強制送還になってしまった!費用はいくら?誰が負担する?払えない場合は?方法は?徹底解説

執筆者 4月 1, 2020ニュースコメント0件

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外国人労働者は就労ビザを取得することで、日本で就業することができます。しかし犯罪や就労ビザの滞在期間を越えて日本に滞在した場合など違反があった場合は強制送還となることがあります。

 

しかし航空運賃や荷物の運搬など、特に急な場合は費用がかかります。それでは強制送還になった場合は誰がどの費用を支払うのか、また費用が払えない場合はどうするのかそれぞれご紹介します。

 

強制送還とは

外国人労働者は就労ビザを取得することで、日本で就業することができます。しかし犯罪や就労ビザの滞在期間を越えて日本に滞在した場合など違反があった場合は強制送還となることがあります。

強制送還(正式名称は「退去強制」)とは、入管法(出入国管理及び難民認定法)第24条に定められた事由に該当する外国人を、国家権力によって強制的に日本から退去させる行政手続きのことです。退去強制の対象となる外国人は「被退去強制者」と呼ばれます。

航空運賃や荷物の運搬など、特に急な場合は費用がかかります。それでは強制送還になった場合は誰がどの費用を支払うのか、また費用が払えない場合はどうするのか、2024年6月に施行された改正入管法の内容も踏まえてご紹介します。

強制送還時にかかる費用

それでは、強制送還時にかかる費用の説明をします。退去強制令書が政府から発行されると、入国警備官は対象となる外国人を送還する必要があります。またすぐに送還できない場合は、送還できるまで入国者収容所や地方出入国在留管理局などに収容するか、2024年6月から導入された監理措置に付すかを判断することになります。

送還先

送還先は母国だけではありません。本人の希望、もしくは受け入れ側の希望や拒否によっても異なってきます。送還先は以下のいずれかとなります。

  • 我が国に入国する直前に居住していた国:日本に来る前に母国から来たとは限りません。そのため日本に入国する前に移住していた国も候補となります。
  • 我が国に入国する前に居住していたことのある国:何か国もこれまで居住していた可能性もあります。行ったことのない国よりは安心して送還することができます。
  • 我が国に向けて船舶等に乗った港の属する国:日本に船舶を使って上陸することもあります。この場合はその船舶に乗った国も候補であるといえるでしょう。
  • 出生地の属する国:対象の外国人が生まれた国も候補となります。
  • 出生時にその出生地の属していた国:生まれた国だけでなく、属していた国も候補地となります。
  • その他の国:その他受け入れをしてくれる国であれば、送還の候補地となります。

このことは出入国管理及び難民認定法、第53条に記載されています。また同条では、送還先に選んではいけない国も指定しています。例えば、難民条約第33条第1項に規定する領域の属する国(ノン・ルフールマンの原則)、拷問等禁止条約第3条第1項に規定する国、強制失踪条約第16条第1項に規定する国などは送還先として選定できません。

例え送還を希望しても、相手側が受け入れを拒否すれば送還できません。また相手国の状況が危険にさらされる状況であれば、送還できないと定められています。

送還方法

送還方法によっても費用は異なってくるのですが、該当の外国人労働者が支払いをする自費出国、運送業者の負担による送還、また国が支払いをする国費送還の3種類があります。

出入国在留管理庁では、国費送還が国民の皆様の貴重な税金によりまかなわれていることから、自費出国が可能な被退去強制者については極力その努力を促しています。帰国用航空券又は帰国費用の工面ができないため送還が困難となっている者、あるいは特に人道的配慮から早期送還が必要不可欠と思料される者等についてのみ国費送還の措置を執っています。

2026年1月現在、送還される外国人の90%以上が自費出国で送還されているとされています。

自費と国費以外に、運送業者の負担となる場合がありますが、対象となるのは以下の場合です。

  • 一般の上陸審査の過程において上陸を拒否された者
  • 入管法第24条第5号から第6号の2までのいずれかに該当して本邦から退去強制される者

この他にも上陸後5年以内に、上記の入管法第24条の1に該当したもののうち、運送業者が退去強制の理由となることがわかっている場合でも、運送業者の負担による送還となっています。

強制送還になると費用は誰の負担になる?

強制送還になった場合は、自費で支払いをする場合、国が支払いをする場合と運送業者が負担する場合があります。それぞれのケースを詳しくご紹介します。

強制送還費用における自費出国とは

強制送還費用における自費出国をする場合は、入国者収容所長もしくは主任審査官が自費出国を許可する場合は、強制送還の対象となる外国人労働者が出国をする意思を持っていること、および出国をするための航空券などの費用が具体的に支払い可能であることを確認しなければなりません。

具体的には、以下の要件を満たす必要があります。

  • 被退去強制者が日本から退去する意思を有していること
  • 所持する旅券、航空券および所持金その他の状況から、自らの費用負担による確実な出国が具体的に可能であること

国が負担する場合

自費出国ができないと判断された場合は、国が負担することが多くなります。例えば、対象の外国人が日本から退去する意思がない場合、また送還先までの航空運賃などの所持金が明らかにない場合などが該当になります。

つまり強制送還は原則として国費負担となるのですが、例外的に自費出国が認められるとされています。国の費用であれば多くの税金が必要であり、国家予算の負担ともなるためできるだけ自費で出国するように促しているのです。

出入国管理及び難民認定法の第52条4項には、「退去強制令書の発付を受けた者が、自らの負担により、自ら本邦を退去しようとするときは、入国者収容所長又は主任審査官は、その者の申請に基づき、これを許可することができる」と記載されています。

運送業者が負担する場合

運送業者の負担になる場合は、通常の上陸審査にて上陸を拒否された場合と入管法第24条第5号から6号の2までの内容に該当する場合、もしくは該当の外国人労働者が入管法第24条に該当しており、この外国人労働者が強制送還になる理由があることを把握している場合となります。

