在留カードには、個人情報として名前、住所、就業内容などが詳細に記載されているため、悪用される可能性が高いです。特に、日本で滞在するためには在留カードを常に所持する必要があるため、一層注意が必要です。
この記事では、そんな在留カードの照会方法を1からわかりやすく解説していきます。
在留カードの照会とは何か
在留カードには、氏名・生年月日・国籍・住居地・在留資格・在留期間・就労の可否など、外国人の身分に関する個人情報が詳細に記載されています。日本に中長期間滞在する外国人は常時携帯が義務付けられているため、偽造や悪用のリスクも無視できません。企業が外国人を雇用する際には、提示された在留カードが「本物で、かつ現時点で有効であるか」を確認することが不可欠です。その確認手段のひとつが「在留カードの照会」です。
この記事では、在留人事部・総務部の担当者が押さえておくべき在留カードの照会方法を、2026年4月時点の最新情報に基づいて1から解説します。
在留カードの基本情報
在留カードとは、在留資格(外国人が日本に滞在し活動するために必要な法的な許可の種類)をもって日本に中長期間滞在する外国人に対し、法務大臣が交付するICカードです。カード表面には氏名や在留資格などの情報が印字され、カード内部のICチップにも同じ情報が記録されています。
出典:出入国在留管理庁「在留カードとは?」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/zairyuucard.html) 2026年4月確認
なぜ企業が照会を行う必要があるのか
在留カードを確認せずに、または確認を怠って不法就労状態の外国人を就労させた場合、雇用主は入管法第73条の2に定められた不法就労助長罪に問われる可能性があります。この罪は「知らなかった」では済まされず、確認を怠った過失があれば処罰対象となります。企業が在留カードの真正性と有効性を確認することは、コンプライアンス対策の根幹です。
出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第73条の2(https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319) 2026年4月確認
企業が在留カードの照会を行う3つの目的
在留カードの照会は、単にカード番号が有効かどうかを確認するだけの作業ではありません。企業側の視点で整理すると、主に次の3つの目的があります。
不法就労助長罪のリスクを回避するため
不法就労助長罪は、外国人に不法就労活動をさせた事業主などに適用される犯罪です。2026年4月時点の現行法における法定刑は、入管法第73条の2に定められた「3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はこれらの併科」です。なお、法定刑の呼称については、2022年の刑法改正により懲役刑と禁錮刑が「拘禁刑」に一本化され、その改正は2025年6月1日に施行されています。
出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第73条の2(https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319) 2026年4月確認
出典:法務省「刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00198.html) 2026年4月確認
さらに、2024年6月に公布された改正入管法(令和6年法律第60号)により、法定刑は「5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、又はこれらの併科」へと引き上げられることが決まっています。この引上げは2026年4月時点では未施行で、育成就労制度と同時に2027年4月1日に施行される予定です。改正施行後は、現行の1.6倍超の水準に厳罰化されるため、今のうちから社内の確認体制を整えておくことが重要です。
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/index_00005.html) 2026年4月確認
入管法第73条の2第2項では、雇用主が外国人の不法就労を知らなかったとしても、知らなかったことに過失があるときはこの罪を免れないと定められています。在留カードを確認していない、あるいは偽造カードを見抜けなかったといった事情は「過失あり」と判断されるおそれがあるため、確認手続きを省略することは重大なリスクになります。
出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第73条の2第2項(https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319) 2026年4月確認
偽変造在留カードを見極めるため
近年、精巧な偽変造在留カードが国内で多数発見されています。出入国在留管理庁は、券面の偽造対策や、ICチップ読み取りによる真正性確認の仕組みを整備しており、目視だけで見分けることは困難とされる事例も報告されています。券面のみで判断せず、ICチップ情報や失効情報照会を併用することが実務上の標準となりつつあります。
出典:出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html) 2026年4月確認
失効したカードを見逃さないため
在留カードは、有効期間の満了、在留資格の取消し、紛失・盗難に伴う再交付などの理由で失効することがあります。失効したカードを所持したまま就労している外国人を雇用すると、企業側も不法就労助長罪に問われる可能性があります。失効情報の確認は、採用時だけでなく、在留期間満了日が近づくタイミングでの定期チェックも重要です。
【2026年最新】在留カード等番号失効情報照会の手順
