在日外国人が帰化申請に必要な条件とは?

執筆者 9月 19, 2019ニュースコメント0件

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在日外国人が帰化申請に必要な7つの条件を2026年4月現在の最新情報で解説。2026年4月施行の審査運用見直し(居住要件の原則10年化)、民法改正による年齢要件の変更、手続きの流れ、永住との違いまで、企業の人事・総務担当者にも役立つ情報をまとめました。

帰化申請とは?日本国籍を取得するための手続き

帰化申請(きかしんせい)とは、日本国籍を持たない外国人が日本国籍の取得を希望し、法務大臣に対して許可を求める手続きのことです。帰化が許可されると日本の戸籍が作成され、法的に日本人となります。日本のパスポートを取得でき、選挙権・被選挙権などの参政権も得られるようになります。

帰化申請は、出入国在留管理庁ではなく、法務局(地方法務局)を通じて行います。15歳以上の方は本人が自ら出頭して申請する必要があります。申請から許可までは一般的に1年程度かかるとされており、他の在留資格に関する手続きと比べても長い審査期間を要します。

帰化が許可されると日本国籍を取得する一方で、日本は原則として二重国籍を認めていないため、元の国籍は喪失することになります。帰化は人生における大きな決断であり、申請にあたっては国籍法に定められた複数の条件をすべて満たす必要があります。

帰化申請の現状と最新動向【2026年4月現在】

帰化申請の許可状況と近年の傾向

法務省民事局の統計によると、日本では毎年1万人超の方が帰化申請を行っています。法務省の公表データでは、2025年(令和7年)の帰化許可申請者数は14,103人、帰化許可者数は9,258人、不許可者数は666人でした。また、2024年の申請者数は12,248人、許可者数は8,863人でした。

なお、帰化申請の審査期間は1年前後に及ぶため、申請年と許可年は必ずしも一致しません。そのため、同一年度内の申請者数と許可者数を単純に比較して許可率を算出することには限界があります。公表データから読み取れるのは、受理された申請のうち不許可となるケースは全体の数パーセント程度にとどまるものの、申請前の事前相談の段階で受理に至らなかったケースや、審査途中で取り下げたケースは統計に含まれていないという点です。

近年の傾向として、不許可率は上昇傾向にあります。法務局では正式な申請書類の受理前に担当官による詳細な事前相談が複数回行われ、要件を満たしていないと判断された場合は申請を見送るよう助言されることもあります。

2025年の許可者を国籍別にみると、中国が3,533人で最多、次いで韓国・朝鮮が2,017人、ネパールが695人、ブラジルが409人、ベトナムが357人と続いています。従来は韓国・朝鮮籍の方が最多を占めていましたが、近年は中国籍の方が上回り、帰化許可者の国籍の多様化が進んでいます。

2026年4月1日からの帰化審査運用見直し

2026年3月27日、平口洋法務大臣は閣議後の記者会見で、帰化の審査に関する運用を2026年4月1日から見直すことを発表しました。これにより、帰化審査は以下の点で厳格化されています。

・居住期間について、「日本社会との融和」の観点から、原則として10年以上の日本居住を求める運用に変更

・納税状況の確認期間を、従来の直近1年分から直近5年分に拡大

・社会保険料の納付確認期間を、従来の直近1年分から直近2年分に拡大

重要なのは、この変更は国籍法第5条第1項第1号の条文改正ではないという点です。国籍法の条文自体は引き続き「引き続き五年以上日本に住所を有すること」のままであり、法務省が帰化の実質的な審査条件として「日本社会に融和していること」をより厳格に見る運用に変更したものです。

また、日本人や永住者・特別永住者の配偶者、定住者、難民認定を受けた方、外交・社会・経済・文化などの分野で日本への貢献が認められた方などについては、10年に満たなくても許可される例外が設けられるとされています。なお、この新運用は2026年4月1日以前に申請した方にも適用されます。

帰化を検討している方は、この運用見直しの内容を踏まえ、早めに法務局への相談や専門家への相談を行うことが重要です。

帰化申請に必要な7つの条件

帰化の許可を得るためには、国籍法第5条に定められた6つの条件に加え、実務上求められる日本語能力を含めた7つの条件をすべて満たす必要があります。ただし、これらの条件を満たしていても帰化が必ず許可されるわけではなく、最終的な判断は法務大臣の裁量に委ねられています。