上陸を拒否されるというのは、入国時に港や空港で上陸審査に通らなかった場合です。また入管法第24条第5号から6号の2までの内容というのは仮上陸の許可を受けた状態で逃亡した場合は、船長などの責任となります。

これらは全て出入国管理及び難民認定法の第59条である送還の義務に記されています。入国審査に問題があった場合は、これまで乗ってきた飛行機などに乗せて返すのが原則であるということです。

強制送還になって費用が払えない場合どうする

強制送還になった場合で、支払いができないとなると日本の税金を使って対応する必要があります。国家予算に重い負担がかかることになり、大きな問題へとつながっています。

従来は、費用が払えない被退去強制者は送還できるまで収容所に収容されていました。しかし収容の長期化が人道上の問題として指摘されていたことから、2024年6月の法改正により「監理措置制度」が導入されました。これにより、一定の条件を満たせば収容されずに社会内で生活しながら退去強制手続きを進めることが可能になっています。

【2024年法改正】監理措置制度と罰則付き退去等命令制度

2023年6月に成立した改正入管法は、2024年6月10日に全面施行されました。この法改正では、強制送還に関連する重要な制度変更が行われています。外国人労働者を雇用する企業の担当者にとっても理解が必要な内容です。

監理措置制度とは

監理措置制度は、退去強制手続きにおける収容の代替措置として新設されました。これは、親族や知人など本人の監督を承諾している者を「監理人」として選び、その監理の下で逃亡等を防止しつつ、収容せずに退去強制手続を進める制度です。

従来の入管制度では「原則収容」とされていましたが、改正後は個別事案ごとに収容の要否を判断し、収容か監理措置かを決定することとなりました。また、収容されている者については3か月ごとに必ず収容の要否を見直し、収容の必要がない者は監理措置に移行する仕組みが導入されています。

監理人は入管庁の求めに応じて報告する義務があり、これを怠れば罰則の対象となります。

罰則付き退去等命令制度

退去を拒む外国人のうち、従来は強制的に退去させる手段がなかった者(退去を拒む自国民を受け取らない国を送還先とする者、過去に航空機内で送還妨害行為に及んだ者など)に対して、一定の要件の下で定めた期限内に日本から退去することを命令する制度が創設されました。

この命令に従わなかった場合には刑事罰が科されることとなり、退去を拒む者に自ら帰国するよう促す効果が期待されています。

自発的帰国の促進措置

2024年の改正では、自発的な帰国を更に促す観点から、上陸拒否期間に関する措置が拡大されました。従来は自ら出入国在留管理局に出頭して帰国した場合のみ上陸拒否期間が1年でしたが、改正後は以下のように変更されています。

  • 自ら出頭して帰国:上陸拒否期間1年(従来通り)
  • 摘発されても早期に出国意思を表明した場合:上陸拒否期間1年(改正により新設)
  • 退去強制令書発付後に自費出国した場合:相当と認められれば上陸拒否期間5年→1年に短縮(短期滞在を除く)

この改正により、不法滞在の外国人が自発的に帰国しやすくなり、また帰国後に再び日本に来やすくなったといえます。

強制送還になった場合の費用に関する注意点

それでは強制送還になった場合の費用に関して注意点をご説明します。日本から出国するためには帰りの航空券が必要となるのですが、この航空券に関しても問題や注意点が残ります。

帰国の航空券について

日本に入国する際、帰国の際の航空券を持っている場合も多いでしょう。しかしその航空券によっては、日程を変更できないものもあります。このような状況の時は、あらかじめ入管局の担当官に相談をすることが大切です。

自費出国をする際に予定便に乗り遅れた場合

搭乗をする予定だった便に乗り遅れた場合でも、すでに空港にいる場合は空港にて入国管理官署へいき、現在の状況を相談してください。また空港についてから、もしくは直前になってから急病になった場合でも同じように地方出入国在留管理官署へ連絡をしてください。

強制送還できない場合

送還先の国が危険な状態にあるなど、さまざまな理由で強制送還の対象者であっても強制送還できない場合があります。この場合は従来は収容所に入るか、住居や行動範囲の制限、呼び出しに対して出頭の義務を条件に仮放免することができました。

2024年6月の法改正後は、監理措置制度の導入により、監理人の監理の下で社会内での生活を許容しながら退去強制手続きを進めることが可能になっています。また、2023年12月から施行された「補完的保護対象者」認定制度により、難民条約上の難民には該当しないものの紛争避難民などを保護する仕組みも整備されました。

強制送還の費用に関するまとめ

日本で就業をしている外国人が、犯罪を犯したり、違反を犯した場合は強制送還となることがあります。強制送還をするのは母国やこれまで居住したことがある国となるのですが、航空運賃の他に荷物を送るなどの費用が必要になります。

出入国管理及び難民認定法では、基本的にはこの費用は国が持つことになっているのですが、自らの負担により出国する場合はこれを許可するとあります。つまり原則的には、強制送還の費用は国が持つことになっているのですが、条件が揃っていれば自費でも認められていることになります。現在では送還される外国人の90%以上が自費出国により送還されています。

2024年6月10日に施行された改正入管法により、監理措置制度の導入、罰則付き退去等命令制度の創設、自発的帰国の促進措置など、強制送還に関連する重要な制度変更が行われました。特に、自発的に帰国した場合の上陸拒否期間が短縮される措置は、不法滞在の外国人にとって帰国を決断しやすくなる要因となっています。

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参考URL

出入国在留管理庁「退去強制令書の執行・送還・自費出国」

出入国在留管理庁「令和5年改正入管法について」

e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」

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