特定技能「介護」におけるネパール人の動向を徹底解説!

執筆者 4月 12, 2020在留資格コメント0件

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特定技能「介護」について【2026年3月最新情報】

特定技能制度の概要

特定技能制度(とくていぎのうせいど)とは、日本国内の深刻な人手不足を解消するために、一定の専門性・技能を持つ外国人を即戦力として受け入れることを目的とした在留資格制度です。2019年4月1日に施行され、当初は14業種(12分野)でスタートしました。

2024年3月の閣議決定により「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野が追加され、2026年3月現在は全16分野が対象となっています。2024年度から2028年度までの5年間の受入れ見込数は約82万人に設定されており、2025年6月末時点ですでに約33万6,000人の特定技能外国人が在留しています。

特定技能には1号と2号の2種類があります。特定技能1号は在留期間が通算5年を上限とし、家族の帯同は認められていません。一方、特定技能2号は在留期間の上限がなく、配偶者や子どもの帯同が可能です。ただし、介護分野には特定技能2号が設けられていないため、長期的に日本で介護職として働く場合は、介護福祉士の国家資格を取得し、在留資格「介護」へ移行することがキャリアパスとなります。

特定技能の全業種に関する情報は以下の記事もあわせてご覧ください。

特定技能制度の全業種・職種を一挙解説(ビザマネメディア)

特定技能「介護」の業務内容と受入れ状況

特定技能「介護」の対象業務は、身体介護(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助など)と、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助など)です。厚生労働省が所管する分野であり、介護施設や事業所での業務が中心となっています。

出入国在留管理庁の公表データによると、2024年12月末時点で介護分野の特定技能在留外国人数は約44,000人に達しており、前年(約28,400人)から50%以上の増加となりました。介護分野は飲食料品製造業、工業製品製造業に次いで3番目に多い分野であり、全体の約15.6%を占めています。

国籍別では、インドネシアが最も多く、次いでミャンマー、ベトナム、フィリピン、ネパールの順となっています。上位5か国で介護分野の特定技能外国人の9割以上を占めている状況です。

なお、介護分野では受入れ人数に制限があり、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数が上限となります。たとえば、ある事業所の常勤介護職員が10名であれば、その事業所で受け入れられる特定技能外国人も10名までです。

日本の介護人材不足の現状とネパール人材への期待

介護人材不足の深刻化

日本は急速な少子高齢化が進行しており、2025年には団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となりました。厚生労働省の推計では、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人の介護職員が追加で必要とされており、介護人材の確保は国家的な課題となっています。

公益財団法人介護労働安定センターの最新の調査によると、介護事業所の約8割が介護職員の不足を感じており、これは過去10年間で最も高い水準です。特に訪問介護分野では有効求人倍率が14倍を超えるなど、施設介護以上に深刻な人手不足に陥っています。

こうした状況の中で、外国人介護人材の受入れは人材確保のための重要な手段として位置付けられています。特にネパール人材は、後述する文化的背景や人材特性から介護分野での活躍が期待されており、注目度が高まっています。

外国人介護人材に対する現場の評価

実際に外国人労働者と一緒に働いている介護事業所は、外国人を受け入れていない事業所と比較して、外国人労働者と働くことに対してポジティブな印象を持つ傾向があります。「職場に活気が出る」「利用者が喜んでいる」といった前向きな意見が多く聞かれます。

また、外国人労働者に対して「意思疎通に不安がある」「コミュニケーションがとりにくい」と感じる割合は、実際に外国人と働いた経験がない事業所の方が高いことがわかっています。つまり、受入れ前の不安と受入れ後の実際の印象には大きなギャップがあり、実際には想定よりもスムーズに協働できるケースが多いのです。

ネパール人が特定技能「介護」を取得するための要件

必要な3つの試験

ネパール人を含む外国人が特定技能「介護」を取得するためには、以下の3つの試験に合格する必要があります。他の分野が2つの試験で済むのに対し、介護分野ではコミュニケーション能力の重要性から3つ目の試験が追加されている点が特徴です。

  1. 介護技能評価試験

介護分野の技能試験です。試験時間は60分で、学科試験40問と実技試験5問の全45問から構成され、60%以上の正答率で合格となります。出題範囲は「介護の基本」「こころとからだのしくみ」「コミュニケーション技術」「生活支援技術」の4分野です。

