訪日外国人は2025年に年間4,268万人を超え、過去最高を大きく更新しました。国ごとの客層・消費行動・訪日目的は大きく異なり、インバウンド対応や外国人雇用を進める企業にとって、国別の傾向を正確に把握することは事業戦略の土台になります。
本記事では、JNTO(日本政府観光局)や観光庁の一次データをもとに、2026年4月時点で確認できる最新情報に基づき、主要な国・地域ごとの訪日傾向を整理します。さらに記事後半では、観光で訪れる「訪日外国人」と、日本で働く「在留外国人」の国籍構成が大きく異なる点にも触れ、人事・総務担当者の実務に役立つ視点も解説します。
2025年の訪日外国人の全体像(2026年4月時点の最新データ)
訪日外客数は年間4,268万人で過去最高を更新
JNTOが2026年1月21日に公表した推計値によると、2025年の年間訪日外客数は42,683,600人となり、前年比15.8%増で過去最高を更新しました。2024年の36,870,148人から580万人以上の増加で、コロナ前のピークだった2019年の3,188万人と比べても1,000万人以上上回る水準です。
国・地域別の年間累計では、韓国が945万9,600人(前年比+7.3%)で最多となり、次いで中国909万6,300人(+30.3%)、台湾676万3,400人(+11.9%)、米国330万6,800人(+21.4%)、香港251万7,300人(-6.2%)と続きます。米国は初めて年間300万人を突破し、豪州も初めて年間100万人を超えました。
旅行消費額は9.5兆円規模に到達
観光庁が2026年1月21日に公表した「インバウンド消費動向調査 2025年暦年(速報)」によると、2025年の訪日外国人旅行消費額は9兆4,559億円となり、前年比+16.4%で暦年として過去最高を記録しました。1人当たり旅行支出(消費単価、全目的)は22.9万円で、前年比+0.9%と微増です。
消費額の上位5か国・地域は、(1)中国、(2)台湾、(3)米国、(4)韓国、(5)香港の順で、この5市場で全体消費額の過半を占める構成となっています。国によって客数ランキングと消費額ランキングは異なり、たとえば最も多く訪日しているのは韓国ですが、消費額では中国・台湾・米国が上位を占めています。
訪日外国人の国籍別の傾向(東アジア)
中国
2025年の訪日中国人客は約910万人で、前年比+30.3%と主要国の中でも突出した伸び率を示しました。訪日客数では韓国に次ぐ2位ですが、旅行消費額では首位であり、インバウンド市場の主軸となる存在です。背景としては、ビザ緩和・手続きのデジタル化や、地方路線を含む航空便の増加などが指摘されています。
一方で、2025年12月の単月では中国からの訪日客が前年同月比45.3%減と急激に落ち込んだ時期もあり、政府間の関係や渡航自粛の呼びかけなど政治・外交情勢の影響を受けやすい点は引き続き注意が必要です。中長期的には回復基調ですが、短期的な増減は大きくなりやすい市場といえます。
消費行動については、従来の「爆買い」型の買い物消費から、宿泊・飲食・体験型サービスへのシフトが進んでいるとされており、個人旅行(FIT)比率の高まりや地方部への誘客も注目点です。
韓国
韓国は2025年の年間訪日客数が約946万人で、3年連続で国別トップとなりました。前年比+7.3%と伸び率は二桁には届かないものの、人口規模と比較した訪日率が極めて高く、日本に対するリピート傾向の強さが特徴です。
韓国市場は「近さ」「LCCの充実」「短期滞在中心」といった特性があり、週末や連休を利用した1~3泊程度の旅行が中心とされています。こうした「訪日の日常化」は2026年もさらに進むと予測されています。
台湾
台湾は2025年の年間訪日客数が約676万人で、前年比+11.9%と堅調な伸びを維持しています。訪日リピーター比率が高いことで知られ、親日度の高さと直行便の多さを背景に、安定して高い需要が続いています。
近年では円安を背景に、高級旅館や美食など「高付加価値な体験」への支出が広がっているとされ、従来の買い物中心から体験・宿泊中心へ消費構造が変わってきている傾向が見られます。
香港
香港は2025年の年間訪日客数が約252万人で、主要市場の中で唯一、前年を下回りました(前年比-6.2%)。人口規模の割に訪日客数は多く、リピート率の高さは台湾と並んで高いとされています。
2025年は航空座席数の調整や、他のアジア路線への需要分散などの影響が指摘されていますが、消費額ベースでは引き続き上位に入る重要市場です。
