高度人材者の永住に優遇はある?優遇から高度人材者の条件まで徹底解説

執筆者 4月 1, 2020ニュースコメント0件

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高度人材外国人には永住許可の在留期間が大幅に短縮される優遇措置があります。本記事では2026年1月現在の最新情報をもとに、高度人材ポイント制や2023年導入の特別高度人材制度(J-Skip)、永住許可要件までを詳しく解説します。

高度人材外国人とは

高度人材外国人とは、出入国管理及び難民認定法に基づく高度人材ポイント制において、学歴・職歴・年収などの項目で70ポイント以上を獲得した外国人のことです。日本政府は、経済成長やイノベーション創出に貢献する高度な専門性を持つ外国人材の受け入れを促進するため、2012年に高度人材ポイント制を導入し、2015年には在留資格「高度専門職」を新設しました。

高度人材外国人に認定されると、在留期間5年の付与、複合的な在留活動の許容、配偶者の就労、一定条件下での親や家事使用人の帯同など、さまざまな優遇措置を受けることができます。中でも注目すべきは、永住許可申請に必要な在留期間が大幅に短縮される点です。

高度人材外国人の永住許可に対する優遇措置

通常、永住許可を得るには原則として10年以上の在留が必要とされています。しかし、高度人材外国人の場合は、ポイント数に応じて在留期間要件が大幅に緩和されます。出入国在留管理庁が公表している「永住許可に関するガイドライン(令和7年10月30日改訂)」に基づき、その優遇内容を解説します。

70ポイント以上の場合:在留3年で永住申請可能

高度人材ポイント計算で70ポイント以上を有する方は、通常10年必要な在留期間が3年に短縮されます。永住許可ガイドラインでは、次のいずれかに該当することが求められます。

  • 高度人材外国人として必要な点数を維持して3年以上継続して本邦に在留していること
  • 永住許可申請日から3年前の時点でポイント計算を行った場合に70点以上を有していたことが認められ、3年以上継続して70点以上の点数を有し本邦に在留していること

80ポイント以上の場合:在留1年で永住申請可能

高度人材ポイント計算で80ポイント以上を有する場合は、在留期間がわずか1年に短縮されます。これは「日本版高度外国人材グリーンカード」とも呼ばれる制度で、世界最速級のスピードで永住権を取得できる仕組みとなっています。

  • 高度人材外国人として必要な点数を維持して1年以上継続して本邦に在留していること
  • 永住許可申請日から1年前の時点でポイント計算を行った場合に80点以上を有していたことが認められ、1年以上継続して80点以上の点数を有し本邦に在留していること

特別高度人材(J-Skip)の場合:在留1年で永住申請可能

2023年4月から導入された特別高度人材制度(J-Skip)に該当する方も、在留1年で永住申請が可能です。この制度は、ポイント計算を行わず、学歴・職歴と年収の組み合わせで認定される新しい仕組みです。特別高度人材として1年以上継続して在留している場合、または永住許可申請日から1年前の時点で特別高度人材の基準に該当することが認められる場合に、永住許可申請が可能となります。

高度人材ポイント制の仕組み

高度人材ポイント制では、申請者が行う活動に応じて3つの類型に分類され、それぞれの類型に応じたポイント計算表に基づいて評価されます。学歴、職歴、年収、年齢、研究実績、日本語能力などの項目でポイントが加算され、合計70点以上で高度人材外国人として認定されます。

高度専門職1号イ(高度学術研究活動)

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導または教育をする活動が該当します。大学の教授や研究機関の研究者などがこの類型に分類されます。

高度専門職1号ロ(高度専門・技術活動)

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学または人文科学の分野に属する知識または技術を要する業務に従事する活動が該当します。企業で新製品の開発を行う技術者、ITエンジニア、国際弁護士などがこの類型に含まれます。この類型は最も申請件数が多く、技術・人文知識・国際業務ビザからの変更も多くみられます。

高度専門職1号ハ(高度経営・管理活動)

本邦の公私の機関において事業の経営を行いまたは管理に従事する活動が該当します。グローバルな事業展開を行う企業の経営者や役員などがこの類型に分類されます。なお、この類型では年収が300万円以上であることが認定の前提条件となります。

特別高度人材制度(J-Skip)とは

特別高度人材制度(J-Skip)とは、2023年4月から導入された制度で、従来の高度人材ポイント制とは別途、学歴または職歴と年収が一定の水準以上であれば「高度専門職」の在留資格を付与し、より拡充した優遇措置を認める制度です。ポイント計算を行う必要がないため、手続きが簡素化されています。

【高度学術研究活動・高度専門・技術活動の場合】

  • 修士号以上取得かつ年収2,000万円以上
  • 従事しようとする業務等に係る実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上

【高度経営・管理活動の場合】

  • 事業の経営または管理に係る実務経験5年以上かつ年収4,000万円以上

特別高度人材として認定された場合、高度人材ポイント制による優遇措置に加えて、大規模空港等に設置されているプライオリティレーンの使用が可能となります。また、高度専門職2号への移行は1年(通常は3年)で可能となり、永住許可までに要する在留期間も1年に短縮されます。