  1. 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)N4以上

日本語を母語としない外国人が、日常会話ができ生活に支障がない程度の日本語能力を持っているかを判定する試験です。国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上の合格が必要です。

  1. 介護日本語評価試験

介護分野でのみ追加で求められる試験です。試験時間は30分で、介護現場で使われる用語の理解、利用者への適切な声かけ、介護場面での判断力などが問われます。こちらも60%以上の正答率で合格となります。

なお、介護分野の第2号技能実習を修了した方は、これら3つの試験がすべて免除されます。

特定技能の業種別試験に関する詳細は以下の記事もご参照ください。

在留資格「特定技能」の業種別の試験について(ビザマネメディア)

試験の実施国と受験方法

介護技能評価試験および介護日本語評価試験は、日本国内のほか海外でも実施されています。2025年度時点で、海外での介護分野の試験実施国は、フィリピン、カンボジア、インドネシア、モンゴル、ネパール、ミャンマー、スリランカ、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インドの計14か国に拡大しています。

ネパール国内でも介護技能評価試験が実施されており、2019年10月の初回実施から回数を重ねるごとに受験者数・合格者数ともに増加傾向にあります。受験の申し込みはプロメトリック社のウェブサイトから行い、個別のプロメトリックIDが必要です。

特定技能「介護」におけるネパール人の最新動向【2026年3月現在】

ネパール人の特定技能在留者数の推移

出入国在留管理庁の統計によると、特定技能の在留資格を持つネパール人は年々増加しています。2025年6月末時点で特定技能1号のネパール人は約9,381人となり、前年から2,000人以上増加しました。ネパール人は国籍別で第6位に位置しています。

分野別で見ると、ネパール人が最も多く就労しているのが介護分野であり、令和7年6月末時点で約4,713人が介護分野で特定技能1号として働いています。これはネパール人特定技能外国人全体の約50%にあたり、介護分野への集中度が際立っています。次いで外食業分野(約2,873人)、農業分野(約707人)と続きます。

制度開始直後の2019年10月にネパール国内で初めて実施された介護技能評価試験では合格率が0%と非常に低い結果でしたが、その後は日本語教育や介護教育の普及により合格率は大幅に改善しています。ネパール国内では特定技能に関連するビジネスや教育機関が急増しており、日本の介護分野への関心は非常に高い水準が続いています。

介護分野がネパール人に人気の理由

ネパール人の間で介護分野の人気が高い背景には、いくつかの要因があります。

まず、ネパール社会には家族や地域での助け合いの文化が根付いており、年配者を敬う習慣があります。介護の仕事に求められる「思いやり」や「丁寧な対応」は、ネパール人の文化的な価値観と親和性が高いと考えられています。

また、ネパール人の多くは英語を話すことができます。ネパール政府は英語教育に力を入れており、全授業を英語で行う学校も存在します。複数の言語を操れるネパール人は、日本語習得においても比較的適応力が高いといわれています。

さらに、ネパールは国内の雇用機会が限られているため、海外での就労が一般的な選択肢となっています。従来はカタールやサウジアラビアなど湾岸諸国が主要な出稼ぎ先でしたが、近年は労働環境への不安から、治安の良さや労働環境が整った日本への関心が高まっています。

ネパール人を介護分野で採用するメリットと注意点

ネパール人材の強み

ネパール人を介護分野で採用する主なメリットとして、以下の点が挙げられます。

文化的な親和性:ネパールには家に入る際に靴を脱ぐ習慣があるなど、日本の生活習慣と共通点が多くあります。礼儀正しさや年長者を敬う姿勢は、介護の現場で大いに活かされます。

勤勉さと向上心:ネパール人は一般的に勤勉で、仕事を通じてスキルを身につけたいという意欲が高いとされています。仕事に対して真面目に取り組み、日本人の指導にも素直に耳を傾ける傾向があります。

コミュニケーション能力:明るく人懐っこい性格の方が多く、利用者やスタッフとの良好な関係構築が期待できます。英語力の高さも、多言語環境での対応やインバウンド需要への対応に役立ちます。