訪日外国人の国籍別の傾向(東南アジア・南アジア)
タイ
タイは年間で100万人を超える主要市場の1つとなっており、2025年には年間累計が100万人を超えた7市場(中国・韓国・台湾・米国・香港・タイ・豪州)のうちの1つに位置づけられました。短期ビザ免除措置を背景に、家族・友人との小グループ旅行が多く、桜・雪・ソンクラン(タイの旧正月)休暇などに合わせた訪日が目立ちます。
ベトナム
ベトナムは2025年7-9月期の1人当たり旅行支出の伸び率が前年同期比+61.7%と、調査国・地域の中でも大きな伸びを見せました。ただし、ベトナムの場合は観光客に加えて、親族・知人訪問や業務目的での入国も一定割合を占める点が特徴です。日本で働くベトナム人労働者が多いため、彼らに会いに来る家族訪問や、人材関連のビジネス訪問といった需要が背景にあるとみられます。
シンガポール・マレーシア・インドネシア
シンガポール・マレーシア・インドネシアなどのASEAN主要国は、所得水準の上昇と直行便増加を背景に、いずれも訪日需要が拡大傾向にあります。2025年は多くの市場で月次の過去最高を更新しており、東アジア中心から東南アジア・南アジアへの多角化が進んでいます。
シンガポールは単価が比較的高く、マレーシア・インドネシアはムスリム旅行者への対応(ハラル食・礼拝スペース)のニーズが重要な実務論点となっています。
インド
インドは人口・経済成長の両面から今後の拡大が期待される市場で、2025年は月次で過去最高を複数回更新しました。現時点で絶対数は他主要市場に及びませんが、平均滞在日数が長く、ビジネス需要を含む成長市場として位置づけられています。
訪日外国人の国籍別の傾向(欧米・豪州)
米国
米国は2025年に年間訪日客数が初めて300万人を突破し(330万6,800人、前年比+21.4%)、中国・韓国・台湾に次ぐ第4の300万人市場となりました。消費額でも上位5位に入っており、客数・消費単価ともに伸びが目立つ成長市場です。
欧米諸国の訪日客の特徴として、日本からの物理的な距離が遠いため1回の訪日で10日以上滞在するケースが多く、都市部だけでなく地方への周遊を伴う傾向があります。米国市場では、2025年に紅葉シーズンの10-11月に需要が特に強まったとJNTOは分析しています。
欧州(英国・フランス・ドイツなど)
欧州主要国は客数の絶対値こそ東アジアに及びませんが、1人当たり旅行支出が調査対象の中でもトップクラスに位置する「高単価市場」です。観光庁の2025年7-9月期調査(1次速報)では、1人あたり旅行支出の最上位はドイツ(43万5,512円)で、英国、スペインが続きました。
欧州客は平均滞在日数も長く、宿泊・交通・体験型サービスに支出する割合が高いため、地方誘客や高付加価値観光の観点から重視される市場となっています。
オーストラリア
オーストラリアは2025年に初めて年間訪日客数が100万人を突破し、中国・韓国・台湾・米国・香港・タイに次ぐ7市場目の「100万人市場」となりました。南半球に位置するため、日本の冬(12月~2月)にスキー・スノーボード・温泉を目的に訪日するパターンが多く、北海道や長野などの雪質の良いリゾート地で強い存在感を持ちます。
1人当たり旅行支出も高水準で、宿泊費やサービス消費の比率が高いのが特徴です。
「訪日客」と「在留外国人」の国籍傾向は大きく異なる
外国人雇用を担う人事・総務部門にとって重要なのは、「訪日外国人(観光等の短期滞在者)」と「在留外国人(中長期の在留者)」は、国籍構成が大きく異なるという点です。訪日客のランキング(韓国・中国・台湾・米国・香港)と、在留外国人の国籍別ランキングは必ずしも一致しません。
出入国在留管理庁が2025年10月10日に公表した統計によると、2025年6月末時点の在留外国人数は395万6,619人で、前年末(376万8,977人)に比べて18万7,642人(+5.0%)増加し、過去最高を更新しました。中長期在留者数は368万6,327人、特別永住者数は27万292人で、その合計が395万6,619人です。
国籍・地域別では、中国が90万738人(全体の22.8%)で最多、次いでベトナムが66万483人(16.7%)、韓国が40万9,584人(10.4%)と続き、上位3か国で全体のほぼ半数を占めます。第5位のネパール(27万3,229人)は前年末比+17.2%、第6位のインドネシアは前年末比+15.4%と、東南アジア・南アジアからの伸びが顕著です。また、令和6年末時点で第12位だったスリランカは第9位に順位を上げています。