出入国在留管理庁は、在留カード等の番号が失効していないかをオンラインで確認できる「在留カード等番号失効情報照会」を無料で提供しています。企業の担当者が誰でも利用でき、ブラウザから在留カード等の番号と有効期間を入力するだけで即時に結果が表示されます。
照会サイトへアクセスする(2026年1月にURLが変更されました)
2026年1月5日より、在留カード等番号失効情報照会の提供URLが https://lapse-immi.moj.go.jp/html/top.html に変更されました。旧URLをブックマークしていた場合は、ブックマークの更新が必要です。社内マニュアルに旧URLを記載している場合も、この機会に更新してください。加えて、2026年1月5日以降、海外のIPアドレスやVPN・プロキシ等を用いた匿名化環境からのアクセスに対して制限がかけられています。海外拠点から照会を行う運用がある場合は、アクセス環境の見直しが必要です。
出典:出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html) 2026年4月確認
在留カード等番号と有効期間を入力する
照会画面では、在留カード等番号(カード表面右上に記載されている12桁の英数字)と在留カード等有効期間の満了日を入力します。画面に表示される認証用の文字(画像)を入力して「照会」ボタンを押すと、その番号が現時点で失効しているかどうかが確認できます。入力時は、必ず原本の在留カードを目の前に置き、券面を読み間違えないよう注意します。
照会結果の見方と企業の対応
照会結果は大きく分けて次の2パターンです。
・「入力された在留カード等番号は、当該有効期間において有効なものです」と表示された場合:入力時点でその番号は失効していないことを意味します。ただし、これは番号の有効性の確認にとどまり、券面情報の真正性や本人性まで保証するものではないため、ICチップの読み取りや原本確認と組み合わせることが推奨されます。
・「入力された在留カード等番号は失効しています」と表示された場合:そのカードは既に失効しています。直ちに就労させることは避け、本人に現状を確認してください。在留資格の更新漏れや紛失再交付の可能性があるため、状況を聞いた上で必要に応じて地方出入国在留管理官署に相談する対応が無難です。
なお、在留カードの表面上は有効期限が過ぎていても、在留期間更新許可申請(または在留資格変更許可申請)中の「特例期間」に該当するケースがあります。出入国在留管理庁の説明によれば、当該申請に係る処分が在留期間の満了の日までになされないときは、「当該処分がされる時」又は「在留期間の満了の日から2か月が経過する日が終了する時」のいずれか早い時までの間、引き続き従前の在留資格で日本に在留できるとされています。失効情報照会の結果と合わせて、本人から申請中であるかどうか、そして在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」にその記載があるかを確認する運用が望まれます。
出典:出入国在留管理庁「特例期間とは?」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/tokureikikan_00001.html) 2026年4月確認
メンテナンス時間と利用上の注意
在留カード等番号失効情報照会は、メンテナンス(データ更新)のため利用できない時間帯があります。夕方以降に採用面接を行う場合など、業務の時間帯に合わせて照会を行う際は、事前に失効情報照会サイトの案内を確認し、利用可能な時間内に照会作業を済ませておくとスムーズです。
出典:出入国在留管理庁「在留カード等番号失効情報照会」(https://lapse-immi.moj.go.jp/html/top.html) 2026年4月確認
出典:出入国在留管理庁「在留カード等番号失効情報照会」(https://lapse-immi.moj.go.jp/html/top.html) 2026年4月確認
在留カード等読取アプリケーションの活用
失効情報照会だけでは、券面の偽造やICチップとの整合性までは確認できません。そこで合わせて活用したいのが、出入国在留管理庁が無料で提供している「在留カード等読取アプリケーション」です。
読取アプリでできること
在留カード等読取アプリケーションは、在留カードと特別永住者証明書のICチップに記録された情報を読み取り、券面との一致を確認するためのアプリケーションです。PC版とスマートフォン版が提供されており、NFC(近距離無線通信)機能を備えた端末があれば誰でも利用できます。このアプリを利用すると、券面情報だけでは見抜きにくい偽変造カードの発見につながります。
出典:出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html) 2026年4月確認
2025年11月14日以降の新機能(アプリから失効情報照会が可能に)
2025年(令和7年)11月14日以降、在留カード等読取アプリケーションから失効情報照会が直接利用できるようになりました。これにより、ICチップによる真正性の確認と、番号の失効有無の確認を一つのアプリ内で完結させやすくなっています。出入国在留管理庁は、アプリを利用する場合でも、合わせて失効情報照会を利用することを推奨しています。
出典:出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html) 2026年4月確認
読取アプリの具体的な導入・操作手順は、以下の記事で詳しく解説しています。
在留カード読み取りアプリの使い方を徹底解説|導入手順・失効照会・企業の実務ポイント – ビザマネ
在留カード券面で確認できる偽変造防止のポイント
在留カード等読取アプリや失効情報照会に加えて、券面そのものにも複数の偽変造防止機能が施されています。出入国在留管理庁は、券面で確認できる主な特徴として以下のような点を案内しています。
・カードを上下方向に傾けると、「MOJ」ホログラム周辺の絵柄の色が変化する
・カードを左右方向に傾けると、「MOJ」ホログラムが左右に動いて見える
・カード左下の銀色ホログラムを見る角度を90度変えると、文字の白黒が反転する