採用・受入れ時の注意点

ネパール人を採用する際には、以下の点に注意が必要です。

ネパール側の手続き:ネパール国籍の方を海外から新規に受け入れる場合は、日本側の在留資格認定証明書交付手続きに加えて、ネパール側でも海外労働許可証の取得や出国前オリエンテーションの受講、海外労働保険への加入などの手続きが必要です。

宗教・食文化への配慮:ネパールにはヒンドゥー教徒が多く、牛肉を食べない方がいます。また、100を超える民族・カーストが存在する多民族国家であるため、個人の宗教や食習慣を事前に確認し、社員食堂のメニューや生活環境に配慮することが重要です。

時間感覚の違い:ネパールでは時間に対する感覚が日本とは異なる場合があります。入社前のオリエンテーションなどで、日本の職場における時間管理の重要性を丁寧に説明することが大切です。

2025年4月解禁「訪問介護」への従事と今後の展望

2025年3月11日の閣議決定を経て、2025年4月21日から特定技能外国人による訪問介護サービスへの従事が正式に解禁されました。これまで特定技能「介護」では施設系サービスのみが対象でしたが、訪問介護員の有効求人倍率が14倍を超える深刻な人手不足を受けて制度が改正されたものです。

訪問介護に従事するためには、通常の特定技能「介護」の要件に加えて、以下の追加要件を満たす必要があります。

・介護職員初任者研修課程を修了していること

・介護事業所等での実務経験が原則1年以上あること

・受入れ事業者が特定技能協議会から「適合確認書」の発行を受けていること

また、受入れ事業者には、訪問介護の基本事項に関する研修の実施、一定期間の同行訪問によるOJT、キャリアアップ計画の作成、ハラスメント防止対策の整備などが求められます。

この制度改正により、ネパール人を含む特定技能外国人の介護分野での活躍の場がさらに広がることが期待されています。ただし、実際に訪問介護に従事するまでには施設等での実務経験の蓄積が必要であるため、今後段階的に訪問介護に従事するネパール人が増えていくと見込まれています。

2027年4月施行「育成就労制度」の影響

2024年6月に改正入管法が公布され、現行の技能実習制度を廃止し、新たに「育成就労制度」が2027年4月1日に施行されることが決定しました。育成就労制度は「人手不足分野における人材の確保と育成」を明確な目的としており、原則3年間の育成期間で特定技能1号の水準まで育成し、特定技能制度へスムーズに移行できる設計となっています。

育成就労制度では、現行の技能実習制度と比べて外国人の「転籍(転職)」の余地が広がります。これにより、介護分野でも外国人材の流動性が高まることが予想されるため、企業側は働きやすい環境の整備や処遇の改善を通じて、ネパール人を含む外国人介護人材の定着を図ることがこれまで以上に重要になります。

技能実習制度から育成就労制度への移行期間は施行後3年間設けられるため、2030年頃まで両制度が併存する見通しです。介護分野の企業は、新制度への対応を早めに検討しておくことをおすすめします。

外国人介護人材の在留資格管理にはビザマネの活用がおすすめ

特定技能「介護」でネパール人を含む外国人を受け入れる事業所にとって、在留カードの期限管理、偽造確認、届出の管理は大きな業務負担です。特に複数の外国人従業員を雇用している場合、一人ひとりの在留期限や在留資格の種類を正確に把握し、期限切れによる不法就労リスクを防止する必要があります。

「ビザマネ」は、外国人雇用に特有の管理業務を一元化できるクラウドサービスです。在留カードの期限が近づくと本社・事業所・従業員本人に自動でアラートが送信されるため、期限管理漏れを防止できます。また、在留カードの偽造チェックや就労可否判定もシステム上で簡単に行えるため、人事担当者の負担を大幅に軽減できます。

2025年4月の訪問介護解禁や2027年4月の育成就労制度施行により、外国人介護人材の管理はますます複雑化していくことが予想されます。在留資格の管理をシステム化しておくことで、手続きの抜け漏れを防ぎ、コンプライアンスを確保できます。外国人雇用の管理にお悩みの介護事業者様は、ぜひビザマネの導入をご検討ください。

外国人雇用管理システム「ビザマネ」公式サイト

著者 ビザマネメディア編集部

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