在留資格別では、「永住者」が93万2,090人で最多、「技術・人文知識・国際業務」が45万8,109人で前年末比+9.4%、「特定技能」は33万6,196人で前年末比+18.2%と大きく伸びており、就労系の在留資格の拡大が続いています。
つまり、観光で多く訪れる国と、雇用の現場で多く採用する国は別物として理解しておく必要があります。たとえば「韓国人は訪日観光客としてトップだが、在留者数では中国やベトナムに比べて相対的に少ない」「ベトナム・インドネシア・ネパールは在留労働者のボリュームが大きく、伸び率でも上位だが、観光客数のランキングではそこまで目立たない」といった違いを前提に、自社で雇用する外国人の国籍構成を把握することが、外国人雇用戦略の出発点になります。
人事・総務担当者が国別傾向から把握しておきたい実務ポイント
訪日外国人の国別傾向は、インバウンド業界だけでなく、外国人雇用を行う企業にとっても重要な示唆を持ちます。国ごとにビザ免除の有無、滞在可能期間、一般的な在留資格の種類、就労可否のパターンが異なるためです。人事・総務担当者が押さえておきたい観点を整理します。
・国籍ごとに短期滞在のビザ免除対象かどうかが異なります。観光目的で来日した外国人に「そのまま働いてもらう」ことはできないため、採用する場合は必ず就労可能な在留資格へ切り替える必要があります。
・在留カードの所持が必要な「中長期在留者」かどうかは、在留期間と在留資格によって決まります。短期滞在(観光等)の外国人には在留カードが交付されていません。
・同じ国籍でも保有している在留資格によって就労可否・就労できる職種は大きく異なります。国籍だけで判断せず、必ず在留カードの「在留資格」「就労制限の有無」「在留期間」を確認することが重要です。
・偽造在留カードは国籍を問わず発見されており、カード表面の見た目だけでは判別が難しいケースが増えています。ICチップ読み取りによる本物確認が実務上の標準となっています。
採用実務では、国別の観光傾向ではなく、あくまで個別の在留カードと在留資格を起点に判断することが大原則です。訪日客数と在留者数のどちらが多いかといった国別のマクロ傾向は、採用戦略や多言語対応の優先順位を決めるための参考情報として位置づけるとよいでしょう。
国籍別の採用時の注意点や、在留カードの確認実務について詳しくは、ビザマネメディアの以下の記事も参考になります。
不法滞在の見分け方とは?企業が知るべき在留カード確認方法と実務対策を解説(ビザマネメディア)
まとめ:国別傾向を踏まえた受け入れ・雇用戦略を
2025年の訪日外国人は年間4,268万人と過去最高を更新し、旅行消費額も9兆4,559億円に到達しました。国別の傾向を整理すると、東アジアでは韓国・中国・台湾・香港がリピート中心で回数を重ね、東南アジアや南アジアは新興市場として拡大基調、欧米・豪州は長期滞在・高単価の高付加価値市場、という大きな構造が見えてきます。
一方で、日本で働く外国人(在留外国人)の国籍構成は、訪日客の傾向とは別物です。ベトナム・インドネシア・ネパール・ミャンマーなど、観光ランキングとは異なる国々が在留者のボリュームを支えています。人事・総務担当者は、観光的な「訪日国別ランキング」と、雇用現場での「在留国別ランキング」を切り分けて理解し、自社の外国人雇用の実態に即した情報整理を進めることが重要です。
また、どの国籍の外国人を採用する場合でも、共通する実務負担は「在留カードの真贋確認」「在留期限の管理」「不法就労助長罪リスクの回避」の3点に集約されます。国別傾向のマクロ把握と並行して、採用現場で確実に実行できるオペレーションを整備することが、企業に求められる姿勢です。
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米国 788億円 割合6.6% 前年比+11.6%
前年比の高い国
タイ 290億円 割合2.4% 前年比+44.3%
ベトナム 234億円 割合2.0% 前年比+34.4%
ロシア 49億円 割合0.4% 前年比+42.4%
ここからは、地域別に考察していきます。
まずは主要国の上位4か国を含む、最重要の東アジアについてです。
中国
