在留資格高度人材の背景、概要、優遇措置、条件などを徹底解説!

執筆者 9月 30, 2019ニュースコメント0件

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 在留資格「高度専門職」は、高度な専門性を持つ外国人材に出入国在留管理上の優遇措置を与える制度です。本記事では、2026年1月現在の最新情報に基づき、高度専門職の概要、優遇措置、2023年導入のJ-Skip制度、企業が雇用する際のメリットや手続きを詳しく解説します。

在留資格「高度専門職」の概要

在留資格「高度専門職」とは、高度な専門的能力を持つ外国人材(高度外国人材)の受け入れを促進するために2015年に創設された在留資格です。学歴・職歴・年収などの項目をポイント化し、合計70点以上に達した外国人に対して、出入国在留管理上のさまざまな優遇措置が与えられます。

高度人材ポイント制の仕組み

高度人材ポイント制は2012年5月に導入され、高度外国人材の活動内容を3つの類型に分類し、それぞれの特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」「年齢」「研究実績」「日本語能力」などの項目にポイントを設けています。

ポイントの合計が70点以上に達すると「高度外国人材」と認定され、在留資格「高度専門職」が付与されます。80点以上の場合は、より短期間での永住申請が可能になるなど、さらなる優遇措置を受けることができます。

なお、高度専門・技術活動および高度経営・管理活動においては、年収が300万円以上であることがポイント認定の前提条件となります。

高度専門職の3つの活動類型

【高度学術研究活動:高度専門職1号イ】

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導または教育をする活動が該当します。大学教授、研究者、ポストドクターなどがこの類型に分類されます。

【高度専門・技術活動:高度専門職1号ロ】

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学または人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する活動が該当します。ITエンジニア、研究開発者、経営コンサルタント、マーケティング専門職などが含まれ、3つの類型の中で最も申請件数が多いのが特徴です。

【高度経営・管理活動:高度専門職1号ハ】

本邦の公私の機関において事業の経営を行いまたは管理に従事する活動が該当します。外資系企業の日本法人代表、グローバル企業の経営幹部、スタートアップ経営者などがこの類型に分類されます。

高度専門職1号と2号の違い

在留資格「高度専門職」には1号と2号があり、それぞれ特徴が異なります。

項目高度専門職1号高度専門職2号
在留期間5年無期限
活動範囲指定された活動類型(イ・ロ・ハ)+関連する複合的活動ほぼすべての就労資格の活動が可能
所属機関の指定あり(転職には変更許可が必要)なし(届出のみで転職可能)
取得要件ポイント70点以上高度専門職1号で3年以上活動

高度専門職2号は、高度専門職1号で3年以上活動を行った方が対象となります。在留期間が無期限となり、活動範囲も大幅に広がるため、より柔軟な就労が可能になります。

高度専門職の優遇措置

高度専門職1号の優遇措置

1. 複合的な在留活動の許容

通常の就労ビザでは1つの在留資格で認められた活動しかできませんが、高度専門職1号では、主たる活動に関連する複合的な活動が認められます。例えば、大学で研究活動を行いながら、その成果を活かしたベンチャー企業を経営することが可能です。

2. 在留期間5年の付与

法律上の最長の在留期間である5年が一律に付与されます。在留期間は更新することもできます。

3. 永住許可要件の緩和

通常、永住許可には10年以上の在留が必要ですが、高度外国人材は70点以上で3年、80点以上で1年の在留で永住許可申請が可能です。

4. 配偶者の就労

高度外国人材の配偶者は、学歴・職歴要件を満たさなくても「教育」「技術・人文知識・国際業務」等の在留資格に該当する活動を行うことができます。

5. 親の帯同

世帯年収800万円以上などの条件を満たす場合、7歳未満の子の養育や妊娠中の配偶者の介助のために、本人または配偶者の親を日本に呼び寄せることができます。

6. 家事使用人の帯同

世帯年収1,000万円以上などの条件を満たす場合、外国人家事使用人を帯同することができます。

7. 入国・在留手続の優先処理

入国事前審査は申請受理から10日以内、在留審査は5日以内を目途に優先処理されます。

高度専門職2号の優遇措置

高度専門職2号では、上記1号の優遇措置(3〜6)に加えて、以下の優遇措置が受けられます。

  • 高度専門職1号の活動と併せて、ほぼすべての就労資格の活動が可能
  • 在留期間が無期限(更新手続き不要)

特別高度人材制度(J-Skip)とは

2023年4月に導入された「特別高度人材制度(J-Skip)」は、従来のポイント制とは別のアプローチで高度外国人材の受け入れを促進する制度です。学歴または職歴と年収が一定水準以上であれば、ポイント計算を行わずに「高度専門職」の在留資格が付与されます。

【認定要件】

高度学術研究活動・高度専門・技術活動の場合:

  • 修士号以上取得かつ年収2,000万円以上
  • 実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上

高度経営・管理活動の場合:

  • 事業経営・管理の実務経験5年以上かつ年収4,000万円以上

特別高度人材として認定されると、通常の優遇措置に加え、高度専門職2号への移行期間が1年に短縮され、永住許可までの在留期間も1年となります。

企業が高度外国人材を雇用するメリット

企業が在留資格「高度専門職」を持つ外国人材を雇用することには、以下のようなメリットがあります。

1. 長期的な雇用が可能

在留期間が5年(2号は無期限)と長く、頻繁な在留資格更新手続きが不要なため、安定した雇用関係を構築できます。

2. 優秀な人材の確保

ポイント制により客観的な基準で評価された人材であり、学歴・職歴・年収などの面で一定水準以上のスキルや実績を持つことが保証されています。

3. 柔軟な業務配置が可能

複合的な在留活動が認められるため、研究開発から事業化まで一貫して携わらせたり、専門分野を活かした副業を認めたりすることが可能です。

4. 入国・在留手続きがスムーズ

優先処理により審査が迅速に行われるため、採用から入社までの期間を短縮できます。

5. 定着・永住の見込み

永住許可要件が緩和されているため、日本での永住を視野に入れた長期的なキャリア形成を支援でき、人材の定着につながりやすいといえます。

高度外国人材の採用から入社までの流れ

海外から招へいする場合

  1. 受入れ企業が地方出入国在留管理局で在留資格認定証明書交付申請を行う
  2. 出入国在留管理庁で審査(ポイント計算、活動内容の確認等)
  3. 在留資格認定証明書が交付される
  4. 本人が在外公館(日本大使館・領事館)で査証(ビザ)申請
  5. 日本入国・上陸審査を経て在留開始
  6. 入社・就労開始

標準所要期間は約1〜3ヶ月ですが、高度専門職は優先処理の対象となるため、通常よりも短期間で審査が完了する傾向にあります。

日本に在留中の外国人を採用する場合

すでに日本に在留している外国人を採用する場合は、地方出入国在留管理局で「在留資格変更許可申請」を行います。「技術・人文知識・国際業務」から「高度専門職1号ロ」への変更、「留学」から「高度専門職」への変更などが該当します。

【主な必要書類】

  • 在留資格変更許可申請書
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • パスポートおよび在留カード
  • 高度専門職ポイント計算表
  • ポイントを立証する疎明資料(学位証明書、在職証明書、年収証明書等)
  • 雇用契約書または内定通知書

雇用後に必要な届出・手続き

高度外国人材を雇用した企業は、他の外国人労働者と同様に以下の届出が必要です。

1. 外国人雇用状況の届出

外国人を雇用した場合、または離職した場合は、ハローワークへの届出が必要です(雇用保険被保険者の場合は雇用保険の届出で代替可)。届出は雇入れ・離職の翌月末日までに行う必要があります。

2. 所属機関に関する届出(外国人本人)

高度専門職の外国人本人は、所属機関に変更があった場合(退職、転職、機関の名称・所在地変更等)は14日以内に出入国在留管理庁への届出が必要です。

3. 在留期間更新許可申請

高度専門職1号の在留期間は5年のため、引き続き在留する場合は在留期間更新許可申請が必要です。更新時にもポイントが70点以上であることが求められます。

高度外国人材の定着・活躍に向けたポイント

高度外国人材を採用しても、定着せず早期離職してしまうケースも少なくありません。人材の定着・活躍に向けて、以下のポイントを押さえておきましょう。

1. 入社前の期待値のすり合わせ

採用時に業務内容、キャリアパス、評価制度などについて十分に説明し、入社後のギャップを防ぐことが重要です。

2. 受け入れ体制の整備

社内マニュアルの多言語化、メンター制度の導入、相談窓口の設置など、外国人材が働きやすい環境を整備することが定着につながります。

3. コミュニケーション支援

日本語教育支援、通訳・翻訳サービスの活用、やさしい日本語の使用など、言語面でのサポートを行うことで業務の円滑化を図れます。

4. キャリア形成の支援

高度外国人材は専門性が高くキャリア志向も強い傾向があります。明確なキャリアパスの提示や、スキルアップの機会提供が定着のカギとなります。

5. 在留資格管理の徹底

在留期限の管理、届出の確認など、在留資格に関する管理を適切に行うことで、コンプライアンスリスクを回避し、安心して働ける環境を提供できます。

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まとめ

在留資格「高度専門職」は、高度な専門性を持つ外国人材に対して、在留期間5年の付与、永住許可要件の緩和、配偶者の就労許可など、さまざまな優遇措置を与える制度です。2023年4月には特別高度人材制度(J-Skip)も導入され、高年収の外国人材についてはポイント計算なしでの在留資格取得が可能になりました。

企業にとって、高度外国人材の雇用は、長期的な人材確保、イノベーション創出、グローバル展開の推進など多くのメリットをもたらします。一方で、在留資格の適切な管理や、外国人材が活躍できる職場環境の整備も重要です。

高度外国人材の採用を検討している企業は、本記事を参考に制度を理解し、適切な採用・管理体制を整備してください。

【参考】

出入国在留管理庁「高度人材ポイント制とは?」

出入国在留管理庁「在留資格『高度専門職』」

出入国在留管理庁「特別高度人材制度(J-Skip)」

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著者 ビザマネメディア編集部

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