1. 住所要件:引き続き5年以上日本に住所を有すること

帰化申請時点で、引き続き5年以上日本に住所を有していることが必要です(国籍法第5条第1項第1号)。ここでいう「引き続き」とは、途中で長期間日本を離れることなく、継続的に日本に居住していることを意味します。

一般的な海外旅行で短期間日本を離れることは問題ないとされていますが、長期間の出国や、年間の出国日数が多い場合は「引き続き」の要件を満たさないと判断される可能性があります。ただし、出国日数について法務省は一律の基準を公表しておらず、個別の事情に応じて判断されます。不安がある場合は、法務局への事前相談が必要です。

また、住所は適法なものでなければなりません。正当な在留資格を有していない状態での居住期間は算入されません。留学の在留資格のみで5年間日本にいた場合、就労ビザ等への変更後にさらに一定期間の就労経験が求められる場合がありますが、これについても明文の基準はなく、法務局が個別に判断します。

なお、前述のとおり、2026年4月1日からの運用見直しにより、「日本社会との融和」の観点から原則として10年以上の居住が求められるようになっています。ただし、国籍法上の条文は「5年以上」のままであり、簡易帰化の対象者など例外もあるため、具体的な要件は法務局に確認してください。

2. 能力要件:18歳以上で本国法によって行為能力を有すること

帰化申請を単独で行うためには、年齢が18歳以上であり、かつ本国(母国)の法律によっても成人年齢に達している必要があります(国籍法第5条第1項第2号)。

2022年4月1日に施行された改正民法により、日本の成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これに伴い、帰化申請の能力要件も18歳以上に変更されています。以前は20歳以上が要件とされていましたが、現在は18歳になれば単独で帰化申請が可能です。

ただし、本国法による成人年齢も満たしている必要があります。本国法の成人年齢は国によって異なり(18歳の国もあれば、19歳や21歳の国もあります)、各国法の改正もあり得るため、自分の本国法上の成人年齢を事前に確認しておくことが重要です。

なお、未成年者であっても、両親と一緒に帰化申請をする場合や、日本人の配偶者である場合、父母が日本国籍である場合など、一定の条件のもとで帰化申請が認められるケースがあります。

3. 素行要件:素行が善良であること

素行が善良であることが求められます(国籍法第5条第1項第3号)。素行の善良さは、犯罪歴の有無や態様、納税状況、社会への迷惑の有無などを総合的に考慮して判断されます。

具体的にチェックされる主な項目は以下のとおりです。

・犯罪歴:前科がある場合、刑の重さや経過した期間によって判断が異なります。軽微な罰金刑であっても、一定期間が経過するまでは帰化が認められない可能性があります。

・交通違反:過去5年間の交通違反歴が調査されます。軽微な駐車違反が1〜2回程度であれば大きな問題にはなりにくいとされていますが、飲酒運転や免許停止処分を受けた経歴がある場合は、不許可になる可能性が高まります。

・税金の納付状況:住民税、所得税の滞納は重大なマイナス要因です。個人事業主の場合は法人税や事業税も対象となります。滞納がある場合は完納してから申請することが必要です。同居家族の納税状況も確認対象となります。2026年4月1日以降は、納税証明書の確認期間が過去5年分に拡大されています。

・年金・社会保険の納付状況:国民年金や国民健康保険の未納は、近年特に厳しくチェックされるようになっています。2026年4月1日以降は、社会保険料の確認期間が過去2年分に拡大されています。会社員の場合、勤務先が社会保険料を適正に納付しているかも確認されることがあります。

4. 生計要件:生計を営むことができること

自己または生計を一にする配偶者その他の親族の資産や技能によって生計を営むことができることが要件です(国籍法第5条第1項第4号)。つまり、自立した経済生活を営めることが求められます。

具体的な金額基準は法令で明示されていませんが、生活保護に頼らず自立した生活ができる程度であれば認められる傾向にあります。収入と支出のバランスが常識的な範囲であることも重要です。