上記の消費額からもわかるように、中国が占める訪日外国人の消費額は、全体の4割以上を占め、日本にとって中国は最重要の観光客だと言えます。前年比も+22.3%と急速な消費増加を見せており、今後も観光消費が期待できる国になります。この急激な消費増加の背景は、2014年の消費税免税制度の拡充と円安元高が進んだことがきっかけとなり、日本の品質の高い製品を安く手に入れるという目的、いわゆる「爆買い」を目的として訪日する中国人が急激に増加しました。
また、中国の文化としてお土産を近所に配る傾向が強く、同じ商品を何個も購入するという傾向がさらに消費を後押ししているようです。その影響で、百貨店の売り上げの急増や、東京の銀座などでは地価の上昇が起きているほどです。また、観光という視点で見ると、日本での「お花見」が中国でブームになっているようです。
近年では中国国内のSNSや個人のブログにて、お花見の様子が拡散され、さらに観光客を呼び込む呼び水に。なっているようです。一方で、観光に対するマナーの悪さが度々指摘されており、お花見の写真を撮るために枝を折ったり、木を揺らして花びらを散らせるなど、日本人では考えられない悪質なマナー違反が起きているようです。最近では中国側も旅行者に呼びかけなどが行われているようですが、旅行者の急増により、効果を上げているかは疑問であり、今後の改善に期待します。
一方、一人当たりの個人消費額は減少傾向にあり、一部では、「爆買いの終了」が噂されています。この個人支出減少の要因は3つ考えられます。
一つ目が、円高元安です。先に爆買いの要因として円安元高を挙げましたが、2015~2016年にかけて1元20円→15円台に円高が進みました。これにより旅行者の中国元での予算が減ったと考えることができます。
二つ目の理由は、越境ECと呼ばれる、海外でのオンライン売買が普及したことです。この越境EC通販サイトが発達したことで、中国国内にいながら、日本製品を取り寄せることができるようになったため、わざわざ旅行先で買う必要もなくなったということです。
三つ目の理由は、中国政府が関税を強化したたためです。酒類、化粧品、衣類は+10%、高級時計は+30%、食品は+5%の関税強化がなされ、「安いから日本で買う」という動機が薄まってしまったということになります。以上の理由から、中国訪日客の消費単価は減少傾向であり、今後もその傾向は続くと考えられます。
台湾
訪日客の消費額が1000億円を超え大きな割合を占める台湾ですが、消費の伸び率では横這いの状況となっています。親日国であり、多くの台湾人が日本に親近感を持っているようで、客足が日本に向きやすく、年間を通じて安定して高い訪日客数となっているようです。台湾の訪日客の大きな特徴として、8割を超えるリピート率の高さが挙げられ、日本が人気の観光スポットとして定着しているようです。
韓国
韓国訪日客も消費額が大きいため、インバウンドに大きな影響を与える存在ですが、近年の日韓政治情勢の悪化から、訪日客数は前年から半減、消費も3割程落ち込むなど、不安定な要素がかなり強い国といえます。最近では韓国側の慰安婦問題、徴用工賠償請求問題を皮切りに、日本側も半導体輸出規制強化、ホワイト国リストからの除外の措置を行い、それに対抗するような形で韓国はアメリカを含む保護協定である、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を一方的に通告してきました。まさに応酬の様相を呈してきた日韓情勢ですが、先日、GSOMIA撤廃を凍結するとのことで、韓国側の譲歩が見られたため、今後の日韓関係の回復を期待します。
香港
最近では大規模デモが起きており、訪日客への影響が懸念される香港ですが、蓋を開けてみると訪日数は前年と比べてもむしろ1.3%の増加となっており、デモの影響は少ないと考えられます。香港の訪日客の特徴として、台湾同様に8割を超えるリピート率の高さが挙げられます。香港国内の書店やコンビニでは、日本の観光地を特集したガイドブックなどが人気となっており、日本観光に対する興味の高さが伺えます。人気の商品としては、ドラッグストアなどで買うことができる化粧品などが人気となっているようです。
訪日外国人の国籍別の傾向(東南アジア)
タイ
ここからは東南アジア地域について考察していきます。近年、訪日客数、消費ともに大きな伸びを見せるタイですが、その消費伸び率は中国をも大きく上回る44.3%と、調査した20か国の中で最大の伸びを見せており、今後最も期待が大きい国と言えそうです。