・暗い場所で、カード表面側から強い光を当てて透かすと「MOJMOJ…」の透かし文字が見える
ただし、これらの目視チェックはあくまで補助的な確認手段です。精巧な偽造カードを完全に見抜くことは難しいため、必ずICチップの読取りと失効情報照会を組み合わせて運用することが実務上重要です。
出典:出入国在留管理庁「在留カード及び特別永住者証明書の見方」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-4.html) 2026年4月確認
照会以外に企業が行うべき在留管理の実務
失効情報照会と読取アプリによる真正性確認は不法就労防止の第一歩です。外国人を多数雇用する企業では、以下の実務も合わせて整備しておくと、行政指導や摘発のリスクをさらに抑えられます。
原本確認の徹底
在留カードの確認は、必ず原本で行ってください。コピーやスキャン画像、写真データだけでは、ホログラムや透かしといった偽造防止機能の確認ができず、ICチップの読み取りもできません。採用面接時やオンボーディング時に、対面またはオンライン面会で原本を提示してもらう運用をルール化することが望まれます。
資格外活動許可と就労可否の確認
在留カード券面には「就労制限の有無」と「資格外活動許可欄」が記載されています。「就労不可」と記載されている在留資格(留学、家族滞在、文化活動など)を持つ外国人を就労させるためには、資格外活動許可が必要です。資格外活動許可には就労時間の上限(例:留学生は原則1週間に28時間以内など)や職種の制限があるため、券面の記載を精読することが不可欠です。特定の活動を指定される「特定活動」の在留資格を持つ方については、パスポートに添付された「指定書」の内容も確認対象になります。
出典:出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-8.html) 2026年4月確認
在留期限の継続的な管理
在留カードは一度確認して終わりではありません。在留期間は在留資格ごとに定められており、更新を怠ると不法残留状態になります。更新許可申請は原則として在留期間の満了する日の概ね3か月前から受け付けられているため、採用時点で在留期限を記録し、満了日の3か月前に通知が届くような仕組みを社内に整備しておくと、更新漏れのリスクを大幅に減らせます。
出典:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-2.html) 2026年4月確認
2026年以降に押さえておきたい制度変更
在留カードに関連する制度は、2026年以降も複数の大きな変更が予定されています。人事・総務担当者が注目しておくべき主なトピックを整理します。
・育成就労制度の施行:2024年6月に成立した入管法等の改正により、技能実習制度に代わる新制度として「育成就労制度」が創設されました。施行日は2025年9月26日の閣議決定により2027年4月1日と定められ、同月に関係省令も公布されています。受入れ企業の要件や手続きが大きく変わるため、該当する業界の企業は早めの確認が必要です。
・在留カードとマイナンバーカードの一体化:出入国在留管理庁は、在留カード等とマイナンバーカードの機能を1枚に集約した「特定在留カード」の運用を2026年6月14日から開始すると公表しています。取得は任意で、引き続き従来どおり2枚持つこともできますが、導入後は在留カード運用の現場にも変化が生じるため、出入国在留管理庁の公式発表を継続的に確認することが大切です。
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/index_00005.html) 2026年4月確認
出典:出入国在留管理庁「【※2026年6月14日運用開始※】特定在留カード等交付申請について」(https://www.moj.go.jp/isa/tokutei.html) 2026年4月確認
在留カード照会を効率化するなら
外国人を多数雇用する企業では、採用時の在留カード確認と、その後の在留期限管理を人力だけで回すことには限界があります。担当者一人ひとりが失効情報照会サイトにアクセスし、読取アプリを起動し、Excelで在留期限を管理する運用では、ヒューマンエラーによって更新漏れや失効カードの見逃しが発生しやすくなります。
外国人労務管理クラウドサービス「ビザマネ」は、在留カードのICチップ読み取りによる偽造チェック、在留資格・就労可否の自動判定、有効期限のアラート通知までを一つのシステムで一元管理できるツールです。不法就労助長罪のリスク対策として、多くの企業で導入されています。在留カードの照会や在留期限管理の工数にお悩みの方は、ぜひ一度サービス内容をご確認ください。
まとめ
在留カードの照会は、外国人を雇用する企業にとって不法就労助長罪のリスクを回避するための基本動作です。2026年4月時点でのポイントをまとめると、次のとおりです。
・在留カード等番号失効情報照会のURLは2026年1月5日に変更された(新URL: https://lapse-immi.moj.go.jp/html/top.html)
・2025年(令和7年)11月14日以降、在留カード等読取アプリケーションから失効情報照会が直接利用できるようになった
・不法就労助長罪の法定刑は、2026年4月時点では「3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金(又は併科)」。2027年4月1日施行予定の改正入管法により、「5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金(又は併科)」に引き上げられる
・失効情報照会・ICチップ読み取り・原本確認・在留期限管理を組み合わせた多層的な運用体制が重要
在留カードの照会と継続的な在留期限管理は、担当者の負担が大きく、手作業に依存するとミスが発生しやすい業務です。リスクを確実に抑えながら効率化を図るためには、専用ツールの活用も含めた体制整備を検討することをおすすめします。