配偶者の収入で生計が成り立っている場合や、親からの確実な仕送りがある場合も、要件を満たすと判断されることがあります。

なお、過去に自己破産をした方は、破産手続きの終了から一定期間が経過するまでは帰化が難しくなります。借金がある場合でも、収入と支出のバランスを崩さない範囲で返済ができていれば問題になることは少ないとされています。

5. 重国籍防止要件:日本国籍取得により元の国籍を喪失すること

日本国籍を取得する際には、原則として元の国籍を失うことが必要です(国籍法第5条第1項第5号)。日本は二重国籍を原則として認めていないためです。

国籍の喪失や離脱の取り扱いは国によって大きく異なります。帰化後に母国の国籍喪失申告を提出する必要がある国もあれば、別途国籍放棄の手続きが必要な国もあります。具体的な手続きは国ごとに異なるため、帰化申請前に自国の大使館・領事館で確認しておくことが重要です。

ただし、本人の意思にかかわらず母国の国籍を喪失できない特別な事情がある場合には、この条件が免除されることもあります(国籍法第5条第2項)。

6. 憲法遵守要件:日本政府を破壊する思想を持たないこと

日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを企てたり主張したりしたことがないこと、またそのような団体を結成したりこれに加入したことがないことが要件です(国籍法第5条第1項第6号)。

テロリスト集団や暴力団などの反社会的勢力との関わりがある場合は帰化が認められません。本人が直接関わっていなくても、親族が暴力団関係者であり、関係が近いと判断された場合には影響を受ける可能性があります。

7. 日本語能力:日常生活に支障のない日本語力を有すること

国籍法の条文には明記されていませんが、実務上は日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話および読み書き)が求められます。東京法務局の案内でも、帰化の条件として「日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話及び読み書き)を有していること」が必要とされています。

法務局での面接において、担当官が日本語力を確認します。日本語力に疑いがある場合はテストが実施されることもあります。なお、法務省が公式に特定の日本語能力試験の等級を合否基準としているわけではなく、面接での受け答えや書類作成能力等から総合的に判断されます。

帰化の条件が緩和されるケース(簡易帰化)

日本との特別な関係を有する外国人については、帰化の条件が一部緩和される「簡易帰化」が認められています(国籍法第6条〜第8条)。主なケースは以下のとおりです。

・日本人の配偶者である外国人:婚姻の日から3年を経過し、かつ引き続き1年以上日本に住所を有する場合は、住所要件(5年以上)と能力要件が緩和されます。また、引き続き3年以上日本に住所・居所を有し現在も日本に住所がある場合も同様です。

・日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有する方:住所要件・能力要件・生計要件が免除されます。

・日本で生まれ、かつ出生の時から国籍を有しない方で、その時から引き続き3年以上日本に住所を有する方:住所要件が緩和されます(国籍法第8条第4号)。

・引き続き10年以上日本に居所を有する方:住所要件が緩和される場合があります(国籍法第6条第3号)。

簡易帰化の対象であっても、素行要件・重国籍防止要件・憲法遵守要件は引き続き求められますので、すべてのケースで審査は行われます。

帰化申請の手続きの流れ

帰化申請の手続きは、一般的に以下の流れで進みます。

・ステップ1:法務局での初回相談(予約制)。管轄の法務局に事前予約を取り、帰化の要件を満たしているかを相談します。必要書類の案内を受けます。

・ステップ2:必要書類の収集と申請書の作成。母国の書類の収集・翻訳、日本の各種証明書の取得、帰化許可申請書や動機書などの作成を行います。この段階に2〜6か月程度かかることが一般的です。

