月日」などはICチップにのみ記録される
  • 永住者や高度専門職2号の在留カードの有効期間が、交付日後7年から10回目の誕生日までに延長

企業の人事担当者は、外国人従業員が特定在留カードに切り替えた場合、在留カード確認とマイナンバー確認の運用を見直す必要があります。また、券面に記載される情報が従来のカードと異なるため、ICチップ読取アプリの活用が重要になってきます。

在留カードの確認方法について詳しくは、以下の記事も参考にしてください。

在留カード読み取りアプリの使い方を徹底解説|ビザマネメディア

育成就労制度の施行(2027年4月1日)

2024年6月の入管法改正により、現行の技能実習制度(ぎのうじっしゅうせいど)を発展的に解消し、新たに「育成就労制度」(いくせいしゅうろうせいど)が創設されることが決定しました。施行日は2027年4月1日です。

技能実習制度は「技能移転による国際貢献」を目的としていましたが、実態としては日本国内の人手不足を補う労働力として活用されるケースが多く、制度の趣旨と実態の乖離が長年指摘されていました。失踪者の増加や劣悪な労働環境の問題もあり、制度の抜本的な見直しが求められていました。

育成就労制度の主な特徴は以下のとおりです。

  • 目的が「国際貢献」から「人材確保・人材育成」へ明確に変更
  • 原則3年の育成期間で特定技能1号水準の技能を育成し、特定技能への移行を前提とした制度設計
  • 対象分野は特定技能の受入れ分野(特定産業分野)と原則一致
  • 一定の条件を満たせば、本人の意向による転籍(転職)が可能に
  • 入国時にN5相当の日本語能力が必要
  • 3年間の移行期間が設けられ、2027年3月までに入国した技能実習生は現行制度のまま実習を継続可能

出入国在留管理庁は、この新制度の運用において中心的な役割を担います。企業は制度の詳細が確定次第、受入れ体制の整備を進める必要があります。

永住許可の取消し制度の新設

改正入管法により、永住許可を取り消すことができる規定が新たに設けられています。故意に税金や社会保険料を納付しない場合や、入管法に違反した場合などが取消し事由として定められています。永住者を雇用する企業においても、税金や社会保険料の適切な管理・指導が求められます。

雇用主と出入国在留管理庁の関係|企業が押さえるべきポイント

外国人を雇用する企業は、出入国在留管理庁と密接な関係を持つことになります。特に以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 在留資格の確認義務:外国人を雇用する際は、在留カードで就労可能な在留資格を持っているかを必ず確認する。偽造在留カードに注意し、ICチップの読み取りによる真正性確認を行うことが望ましい
  • 届出義務の遵守:外国人を雇入れ・離職した際にはハローワークへの届出が義務づけられている。また、中長期在留者の受入れを開始・終了した際には出入国在留管理庁への届出も必要
  • 在留期限の管理:在留期間を過ぎて就労させた場合、不法就労助長罪に問われるリスクがある。在留期限の一元管理体制を整備することが重要
  • オンライン申請の活用:在留申請オンラインシステムを活用することで、手続きの効率化と更新漏れの防止が可能。特に100人以上の外国人を雇用する企業では、一括申請機能の活用が効果的
  • 外国人在留支援センター(FRESC)の利用:外国人従業員の在留に関する困りごとは、FRESCに相談することで専門的なアドバイスを受けられる

外国人雇用を適正に行うためには、在留カード情報の正確な管理と在留期限の確実な把握が欠かせません。ビザマネは、外国人の在留カード情報をクラウド上で一元管理し、在留期限のアラート通知や偽造在留カードのICチップチェック機能を備えた管理サービスです。不法就労リスクの軽減と管理業務の効率化を実現します。

ビザマネ

まとめ|出入国在留管理庁の役割を理解して適切な外国人雇用を

出入国在留管理庁は、2019年4月に入国管理局から格上げされた法務省の外局であり、外国人の出入国管理、在留管理、難民の認定・保護、在留支援を包括的に担う行政機関です。

2026年は、特定在留カードの導入(6月)や育成就労制度の施行準備(2027年4月施行予定)、在留申請オンラインシステムの大幅改善など、外国人雇用に関する制度が大きく変わる年です。企業の人事・総務担当者は、これらの制度変更を正しく理解し、適切な対応を取ることが求められます。

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入国在留管理庁の審査を受ける必要がありますし、日本へ上陸した外国人の管理も行います。

また、日本の企業で働く外国人材を受け入れるための手続きや、難民を受け入れてしかるべき対応を取るといった管理も執り行っており、外国と日本をつなげるための窓口でもあるのです。