親日国であり、日本の自動車製品や、アニメなどが多く輸出されているため、タイの人にとっても日本はなじみが深く、観光先としても人気があるようです。さらに、近年の訪日客の増加の背景となっているのは、2013年に行われたビザ緩和が挙げられ、この緩和政策によって15日以内の滞在であればビザが免除され、気軽に日本へ旅行することができるようになりました。旅行客が多い時期としては、ソンクラン(タイの旧正月)にあたる4月がピークとなるようです。
ベトナム
ベトナムも大きな消費増加の伸び率+34.4%となっていますが、その内情は、旅行者だけでなく外国人労働者としての訪日が多いということになっているようです。外国人労働者の数で見ると、ベトナムは中国に次ぐ第2位であり、全体の2割程度となっているようです。ベトナム訪日客の大きな特徴として、滞在日数が36.7日と、異様に長いことが挙げられますが、これも、労働者として訪日しているケースが多く、結果として滞在日数が長くなっているとのことです。消費の傾向としては、買物にお金をかける傾向があるようで、一人当たりの支出でみると東南アジアでは最も買物費にお金を費やしています。また、滞在日数の長さに対して宿泊費の消費がそれほど高くないのは、既に訪日している知人を頼って、家に泊めてもらうことで、宿泊費を節約している傾向があるようです。
訪日外国人の国籍別の傾向(欧米)
アメリカ
訪日アメリカ人の消費額は前年から+11.6%の伸びを見せており、安定した伸びを見せています。トータルの額としても788億円と近隣の東アジアの国と肩を並べる消費額となっています。アメリカに限らず、欧米の観光客の傾向としては、滞在日数が軒並み10日以上となっており、近隣諸国の東アジアの平均滞在日数7~8日と比較して長くなっています。
訪日アメリカ人の平均滞在日数は14.8日となっており、東アジア諸国の2倍程度の滞在期間です。要因は、欧米諸国は日本からの物理的な距離が遠く、旅行費用も高くなるため、東アジア旅行者のような気軽な旅行というよりは、長く滞在して日本を満喫するという考え方になるようです。
訪日アメリカ人の特徴としては、滞在期間が長いことによって、都市部だけでなく地方への観光者の移動を伴うことが挙げられます。特に、原爆の爆心地となった広島への観光客数、宿泊者数が他国より多くなっているようです。
ロシア
訪日ロシア人全体の消費規模は49億円(割合0.4%)とまだそう多くは在りませんが、伸び率が前年比+42.4%と大きく成長しており、今後の動向が注目される国になります。その背景として、2017年に訪日に対するビザが緩和されたことが挙げられます。
その他にも、航空便の増加と運賃の値下がりも重なり、それが追い風となった結果、大きな増加となったようです。まだ全体の規模としては大きくは在りませんが、タイと同様、ロシアの訪日客の客数と消費はこれから大きく伸びていく気配を感じさせます。
訪日外国人の国籍別の傾向(オセアニア)
オーストラリア
オセアニアでは、オーストラリアの消費額が比較的規模が大きく、259億円となっています。9月後半に開催されたラグビーワールドカップの影響で訪日客数は15.5%増加した影響で、消費額は増加しました。物理的な距離が遠いということもあり、欧米と同様10日以上の長期滞在となるケースが多い傾向にあります。時期としては、南半球で季節が逆転しているということがあり、真夏に相当する12月、1月に避暑として日本に来て温泉やスキーを楽しむというスタイルが多いとのことです。
訪日外国人の国籍別の傾向のまとめ
東アジア
中国は観光客数としては増加傾向、個人消費としては減少傾向のため、今後の「爆買い」は縮小するとの見方が強い。
台湾、香港は消費額としては横這いの傾向。香港デモの影響は少ないと考えられる。
韓国は日韓情勢の悪化で大きく3割ほど消費が減少。GSOMIA破棄凍結により韓国政府の一定の歩み寄りが見られたが、今後も不安定な状況が続くと考えられる。
東南アジア
タイは消費が4割以上の伸びと、最も大きな伸びを見せており、今後大きく伸びていく可能性が高い。
ベトナムは労働目的で来日する訪日客が多く、買物に投資する観光客は多い。
欧米
アメリカの消費は10%以上の順調な伸びを見せている。滞在日数が長く、地方への観光客が多い傾向にある。
ロシアはまだ消費の規模は大きくないが、ビザ緩和などにより40%以上の消費の伸びを見せており、今後大きく伸びてくる可能性が高い。
オセアニア
オーストラリアは9月のラグビーワールドカップの影響もあり、訪日客が15%程増加。訪問時期は12~1月が多く、避暑を兼ねて温泉やスキーなどのレジャーを楽しむケースが多い。