・ステップ3:法務局での書類確認。集めた書類に不備がないか、法務局で確認を受けます。不備があれば修正・追加が求められます。

・ステップ4:帰化申請の受付。書類が整ったら、法務局に帰化申請書類一式を正式に提出します。15歳以上の方は本人が出頭する必要があります。

・ステップ5:法務局での面談。申請受付から約3か月後に、法務局の担当官による面談が行われます。申請内容の確認や日本語能力のチェックなどが行われます。

・ステップ6:審査結果の通知。面談後さらに6〜8か月程度の審査期間を経て、結果が通知されます。許可の場合は官報に告示され、法務局から連絡があります。

・ステップ7:帰化後の手続き。許可後は市区町村で帰化届を提出し、戸籍が作成されます。在留カードの返納、元の国籍に関する手続き(国籍喪失申告等)なども行います。

申請から許可までの総期間は、書類準備を含めると概ね1年〜1年半程度です。審査期間中に住所変更、転職、交通違反などの変更事項が生じた場合は、速やかに法務局へ報告する必要があります。

帰化と永住の違い

外国人が日本に長期的に安定して暮らすためのステータスとして、「帰化」と「永住許可」があります。両者は似ているようで大きな違いがありますので、正しく理解しておくことが重要です。

帰化は日本国籍を取得して日本人になることです。日本のパスポートが取得でき、選挙権も得られます。一方で、原則として母国の国籍を失います。永住許可は、外国籍のまま在留期間の制限なく日本に住み続けることができる在留資格です。就労制限はなくなりますが、外国人としての地位は変わらず、在留カードの携帯義務や7年ごとのカード更新(16歳以上の場合)は必要です。

居住要件については、永住許可が原則10年以上とされています。帰化については、国籍法の条文上は5年以上ですが、2026年4月1日からの運用見直しにより、実務上は永住許可と同じく原則10年以上の居住が求められるようになっています。帰化と永住のどちらを選ぶかは、将来の生活設計や母国との関係を踏まえて慎重に判断する必要があります。

帰化と永住の違いについては、以下のビザマネメディアの記事でも詳しく解説しています。

「永住権」と「帰化」の違い!メリットや申請方法を詳しく解説(ビザマネメディア)

確実に帰化申請で許可をもらうためのポイント

帰化申請は条件を満たしていても必ず許可されるわけではなく、申請書類の完成度や面接での受け答え、申請後の行動なども審査に影響します。確実に許可を得るためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

ネットの情報だけに頼らず専門家に相談する

帰化申請の条件は個人の状況によって判断が大きく異なります。インターネット上の情報は一般的なものであり、個別の事情に対応していません。行政書士など帰化申請の専門家に相談することで、自分では気づかない問題点を事前に洗い出すことができます。近年はネットやAIの情報だけで自己申請する方が増えていますが、不備のある申請が増加する一因ともなっているため、専門家の助言を受けることが推奨されます。

法務局での事前相談を活用する

帰化申請に先立ち、管轄の法務局で帰化に関する相談を行うことが重要です。予約を取って相談に臨むことで、申請が可能かどうかの見通しを得ることができます。事前相談の段階で問題点が見つかった場合は、改善してから申請することで不許可のリスクを減らせます。

申請後も慎重に行動する

帰化申請が受理された後も、審査期間中の行動は注視されています。交通違反や税金の滞納、虚偽の申告などは不許可の原因となります。また、法務局からの追加書類の提出依頼や面談の指示には速やかに対応することが大切です。住所変更や転職などの変更事項が生じた場合も、必ず法務局に報告しましょう。

帰化申請の条件まとめ

帰化申請は、外国人が日本国籍を取得するための重要な手続きです。住所要件、能力要件、素行要件、生計要件、重国籍防止要件、憲法遵守要件、日本語能力の7つの条件を満たす必要がありますが、法務大臣の裁量による最終判断であるため、条件を満たしていても必ず許可されるとは限りません。

2022年4月の民法改正により、帰化申請の能力要件が20歳以上から18歳以上に引き下げられたことは、若い世代の外国人にとって大きな変更点です。また、2026年4月1日からは帰化審査の運用が見直され、居住期間について原則10年以上が求められるようになったほか、納税証明書の確認期間(過去5年分)や社会保険料の確認期間(過去2年分)も拡大されています。

帰化を検討している方は、早めに法務局や専門家に相談し、要件を確実に満たした状態で申請に臨むことが許可への近道です。企業の人事・総務担当者としても、外国人従業員の帰化に関する相談を受けた際に基本的な知識を持っておくことで、適切なサポートが可能になります。

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著者 ビザマネメディア編集部

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