冒頭でも説明した通り出入国在留管理庁は2019年4月より法務局の外局として扱われることになりました。

今までは法務省の一部である「入国管理局」として扱われていた機関ですが、入国管理局で取り扱う業務量が倍増していることと、国の方針として外国人材の受け入れをはじめたためさらに業務量が増えると判断され出入国在留管理庁として外局という位置づけになりました。

外局になれば省と同等の扱いとなり、職員を増やすことが可能になりますしこれからさらに増えることが見込まれている外国人材や外国人の渡航関連の手続きを円滑に行えるようになりました。

また、利用者側にもメリットができ、これまで入国管理局に出頭しなければいけなかった手続きをインターネットを使ってオンライン上で手続きできるようになりました。

一部の手続きですが頻繁に行われる手続きがほとんどですので、活用すればこれまで時間がかかることがネックだった申請なども手軽に行えるようになっています。

参考:出入国在留管理庁ホームページ

出入国在留管理庁でできる手続きとは

出入国在留管理庁では日本と外国を結ぶためにさまざまな手続きを行います。日本人が外国へ安全に渡航できるようにするだけでなく、外国人を安全に日本へ上陸・活動させるために必要な手続きです。

ここでは出入国在留管理庁で行う中心的な手続きについて説明していきたいと思います。

1.入国手続き

まずはじめにパスポートとビザの簡単な説明を行います。

外国人が日本へ入国する際にはその人物が安全であるかを審査します。審査の基本はパスポートの所持です。パスポートは母国が発行したその人物を証明するための旅券で、世界共通の義務となっています。言葉が通じない外国においてその人物が問題なく入国をし、滞在中のトラブルには必要な保護を与えるといった目的もあります。

もう一つ海外へ上陸するためにはビザ(査証)が必要となります。ビザとはパスポートが有効であること、所持している人物が入国に問題ないと証明するための証書です。つまり国がその人物の安全性を保証しているということですね。

そのため犯罪歴がある人物や政治上・宗教上の理由などでビザが発行されないケースがあり、その場合海外渡航は行うことができません。

出入国在留管理庁が空港で行う出入国審査ではまずはじめにパスポートとビザの提示を求めます。これは他の国でも同じです。この時出入国在留管理庁ではパスポートとビザが偽造されていないか、もしくは提示した人物と同一人物のものかなどを審査します。

ここで特に問題が見つからなければそのまま上陸が可能になりますが、上陸の条件に適合しないと判断された場合はさらに詳細な審査が行われます。口頭質問や法務大臣への申し出などが行われ、裁決を行い最終決定が下されます。

出入国手続きは外国人が日本へ入る最初の関門ですので、審査も厳重になっているのです。

上陸の条件は主に5つで、

・パスポートとビザが有効なものか(期限切れや偽造ではないか)

・申請された活動が事実であるか(観光ビザで就労する予定はないかなど)

・上陸理由が在留資格に該当しているか

・滞在予定期間が規定に則っているか

・入管法第5条(上陸拒否事由)に該当しないか

となります。

2.出国手続き

外国人が出国する際には入国ほど厳重ではありませんが、手続きが必要になります。出国手続き自体は入国した外国人が出国したという記録を取る目的もありますが、出入国在留管理庁では、犯罪者の逃亡を抑止する目的もあります。

島国である日本国内では、犯罪者が国外へ逃亡する際にはほぼ確実に飛行機を利用しますので、犯罪者の国外逃亡をさせないためにも厳しく審査を行っています。

外国人が出国する際には自動的に在留資格が消滅することになります。再入国許可を受けている場合は再入国有効期限中であれば残った在留資格をそのまま継続させることが可能です。

3.在留審査手続き

雇用主が外国人材を受け入れるためにはこの在留審査手続きが重要になります。在留審査とは外国人が日本国内で社会生活を営むための活動内容を審査するものです。基本的には申請した活動のみ行うことが許可されており、在留審査手続きで認可外の活動を予見された場合には入国を保留したり、再審査を行います。

また、在日外国人が現在保有している在留資格を更新・変更したい場合もこの在留審査手続きを行います。

その他にも永住許可や出国時の再入国許可、資格外活動の許可、就労資格証明書の発行など在留資格に関する手続きは全て出入国在留管理庁で行うこととなります。

出入国在留管理庁の必要性とは

出入国在留管理庁自体が日本と外国の人々を結ぶために必要なものと説明しましたが、さらに具体的に説明していきたいと思います。

利用者側が受動的に行っているパスポートとビザの提示や、各申請の手続きなどは国家的にも重要な行動の一つであることがわかります。

1.外国人労働者の雇用の大幅受け入れ

少子高齢化が進んだ現代の日本では、各企業の人材不足が問題となっています。人材不足でありながら求職者側の意識が高くなり、より自分の理想水準に近づける企業のみに偏るので、本当に人材が必要となっている現場では苦しい思いをしているという声も聞かれます。