永住許可申請の基本要件

高度人材外国人であっても、永住許可を取得するためには以下の法律上の要件を満たす必要があります。これらは通常の永住許可申請と共通する要件です。

素行が善良であること

法律を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることが求められます。過去に罰金刑や拘禁刑を受けている場合は、消極的に評価される可能性があります。

独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること

日常生活において公共の負担にならず、その有する資産または技能等から見て将来において安定した生活が見込まれることが必要です。目安として、世帯年収300万円以上が基準とされていますが、扶養家族の人数によってこの金額は変動します。

永住が日本国の利益に合すること

公的義務を適正に履行していることが重要です。具体的には、納税義務、公的年金および公的医療保険の保険料の納付、出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務を適正に履行している必要があります。特に注意すべき点として、申請時点で納付済みであっても、当初の納付期限内に履行されていない場合(つまり滞納していた場合)は消極的に評価されます。

高度専門職2号と永住ビザの比較

高度専門職1号を保有している方は、永住権を取得するか、高度専門職2号に切り替えるかを選択できます。どちらも在留期間が無期限となりますが、それぞれ特徴が異なります。以下で主な違いを解説します。

在留期間の違い

高度専門職2号も永住ビザも、在留期間は無期限です。どちらも在留期間の更新許可申請は不要となりますが、在留カードの有効期限(7年)ごとにカードの更新手続きが必要です。

就労制限の違い

高度専門職2号は就労ビザの一種であり、高度専門職1号の活動と併せてほぼ全ての就労資格の活動を行うことができます。ただし、単純労働や風営法に該当する活動は認められていません。また、6か月以上にわたって高度専門職として許可された活動を行わない場合は、在留資格取消しの対象となります。

一方、永住ビザには就労制限がありません。単純労働を含むあらゆる業種で働くことができ、無職の状態でも在留し続けることが可能です。

家族に関する優遇措置の違い

高度専門職2号には、永住ビザにはない家族に関する優遇措置があります。世帯年収が800万円以上の場合、7歳未満の子どもの養育や妊娠中の配偶者の介助のために、本人または配偶者の親を日本に呼び寄せることができます。また、一定の条件下で家事使用人を海外から帯同することも可能です。

永住ビザの場合、これらの優遇措置は適用されません。親を呼び寄せる場合は短期滞在ビザ(最大90日)での来日が一般的な方法となります。

取得要件の違い

高度専門職2号を取得するには、高度専門職1号の在留資格をもって3年以上在留し、引き続き高度人材ポイント70点以上を維持していることが必要です。特別高度人材(J-Skip)の場合は、1年以上の在留で高度専門職2号への移行が可能となります。

永住ビザの場合は、上述の通り80ポイント以上で1年、70ポイント以上で3年の在留で申請可能です。なお、高度専門職ビザを取得していなくても、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で在留中の方が、申請時点でポイント要件を満たしていれば「みなし高度人材」として永住申請を行うことができます。

高度人材から永住権を取得するメリット

高度専門職1号から永住権を取得することには、以下のようなメリットがあります。

  • 就労制限がなくなり、あらゆる業種で自由に働くことができる
  • 在留期限がなくなるため、更新手続きの負担がなくなる
  • 転職の際に在留資格変更許可申請が不要になる
  • 無職の状態でも在留資格を失わない
  • 配偶者や子どもが「永住者の配偶者等」の在留資格を取得でき、就労制限なく働ける
  • 社会的な信用が高まり、住宅ローンなどの審査に有利になる場合がある

一方で、親や家事使用人の帯同を重視する場合は、高度専門職2号を選択した方がメリットがあります。ご自身のライフプランに合わせて、どちらを取得するか検討することが重要です。

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まとめ:高度人材の永住優遇制度を活用するために

高度人材外国人には、永住許可申請に必要な在留期間が大幅に短縮される優遇措置があります。70ポイント以上で3年、80ポイント以上または特別高度人材(J-Skip)認定で1年という短期間での永住申請が可能です。

ただし、在留期間の優遇があるからといって、素行要件や公的義務の履行要件が免除されるわけではありません。特に、税金・年金・健康保険料の納付については、過去の滞納がないよう十分な注意が必要です。2026年1月現在、永住許可申請の審査期間は1年以上かかるケースも多いため、十分に余裕をもって準備を進めることをおすすめします。

高度専門職2号と永住ビザのどちらを選ぶかは、就労の自由度を重視するか、家族に関する優遇措置を重視するかによって異なります。ご自身のライフプランに合わせて最適な選択をしてください。

【参考】

出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和7年10月30日改訂)」

出入国在留管理庁「在留資格『高度専門職』(高度人材ポイント制)」

出入国在留管理庁「特別高度人材制度(J-Skip)」

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著者 ビザマネメディア編集部

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