そこで政府では外国人労働者を積極的に受け入れることで人材不足を補填しながらも企業自体のグローバル化を視野に入れて成長させるという方針を表明しています。

現在、インバウンドと呼ばれる外国人観光客が多くなり外国人労働者の需要が高くなっているだけでなく、海外で需要の高い日本製品をより多く輸出して経済効果を高めるという理由もあります。

2.特定技能外国人の在留管理による国内労働環境の周知

出入国在留管理庁が設立されたことで新たに「特定技能」という在留資格も創立し、外国人材の雇用を検討している人は耳にしたこともあるのではないでしょうか?

特定技能とは、指定された特定の分野に対する知識や技能を保持していると証明する資格です。工業をはじめとする産業業務の中には専門分野の技能や知識がないと従事できないものが多数ありますが、その分野に特化した外国人を雇用するために創設されました。

特定技能を必要とする産業は日本国内でも従事者が少ないにもかかわらず需要が増えているため、早急に供給を追いつかせる目的もあります。

また、特定技能の外国人を雇うことによってその企業の環境を間接的に調査することで国民に人材不足である分野を周知させるということもできます。

出入国在留管理庁では特定技能による在留資格の手続きなども行い、さらに特定技能外国人として在留している外国人の管理も行っています。

3.不正労働防止

外国人労働者の中には日本人から不当に雇用されているケースも後を絶ちません。

就労ビザを持たずに働いている、正当な給料を支払われていない、労働環境が劣悪である、といったいわゆる不正労働の抑制も行っています。

現在行われている不正労働を取り締まることで、悪質ブローカーの摘発や今後の管理体制の見直し、報道による犯罪抑止などにも繋がります。

出入国在留管理庁ホームページでできることとは

出入国在留管理庁のホームページの下部には、「在留申請手続きのオンラインシステム」というバナーがあり、そこからさまざまなことを行えます。

1.利用可能な申請

オンラインシステムでは、

・在留期間更新申請

・再入国許可申請

・資格外活動許可申請

が行えますが、オンラインシステムでは在留している全ての外国人が利用できるわけではありません。

利用できる在留資格(対象範囲)が定められており、外交・特定技能・短期滞在の外国人などは利用することができません。

オンラインシステムの利用には、地方出入国在留管理官署で手続きを行わなければいけません。雇用主(該当外国人の所属機関)が代表で行ったり、一部事業所のみが行うということも可能です。

2.オンラインシステムでの注意点

オンラインシステムでは24時間申請受付を行っているので便利ですが、注意しておく点がいくつかあります。

まず、オンラインシステムで手続き申請した場合、受付日は申請を行った日付になります。出入国在留管理庁の受付窓口の業務が終了した後に申請を行っても、日付が変わらなければその日のうちに申請したことになりますし、日付を超えてしまえばその次の日付となるので注意しましょう。

手続きに関する受付番号はメールでの通知となります。そのため、受付番号の記載されたメールをきちんと確認し管理しておきましょう。

オンラインシステムでの審査期間は窓口受付と変わりません。オンラインだから審査が早くなるということはなく、待ち時間が短縮されるだけです。

また、エラーが表示された際には手続きをやり直す必要があるので慎重に行いましょう。

雇用主と出入国在留管理庁の関係とは

出入国在留管理庁は創設されたばかりの機関ですので安定しているとはまだ言えません。出入国在留管理庁自体にも職員が少ないと言われていたり、施設の認知度も低い状態です。

そのため、今後安定した運営やより利用しやすくなるシステムなどが創設されることが期待できます。

特にオンラインシステムでの手続きは利用できる幅が広がり、出入国在留管理庁への出頭頻度も少なくなるという計画もあります。

外国人雇用を考えている人はまず出入国在留管理庁の存在を把握しておきましょう。

出入国在留管理庁のまとめ

出入国在留管理庁を大きな枠組みで言えば、日本国内へ出入りする人を管理するための機関です。

また、日本の企業で働く外国人材を受け入れるための手続きや、難民を受け入れてしかるべき対応を取るといった管理も執り行っており、外国と日本を繋げる窓口になっています。

著者 ビザマネメディア編集部

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